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第6話 もしもえっちなことをしてる最中に異世界転移しちゃったら ①
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初恋の女の子が異世界に住んでいると言ったら、信じてくれる人は誰かいるだろうか。
雨野ナユタはそんなことをたまに思う。
彼は異世界に行ったことはないし、だから当然その女の子と話したこともない。
写真を見たことがあるだけだ。
ナユタの家には、よく父や母や叔母の友達が遊びに来る。
銀髪で赤い目をした女の人で、ナユタが物心ついたときから見た目が全く変わらない。
母も叔母も美容にはかなり気を遣っているから、年よりも大分若く見えるが、その人はずっと少女のままだった。
ナユタが高校生になる頃には、その人と同い年か、ナユタの方が年上に見られるようになった。
ナユタはずっとその人のことを外国人だと思っていた。
けれど、その人は一ヶ月ほど前に、いつものようにナユタの部屋に遊びにくると、急に自分の身の上話を始めた。
赤ん坊の頃から面倒を見てもらっており、もう長い付き合いになるが、その人の言動はいつも唐突でまったく読めない。
そして、その身の上話は、どう考えても、何度聞き返しても、この世界の話ではなかった。
魔法だとか、魔物だとか、そういうテレビゲームのような単語ばかりが出てくる話だった。
「あれ? わたしがこの世界の人間じゃないってナユタは知らなかったっけ?」
そんな風に唐突に異世界人であることをカミングアウトしてきた。
どうやら、母は異世界には行ったことがないが、父と叔母は行ったことがあったらしかった。
父と叔母はその世界でその人と知り合い、そしてナユタが生まれる何ヵ月か前に、今度は異世界からその人が来たのだという。
実にややこしい話だった。
その身の上話の途中で、その人は家族の写真を見せてくれた。
そして、その人の姪にあたるサクラという女の子の写真に、ナユタは一目惚れしてしまった。
サクラは、その人にとてもよく似ていた。
その人は銀髪で赤い目をしていたが、サクラは髪も目も黒かった。
その人はすぐえっちなことを言うし、ノックもせずに部屋に入ってきては、タイミング悪くナユタがオナニーをしていたりすると、手伝ってあげよっか? と言ってきたりもする。
その人はそんな風にいつもバカっぽかったけれど、サクラは清楚で頭が良さそうだった。
サクラの写真はその人のスマホの中にあり、着替え中やきわどい衣装を着せられ恥ずかしそうにしているものもあった。
全部パソコンにコピーさせて欲しいと言うと、
「え? もしかして、ナユタの好みってサクラみたいな子なの?」
その人はとても嬉しそうにして、
「ナユタ、ひさしぶりにおっぱいあげよっか? 出ないけど。でも今なら出そうな気がする」
と、まったく意味がわからないことを言った。
叔母もたまにそんなことを言っていた。
どうやらナユタはなかなか乳離れができない子だったらしく、母だけでなく叔母やその人のおっぱいをよく吸いたがったらしかった。
「吸うっていうか、舐める感じだったんだよね、ナユタは。舐め方が超えろくて。
あとね、あんまり痛くない程度に、痛気持ちいいみたいな? そういう噛み方もしてくるから、わたし結構やみつきになってたんだよね。何回かイカされたし」
そんなカミングアウトまでされてしまい、ナユタは初恋の女の子の写真に一目惚れした直後に、その子の叔母の発言で勃起させられてしまった。
実の叔母をイカせたこともあったらしかった。何その舌技。おっぱいだけで女の人ってイクの?
その一週間後、ナユタは、部屋のベッドに寝転がってVRMMORPGをプレイしていた。
ログアウトしゴーグルを外すと、隣にサクラが寝ていた。
あれ? ログアウトしたのに、まだそこは現実じゃなくて別のVR世界だったみたいな? と思った。
何度ログアウトしても、現実に戻れないみたいな?
でも、現実でもVRでも、夢でも何でもいいや、と思った。
一週間前に一目惚れしたばかりの、異世界にいるはずの女の子が目の前にいるのだ。
写真よりもかわいかった。
いいにおいがした。
しばらくサクラを眺めていると、彼女はナユタに抱きついてきた。
それだけじゃなく、キスをせがんできた。
どうやら寝ぼけているようだった。
無理矢理引き剥がすのは何だか気が引けたし、もったいない気もしたから、そのままでいることにした。
けれど、あまりにキスをせがんでくるので、我慢できなくなってキスをしてしまった。
キスなんてしたことがなかった。はじめてだった。
サクラは今度は舌をからめてきた。
その頃にはナユタもさすがに、それがVRでも夢でもなく、現実であり、その子はサクラじゃないと気づいていた。
ウィッグとカラコンをしてサクラになりすましているその人だと。
「サクラちゃんのことがかわいいって言ったから、やきもちやいたの?」
と、その人の耳元でささやいてみた。
からかわれたから、からかい返しただけのつもりだったが、その人は顔を真っ赤にして、
「そうだよ」
と言った。
「わたし、ナユタが好きだもん」
その人には、双子の姉がいて、はじめて好きになった人が同じ男の人だったそうだ。
その人は選ばれなくて、サクラが生まれた。
今度はサクラにナユタを取られるのかと不安になり、いてもたってもいられなくなり、そんなおかしな行動に走ってしまったのだという。
「わたしじゃだめかな?
サクラじゃなきゃだめかな?」
その人は、小さな身体を小刻みに震わせていた。
「わたしがあっちの世界に帰れないみたいに、ナユタもあっちには行けない。
サクラには会えないよ?
でも、わたしはいつでもナユタに会える。
それにわたし、これ以上年とらないよ?
ずっとこのままなの。
だから、そのうちナユタの方が大人になる。合法ろりだよ?」
その人が、必死になる気持ちは、過去の恋愛のせいだということはわかっていた。
でも、どうして自分なのか不思議だった。
それまで異性として意識したことがなかったけれど、その人はとてもかわいかった。
言動はバカっぽいけど、バカだと思ったことは一度もなかった。頭がとてもいいことは知っていた。
その人以外にも、父や母や叔母の友達はたくさんいて、年に数回は家にたくさんの人が集まることがあった。
いつもまわりに気を配っていて、みんなを楽しませる役割を演じていた。
きっと、そのせいでたくさん損をしてきただろうけれど、そういう風にしか生きられない、器用そうで不器用な優しい人だということを、ナユタは知っていた。
ナユタは、その人を、ピノア・オーダー・ダハーカを抱きしめた。
「ぼく、気づくの遅かったみたい。
ピノアちゃんのこと、ずっと好きだったみたい」
「わたしは、ナユタがわたしの背を追い越した頃から、ナユタが好きだったよ。
ナユタは、わたしのこと、ちゃんとわかってくれてるの知ってたから」
雨野ナユタの初恋は、異世界に住む、会ったこともない、写真でしか見たことがない女の子だった。
けれど、彼がその女の子に一目惚れをしてしまったのは、その子にそっくりな女の子が、彼が生まれたばかりの頃からそばにいたからだった。
本当の初恋は、それよりもずっと前から始まっていた。
そして、付き合いはじめて三週間が過ぎた今日、ふたりは部屋でえっちなことをしていた。
無我夢中でお互いを求めあっていると、ふたりはいつのまにか異世界にいた。
雨野ナユタはそんなことをたまに思う。
彼は異世界に行ったことはないし、だから当然その女の子と話したこともない。
写真を見たことがあるだけだ。
ナユタの家には、よく父や母や叔母の友達が遊びに来る。
銀髪で赤い目をした女の人で、ナユタが物心ついたときから見た目が全く変わらない。
母も叔母も美容にはかなり気を遣っているから、年よりも大分若く見えるが、その人はずっと少女のままだった。
ナユタが高校生になる頃には、その人と同い年か、ナユタの方が年上に見られるようになった。
ナユタはずっとその人のことを外国人だと思っていた。
けれど、その人は一ヶ月ほど前に、いつものようにナユタの部屋に遊びにくると、急に自分の身の上話を始めた。
赤ん坊の頃から面倒を見てもらっており、もう長い付き合いになるが、その人の言動はいつも唐突でまったく読めない。
そして、その身の上話は、どう考えても、何度聞き返しても、この世界の話ではなかった。
魔法だとか、魔物だとか、そういうテレビゲームのような単語ばかりが出てくる話だった。
「あれ? わたしがこの世界の人間じゃないってナユタは知らなかったっけ?」
そんな風に唐突に異世界人であることをカミングアウトしてきた。
どうやら、母は異世界には行ったことがないが、父と叔母は行ったことがあったらしかった。
父と叔母はその世界でその人と知り合い、そしてナユタが生まれる何ヵ月か前に、今度は異世界からその人が来たのだという。
実にややこしい話だった。
その身の上話の途中で、その人は家族の写真を見せてくれた。
そして、その人の姪にあたるサクラという女の子の写真に、ナユタは一目惚れしてしまった。
サクラは、その人にとてもよく似ていた。
その人は銀髪で赤い目をしていたが、サクラは髪も目も黒かった。
その人はすぐえっちなことを言うし、ノックもせずに部屋に入ってきては、タイミング悪くナユタがオナニーをしていたりすると、手伝ってあげよっか? と言ってきたりもする。
その人はそんな風にいつもバカっぽかったけれど、サクラは清楚で頭が良さそうだった。
サクラの写真はその人のスマホの中にあり、着替え中やきわどい衣装を着せられ恥ずかしそうにしているものもあった。
全部パソコンにコピーさせて欲しいと言うと、
「え? もしかして、ナユタの好みってサクラみたいな子なの?」
その人はとても嬉しそうにして、
「ナユタ、ひさしぶりにおっぱいあげよっか? 出ないけど。でも今なら出そうな気がする」
と、まったく意味がわからないことを言った。
叔母もたまにそんなことを言っていた。
どうやらナユタはなかなか乳離れができない子だったらしく、母だけでなく叔母やその人のおっぱいをよく吸いたがったらしかった。
「吸うっていうか、舐める感じだったんだよね、ナユタは。舐め方が超えろくて。
あとね、あんまり痛くない程度に、痛気持ちいいみたいな? そういう噛み方もしてくるから、わたし結構やみつきになってたんだよね。何回かイカされたし」
そんなカミングアウトまでされてしまい、ナユタは初恋の女の子の写真に一目惚れした直後に、その子の叔母の発言で勃起させられてしまった。
実の叔母をイカせたこともあったらしかった。何その舌技。おっぱいだけで女の人ってイクの?
その一週間後、ナユタは、部屋のベッドに寝転がってVRMMORPGをプレイしていた。
ログアウトしゴーグルを外すと、隣にサクラが寝ていた。
あれ? ログアウトしたのに、まだそこは現実じゃなくて別のVR世界だったみたいな? と思った。
何度ログアウトしても、現実に戻れないみたいな?
でも、現実でもVRでも、夢でも何でもいいや、と思った。
一週間前に一目惚れしたばかりの、異世界にいるはずの女の子が目の前にいるのだ。
写真よりもかわいかった。
いいにおいがした。
しばらくサクラを眺めていると、彼女はナユタに抱きついてきた。
それだけじゃなく、キスをせがんできた。
どうやら寝ぼけているようだった。
無理矢理引き剥がすのは何だか気が引けたし、もったいない気もしたから、そのままでいることにした。
けれど、あまりにキスをせがんでくるので、我慢できなくなってキスをしてしまった。
キスなんてしたことがなかった。はじめてだった。
サクラは今度は舌をからめてきた。
その頃にはナユタもさすがに、それがVRでも夢でもなく、現実であり、その子はサクラじゃないと気づいていた。
ウィッグとカラコンをしてサクラになりすましているその人だと。
「サクラちゃんのことがかわいいって言ったから、やきもちやいたの?」
と、その人の耳元でささやいてみた。
からかわれたから、からかい返しただけのつもりだったが、その人は顔を真っ赤にして、
「そうだよ」
と言った。
「わたし、ナユタが好きだもん」
その人には、双子の姉がいて、はじめて好きになった人が同じ男の人だったそうだ。
その人は選ばれなくて、サクラが生まれた。
今度はサクラにナユタを取られるのかと不安になり、いてもたってもいられなくなり、そんなおかしな行動に走ってしまったのだという。
「わたしじゃだめかな?
サクラじゃなきゃだめかな?」
その人は、小さな身体を小刻みに震わせていた。
「わたしがあっちの世界に帰れないみたいに、ナユタもあっちには行けない。
サクラには会えないよ?
でも、わたしはいつでもナユタに会える。
それにわたし、これ以上年とらないよ?
ずっとこのままなの。
だから、そのうちナユタの方が大人になる。合法ろりだよ?」
その人が、必死になる気持ちは、過去の恋愛のせいだということはわかっていた。
でも、どうして自分なのか不思議だった。
それまで異性として意識したことがなかったけれど、その人はとてもかわいかった。
言動はバカっぽいけど、バカだと思ったことは一度もなかった。頭がとてもいいことは知っていた。
その人以外にも、父や母や叔母の友達はたくさんいて、年に数回は家にたくさんの人が集まることがあった。
いつもまわりに気を配っていて、みんなを楽しませる役割を演じていた。
きっと、そのせいでたくさん損をしてきただろうけれど、そういう風にしか生きられない、器用そうで不器用な優しい人だということを、ナユタは知っていた。
ナユタは、その人を、ピノア・オーダー・ダハーカを抱きしめた。
「ぼく、気づくの遅かったみたい。
ピノアちゃんのこと、ずっと好きだったみたい」
「わたしは、ナユタがわたしの背を追い越した頃から、ナユタが好きだったよ。
ナユタは、わたしのこと、ちゃんとわかってくれてるの知ってたから」
雨野ナユタの初恋は、異世界に住む、会ったこともない、写真でしか見たことがない女の子だった。
けれど、彼がその女の子に一目惚れをしてしまったのは、その子にそっくりな女の子が、彼が生まれたばかりの頃からそばにいたからだった。
本当の初恋は、それよりもずっと前から始まっていた。
そして、付き合いはじめて三週間が過ぎた今日、ふたりは部屋でえっちなことをしていた。
無我夢中でお互いを求めあっていると、ふたりはいつのまにか異世界にいた。
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