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第42話 捜索開始

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「カイアス ここからは敵のスキルで作られた空間を進む 絶対に油断するじゃないよ?」



分かってる
だが、デュランたちを気にするあまりどうしても急いでしまう。



SSランク2人…
それも物を硬さを操れる2人か



 デュランのスキルでは相性がかなり悪いのではないか?


 本人が攻撃と判断できなければスキルが発動しないとか発動が遅れるって言っていたし…



 いきなり頭上に砂とか投げられて落ちてくるときに硬化したら攻撃と判断するのも遅れそうだ。


セーレが陽気に話す

「逆に私のスキルは相性抜群だからね!SSランク自体に〈服従〉が効かなくても、SSランクが操る物には効果があるはずだから!」


 今回は〈服従〉が効かないなんて事はなさそなので、セーレがさっきからすごい喋る……



「な、なんだよ?私がたくさん話すのはダメだって言うのかい?!」



いや…そういうわけではないけど……



「いいじゃないか!最近、こっちの模様替えで話す事少なかったし、ベリスとベリトは賑やかに楽しそうにあんたと話すし!」



模様替えは終わったのか?



「あーバッチリだよ!また来な!」


とかなんとか話していると、通路の先から話し声が聞こえてきた。



ヤバイ
ここは隠れる場所がない!
どうしたら…



「いや、あんた今透明になってるから 大丈夫でしょ?」


あっそうか……


「カイアスさんって慌てると周り見えなくなるタイプだよねー よく1人で勝手にアワアワしてそうーー」



「ぼ、僕はその気持ち分かるなー 目の前の物だけをなんとか片付けようと必死になっちゃうんだよね……… そ、そういう時はね 深呼吸するだよ……」



ありがとう…ベリト


「え、えへへ」


これでさっきのクリティカルダメージの件は見逃してやろう……

「ご、ごめんなさいー」


あと俺はそんなにアワアワしてない!


「はいはい デュラン助けるんだろ?さっさその声の主でも捕まえて位置を聞き出しな!」



そうだった
それに前からこっちに来る話し声の正体も突き止めないと


 俺は壁に寄って立ち息を潜める
透明になっているだけで音などは消せないし

 完全に消えたわけではないから触れたら当然バレる



こっちに来たのは兵士達だった。
10人ほどが歩いてくる


話し声もハッキリ聞こえる



「SSランクを捕らえたらしいな!」 

「さすがリグド様だ!」

「この道も敵の砦の真ん中に通じてるらしいからな 今回の戦争は俺たちの圧勝だろ」

「それにしてもあの捕らえた女性冒険者はすぐに殺してしまうらしいぞ?Sランクに価値はないとの事で」


Sランクの女性?
アイリーンか!!
こいつらならデュラン達の場所も知っているだろう
聞き出すか………



〈服従〉



「命ずる お前ら動くな そして話すな」


10人兵士は前を向いたまま固まる


後ろから順番に声を上げる


「お前、捕らえた冒険者の位置はどこだ?」


「わ、分かりません」


ヒュッ!ゴト


そんな風音を立てて兵士の首が落ちる



次の兵士にも同じ質問を繰り返す


動けない兵士達の目は恐怖で支配されている


残り3人になった


「お前、捕らえた冒険者の位置は?」


「この先の右側通路を進みその突き当たりの壁内に牢屋へ続く通路が隠されています」

〈服従〉による問いかけで嘘ってつけるのか?

「つけないよ?それは絶対だ まあ不安ならベリスのスキルでも使えば安泰だね」

そうか

「……ご苦労」

俺がそう言うと、残りの兵士たち全員の首が落ちる
その情報さえあれば問題ない


〈服従〉解除

兵士たちの倒れる音が聞こえた。

俺は走ってその場所に向かう
あの状況下で嘘はつけない
兵士の言った通り2つに分かれた通路が出てきた


右へ進む


 さっきは兵士がいたが今は特に見当たらない
既に大部分はエングリーズに進軍したのか?


砦の兵士や冒険者が死のうが、砦が陥落しようがどうでもいいが、デュランだけでも救出しなければ

さらに進むと突き当たりに到着した。
道が左右に分かれている。


しかし、突き当たりの壁内と言っていたな



〈破砕〉


壁が音を立てて崩れる


あの兵士の言う通りだ…
その先には通路が続いていた。

 
 この先にデュラン達がいるのだろう
アイリーンも心配ではあるが、SSランクに到達し得る存在ならここでいなくなってもらった方が今後にとっていいかもしれない。

アイリーンはここで見捨ててしまおうか……
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