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【第五部 異世界転移奇譚 NAYUTA 2 - アトランダム -(RENJI 5)】もしもしっくすないんしてる途中で異世界転移しちゃったら。
第90話
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ふーん、こーいう風にやれば、わたしもお母さんやピノアちゃんみたいに魔人になれるんだー。
サクラは思った。
彼女の目の前にはリサがいた。しかし、リサには彼女の姿は見えてはいなかった。
同じバルコニーに彼女はおり、リサがたった今したことの一部始終を彼女は見ていた。
彼女はインビジブルの魔法で姿を消していたのだ。
サクラはこの数ヵ月の間、魔法の勉強を独学でするようになっていた。
父や母やイルル、サタナハマアカから教わることもできたが、彼女はそうはしなかった。
動機が不純だったからだ。
父や母たちはサクラが使えるようになりたい魔法を知らないか、知っていてもきっと教えてはくれないだろうとわかっていた。
きっかけは、彼女が物心ついたときには世界からすでに失われていた魔法が、ナユタが持っていた力によって復活したことだ。
それから、おなにーを覚えことだった。
そして、ピノアが以前、千古に使った媚薬の魔法「フロディズイア」を、自分に使ってみたかったからだった。
あのとき千古は、本当に気持ち良さそうにしていた。
耳や首筋を少し触ったりなめたりしただけですぐにイッてたし、サクラやピノア、かぐややまきみに身体中を責められて、100回くらいイッていた。
千古は、自分よりも幼そうな見た目だったが、その言動は頭がすごく良さそうで、大人っぽい子だった。
だが、短時間でイカされすぎたためか、その後から急に、幼い見た目と同じか、もっと幼い口調で、えっちなことばかり口にする、バカっぽい女の子になっていた。
あるいは、そのときにピノアが言った、
「千古 性奴隷 調教計画、補完完了」
という言葉通りに「性奴隷」に「調教」されてしまったのかもしれない。
そもそもサクラには「性奴隷」や「調教」が何なのかもわからなかったが。
でも、えっちなことだということはわかったよ! ピノアちゃん!!
女王である母は、大賢者と呼ばれていた叔母のピノアと同じくらい優れた魔法使いであったらしい。
父はふたりほどではないものの、かなりの魔法の使い手で、それだけではなく剣術にも長け、世界で唯一の魔法剣の使い手だった。
魔法戦士は器用貧乏で、魔法は魔法使いには及ばず、剣術も戦士には及ばないとされていた。
だが父は、魔法剣という技を編み出すことによって、器用貧乏な存在ではなくなり、魔法戦士の上位互換である魔法剣士になったのだ。
だからきっと自分には魔法の才能があるだろうということはわかっていた。魔法剣も使えるかもしれなかった。
案の定、独学でもエウロペの魔法はすぐにすべて使えるようになった。
だが、サクラが使えるようになりたかった媚薬の魔法「フロディズイア」は、ゲルマーニの医療魔法であった。
医療魔法の本は、エウロペの城の図書室にはなかったが、城で働いてくれている、友達と言ってもよいほど仲のよいメイドのププルによれば、世界中を旅し、あらゆる国の独自の魔法を会得したイルル・ヤンカンシュの部屋にならあるかもしれないとのことだった。
ちなみにププルは、オムライスにケチャップで絵を書くのが画家レベルに上手で、食事をおいしくする魔法にまで長けていた。
だからサクラは、真夜中にイルルの部屋にインビジブルの魔法で忍びこむことにした。
「何か用かい? サクラ」
イルルは眠っているように見えたが、彼女の侵入にすぐ気づき、そう声をかけてきた。
「ご、ごめんなさい! 勝手に部屋に入っちゃって……」
だが、イルルは一切怒ってはいなかった。
「キミが独学で魔法の勉強をしてることは気づいてたよ」
そろそろエウロペの魔法をすべて使えるようになる頃かなと思っていた、と彼女は言った。
「うん、使えるようになった……
だから、ゲルマーニの医療魔法も覚えたくて……」
サクラがそう言うと、イルルはゲルマーニの医療魔法書を貸してくれた。
「キミが使いたい魔法はちゃんとこの本にあるよ」
と。
イルルは、何でもお見通しだった。
ピノアが大賢者になる前は、彼女が大賢者だったと聞いたことがあった。
ピノアは、母が持っていたあまりに強大すぎる力をふたつに分けた存在であり、ふたりは元の一人には戻ることはできないようだったが、イルルは同じように力を分けられた存在にも関わらず一人に戻ることができ、その強大すぎる力をコントロールしており、自分の意思で二人に分かれることもできるらしかった。
つまり、イルルは母やピノアよりも優れた魔法使いなのだ。
サクラはピノアのことが大好きだった。母よりも好きかもしれなかった。
だが、彼女はサクラから見てもおバカさんだった。
国のお金で、えっちな服をたくさん買っては、サクラに着せて写真をバシャバシャ撮り、魔法プリンターというマキナまで作り、写真集や日めくりカレンダーを「世界中にサクラのかわいさを広めるため」というわけのわからない理由で販売するようなやばい人だった。
それが救厄聖書の次に売れているというこの世界も相当やばかったけれど。
だから、ピノアよりもイルルの方が大賢者にふさわしいんじゃないかと思っていた。
「媚薬の魔法を使えるようになりたくて、魔法を勉強するのって変かな?」
サクラが正直に話すと、イルルは意外そうな顔をした。
「もしかして、と思ってただけだったんだけど、やっぱりそうだったんだね」
と、イルルは笑った。かまをかけられたのだ。
サクラの顔は真っ赤になった。
「えっちな子だって思う?」
「思う。へんたい。どすけべ」
もー、とサクラが頬を膨らませると、
「でも、動機なんて、何だっていいんじゃないかな」
と、イルルはサクラの頭を撫でながら、そう言ってくれた。
サクラは思った。
彼女の目の前にはリサがいた。しかし、リサには彼女の姿は見えてはいなかった。
同じバルコニーに彼女はおり、リサがたった今したことの一部始終を彼女は見ていた。
彼女はインビジブルの魔法で姿を消していたのだ。
サクラはこの数ヵ月の間、魔法の勉強を独学でするようになっていた。
父や母やイルル、サタナハマアカから教わることもできたが、彼女はそうはしなかった。
動機が不純だったからだ。
父や母たちはサクラが使えるようになりたい魔法を知らないか、知っていてもきっと教えてはくれないだろうとわかっていた。
きっかけは、彼女が物心ついたときには世界からすでに失われていた魔法が、ナユタが持っていた力によって復活したことだ。
それから、おなにーを覚えことだった。
そして、ピノアが以前、千古に使った媚薬の魔法「フロディズイア」を、自分に使ってみたかったからだった。
あのとき千古は、本当に気持ち良さそうにしていた。
耳や首筋を少し触ったりなめたりしただけですぐにイッてたし、サクラやピノア、かぐややまきみに身体中を責められて、100回くらいイッていた。
千古は、自分よりも幼そうな見た目だったが、その言動は頭がすごく良さそうで、大人っぽい子だった。
だが、短時間でイカされすぎたためか、その後から急に、幼い見た目と同じか、もっと幼い口調で、えっちなことばかり口にする、バカっぽい女の子になっていた。
あるいは、そのときにピノアが言った、
「千古 性奴隷 調教計画、補完完了」
という言葉通りに「性奴隷」に「調教」されてしまったのかもしれない。
そもそもサクラには「性奴隷」や「調教」が何なのかもわからなかったが。
でも、えっちなことだということはわかったよ! ピノアちゃん!!
女王である母は、大賢者と呼ばれていた叔母のピノアと同じくらい優れた魔法使いであったらしい。
父はふたりほどではないものの、かなりの魔法の使い手で、それだけではなく剣術にも長け、世界で唯一の魔法剣の使い手だった。
魔法戦士は器用貧乏で、魔法は魔法使いには及ばず、剣術も戦士には及ばないとされていた。
だが父は、魔法剣という技を編み出すことによって、器用貧乏な存在ではなくなり、魔法戦士の上位互換である魔法剣士になったのだ。
だからきっと自分には魔法の才能があるだろうということはわかっていた。魔法剣も使えるかもしれなかった。
案の定、独学でもエウロペの魔法はすぐにすべて使えるようになった。
だが、サクラが使えるようになりたかった媚薬の魔法「フロディズイア」は、ゲルマーニの医療魔法であった。
医療魔法の本は、エウロペの城の図書室にはなかったが、城で働いてくれている、友達と言ってもよいほど仲のよいメイドのププルによれば、世界中を旅し、あらゆる国の独自の魔法を会得したイルル・ヤンカンシュの部屋にならあるかもしれないとのことだった。
ちなみにププルは、オムライスにケチャップで絵を書くのが画家レベルに上手で、食事をおいしくする魔法にまで長けていた。
だからサクラは、真夜中にイルルの部屋にインビジブルの魔法で忍びこむことにした。
「何か用かい? サクラ」
イルルは眠っているように見えたが、彼女の侵入にすぐ気づき、そう声をかけてきた。
「ご、ごめんなさい! 勝手に部屋に入っちゃって……」
だが、イルルは一切怒ってはいなかった。
「キミが独学で魔法の勉強をしてることは気づいてたよ」
そろそろエウロペの魔法をすべて使えるようになる頃かなと思っていた、と彼女は言った。
「うん、使えるようになった……
だから、ゲルマーニの医療魔法も覚えたくて……」
サクラがそう言うと、イルルはゲルマーニの医療魔法書を貸してくれた。
「キミが使いたい魔法はちゃんとこの本にあるよ」
と。
イルルは、何でもお見通しだった。
ピノアが大賢者になる前は、彼女が大賢者だったと聞いたことがあった。
ピノアは、母が持っていたあまりに強大すぎる力をふたつに分けた存在であり、ふたりは元の一人には戻ることはできないようだったが、イルルは同じように力を分けられた存在にも関わらず一人に戻ることができ、その強大すぎる力をコントロールしており、自分の意思で二人に分かれることもできるらしかった。
つまり、イルルは母やピノアよりも優れた魔法使いなのだ。
サクラはピノアのことが大好きだった。母よりも好きかもしれなかった。
だが、彼女はサクラから見てもおバカさんだった。
国のお金で、えっちな服をたくさん買っては、サクラに着せて写真をバシャバシャ撮り、魔法プリンターというマキナまで作り、写真集や日めくりカレンダーを「世界中にサクラのかわいさを広めるため」というわけのわからない理由で販売するようなやばい人だった。
それが救厄聖書の次に売れているというこの世界も相当やばかったけれど。
だから、ピノアよりもイルルの方が大賢者にふさわしいんじゃないかと思っていた。
「媚薬の魔法を使えるようになりたくて、魔法を勉強するのって変かな?」
サクラが正直に話すと、イルルは意外そうな顔をした。
「もしかして、と思ってただけだったんだけど、やっぱりそうだったんだね」
と、イルルは笑った。かまをかけられたのだ。
サクラの顔は真っ赤になった。
「えっちな子だって思う?」
「思う。へんたい。どすけべ」
もー、とサクラが頬を膨らませると、
「でも、動機なんて、何だっていいんじゃないかな」
と、イルルはサクラの頭を撫でながら、そう言ってくれた。
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