5 / 95
第5話 怒り
しおりを挟む
ダールの農場についた
もう夕方だが、どこにいるだろうか?
いた!こっそり近付くか
「ったく。カイアスの野郎!適当な仕事やりやがって。ドロップアウト如きに仕事を与えてやってるのに…」
このクソ野郎!怒りが込み上げる
適当な仕事?農地の開拓を18時間も休みなくやらせた上に休憩しようとすれば、こいつのスキル〈投石〉で小石をぶつけられる。
お前はただ酒飲んでただけのくせに!
この……クソやろう…!
「だめだ!落ち着け!!」
セーレが話しかける。
「なんだ?邪魔をするなよ」
「怒りでスキルのコントロールがブレてる!50%から75%まで上がってる。そんな状況で怒りに任せて〈服従〉を使えば暴走するぞ?お前の復讐はこんな簡単に終わっていい物でも、軽い物でもないだろ!!」
ああそうだった。俺が苦しみ続けた7年間はこんな怒りに任せたもので終わっていいものではない。
「セーレ……。ありがとう…」
「いいさ。カイアス。お前は私にとって当たりなんだ。人の命は短いが、ようやく楽しめそうなんだ。こんなことで終わらないでくれよ?」
「セーレ……。お前今までどんな奴のスキルだったんだ?というかいつからスキルに?何者だ?」
「レディにそういう質問をするもんじゃないよ?その内教えてやるよ。融合度100%に達したら記憶も共有だから嫌でも知る事になるけどねぇ。今まで100%を達成した宿主はいないけど!」
とりあえずこのジジイはどうしてやろう
〈透明〉〈浮遊〉〈気配隠蔽〉解除
ダールが気付いたようだ。
「あん?お前誰だどこから入った?!
お?お前カイアスか?なんだその格好は?余裕あるなら働け!!また石ぶつけられたいか?ああ?!」
こいつはどこまでいってもダメだろうな。
「………ダール」
「何だ!落ちこぼれ!また痛い目に合わせてやるよ!スキル〈投石〉!」
ダールの後ろの岩が持ち上がりこちらに飛んでくる。人の拳くらいの大きさだ。速度もある。
「俺はなぁ!もうドロップアウトじゃねぇんだよ!!命ずる。岩よ砕けろ!」
こちらに飛んできていた岩が砕けて散らばった。
「な、何しやがった?!スキルが使えるのか?」
「もうお前に言うことはない……。苦しんで死ね!!命ずる。ダールの手足の骨よ、折れろ!」
ゴキッ!ボキッ!
嫌な音がした。
「がああああああ!!」
ダールが地面に転がりまわる。
「痛いか?苦しいか?俺はこれよりもっと辛い目にあっていたんだよ。お前には家族もいたな?そいつらにも同じ苦しみを与えてやる」
「ま、待て!待ってくれ!家族は関係ないだろ!俺を殺しても構わん!家族には手を出すなー!!」
セーレが口を挟む。俺にしか聞こえないが
「へぇーこいつこんな感じなのに家族想いなんだねぇー。ねぇ?どうするの?慈悲を与えるの?容赦しないの?」
もちろん。後者だ。
こいつの家はあそこか。明かりがついてるな。またこの〈服従〉の力を試そう。
「おいダール。命ずるお前の家から目を離すな! そして命ずる!!風よ竜巻となり、そこの家を薙ぎ倒せ!!」
「や、やめろ!やめてくれ!頼むお願いだ」
巨大な竜巻はダールの家に向かって進み続ける。そして、家を跡形もなく消し飛ばし、竜巻も消えた。
「ああああああー!!!」
ダールの叫び声が響き渡る。
……虚しい
「…ダール。……命ずる。首の骨よ。折れろ」
ゴキッ
そして俺の復讐は一段落した。
森に帰るか。思ったより虚しいものだな。
「なんだいなんだい?辛気臭い顔しちゃって。お前を苦しめた奴を一族ごと滅ぼしたんだ!少しは気分も晴れただろう?あのジジイの叫び声最高だったじゃないか?」
「いや…思ったより虚しいもんだなーと思ってさ。今日は仕事明けだったし疲れた。帰って一旦寝るよ」
「そうかい……」
〈空間転移〉
スキルを複数使えるのは本当に便利だ。
一瞬でイメージした通り、森まで帰って来れた。フィーナももういないようだ。
そういえば、〈服従〉を使えば家も簡単なんじゃないか?
「命ずる。木々よ、1つにまとまり土台となれ。おお!?」
木が曲がり大きなドーム状になった。
その上に登る。何か使えるスキルは……
これだな。
〈物質変換〉〈刀剣〉〈重量変換〉
木の葉に触れる。するとそこだけまた木材になった。〈刀剣〉で鋭利な刃物を空中から召喚できた。
それで木を切り床にする。
〈重量変換〉で重さも変えて家を建てる。
2時間ほどで家ができた。
1階建てだが、以前よりもしっかりした作りだ。必要な物も食品以外はスキルで作れる。
ベッドや机なども揃えた。普通の民家と変わらない程度には作れた。
いい出来だ!
腹も減ったなぁ。魔獣でも狩るか。
セーレが反応した。
「狩りかい?!いいねぇ。狩りは大好きだ。 〈服従〉を使えば簡単に倒せる。試しに行ってみな!」
「あーそうするよ。でも疲れたなぁ。スキルなんて使ったことないから慣れてないのか?」
「そんなもんだよ。周囲の人間はスキルの調整を早くて5歳から学ぶんだ。お前は17で開花。他の奴らがスキルで何をしようと考えている時、お前は手足の動かし方を学んでいるんだ。身体能力が高い分、覚えも早いがね」
そんなもんなのか。
その内慣れるだろうし、これからどうするか考えないとなぁ
とりあえず魔獣狩るか。何かいい感じのやついないかなぁー
そうして家を出る。
もう夕方だが、どこにいるだろうか?
いた!こっそり近付くか
「ったく。カイアスの野郎!適当な仕事やりやがって。ドロップアウト如きに仕事を与えてやってるのに…」
このクソ野郎!怒りが込み上げる
適当な仕事?農地の開拓を18時間も休みなくやらせた上に休憩しようとすれば、こいつのスキル〈投石〉で小石をぶつけられる。
お前はただ酒飲んでただけのくせに!
この……クソやろう…!
「だめだ!落ち着け!!」
セーレが話しかける。
「なんだ?邪魔をするなよ」
「怒りでスキルのコントロールがブレてる!50%から75%まで上がってる。そんな状況で怒りに任せて〈服従〉を使えば暴走するぞ?お前の復讐はこんな簡単に終わっていい物でも、軽い物でもないだろ!!」
ああそうだった。俺が苦しみ続けた7年間はこんな怒りに任せたもので終わっていいものではない。
「セーレ……。ありがとう…」
「いいさ。カイアス。お前は私にとって当たりなんだ。人の命は短いが、ようやく楽しめそうなんだ。こんなことで終わらないでくれよ?」
「セーレ……。お前今までどんな奴のスキルだったんだ?というかいつからスキルに?何者だ?」
「レディにそういう質問をするもんじゃないよ?その内教えてやるよ。融合度100%に達したら記憶も共有だから嫌でも知る事になるけどねぇ。今まで100%を達成した宿主はいないけど!」
とりあえずこのジジイはどうしてやろう
〈透明〉〈浮遊〉〈気配隠蔽〉解除
ダールが気付いたようだ。
「あん?お前誰だどこから入った?!
お?お前カイアスか?なんだその格好は?余裕あるなら働け!!また石ぶつけられたいか?ああ?!」
こいつはどこまでいってもダメだろうな。
「………ダール」
「何だ!落ちこぼれ!また痛い目に合わせてやるよ!スキル〈投石〉!」
ダールの後ろの岩が持ち上がりこちらに飛んでくる。人の拳くらいの大きさだ。速度もある。
「俺はなぁ!もうドロップアウトじゃねぇんだよ!!命ずる。岩よ砕けろ!」
こちらに飛んできていた岩が砕けて散らばった。
「な、何しやがった?!スキルが使えるのか?」
「もうお前に言うことはない……。苦しんで死ね!!命ずる。ダールの手足の骨よ、折れろ!」
ゴキッ!ボキッ!
嫌な音がした。
「がああああああ!!」
ダールが地面に転がりまわる。
「痛いか?苦しいか?俺はこれよりもっと辛い目にあっていたんだよ。お前には家族もいたな?そいつらにも同じ苦しみを与えてやる」
「ま、待て!待ってくれ!家族は関係ないだろ!俺を殺しても構わん!家族には手を出すなー!!」
セーレが口を挟む。俺にしか聞こえないが
「へぇーこいつこんな感じなのに家族想いなんだねぇー。ねぇ?どうするの?慈悲を与えるの?容赦しないの?」
もちろん。後者だ。
こいつの家はあそこか。明かりがついてるな。またこの〈服従〉の力を試そう。
「おいダール。命ずるお前の家から目を離すな! そして命ずる!!風よ竜巻となり、そこの家を薙ぎ倒せ!!」
「や、やめろ!やめてくれ!頼むお願いだ」
巨大な竜巻はダールの家に向かって進み続ける。そして、家を跡形もなく消し飛ばし、竜巻も消えた。
「ああああああー!!!」
ダールの叫び声が響き渡る。
……虚しい
「…ダール。……命ずる。首の骨よ。折れろ」
ゴキッ
そして俺の復讐は一段落した。
森に帰るか。思ったより虚しいものだな。
「なんだいなんだい?辛気臭い顔しちゃって。お前を苦しめた奴を一族ごと滅ぼしたんだ!少しは気分も晴れただろう?あのジジイの叫び声最高だったじゃないか?」
「いや…思ったより虚しいもんだなーと思ってさ。今日は仕事明けだったし疲れた。帰って一旦寝るよ」
「そうかい……」
〈空間転移〉
スキルを複数使えるのは本当に便利だ。
一瞬でイメージした通り、森まで帰って来れた。フィーナももういないようだ。
そういえば、〈服従〉を使えば家も簡単なんじゃないか?
「命ずる。木々よ、1つにまとまり土台となれ。おお!?」
木が曲がり大きなドーム状になった。
その上に登る。何か使えるスキルは……
これだな。
〈物質変換〉〈刀剣〉〈重量変換〉
木の葉に触れる。するとそこだけまた木材になった。〈刀剣〉で鋭利な刃物を空中から召喚できた。
それで木を切り床にする。
〈重量変換〉で重さも変えて家を建てる。
2時間ほどで家ができた。
1階建てだが、以前よりもしっかりした作りだ。必要な物も食品以外はスキルで作れる。
ベッドや机なども揃えた。普通の民家と変わらない程度には作れた。
いい出来だ!
腹も減ったなぁ。魔獣でも狩るか。
セーレが反応した。
「狩りかい?!いいねぇ。狩りは大好きだ。 〈服従〉を使えば簡単に倒せる。試しに行ってみな!」
「あーそうするよ。でも疲れたなぁ。スキルなんて使ったことないから慣れてないのか?」
「そんなもんだよ。周囲の人間はスキルの調整を早くて5歳から学ぶんだ。お前は17で開花。他の奴らがスキルで何をしようと考えている時、お前は手足の動かし方を学んでいるんだ。身体能力が高い分、覚えも早いがね」
そんなもんなのか。
その内慣れるだろうし、これからどうするか考えないとなぁ
とりあえず魔獣狩るか。何かいい感じのやついないかなぁー
そうして家を出る。
0
お気に入りに追加
729
あなたにおすすめの小説
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
全校転移!異能で異世界を巡る!?
小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。
目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。
周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。
取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。
「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」
取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。
そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件
月風レイ
ファンタジー
普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。
そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。
そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。
そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。
そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。
食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。
不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。
大修正中!今週中に修正終え更新していきます!
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる