上 下
38 / 95

第35話 エングリーズ要塞都市

しおりを挟む

 もう間も無く目的地に着く。
丸5日ほどかかった。



 道中、立ち寄った村々でもデュランは知られていた。
 やはりSSランクともなるとかなりの有名人のようだ

 SSランクに昇格すると名前と顔の似顔絵が各地の都市や村に配布されるらしい。

 どこを拠点にするかも昇格の時に決められるようで、各都市を治める貴族たちは自分の街に来てほしい為、猛烈な勧誘をするのだそうだ。

 なぜデュランがウェグリアの街を選んだのかというと…



「キリガネの武具屋があったので……」



だそうだ。



 SSランクになるような強者の時点で金とか屋敷とかを用意されてもあまり興味を持てないらしい。


 強い魔獣、新しい知識、武器、己を強く更なる高みへ持って行ってくれる。


そういう風なものに惹かれるらしい



俺はよくわからない



が、この移動は色々と勉強になった。



 スキルの使い方もある程度は理解が進んだ。


 それにベリスとベリトのスキルもだ




まあ目的地が見えてきた……




 さすが防衛砦だ。国境線と思われるラインには、スキルで作られたであろう壁や木の柵、バリケード、見張り台も一定間隔で作られている。


あれは投石機か?
岩だけでなくスキルで作る爆弾なんかも飛ばすのだろう



 兵士も戦争が始まるのを察知しているのか分かっているのか慌ただしい様子だ。


 俺たちが街の入り口まで行くと兵士が走ってきた、そして1列に並び敬礼する。


 その奥から指揮官と宰相のような2人がきた。



「【龍槍】デュラン様 遠路遥々、ようこそおいで下さいました。おや?そちらの方は?」


 そういや【龍槍】とか二つ名あったな
SSランクはみんな持ってるんだったな

 そしてこの宰相みたいな奴だが、既得権益大好きみたいな奴が出てきた。

 異様に腰が低く、手をニギニギしている。



 こういう奴は相手によってコロコロ態度を変えて、下の者に対してはデカい横柄な態度を取るクズ野郎タイプだ。



「私もこいつ嫌いー なんか黒い影があるー」



ベリスが反応している
 

セーレ、黒い影ってなんだ?  



「こいつ多分、悪魔憑きだね。ただ私たちにも気付かないような下等な奴だ。人間に入れ知恵してるんだろうね。
 人間の欲望とかそういうのが好きなんだろう 魔界から出てまでそんな事をするなんて物好きもいたもんだ。」



まあ俺たちに害がないなら放っておいてもいいだろう。




「こちらはカイアス ウェグリアのSランク冒険者だ。私の弟子というわけではないが同行している。」



「これはこれはSランク冒険者のカイアス様ですね。私はこのエングリーズ要塞の防衛補佐をしております、ガージールと申します。以後、御見知りおき下さい……」



そしてもう1人の大剣を持った男が話しかける。



「私は、ジェラルド=エングリーズだ。この砦の防衛隊長を務めている。一応、街を治めている身ではあるが、その辺りはガージールに一任している。何かあればガージールに言ってくれ。よろしく頼む。」




「よろしくお願いします。」





 こいつがエングリーズを治めている貴族か…

貴族というより武人だ

 こういった奴は、街の統治を補佐に任せて自分は戦争に明け暮れるタイプだろう

 街内の環境も見ておくべきだ。


 俺と同じようなドロップアウトなんて呼ばれて酷い扱いを受けてしまっている者がいたら助けなくては


 それにウェグリアにはフィーナがいる。ウェグリアに連れて行けばなんとかなるはずだ。


 だが、スキルが開花しない者……



 既に〈魔神〉や〈大天使〉などがいる
他にもいる可能性がある。


セーレもよく分かっていないようだし



補佐のガージールが話す



「さっ!こんな所で立ち話もなんです
砦内の応接室へ案内致します。ではこちらへ!」



俺たちは応接室へ案内される。
そこへの移動の途中でデュランが問いかける。



「他にSSランクの冒険者は来ているのか?この帝国には10人いるだろう」



「既に3名が到着しております。デュラン様で4人目になります。しかし、既にそれぞれの宿舎に戻ったり近隣で鍛錬しております。」




「そうか。また挨拶しておこう」




3人のSSランクが既に到着している。



 この戦争では皇国に勝利してもらわなければならない。



SSランクは可能な限り無力化しておこう



応接室での話が終わればその宿舎に向かう。
 
相手が誰かを知っておかなければ


ガージールに対してベリスのスキルを使うか

「私に任せなさい!何でも覗いちゃうからねー」

「が、頑張ってね。お姉ちゃん、カイアスさん」

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

虚無からはじめる異世界生活 ~最強種の仲間と共に創造神の加護の力ですべてを解決します~

すなる
ファンタジー
追記《イラストを追加しました。主要キャラのイラストも可能であれば徐々に追加していきます》 猫を庇って死んでしまった男は、ある願いをしたことで何もない世界に転生してしまうことに。 不憫に思った神が特例で加護の力を授けた。実はそれはとてつもない力を秘めた創造神の加護だった。 何もない異世界で暮らし始めた男はその力使って第二の人生を歩み出す。 ある日、偶然にも生前助けた猫を加護の力で召喚してしまう。 人が居ない寂しさから猫に話しかけていると、その猫は加護の力で人に進化してしまった。 そんな猫との共同生活からはじまり徐々に動き出す異世界生活。 男は様々な異世界で沢山の人と出会いと加護の力ですべてを解決しながら第二の人生を謳歌していく。 そんな男の人柄に惹かれ沢山の者が集まり、いつしか男が作った街は伝説の都市と語られる存在になってく。 (

のぞまぬ転生 暴国のパンドラ

夏カボチャ
ファンタジー
逆恨みから1000回目の転生に繋がる異世界転生、全ての世界の経験が1人の元少女を強くする!

スキル【アイテムコピー】を駆使して金貨のお風呂に入りたい

兎屋亀吉
ファンタジー
異世界転生にあたって、神様から提示されたスキルは4つ。1.【剣術】2.【火魔法】3.【アイテムボックス】4.【アイテムコピー】。これらのスキルの中から、選ぶことのできるスキルは一つだけ。さて、僕は何を選ぶべきか。タイトルで答え出てた。

「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした

御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。 異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。 女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。 ――しかし、彼は知らなかった。 転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――

転生王子の異世界無双

海凪
ファンタジー
 幼い頃から病弱だった俺、柊 悠馬は、ある日神様のミスで死んでしまう。  特別に転生させてもらえることになったんだけど、神様に全部お任せしたら……  魔族とエルフのハーフっていう超ハイスペック王子、エミルとして生まれていた!  それに神様の祝福が凄すぎて俺、強すぎじゃない?どうやら世界に危機が訪れるらしいけど、チートを駆使して俺が救ってみせる!

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜

ワキヤク
ファンタジー
 その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。  そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。  創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。  普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。  魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。  まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。  制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。  これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

処理中です...