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第28話 SSランクの最高峰
しおりを挟む金色の髪、白色の髪、2色の髪が風になびく。
アイリーン、スキル〈聖剣〉神の加護を持ちSSランクに到達する存在
「また?また〈服従〉が効かなさそうな奴らが………」
なんかセーレが落ち込み始めた。
放っておく。
そしてもう1人は誰だ?
「デュランあの金髪女性は誰だ?分かるか?だが、お前をそこまでやったんだから相当な実力者なんだろ?」
「ええ。彼女はおそらく……いや、確実に………」
金色の髪の女性がデュランの話を遮る。
「何をコソコソ話している!貴様もそいつの仲間か?邪悪な姿だ。その槍使いと共に私が始末してやろう!!」
話聞いてくれないタイプか
侵攻してるから当然なんだろうが……
少しでも情報が欲しい。
デュランのスキルは一対一ならほぼ最強格なのに、あの人は傷一つ付いていない。
デュラン相手にそれが可能なのか?
だが、もう余力はあまり無い。撤退を最優先で行く。
「俺たちは目的を達成した!これより撤退させてもらう」
金髪の女性が剣先をこちらに向け話す。
「それをこの私、ヴィクトリア=ドーラの前でさせるとでも?」
ドーラ?ドーラと言ったか?
「デュラン!」
「はい。やはりドーラ家 この帝国、ゴールドーラを治める皇帝の血族か おそらくSSランクの冒険者であり…」
ヴィクトリアがこちらの話をまた遮って話す。
「ほう?そこの槍使い!少しは詳しいようだな?これから貴様らを殺す者の事を教えてやろう。 私こそがSSランク冒険者序列1位だ。スキルは……」
〈神速〉
超高速で動ける。
単純だが、強力なスキルだ。
しかし、わざわざ自分のスキルを教えるとは、それだけ余裕という事だろうか
だが、これで対策も出来る。
どんなスキルでも人間が扱える限界があるはず。
ヴィクトリアが剣を構える。目の色が赤色に変わった!
「デュラン!来るぞ かま………」
目の前で火花が散った。
俺の左肩から血が出る。
デュランが槍で防いでくれたおかげだ。
デュランが居なければ左腕ごと落ちていただろう。
ヴィクトリアは俺たちより数十メートル後ろに立っている。
これが〈神速〉か…
「デュラン!助かった。あいつの攻撃が見えるのか?」
「いえ!見えません!しかしスキルを使うタイミングは分かります。それにあの高速移動を人間の胴体視力で制御出来るとは思えません!直線に進んでいるだけではないかと考えます。」
「なるほどな。じゃあ対策もできるか……次で決めよう」
ヴィクトリアがまた剣を構える。
目で追えない速度、おそらく直接にしか移動出来ないなら、こうする!!
ヴィクトリアの姿が消える…
瞬間に合わせて俺の周囲にスキル
〈刀剣〉で刀・剣、様々な刀剣を数十本を展開する。
ガキンッ!!
俺の右側の刀から火花が散る。姿は見えないが防げたようだ。
俺もデュランもダメージを受けていない
やはりそうか。これがこのスキルの攻略法
ヴィクトリアが笑う。
「なかなかやるな!もう私のスキルに対応してくるとは。では少し攻め方を変えるとしよう。いつまでもつかな」
なんだ攻め方を変える?
「カイアス様!何か仕掛けてきます。スキルを使われる前に攻撃し撤退を!もう1人にも参戦されたらそれこそ厳しい!」
「分かった!」
〈炎帝〉〈縛鎖〉〈雷帝〉
雷は牽制の為の、遠距離攻撃だ。
とにかくヴィクトリアに向けて撃ちまくる。
そして、炎で俺たちの周囲に壁を作る。
しかしこれはただの壁ではない
混合スキル 〈縛鎖:焔〉
炎を凝縮して編んだ鎖。
ただの炎に見える為、高速で突入でもしたら炎の鎖で八つ裂きにし燃やしてやる。
スキルが複数使える、混ぜる事も出来る今の俺の特権
たとえSSランク1位でもその俺に対応するのは難しいはず
それに、どんな高速でも存在が消えているわけではない。
つまり、あいつが来る場所に武器を置いておく。
これが今、俺が用意できる最善策だ。
ヴィクトリアの姿が消えた!
これであいつも終わりだ!!
「なかなかの対策だ。考えられている。侵入者ながら見事である。」
俺とデュランの間に立っている。
鎖を抜けたのか?!直線しか、進めないのにどうやって?!
「私のスキルを知って、それでも諦めなかった者達は同じような対策を立てる。直線にしか進めないはず…と。確かに間違ってはいない。
だが、その対策の対策をしないわけがなかろう?それに私には〈神速〉の世界が視えている。残念だったな。では、槍使い。貴様から死ね!」
「デュラン!!!!」
セーレすまない。また心配させてしまう
「カイアス?」
「セーレ!!一瞬だ。ほんの少しだけの時間で良い!!100%だ!」
「カイアス!ダメだ!!」
黒い霧が俺も含め、周囲を包み込む。
「カ、カイアス様?」
デュランの声が聞こえる
「な、なんだ?!」
ヴィクトリアの声もだ。
あ゛あ゛ああああ!!!
全身が焼けるようだ。
姿が………
記憶が………
俺は……………誰だ?
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