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第31話 魔神!怒る!
しおりを挟む「カイアス 私のカイアスすぐに助けてあげるからね?もう少しだけ頑張ってね?」
「い、いえお構いなく…」
俺も馬人間さんも、うわぁって感じになってる。
こんな恋愛拗らせたみたいな奴だったか?
こっちに来てから様子がおかしいぞ?
「あのー…カイアスさん……でいいっすか?」
突然、馬人間が俺に話しかける。
お前さっきまでの威勢はどうした。
なんで敬語なんだ
「……なに?」
「そこで今、怒り散らしながら殺す殺す叫んでいる方はもしや。かの魔神アウグ様……ですか?」
アウグ……?ああーセーレの事か……
なんでこいつがセーレの事を知っているんだ?
やっぱりセーレがここから離れた理由・スキルになった理由も知らないままだ。
俺はセーレという女性の事を予想以上に知らないのかもしれない
「うん、そうだけど?」
その返事を聞いた馬人間の顔から汗が吹き出す。
「あ、ああああ!! 魔神だあぁぁ!!魔神が復活したあぁぁ!!」
馬人間サミジナは俺からすぐに離れ、叫び声を上げて空へと逃げた。
それを見たセーレも即座に反応する。
「逃すかぁーーー!!」
〈縛鎖〉
鎖が10本ほど出現し、空中の馬人間に向かって高速で伸びる。
そして両手足、翼、顔に鎖が巻きつけられる。
〈雷帝〉
鎖に電気を流し馬人間が感電する。
馬人間の叫び声が空に響き渡る。
そして地面に落下した。
凄い…
100%の〈縛鎖〉は一気に複数召喚してかなりの距離を高速で操れるのか
操る範囲も俺とは別格だ。
それに鎖に電気を流す使い方も出来るなんて
あんな感じのセーレだけど、やはりスキルの使い方は上手だ。
参考になる。
少し焦げた臭いのする馬人間が俺たちの前に落下する。
セーレが不気味な笑顔を浮かべながら
馬人間にユラユラと近付く。
そして〈服従〉を使う。
「おい!!命ずる。スキル〈奪取〉よ。私の元へ降れ!そしてお前は吹き飛べーーー!!」
先程と同じで馬人間から光が抜け、その光がセーレの中に入る。
その後、風が馬人間を空中へ巻き上げる。
鎖が巻きついているから上手く飛べないようだ。
そして、セーレが指をパチンッと鳴らす。
すると鎖から炎が上がり、爆発を起こした。
「セーレ!今の鎖のやつはどうやっ…グムッ!!」
セーレの胸が目の前に飛んできた。
「大丈夫だったかい?怪我はしてない?」
「大丈夫!大丈夫だから!なんかこっちに来てからおかしくないか?」
「現実で触れ合える機会はないからね。それに魔界は私みたいな魔神にとって最高の環境なんだ。だから調子がとてもいいんだ。迷惑だった……?」
急に可愛い感じになるなよ
こっちの調子は狂うなぁ
「いや?迷惑じゃないよ?でも、まあ心配しすぎな面は直してくれ。」
これで獲得したスキルは2つか……
次は攻撃系のスキルが良いけど、
攻撃に関しては既に強い物を獲得しているからなぁ
「セーレ。それでさっきの鎖が炎に包まれたのはどうやったんだ?教えてくれ!」
「あれは、鎖に炎を仕込むんだ。カイアスが炎で鎖を作ったりとスキルを混ぜる方法を作り出したからね。私なりに考えてたんだ!
私は全てのスキルを100%で使えるから威力も充分だしね!」
やはり新しいスキルも大切だとは思うが100%を当たり前のように維持して、さらにスキルの習熟度も上げないとダメだな
それを改めて認識する。
「よし!セーレ次行こうか セーレのスキルの使い方も勉強になるし、新しいスキルを俺が使うのも楽しみだ」
セーレは笑顔で答える。
「そうだね。新しいスキルを使うのは楽しみだね。それにカイアスならすぐに私の様にスキルも扱えるさ。100%は難しいかもしれないが、いつか出来るようになるだろう。でもそこまで急がなくてもいいさ」
そして、俺たち2人は湖を迂回して奥にある山へ向かう為、草原を歩いていく。
セーレの事に関してはやはり聞きにくい
以前100%を使えるようになれば記憶が共有されるから分かるようになると言っていたな。
でも今は100%を目指さなくていいと言ってるようにも聞こえる。
でもその記憶の情報量に人間の精神では耐えられない
セーレ……君は一体何者なんだ?
その疑問の答えを知るのはまた少し先だった。
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