139 / 161
【第五部 異世界転移奇譚 NAYUTA 2 - アトランダム -(RENJI 5)】もしもしっくすないんしてる途中で異世界転移しちゃったら。
第139話
しおりを挟む
ピノアは、秋月リサとは17年も共に一つ屋根の下で暮らした。
秋月文書も読んだ。
秋月文書に書かれていたことが本気だとは思っていなかったから、これまでは後手に回ってしまっていたが、本気だとわかった以上、ある程度は行動が予測できた。
自ら魔人となることに成功したリサは、レンジとふたりだけの王国を作ろうとしていることは間違いない。
だから、レンジを拉致したのだ。
そのためにラ・ムー大陸を選んだ。
光学迷彩魔法インビジブルにより、大陸自体が外部から視認できず、そこに存在した帝国は、数ヵ月前に世界の理を変える力によって存在自体が消され、今は誰も住む者がいないだけでなく、大陸自体が結晶化したエーテルで構成されているからだ。
エーテルは凝縮することにより結晶化する。ピノアをはじめとするテラの魔法使いたちは魔法を放つ際、エーテルが結晶化する直前まで凝縮させることにより、精霊から借りた力を最大限に発揮することができる。
テンス・テラのアンフィスは、神の子と呼ばれるに相応しい優れた魔法の才能の持ち主であり、無自覚とはいえ大厄災の魔法を放つことができた最初の存在であると同時に、魔法以外にも槍以外の武器の扱いに長けていた。その腕は、竜騎士の歴史上最強と呼ばれたニーズヘッグを上回るほどだった。
アンフィスは武器を持たず、エーテルを結晶化させることにより武器を精製し、戦いの最中でその形状を戦況に合わせて変化させることができた。
考えたこともなかったが、今思えば結晶化したエーテルは、凝縮の逆のこと、つまりは膨張、拡散、蒸発などをさせることができるのだろう。だからアンフィスは武器の形状を自由に変化させることができたのだ。
アンフィスの話は、リサにしたことがあった。どんな男で、どんな力を持っていたのか。
だからリサはきっと、ピノアさえも気づかなかったアンフィスの技のからくりにたどり着いたに違いない。
そして、結晶化したエーテルを一度膨張させ、形状を変化させることによって、城を作り、大量破壊兵器による自動迎撃システムさえも作り出したのだ。
だが、アンフィスの武器の精製や形状の変化とは、リサがしたことはあまりにも規模が違いすぎる。
もしかしたら、液体金属である魔人の血をそこに混ぜ、ラ・ムー大陸全体のエーテルを自由自在に操れるようにしたのかもしれない。
ジパングでは結晶化したエーテルをヒヒイロカネと呼ぶが、液体金属である魔人の血と日本神話における神の金属ヒヒイロカネとの合金は、まさしく超合金と言ったところだろう。
おそらく、レンジもまた魔人にするつもりだ。もうされているかもしれない。
29歳だったリサは、テラに転移してきたとき17歳の身体になっていた。
それが、かつてピノアがリバーステラに転移した際に、ステラと共に魔人であることを捨て、ただの人の34歳の自称「超美人すぎる超仕事のできる女」から、アルビノの魔人の永遠の17歳(実際には4000歳以上、見た目は13,4歳の合法ロリ)に戻ってしまったようなものなのか、リサをテラに転移させた棗弘幸や加藤麻衣による世界の理を変える力によるものなのかはわからない。
だが、自分が17歳の身体に戻った以上、34歳になってしまったレンジをリサがそのままにしておくとは思えない。
ふたりは五歳年が離れた兄妹だったから、きっとレンジを22歳にし、互いに不老長寿の魔人として、リバーステラの神話の神々のように兄妹で子どもをたくさん産む気だろう。
だがリサは、時の精霊オロバスの魔法を使うことを許されてはいない。許されているのは、救厄の聖者であったピノアとステラとレンジ、それにイルルとサタナハマアカだけだ。
レンジが自らリサの思い通りの行動を取るとは思えないが、彼は優しい。リサは彼にとって妹であると同時に、父親代わりでもあった。
きっと彼は、リサをリバーステラに置き去りにしてしまったことに負い目を感じている。
サクラはもう17歳だ。今年18歳になる。リバーステラでも18歳になって就職する者はいくらでもいる。
12歳で置き去りにしてしまったリサのために、レンジがリサを選ぶ可能性がないとは言いきれなかった。
それが今度はステラやサクラを置き去りにしてしまうことになったとしても。
ピノアは2021年から38年までを秋月家の養女として過ごしてきたが、2023年に2歳のナユタを世界の理を変える力によって殺そうとした5歳のムスブを封印するまでの2年間は、リバーステラにはエーテルがあった。
テラに何か起きたとしてもステラやレンジたちがいる。
リバーステラに何かあったときは戦える者が誰もいない。
だから次元の精霊の魔法がなぜか使えないと苦しい言い訳をして帰れないふりをした。
結果として、ムスブがナユタを殺そうとした。五歳のときと、数ヵ月前の二度も。
それだけでなく、今度はリサが同時多発した世界の危機のひとつになってしまった。
この現状は、まるでミステリー漫画の主人公が行く先々で殺人事件に巻き込まれたり、バトル漫画の主人公が存在するために世界の脅威となる者が次々と訪れるようだ。
自分がリバーステラにいたせいで、罪もない人々が危険にさらされている。
まるで死神だ。
自分はすぐにテラへ帰るべきだったのだろうか。
リサをテラに、レンジのもとに転移させるべきだったのだろうか。
たらればの話をいくらしても仕方がないのはわかっていた。
あのときは帰るなんていう選択肢はピノアにはなかったからだ。
ステラとレンジが幸せそうに笑い合うのを見ているのがつらかった。帰りたくなかった。サトシやタカミやミカナ、真依、リバーステラは、秋月家や雨野家はピノアにとって逃げ場所だった。
それにリサを連れてテラに転移したところで、同じ思いを彼女にさせてしまうだけだったろう。
大義名分を理由に、本音を隠して逃げ続けてきた結果が現状なら、リサは自分が止めなければいけない。
レンジとステラを助けだし、リサの心を救わなければならない。
三人には何も言わずに行こう。
ひとりで抱え込むなよ、と言われているような気がしていても、実際にそう言われたとしても、ひとりでやらなきゃいけないことがあるのだ。
秋月文書も読んだ。
秋月文書に書かれていたことが本気だとは思っていなかったから、これまでは後手に回ってしまっていたが、本気だとわかった以上、ある程度は行動が予測できた。
自ら魔人となることに成功したリサは、レンジとふたりだけの王国を作ろうとしていることは間違いない。
だから、レンジを拉致したのだ。
そのためにラ・ムー大陸を選んだ。
光学迷彩魔法インビジブルにより、大陸自体が外部から視認できず、そこに存在した帝国は、数ヵ月前に世界の理を変える力によって存在自体が消され、今は誰も住む者がいないだけでなく、大陸自体が結晶化したエーテルで構成されているからだ。
エーテルは凝縮することにより結晶化する。ピノアをはじめとするテラの魔法使いたちは魔法を放つ際、エーテルが結晶化する直前まで凝縮させることにより、精霊から借りた力を最大限に発揮することができる。
テンス・テラのアンフィスは、神の子と呼ばれるに相応しい優れた魔法の才能の持ち主であり、無自覚とはいえ大厄災の魔法を放つことができた最初の存在であると同時に、魔法以外にも槍以外の武器の扱いに長けていた。その腕は、竜騎士の歴史上最強と呼ばれたニーズヘッグを上回るほどだった。
アンフィスは武器を持たず、エーテルを結晶化させることにより武器を精製し、戦いの最中でその形状を戦況に合わせて変化させることができた。
考えたこともなかったが、今思えば結晶化したエーテルは、凝縮の逆のこと、つまりは膨張、拡散、蒸発などをさせることができるのだろう。だからアンフィスは武器の形状を自由に変化させることができたのだ。
アンフィスの話は、リサにしたことがあった。どんな男で、どんな力を持っていたのか。
だからリサはきっと、ピノアさえも気づかなかったアンフィスの技のからくりにたどり着いたに違いない。
そして、結晶化したエーテルを一度膨張させ、形状を変化させることによって、城を作り、大量破壊兵器による自動迎撃システムさえも作り出したのだ。
だが、アンフィスの武器の精製や形状の変化とは、リサがしたことはあまりにも規模が違いすぎる。
もしかしたら、液体金属である魔人の血をそこに混ぜ、ラ・ムー大陸全体のエーテルを自由自在に操れるようにしたのかもしれない。
ジパングでは結晶化したエーテルをヒヒイロカネと呼ぶが、液体金属である魔人の血と日本神話における神の金属ヒヒイロカネとの合金は、まさしく超合金と言ったところだろう。
おそらく、レンジもまた魔人にするつもりだ。もうされているかもしれない。
29歳だったリサは、テラに転移してきたとき17歳の身体になっていた。
それが、かつてピノアがリバーステラに転移した際に、ステラと共に魔人であることを捨て、ただの人の34歳の自称「超美人すぎる超仕事のできる女」から、アルビノの魔人の永遠の17歳(実際には4000歳以上、見た目は13,4歳の合法ロリ)に戻ってしまったようなものなのか、リサをテラに転移させた棗弘幸や加藤麻衣による世界の理を変える力によるものなのかはわからない。
だが、自分が17歳の身体に戻った以上、34歳になってしまったレンジをリサがそのままにしておくとは思えない。
ふたりは五歳年が離れた兄妹だったから、きっとレンジを22歳にし、互いに不老長寿の魔人として、リバーステラの神話の神々のように兄妹で子どもをたくさん産む気だろう。
だがリサは、時の精霊オロバスの魔法を使うことを許されてはいない。許されているのは、救厄の聖者であったピノアとステラとレンジ、それにイルルとサタナハマアカだけだ。
レンジが自らリサの思い通りの行動を取るとは思えないが、彼は優しい。リサは彼にとって妹であると同時に、父親代わりでもあった。
きっと彼は、リサをリバーステラに置き去りにしてしまったことに負い目を感じている。
サクラはもう17歳だ。今年18歳になる。リバーステラでも18歳になって就職する者はいくらでもいる。
12歳で置き去りにしてしまったリサのために、レンジがリサを選ぶ可能性がないとは言いきれなかった。
それが今度はステラやサクラを置き去りにしてしまうことになったとしても。
ピノアは2021年から38年までを秋月家の養女として過ごしてきたが、2023年に2歳のナユタを世界の理を変える力によって殺そうとした5歳のムスブを封印するまでの2年間は、リバーステラにはエーテルがあった。
テラに何か起きたとしてもステラやレンジたちがいる。
リバーステラに何かあったときは戦える者が誰もいない。
だから次元の精霊の魔法がなぜか使えないと苦しい言い訳をして帰れないふりをした。
結果として、ムスブがナユタを殺そうとした。五歳のときと、数ヵ月前の二度も。
それだけでなく、今度はリサが同時多発した世界の危機のひとつになってしまった。
この現状は、まるでミステリー漫画の主人公が行く先々で殺人事件に巻き込まれたり、バトル漫画の主人公が存在するために世界の脅威となる者が次々と訪れるようだ。
自分がリバーステラにいたせいで、罪もない人々が危険にさらされている。
まるで死神だ。
自分はすぐにテラへ帰るべきだったのだろうか。
リサをテラに、レンジのもとに転移させるべきだったのだろうか。
たらればの話をいくらしても仕方がないのはわかっていた。
あのときは帰るなんていう選択肢はピノアにはなかったからだ。
ステラとレンジが幸せそうに笑い合うのを見ているのがつらかった。帰りたくなかった。サトシやタカミやミカナ、真依、リバーステラは、秋月家や雨野家はピノアにとって逃げ場所だった。
それにリサを連れてテラに転移したところで、同じ思いを彼女にさせてしまうだけだったろう。
大義名分を理由に、本音を隠して逃げ続けてきた結果が現状なら、リサは自分が止めなければいけない。
レンジとステラを助けだし、リサの心を救わなければならない。
三人には何も言わずに行こう。
ひとりで抱え込むなよ、と言われているような気がしていても、実際にそう言われたとしても、ひとりでやらなきゃいけないことがあるのだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる