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エピローグ「報告書 プロジェクト・アルジャーノン」

検体名　　アルジャーノン
氏名　　　葦原イズモ（≒小久保ソウジ、一条ソウジ）
生年月日　２００６年３月２９日
血液型　　ＡＯ
父親　　　一条ソウジ
母親　　　小久保ハルミ（一条ハルミの場合あり）
支給端末　レデクス３（レッド・エクスペリメンツ No.003）
支給日　　２０２１年３月２９日

・テラ0000～テラ0043まで存在を確認。
　現在、並行世界はテラ-0108からテラ0255まで３６４の世界を確認済み。
　当検体が一条ソウマと小久保ハルミの子として最初に産まれた世界をテラ0000とする。

・テラ0000にて、一条ソウジとして誕生。両親と共にアリステラ戦役に参加。
　アリステラ戦役とは、１０万年前に存在した超古代文明と現代文明による戦いを指す。
　他者の肉体への憑依能力等を持つ特殊能力者・遣田ハオトによって身体を支配され、世界に甚大な被害を与える。

・テラ0001にて、小久保ソウジとして誕生。
　小久保ハルミにより、アリステラ戦役に巻き込まれぬよう児童養護施設「太陽の子の家」に預けられ、葦原イズモという仮称が与えられる。
　この世界でも遣田ハオトに憑依されるが、小久保ハルミが当検体と共に心中する。
　テラ0001においてアリステラ戦役は終結。
　アリステラ戦役の詳細は別紙参照のこと。

※別紙とは、「ひとりの少女を守るために７０億の命を犠牲になんてできないから、ひとりの少女を犠牲にしてみた結果、事態がさらに悪化した件。」のこと。

・アリステラ戦役終結後、オルフィレウスの匣の存在を人類がはじめて確認。
　匣が持つ世界を書き換える力を使用し、アリステラ文明の存在自体が抹消されたテラ0002が創造される。
　テラ0002以降の世界は匣をめぐる戦いに突入する。

・テラ0002～テラ0032まで、当検体はテラ0001と同様に「太陽の子の家」に預けられるようになる。

・テラ0028にて、ヒラサカグループが開発したレデクス３を当検体に支給。検体名をアルジャーノンとする。
　当検体の匣化（スペア化）に成功し、その解析が進められるが、数十年に渡る解析の途中、テラ0028からその姿を消す。無意識下でテラ0029を創造したと推測される。

・テラ0029にて、自らＤＮＡを書き換えて誕生する。遺伝子操作は受精卵の段階で行っていたものと推測される。
　テラ0028において匣化していたため、オルフィレウスの匣のスペアとなっていたが本人に自覚なし。
　検体名ロリコ・ケットシーにオリジナルの匣を破壊させ、自らをオリジナルに昇格させた後、無意識下でテラ0030を創造したとみられる。

・テラ0030にて、無意識下で比良坂コヨミ（＝ウィルキンズ司教の匣）を比良坂イズミとして転生させ、テラ0029までの記憶を抹消し、その力を封印する。

・テラ0031にて、無意識下で検体名ロリコ・ケットシーと検体名シヨタ・クーシーを、葦原リコと葦原リアとして転生させ、ウィルキンズ司教の匣（＝比良坂イズミ）を一条ソウマに破壊させる等を行ったと推測される。
　これにより、スペアの存在しなかったウィルキンズ司教の匣が空席となる。

・テラ0032にて、葦原リコにテラ0029の記憶を取り戻させ、空席となっていたウィルキンズ司教の匣とする。
　これにより、当検体は自らや葦原リコが匣でありながらも、匣をめぐる戦いは終結したと見せかけたと推測される。

・テラ0033～テラ0042までの間、匣がまだ世界に存在することさえ誰にも気づかせずに世界を書き換え続けたが、当検体や葦原リコもそれに気づいていなかったと思われる。

・テラ0043にて、葦原リア（シヨタ・クーシー）により当検体と葦原リコの存在が匣として認知され、破壊される。
　葦原リアがオルフィレウスの匣でありウィルキンズ司教の匣でもある新たな匣となりテラ0044を創造する。

・テラ0044、葦原リアは自ら海底に身を隠し、匣が人類の手に渡らないようにしたが、２３世紀半ばに発見される。
　以降、発見されては新たな世界を創造し、様々な方法で自らの存在が人類の手に渡らないようにしていたと推測されるが、現在のテラ0255までに２００回以上世界が書き換えられていることから、葦原リアの人格は数万年から数十万年の時を生き、すでに崩壊しているものと推測される。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　テラ0255　西暦２０２３年１月１１日
　　　　　　　　　　　　　　　　　　報告者　 　フィリア・ピクシー・ヒラサカ