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第一部 夏雲(なつぐも)
第10話 ①
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アタシは美嘉のお見舞いをしようと、駅の近くにある病院に来ていた。
病院の近くの花屋さんで、美嘉の好きな花を買おうとして、アタシは美嘉が好きな花なんて知らないと気付いた。
果物屋さんで美嘉の好きな果物を買おうとして、やっぱりアタシは美嘉の好きな果物なんて知らなかった。
結局アタシは手ぶらで病院にやって来てしまった。
「入院してるクラスメイトのお見舞いに来たんです。内藤美嘉っていうんですけど」
病院の入り口のそばにあった受付のお姉さんにそう言うと、美嘉は815号室に入院していると教えてくれた。
「エレベーターで八階まで上がって、もし病室がわからなかったらナースステーションで聞いてね」
アタシは、ありがとうございます、と頭を下げて、エレベーターに乗った。
入院患者がベッドごと入れるように作られた大きなエレベーターに、アタシはひとり乗った。
壁に各階の案内が書かれていた。
8階は、精神科病棟と書かれていた。
美嘉の病室は、ナースステーションで聞かなくてもすぐに見付かった。
病室は個室で、アタシが小さくノックすると、ドアが少しだけ開いて、美嘉のママらしき人が顔を出した。
「美嘉の、お友達?」
そう聞かれて、アタシは一瞬言葉に詰まったけれど、
「加藤麻衣って言います」
と、自己紹介した。
美嘉のママは、アタシのママとそんなに年も変わらない、まだ40代前後のはずなのに、随分疲れた顔をした、しわがれたおばさんだった。
内縁の妻は苦労が多いのかもしれないな、とアタシは思った。
美嘉が「ママが」「ママが」といつも語っていたママはとてもセレブなイメージで、アタシには目の前にいるおばさんと同じ人物だとは到底思えなかった。
美嘉のママはアタシを病室に招き入れてくれた。
美嘉はベッドの上で白い拘束具に縛り付けられて眠っていた。
「ごめんなさいね。この子今薬で眠ってるの」
驚いたでしょ。あんなことがあったから精神錯乱状態でね、目が覚めると悲鳴を上げながら、爪で体中を傷つけたりするのよ。
白い拘束具には転々と赤黒い血のようなものがついていた。
それは、美嘉が目を覚ましても自傷行為ができないように、彼女を縛り付けているのだと、美嘉のママは言った。
「麻衣ちゃんだったかしら」
美嘉のママはアタシの名前を呼び、
「少しの間、この子のそばにいてあげてもらってもいいかしら。おばさんね、ちょっと用事があって一時間くらい出かけるの」
そう言った。
「別に構いませんが……」
アタシは横目で美嘉を見た。
美嘉が目を覚ますのが少し怖かった。
「だいじょうぶ。しばらく目を覚まさないと思うから」
「わかりました。じゃあお母さんが戻ってらっしゃるまでアタシ、美嘉ちゃんのそばにいます」
「よろしくね」
美嘉のママは、無理矢理作った笑顔で笑って、病室を出ていった。
病室にはアタシと美嘉だけが残された。
美嘉の枕元には分厚いハードカバーの本があった。
手にとると、「聖書」と表紙に書かれていた。
凛が例の学校裏サイトに書き込んだのは、あながち嘘ばかりじゃなかったのだ。
それは確か町外れに小さな教会がある、誰も近づかないようにしている新興宗教の聖書だった。
美嘉のママはたぶん、当分帰ってこないだろうと、アタシは思った。
女の子は、自分の幸せと他人の幸せをすぐに比べたがる生き物だ。
他人の彼氏を見て、わたしはあんな男とは付き合わない、とか、あの子の家よりわたしの家の方がお金持ちだ、とか、そんなことばかり考えている生き物だ。
自分でも嫌な女の子だと思うけれど、アタシもそういう女の子のうちのひとりだった。
だからアタシは美嘉とふたりきりの病室で、バージンをレイプで、しかも一番嫌ってた男の子に奪われて、赤ちゃんの産めない体にされて、頭がおかしくなっちゃって、こんな病院で拘束具をつけられて薬で眠らされている美嘉と、そんな美嘉にずっとウリをさせられていて、大好きだった彼に裏切られてバスケ部員たちにクスリを打たれて輪姦されて、彼氏をメイにとられても、まだ正常でいられるアタシは、一体どっちが幸せなんだろうとぼんやりと考えていた。
そしてアタシは、たぶんアタシの方が幸せだと思った。
少なくとも美嘉よりは不幸じゃないと思った。
そう思うと顔が笑顔に歪んだけれど、アタシの目からなぜだか涙がこぼれた。
美嘉のママが一時間が過ぎても戻らなかったらアタシは帰ろうと思っていた。
まるで童話のお姫様のように眠り続ける美嘉の隣に座って、アタシはずっと何のためにお見舞いに来たんだろうと考えていた。
美嘉のことが心配だったと言えばきっと嘘になる。
アタシはただ、アタシが美嘉より不幸じゃないということを確かめに来ただけだった。
だから美嘉の好きな花や果物を知らなくたって、適当に何か買ってくることくらい出来たはずなのに、アタシはそうしなかった。
アタシは嫌な女の子だ。
美嘉のママが病室を出ていってから、壁にかけられた時計がきっかり一時間、時を刻んだとき、帰ろうとしたアタシの耳にドアをノックする小さな音が聞こえた。
美嘉のママが戻ってきたのだと思った。
アタシは思ったより早かったな、と思った。
だけどアタシがドアを開けると、凛がそこにいて、
「麻衣ちゃん?」
アタシが美嘉の病室にいたことに驚かれた。
「なんだかすごく久しぶりな気がする」
アタシたちは、凛が持ってきた花束や果物が入ったカゴを美嘉の病室の小さなテーブルに置くと、エレベーターで病院の屋上へ向かった。
「そうだね、いつ以来だろう。元気にしてた? ツムギも元気?」
いろんなことが起こりすぎて、凛と最後に会ったのはいつだったか、アタシにはもう思い出せなかった。
ただ最後に電話した日のことだけは覚えていた。
美嘉がナナセにレイプされた日だった。
あの日、凛はアタシに、
「はじまるよ」
と、まるでこれから楽しいことでも起きるみたいにそう言った。
あの日以来、アタシは少し凛のことがわからなくなっていた。
凛はアタシの大切な友達だった。
だからアタシは、凛がウリをさせられてしまうことのないように、美嘉の言いなりになり続けた。
ウリをし続けた。
だけど、美嘉はあんな酷い目にあわなければいけないようなことをアタシや凛にしただろうか。
確かにしたかもしれない。
だけど美嘉はメイに操られていただけだった。
アタシがそのことに気付いたのは、まだつい最近のことだけれど。
凛はまだそのことにすら気付いていないだろうけれど。
「わたしね、美嘉ちゃんのお見舞いに来るの二回目なんだ」
病院の屋上の小さなベンチで、凛は空を見上げながら言った。
アタシも空を見上げると、空には今日も大きな夏の雲があった。
「麻衣ちゃんは今日がはじめて?」
凛にそう尋ねられて、アタシはうん、とだけ言った。
「じゃあ、びっくりしたでしょ? 美嘉ちゃんすごいことになってるもんね」
凛が前に一度お見舞いに来たときは、まだ美嘉は拘束具をつけられてはいなかったそうだ。
凛が病室を訪れたとき、ちょうど美嘉は投与された薬がきれて目を覚ましたところで、看護師の人たちが総出で美嘉を取り押さえる大騒ぎになったそうだ。
「ざまあみろっていうか。因果応報っていうのはこのことよね」
凛は笑いながらそう言った。
アタシは本当に凛がもうわからなくなっていた。
美嘉は赤ちゃんが産めない体になったり、精神科病棟の病室で拘束具をつけられて薬でずっと眠らされなければいけないほどのことを、アタシや凛にしただろうか。
きっとしてない。
「美嘉ちゃん、この先ちゃんと生きていけるのかな」
だけど凛は因果応報だと言った。
「美嘉ちゃん、あと何年くらいで自殺しちゃうかな」
舌足らずの甘い声で凛は言った。
凛の美嘉に対するそんな感情は、一体どこから来ているのかアタシにはどうしてもわからなかった。
だからアタシは、
「ねぇ、凛。どうしてナナセに、美嘉にあんなひどいことさせたの?」
聞かずにはいられなかった。
凛は青空の下で、一瞬きょとんとした、アタシの質問の意味がわからないという顔をした。
「麻衣ちゃんのことが大好きだからだよ」
凛はそう言った。
病院の近くの花屋さんで、美嘉の好きな花を買おうとして、アタシは美嘉が好きな花なんて知らないと気付いた。
果物屋さんで美嘉の好きな果物を買おうとして、やっぱりアタシは美嘉の好きな果物なんて知らなかった。
結局アタシは手ぶらで病院にやって来てしまった。
「入院してるクラスメイトのお見舞いに来たんです。内藤美嘉っていうんですけど」
病院の入り口のそばにあった受付のお姉さんにそう言うと、美嘉は815号室に入院していると教えてくれた。
「エレベーターで八階まで上がって、もし病室がわからなかったらナースステーションで聞いてね」
アタシは、ありがとうございます、と頭を下げて、エレベーターに乗った。
入院患者がベッドごと入れるように作られた大きなエレベーターに、アタシはひとり乗った。
壁に各階の案内が書かれていた。
8階は、精神科病棟と書かれていた。
美嘉の病室は、ナースステーションで聞かなくてもすぐに見付かった。
病室は個室で、アタシが小さくノックすると、ドアが少しだけ開いて、美嘉のママらしき人が顔を出した。
「美嘉の、お友達?」
そう聞かれて、アタシは一瞬言葉に詰まったけれど、
「加藤麻衣って言います」
と、自己紹介した。
美嘉のママは、アタシのママとそんなに年も変わらない、まだ40代前後のはずなのに、随分疲れた顔をした、しわがれたおばさんだった。
内縁の妻は苦労が多いのかもしれないな、とアタシは思った。
美嘉が「ママが」「ママが」といつも語っていたママはとてもセレブなイメージで、アタシには目の前にいるおばさんと同じ人物だとは到底思えなかった。
美嘉のママはアタシを病室に招き入れてくれた。
美嘉はベッドの上で白い拘束具に縛り付けられて眠っていた。
「ごめんなさいね。この子今薬で眠ってるの」
驚いたでしょ。あんなことがあったから精神錯乱状態でね、目が覚めると悲鳴を上げながら、爪で体中を傷つけたりするのよ。
白い拘束具には転々と赤黒い血のようなものがついていた。
それは、美嘉が目を覚ましても自傷行為ができないように、彼女を縛り付けているのだと、美嘉のママは言った。
「麻衣ちゃんだったかしら」
美嘉のママはアタシの名前を呼び、
「少しの間、この子のそばにいてあげてもらってもいいかしら。おばさんね、ちょっと用事があって一時間くらい出かけるの」
そう言った。
「別に構いませんが……」
アタシは横目で美嘉を見た。
美嘉が目を覚ますのが少し怖かった。
「だいじょうぶ。しばらく目を覚まさないと思うから」
「わかりました。じゃあお母さんが戻ってらっしゃるまでアタシ、美嘉ちゃんのそばにいます」
「よろしくね」
美嘉のママは、無理矢理作った笑顔で笑って、病室を出ていった。
病室にはアタシと美嘉だけが残された。
美嘉の枕元には分厚いハードカバーの本があった。
手にとると、「聖書」と表紙に書かれていた。
凛が例の学校裏サイトに書き込んだのは、あながち嘘ばかりじゃなかったのだ。
それは確か町外れに小さな教会がある、誰も近づかないようにしている新興宗教の聖書だった。
美嘉のママはたぶん、当分帰ってこないだろうと、アタシは思った。
女の子は、自分の幸せと他人の幸せをすぐに比べたがる生き物だ。
他人の彼氏を見て、わたしはあんな男とは付き合わない、とか、あの子の家よりわたしの家の方がお金持ちだ、とか、そんなことばかり考えている生き物だ。
自分でも嫌な女の子だと思うけれど、アタシもそういう女の子のうちのひとりだった。
だからアタシは美嘉とふたりきりの病室で、バージンをレイプで、しかも一番嫌ってた男の子に奪われて、赤ちゃんの産めない体にされて、頭がおかしくなっちゃって、こんな病院で拘束具をつけられて薬で眠らされている美嘉と、そんな美嘉にずっとウリをさせられていて、大好きだった彼に裏切られてバスケ部員たちにクスリを打たれて輪姦されて、彼氏をメイにとられても、まだ正常でいられるアタシは、一体どっちが幸せなんだろうとぼんやりと考えていた。
そしてアタシは、たぶんアタシの方が幸せだと思った。
少なくとも美嘉よりは不幸じゃないと思った。
そう思うと顔が笑顔に歪んだけれど、アタシの目からなぜだか涙がこぼれた。
美嘉のママが一時間が過ぎても戻らなかったらアタシは帰ろうと思っていた。
まるで童話のお姫様のように眠り続ける美嘉の隣に座って、アタシはずっと何のためにお見舞いに来たんだろうと考えていた。
美嘉のことが心配だったと言えばきっと嘘になる。
アタシはただ、アタシが美嘉より不幸じゃないということを確かめに来ただけだった。
だから美嘉の好きな花や果物を知らなくたって、適当に何か買ってくることくらい出来たはずなのに、アタシはそうしなかった。
アタシは嫌な女の子だ。
美嘉のママが病室を出ていってから、壁にかけられた時計がきっかり一時間、時を刻んだとき、帰ろうとしたアタシの耳にドアをノックする小さな音が聞こえた。
美嘉のママが戻ってきたのだと思った。
アタシは思ったより早かったな、と思った。
だけどアタシがドアを開けると、凛がそこにいて、
「麻衣ちゃん?」
アタシが美嘉の病室にいたことに驚かれた。
「なんだかすごく久しぶりな気がする」
アタシたちは、凛が持ってきた花束や果物が入ったカゴを美嘉の病室の小さなテーブルに置くと、エレベーターで病院の屋上へ向かった。
「そうだね、いつ以来だろう。元気にしてた? ツムギも元気?」
いろんなことが起こりすぎて、凛と最後に会ったのはいつだったか、アタシにはもう思い出せなかった。
ただ最後に電話した日のことだけは覚えていた。
美嘉がナナセにレイプされた日だった。
あの日、凛はアタシに、
「はじまるよ」
と、まるでこれから楽しいことでも起きるみたいにそう言った。
あの日以来、アタシは少し凛のことがわからなくなっていた。
凛はアタシの大切な友達だった。
だからアタシは、凛がウリをさせられてしまうことのないように、美嘉の言いなりになり続けた。
ウリをし続けた。
だけど、美嘉はあんな酷い目にあわなければいけないようなことをアタシや凛にしただろうか。
確かにしたかもしれない。
だけど美嘉はメイに操られていただけだった。
アタシがそのことに気付いたのは、まだつい最近のことだけれど。
凛はまだそのことにすら気付いていないだろうけれど。
「わたしね、美嘉ちゃんのお見舞いに来るの二回目なんだ」
病院の屋上の小さなベンチで、凛は空を見上げながら言った。
アタシも空を見上げると、空には今日も大きな夏の雲があった。
「麻衣ちゃんは今日がはじめて?」
凛にそう尋ねられて、アタシはうん、とだけ言った。
「じゃあ、びっくりしたでしょ? 美嘉ちゃんすごいことになってるもんね」
凛が前に一度お見舞いに来たときは、まだ美嘉は拘束具をつけられてはいなかったそうだ。
凛が病室を訪れたとき、ちょうど美嘉は投与された薬がきれて目を覚ましたところで、看護師の人たちが総出で美嘉を取り押さえる大騒ぎになったそうだ。
「ざまあみろっていうか。因果応報っていうのはこのことよね」
凛は笑いながらそう言った。
アタシは本当に凛がもうわからなくなっていた。
美嘉は赤ちゃんが産めない体になったり、精神科病棟の病室で拘束具をつけられて薬でずっと眠らされなければいけないほどのことを、アタシや凛にしただろうか。
きっとしてない。
「美嘉ちゃん、この先ちゃんと生きていけるのかな」
だけど凛は因果応報だと言った。
「美嘉ちゃん、あと何年くらいで自殺しちゃうかな」
舌足らずの甘い声で凛は言った。
凛の美嘉に対するそんな感情は、一体どこから来ているのかアタシにはどうしてもわからなかった。
だからアタシは、
「ねぇ、凛。どうしてナナセに、美嘉にあんなひどいことさせたの?」
聞かずにはいられなかった。
凛は青空の下で、一瞬きょとんとした、アタシの質問の意味がわからないという顔をした。
「麻衣ちゃんのことが大好きだからだよ」
凛はそう言った。
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