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第51話 いざ結婚式へ2

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教会へはまだもう少しかかる



裏路地もここまでだ



ここからは大通りになる
どこに刺客が紛れているかも分からない



 顔を隠してはいるがバレているかもしれない


 コソコソ隠れて行くのもここでは出来ない

 出来ないならもうやっちゃってもいいかなって思う

レオノーラが心配そうに尋ねる



「カ、カイアス様? 何かありましたか?」



「どうした?」



「いえ…… とても悪い顔をしてましたので」



おっと
そんな悪い顔になってたのか?
 

「そりゃもうしっかり悪人顔だったよ」



「うん!ヤバかったーー!」


 相変わらず息ピッタリなセーレとベリスだ


レオノーラには説明しておこうか



「こんな大通りだと人も当然多いが、戦闘になると巻き添えになってしまうだろう だったら俺のスキルで紛れている刺客ごと道を開けてもらえばいいと思ったんだ」



 それに俺は気配を察知するといったスキルはまだ持っていない


〈探知〉は生物の位置の特定であって誰が刺客なのかまでは判断できない



「それが私にとって最善なのは分かります それでも民に対してスキルを使う事は出来ません」



レオノーラは譲らない
なんとかなく予想はしていたが



「分かった ではこのまま行こう だけど俺は常にスキルを発動しておくぞ? 不意を突かれても反応できるように」



「かしこまりました 私のわがままに付き合っていただきありがとうございます やはりカイアス様は………」



 そう言いかけた時、屋根の上からこちらを見る人影を見つけた


そこから炎を纏った矢が飛んでくる


 俺はレオノーラの手を引き、身体を寄せる


「あっ カイアス様、こんなところで………でもカイアス様なら………」


こいつは何を言ってるんだ?



「この女は何を言ってるんだ!!!」



セーレも怒ってる



「命ずる 矢よ 止まれ そのまま放った者の元へ戻れ」



 こちらに飛んできていた矢は空中で停止する
 そして向きを変え屋根の上にいる刺客に向かって飛んでいった


そして直撃して屋根の上で倒れた



特に騒ぎにもならず片付けられた



そのまま教会に到着した



するとデュランが先に着いていた




「カイアス様 お待ちしておりました お怪我はありませんか?」



「いや…無いけど…… なんでここにいるの?」



「こちらで集合のはずでは?」



「いやどうやってここに来たの?さっきの盗賊たちは?」


「ああ あいつらはカイアス様が離れてから数分で片付けました 大通りは人が多いと思いましたので屋根の上を走ってきました」



「………なるほど」



こいつやっぱり優秀だな 


俺もそうすれば良かったかな……



「とりあえず中に入ろうか」



「かしこまりましたわ」



 デュランは入り口を守ると言って中に入らなかった。


中に入る。


内部は神像を先頭に長椅子が並んでいる


 その神像の前にシスターや神父が立っていた
 神像前の台座に大きな分厚い本も置かれていた。


 刺客が教会内にもいると思ったが、スキルは神から授けられるもの、その神を奉る教会を汚す事は絶対の禁忌とされている為、盗賊などの無法者であっても協会は襲わないそうだ


 じゃあラシードって相当ヤベー奴なのではないだろうか…

 だが、とりあえずは教会についた
そこで神父から説明を受ける

 前に聞いた通りだが、大きな本にお互いの名前を記した
 生涯に渡りお互いを支え合うとの誓いも立てた

 誓いの口づけの話も出たが、これはセーレが信じられないくらいの罵声を浴びせてきたのでやめた。



 結婚なんて縁がないものだと思っていたからよく知らなかったが意外と簡単なものだった



1時間くらいで完了した。


 貴族であれば、本来ならここから会場を移してパーティーを開いたりパレードを行ったりする。



しかし、そのまま宿へ戻る



これで選定戦の参加権は得た。
あとは皇帝になればいいだけだ


宿に戻る途中レオノーラが口を開く

「あの……カイアス様 宿に戻ったら話さなくてはならない事があります カリグラ兄様のスキルについてです 正々堂々と皇帝の座を狙いたかったですが、今回の襲撃の件で、もう知りません!
兄様や選定戦に参加する他の家族たちのスキルや情報を知っているだけ話します!」

レオノーラも怒っているようだ

そりゃ神聖な選定戦を始める前に潰そうとしたら正々堂々も何もないだろう

カリグラのスキルか…
一体どんなスキルなのだろうか…
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