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第43話 見つけた!
しおりを挟むいや…
今する事はデュランを探す事だ
その辺の事はまた後で考えればいいか
俺は新たに見つけた通路を進む
このように隠されているのならヴィクトリアも発見するのは難しいだろうな
先に進んでいると右側に部屋を見つけた
中には武器や防具などの装備が飾られていた
「戦利品を保管しておく場所か?一時的にか……」
「あっ!あれってあの人の槍じゃない?!」
ベリスが何か見つけたみたいだ
そちらの方向を向くと白銀に輝く槍が置いてあった
デュランの槍だ!
これは回収させてもらおう
ここに槍があるから近くにいそうだが
〈破砕〉で周囲をまとめて粉々にしたいがデュランを巻き込んでしまうかもしれない
それは駄目だな
ガン!ガン!
何か音が聞こえるな
この部屋の向かい側の壁から聞こえる気がする
何かあるのか?
壁に近付く
「なんかここから音が聞こえ…」
ドガンッ!
俺が近付いた壁から突然、光輝く何かが飛び出してきた
目の前が崩れて別の部屋が出てきた
そこからアイリーンとデュランが姿を現す
自分の防具を外して形を変えて棒状にしたのか……
アイリーンもいるんだ、この姿を解除した状態で出て行かないと色々面倒だな
一旦保管庫に隠れてからスキルを解除してから行く。
「デュラン!アイリーンさん!無事でしたか?」
「……カイアス」
「カイアスさ…… なぜここに?ヴィクトリア様は?」
「ヴィクトリア様は別のルートで探しています。とりあえずここから脱出しましょう これデュランさんの槍です」
アイリーンもいるからだけど、デュランに敬語を使い慣れていないから変な感じだ
向こうも同じだろうな
「……行こうか」
アイリーンはいつの間にか保管庫から武器を何本か調達していた。
「さてと……どっちから行くべきですかね?」
「……私はヴィクトリア様と合流してから脱出したい」
「いや先に俺たちだけでも脱出するべきでないか?カイアスの〈破砕〉あればこの天井を破壊して地上に出る事も可能だろう」
「……そう なら私は1人ででも探しに行く」
「なぜだ?ヴィクトリア様はSSランク1位だぞ? SSランクが数人かかってもやられる人ではないだろう?」
「……そうじゃない あの人は…………」
「あの人は?」
「………………超が付くほど物凄い方向音痴なの……こんな同じ風景が続く通路の中なんて、絶対に絶対に迷っている」
今、絶対って2回言ったな
「分かった とりあえずは3人で進もう おそらく敵もいるはずだ 戦闘の音が響けば敵も来るだろうがヴィクトリア様も来れるだろう それでいいか?」
アイリーンはコクリと頷く
「では、こちらに進もう 方角などはもう分からない 通路もスキルによっていくらでも変更可能だろう 敵の司令官がいれば捕らえて情報を吐かせるなどできるだろうが……」
「とりあえず進みましょうか ここに来るまでに何人か兵士は倒しました この通路はエングリーズの砦内部まで繋がっているようです そう兵士が話すのを聞きました」
「であれば早急に動かなければ砦が落ちるな……行こう!」
俺たち3人は装備を整えて先に進む。
そこは一本の長い通路だった
先は見えない
そこを俺たちは走り抜ける
道中、何人かの兵士はいたが、その兵士たちも迷っているようで即始末した。
敵もこの通路を把握できていないのか?
それとも別の何かが原因で通路が変更されているのか
理由は分からないが敵も混乱しているようだ
その時だった
「ねえ……これ…」
アイリーンが何かに気づいたようだ
一本道の通路の壁が埋め立てたような後になっている。
俺がそこを〈破砕〉で砕く
すると通路が出て来た。
先にアイリーンが一歩、踏み出すと俺が開けた穴が即座に閉じてしまった。
しまった!分断する罠か!
俺はまた〈破砕〉を使い砕こうとするが砕けない
砕いた瞬間から壁が形成されて穴を開けられない。
「2人とも!私はこっちの道を進むから2人は先に進んで!」
そうアイリーンの声が聞こえる
〈服従〉を使えば止めることが出来るだろうがデュランと2人で進む方が俺にとって都合がいい
「分かった!気をつけてくれ!」
そして俺たち2人になった。
「ふぅーもう弟子を繕わなくていいかな?素が出そうで焦ったよ」
デュランが膝をつき頭を下げる
「カイアス様 数々の無礼申し訳ありません それにSSランクをお一人で相手させる失態も犯しました」
「別にいいよ それよりお前が無事で良かったよ さっさと脱出しよう」
「かしこまりました あと気付いておいでですか?奥の方から何か話し声が聞こえます」
「そうだなぁ」
この通路の奥から何やら揉めている様な声が聞こえる
女性の声だ
敵なら即刻始末してしまおう
それで天井でも壊して脱出したらいい
「じゃあデュラン行くぞ 敵なら始末して脱出するぞ」
「かしこまりました 今度こそお守り致します!」
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