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【第五部 異世界転移奇譚 NAYUTA 2 - アトランダム -(RENJI 5)】もしもしっくすないんしてる途中で異世界転移しちゃったら。
第83話
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レンジは高校2年の冬に異世界転移し、この世界に定住してしまっていたが、1年のときも2年のときも、担任教師だったのはその棗という日本史教師だった。
「わたしがJKだったのはもう10年以上前だけどさ、びっくりしたよ。
先生、全然老けてなかったから。
三十前後くらいのままでさ」
「ぼくが高校に通ってたのはその五年くらい前だけど、その頃もそれくらいにしか見えなかった」
「もしかしたら、真依さんやミカナちゃんも知ってるかもしれないね。同じ高校だし。お兄ちゃんよりさらに10年以上前になるけど。
あ、そうだ。お兄ちゃんのクラスに、加藤麻衣って子もいたりした?」
「いたような気がする……
ぼくと同じで、友達がいない子で、すごく人見知りで……」
「結構かわいい子で、先生にだけ懐いてなかった?」
その通りだった。
「先生だけが老けてないのは、芸能人と一般人の四十代五十代が全然違うみたいな感じで、肌のケアとかでどうにかなるものかもしれないけどさ、加藤さんもあの頃のままだったんだよね。
しかもこの制服着てた。
先生はナユタくんのことも知ってたから、今はナユタくんの担任で、加藤さんもナユタくんのクラスメイトかも」
そんなことがあの世界であるのだろうか?
この絵に描いたような中二病のリサ(仮)は、リニアモーターカーの中で、その棗という教師に「秋月レンジくんに会いたいですか?」と急に話しかけられたという。
「わたしは、ずっとお兄ちゃんに会いたかった。
何ヵ月前に一週間くらい一緒に過ごせたけど、あのあと、どうして自分も一緒にお兄ちゃんについていかなかったんだろうってずっと後悔してた」
そして、棗自身もまた、リサをレンジのもとに送りたがっていたという。
だが、一体なぜだろうか。
「そういえば、先生から伝言を頼まれてた。
『アカシックレコードがまもなくテラに来る。
必要な情報をすべて収集し終わり、150億年かけて蓄積されたありとあらゆる情報が君たちの敵になる』
って、お兄ちゃんとステラさんに伝えてって言ってた」
テラにまた、新たな脅威が訪れるということだろうか。
しかも、リサ(仮)だけでなく、ナユタやピノアをこちらに送る?
なぜ、リバーステラの一日本史教師である彼が、アカシックレコードのことを知っているのだろうか。
アカシックレコード自体は、リバーステラでもその存在は語られていた。
ウィキペディアにだって詳細は載っているし、レンジと父が好きだった変身ヒーローの中には、タイムトラベルを可能とする乗り物がアカシックレコードにアクセスして時の運行を管理していたり、アカシックレコードにアクセスし検索し閲覧する力を持つ者もいた。
しかし、あくまであるかもしれないというレベルのものであり、レンジたちがかつて壊滅させた「我々」という組織以外は、リバーステラにはアカシックレコードがどこに存在するかを知る者はいない。本当に存在するのかどうかすらわかる者はいないはずだった。
「わたしは、先生に、大人になったわたしを加藤さんみたいに高校生の頃にしてくれるなら、先生の話に乗るって言った。
そしたら加藤さんがちらってわたしを見て、それだけでわたしは高校生の頃の身体になってた。服まで変わってた」
そして、リサ(仮)は、ゆらぎに包まれ、異世界転移したという。
棗は、そして、加藤麻衣とは、一体何者なのだろう。
それに、この絵に描いたような中二病患者は、本当にリサなのだろうか。
「お父さんお母さん、お客さん?」
女王の間にサクラが顔を出した。
サクラはどうやら、以前ナユタやピノアがこの世界に来た頃に、おなにーすることをおぼえてしまったらしい。
レンジにべったりだった子が部屋でおなにーばかりして過ごすようになってしまっていた。
「あっ、サクラちゃん、ひさしぶり!
わたしのことわかる?」
「うん、わかるよ、リサさんだよね?
でも、どうしたの?
車にひかれたの?」
「ほらー! サクラちゃん、一発でわたしだってわかってくれたのに、なんでお兄ちゃんもステラさんもわかってくんないかなー」
「お父さん? 妹のリサさんが、リサさんだってわからないの?
サクラも眼帯とか包帯とかしただけでわからなくなっちゃうの?」
あ、いや、そういうわけじゃ、とレンジが言いかけた瞬間、女王の間にまたゆらぎが現れた。
そこに現れた、しっくすないんの真っ最中のナユタとピノアを、レンジもステラもリサ(仮)も、特にサクラがガン見した。
「わたしがJKだったのはもう10年以上前だけどさ、びっくりしたよ。
先生、全然老けてなかったから。
三十前後くらいのままでさ」
「ぼくが高校に通ってたのはその五年くらい前だけど、その頃もそれくらいにしか見えなかった」
「もしかしたら、真依さんやミカナちゃんも知ってるかもしれないね。同じ高校だし。お兄ちゃんよりさらに10年以上前になるけど。
あ、そうだ。お兄ちゃんのクラスに、加藤麻衣って子もいたりした?」
「いたような気がする……
ぼくと同じで、友達がいない子で、すごく人見知りで……」
「結構かわいい子で、先生にだけ懐いてなかった?」
その通りだった。
「先生だけが老けてないのは、芸能人と一般人の四十代五十代が全然違うみたいな感じで、肌のケアとかでどうにかなるものかもしれないけどさ、加藤さんもあの頃のままだったんだよね。
しかもこの制服着てた。
先生はナユタくんのことも知ってたから、今はナユタくんの担任で、加藤さんもナユタくんのクラスメイトかも」
そんなことがあの世界であるのだろうか?
この絵に描いたような中二病のリサ(仮)は、リニアモーターカーの中で、その棗という教師に「秋月レンジくんに会いたいですか?」と急に話しかけられたという。
「わたしは、ずっとお兄ちゃんに会いたかった。
何ヵ月前に一週間くらい一緒に過ごせたけど、あのあと、どうして自分も一緒にお兄ちゃんについていかなかったんだろうってずっと後悔してた」
そして、棗自身もまた、リサをレンジのもとに送りたがっていたという。
だが、一体なぜだろうか。
「そういえば、先生から伝言を頼まれてた。
『アカシックレコードがまもなくテラに来る。
必要な情報をすべて収集し終わり、150億年かけて蓄積されたありとあらゆる情報が君たちの敵になる』
って、お兄ちゃんとステラさんに伝えてって言ってた」
テラにまた、新たな脅威が訪れるということだろうか。
しかも、リサ(仮)だけでなく、ナユタやピノアをこちらに送る?
なぜ、リバーステラの一日本史教師である彼が、アカシックレコードのことを知っているのだろうか。
アカシックレコード自体は、リバーステラでもその存在は語られていた。
ウィキペディアにだって詳細は載っているし、レンジと父が好きだった変身ヒーローの中には、タイムトラベルを可能とする乗り物がアカシックレコードにアクセスして時の運行を管理していたり、アカシックレコードにアクセスし検索し閲覧する力を持つ者もいた。
しかし、あくまであるかもしれないというレベルのものであり、レンジたちがかつて壊滅させた「我々」という組織以外は、リバーステラにはアカシックレコードがどこに存在するかを知る者はいない。本当に存在するのかどうかすらわかる者はいないはずだった。
「わたしは、先生に、大人になったわたしを加藤さんみたいに高校生の頃にしてくれるなら、先生の話に乗るって言った。
そしたら加藤さんがちらってわたしを見て、それだけでわたしは高校生の頃の身体になってた。服まで変わってた」
そして、リサ(仮)は、ゆらぎに包まれ、異世界転移したという。
棗は、そして、加藤麻衣とは、一体何者なのだろう。
それに、この絵に描いたような中二病患者は、本当にリサなのだろうか。
「お父さんお母さん、お客さん?」
女王の間にサクラが顔を出した。
サクラはどうやら、以前ナユタやピノアがこの世界に来た頃に、おなにーすることをおぼえてしまったらしい。
レンジにべったりだった子が部屋でおなにーばかりして過ごすようになってしまっていた。
「あっ、サクラちゃん、ひさしぶり!
わたしのことわかる?」
「うん、わかるよ、リサさんだよね?
でも、どうしたの?
車にひかれたの?」
「ほらー! サクラちゃん、一発でわたしだってわかってくれたのに、なんでお兄ちゃんもステラさんもわかってくんないかなー」
「お父さん? 妹のリサさんが、リサさんだってわからないの?
サクラも眼帯とか包帯とかしただけでわからなくなっちゃうの?」
あ、いや、そういうわけじゃ、とレンジが言いかけた瞬間、女王の間にまたゆらぎが現れた。
そこに現れた、しっくすないんの真っ最中のナユタとピノアを、レンジもステラもリサ(仮)も、特にサクラがガン見した。
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