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第44話 プロポーズ

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 通路の先に行き着くと大きな広間の様になっていた。
 全てが岩で出来ているのは変わらないが…


 広間の奥には人1人分の段差があった


まるで何かのステージだな



 その段差の上から女性が何かを話している。


その下で兵士達が聞いているようだ



 女性はドレスを着ている。

ここは一応戦場なんだがなぁ



 俺たち2人が広間に入ると女性がこちらに気付いた。



「侵入者よ!あなたたちさっさと始末なさい!」



下にいた兵士たちがこちらを振り向く。



「なんかこいつら目が……」



 不気味な感じだ。操られているように見えた



 その兵士たちは剣を持ってこっちに走ってくる。



 こいつらにはセーレの力を使っても問題ない


どうせ全員殺すから



「セーレ 50%だ」 



俺の姿が変わる



「な、なんですの?あの姿は……?」



 女性はうろたえているが兵士は全く気にする様子もなくこちらに突撃して来た。



 その後ろから矢も飛んできた



デュランがスキルを使う



が、しかし矢はデュランに当たるように直進してきた


辛うじて槍で受け流す



「危なかった……スキルが効かないのか?」



「驚きました こんな事は初めてです なぜかは分かりませんがスキルを使うタイミングを考えてないといけませんね」




「分かった この兵士は俺がやろう」



〈服従〉



「命ずる 兵士たちよ 動くな!」



 こちらに向かって走ってきていた兵士たちは止まらず速度が遅くなる程度だった



「なぜだ?!  なぜ俺の服従が効かないのか?デュランの時といい、こいつら一体何者なんだ?」



セーレが話す



「完全に効果がないわけではないね 上からこっちを見ているあの女のスキルなんじゃないのか?」



確認しないといけないな



〈炎帝〉



「燃えろ!」



 炎が兵士たちを包み身体を焼く
兵士たちは、苦しそうに叫びながら絶命した



「物理攻撃は効くようですね 槍による攻撃も効くでしょう あの女のスキルには注意が必要ですが今は兵士たちを片付けましょう」



「分かった」



兵士は数十名いたが全員倒した



 動きが単調で本当に操られているような動きだった。

 あの女のスキルは、セーレの〈服従〉と同系統のスキルを持っているのかもしれない


俺たちは女性に近付く



「おいお前!護衛は全員死んだぞ?どうする?降伏するか死ぬか選べ!」



 すごい極端な選択肢を与えたが、敵なのは確実だし問題ないだろ



 しかし近くに来て気付いたが、その女性は金色の髪を縦巻き?というのか……
本当に女王様の様な格好だ

ドレスも着ているし……


一体何者だ?


女性が返事をする



「わ、私に降伏しろですって!!私を誰だと思ってるの!」



「お前なんぞ知らん!誰だ?」



「私こそ、ジ=ザグナス皇国 第3皇女!レオノーラ=ザグナスですわよ? 降伏なんてあり得ない! 貴方たちも私に〈魅了〉されるがいいわ!」



そう言うと、レオノーラの目が赤く変わる



スキルを使われた!



何か影響があるのか?
今のところ何ともないが……



「デュラン、お前は平気か?」



「はい 特には何も… 〈魅了〉と言うスキルも聞いたことがありませんね」




レオノーラは驚いた様な表情をしている



「わ、私の〈魅了〉が効かないなんて!」




〈魅了〉

目を合わせた相手を魅了させ、自分の意のままに操れる。女性よりも男性の方が強い効果が出る。



なるほど
そんなスキルがあるのか…
何で俺たちには効かないんだ?



「そりゃデュランにはカイアスという先客がいるからね それにカイアスに関しても私がいるんだ 
 〈服従〉と〈魅了〉なんて操るという意味では似ているかもしれないが性能が違うんだよ!性能が!!」



「そうだ!そうだ!お姉様のスキルがその辺の人間のスキル劣るわけない!!」



「ぼ、僕もそう思います!」



という事らしい



「あ、あなた!名前はなんて言うの?」



 レオノーラがいつ間にか下に降りてきていて、俺に近付いてきた。
どうやって降りたんだ?


 俺に接近してきたが、その少し前でデュランが槍で遮る。

「おい それ以上カイアス様に近付くな」


「まあまあ……俺か?俺はカイアスだが」


「カ、カイアス様…………」



ん?…………様?



「カイアス様!私と共に皇国の首都まで来てくださいませ!」



「え?なんで??」



「もちろん!挙式する為ですわ!私と結婚しましょう!!」



「「「はぁっ?!!!」」」
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