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第一部 夏雲(なつぐも)
第4話 ①
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それから何日かが過ぎて、同じ数だけの男の人たちにアタシが抱かれているうちに夏休みが始まってしまった。
お客さんは、お医者さんとか、中学校の先生とか、タクシーの運転手とか、牧師さんとかいろいろ。
男の人はセックスのことしかきっと頭にないんだと思う。
終業式の日、式の後の教室でアタシたちには夏休みの正しい過ごし方というプリントが配られた。
担任の棗先生がそのプリントを面倒くさそうに読みあげた。
「一応きまりだからね」
先生はそう言った。
きっと職員室の朝のミーティングで、ちゃんと読みあげるようにと、校長とか教頭からお達しが出たのだろう。
規則正しい生活をしましょうとか、そんな内容のプリントだった。
そこには不純異性交遊をしない、という項目があった。
要するにセックスをするなって意味。
なぜ高校生がセックスをしてはいけないかと言えば、それはけっしてアタシたちのために書かれた言葉などではないということは、大人たちが考えているほどアタシたちはバカじゃないからわかる。
セックスをしてこどもなんか出来たり、ときどきテレビのニュースになるように妊娠を誰にも悟られないままこどもをトイレとかで出産して殺しちゃう子なんかが出てきたりしたら、教師たちの責任が問われることになるからだ。
大人たちは自分のことしか考えていないくせに、いつもアタシたちのことを気にかけてるふりをする。
だから誰も信用できない。
アタシもいつかそんな大人になってしまうのかな。
「まぁ、なんだ、お前たちくらいの年頃の子に不純異性交遊をするななんて今時言う方がおかしいと先生なんかは思っちゃうわけなんだけど、みんなほどほどにな」
先生の言葉にアタシたちはみんな笑った。
棗先生は他のおとなたちとは違う。
棗先生とかハーちゃんみたいな大人になりたいなとアタシは思った。
山ほど出た宿題を受け取って、通知表をもらって、アタシの成績は相変わらず中の中で、それから下校になった。
yoshiにはいつでも会えるけれど、棗先生にしばらく会えなくなってしまうのが寂しくて、アタシはみんなが帰りはじめる中、凛と一緒に先生を教室に呼び止めて、しばらく会えなくても平気なくらい先生とおしゃべりを楽しんだ。
アタシは先生のことがyoshiと同じくらい好きだった。
先生に別れを告げて教室を出ると、ケータイに美嘉から今日も夕方いつものファミレスで待ってるとメールが入っていた。
「ナナセくんに美嘉ちゃんをレイプしてもらおうと思うんだ」
アタシは数日前に凛からそんな計画をもちかけられた。
その日アタシはすぐには返事ができないと答えたけれど、もう気持ちは固まっていた。
アタシは凛の計画に乗るつもりでいた。
ナナセのケータイの番号を凛に教えるのは簡単だ。
yoshiに聞けば番号くらいすぐに教えてもらえるだろう。
ナナセは中学の卒業アルバムとかで美嘉の住所くらい知ってるはずだった。
住所がわかれば、夏休みになってしまっても生活範囲が大体わかる。
ナナセに美嘉をレイプさせることくらい簡単にできてしまいそうだった。
「でも……」
凛はアタシとふたりきりになると、
「ただレイプされるだけじゃ、美嘉ちゃんには足りないと思うんだ」
そう言って、数日間かけて考えたに違いない計画をアタシに話した。
「夕方までに戻ればいいんだよね。秋葉原に行こう。
買いたいものがあるんだ。電車の中で詳しいこと説明する」
アタシたちが住む横浜から秋葉原は、何度か電車を乗り換えなければいけないけど、そんなに遠いわけじゃなかった。
「レイプくらいじゃ足りない。
生まれてきたことを後悔するくらい酷い目に、一度あわせてあげないとあの子は更正しない」
凛はアタシたち以外には誰も乗っていない電車の中でそう言った。
凛は何も教えてはくれなかったけれど、アタシはそんな風に怒りをあらわにする彼女を見るのははじめてで少し戸惑った。
きっと美嘉に何かされたのだろう。
凛はアタシにケータイを差し出した。
そこには「神奈川県立緑南高校一年二組掲示板」とあった。
「お兄ちゃんに頼んで、アタシたちのクラスの学校裏サイトを作ってもらったの」
凛にお兄さんがいることは知っていた。
凛がお兄さんのただの兄妹じゃないことも。
凛は中学のときからお兄さんとセックスしてる。
美嘉たちは知らない、アタシと凛だけの秘密だった。
掲示板には匿名で、たぶん凛が書き込んだんだと思うけれど、美嘉のことばかりが書かれていた。
美嘉がどんな家に住んで、どんな親を持ち、どんな家庭に生まれ育ったのか、記されていた。
父親は職を転々とし、現在は無職であること、母親はネズミ講にハマっていておかしな宗教の信者であること、どこまで本当かはわからないけれど書かれていた。
書き込みはケータイの画面をスクロールするたびにエスカレートして差別的な言葉が並んでいた。
家の写真まで貼りつけられていた。
「この写真は美嘉の家?」
アタシは美嘉の家を知らなかったからそう聞いた。
凛は、うん、とうなづいた。
「お兄ちゃんがインターネットで見付けてくれたの」
パソコンをあまり触らないアタシにはよくわからなかったけれど、インターネットの検索サイトでは特定の誰かの家の写真まで手に入れることができるらしかった。
その家は女王様のように振る舞う美嘉とは正反対の、築何十年立っているかわからないほどオンボロの平屋の家だった。
最後の書き込みにはURLが貼られていた。
「ここに飛べばいいの?」
凛は黙ってうなづいた。
そこには、アタシたち女子中高生がプロフって呼んでる、ほとんどの子たちが登録してるっていうサイトだった。
自分の簡単なプロフィールと写真を公開して、学校も住むところも違う相手と交流をしたりする場所だった。
そこに裸の写メを載せたりする女の子が結構な数いることが問題になって、少し前にテレビのニュースで取り上げられたこともあった。
それは美嘉のプロフィールだった。
だけどアタシが知っている彼女のプロフとは少し違っていた。
確かに美嘉の誕生日や血液型、好きなブランドやアーティストまで、美嘉がこたえそうなことが書き綴られていたけれど、そこには美嘉の裸の写真が載っていた。
「どうやって手に入れたの?」
と尋ねると、
「アイコラだよ」
と凛は答えた。
顔は美嘉のものだけれど、裸の体は別の女の子の写真だそうだ。
そんなふうにはとても見えないくらい、それはよく出来ていた。
「アタシのお兄ちゃん、ネットではちょっと有名なアイコラ職人なんだ」
凛のお兄さんは、ツムギという名前でアイコラサイトを運営していて、一日に数万人が彼のサイトを訪れるのだという。
まだ大学一年なのに、そのサイトの広告収入で月に数十万円の収入があるのだそうだ。
凛はこの学校裏サイトのURLをアタシたちのグループを除いたクラスメイト全員のケータイに今夜送るのだと言った。
だけどそれは、凛の復讐計画のほんの一部に過ぎなかった。
「秋葉原には何を買いに行くの?」
アタシは聞いた。
「わたしもよくわからないんだ。全部お兄ちゃんにお願いしてあるから」
秋葉原でお兄ちゃんが待ってるの。
凛はそう言って、アタシが見たこともない顔で笑った。
凛は、美嘉がアタシのお客さんを捕まえてくるツーショットダイヤルについて、少し調べてくれていた。
出会い系サイトだって家出少女サイトだってあるのに、いまどきどうしてツーショットダイヤルなんて古臭いものを、ってアタシは思っていた。
「美香が使っているのは、"Love promise"という携帯サイト。
サイトを通じて女の子と生電話するみたい」
名前を聞いたことがあるだけで、どういったものかわかっていなかったけれど、ツーショットダイヤルというのは、ダイヤルQ2とか、一般の公衆回線、国際電話回線を利用した男性有料・女性無料の双方向会話サービスだという。
男女の出会いや交際を目的としていて90年代に若者の間で人気だったらしい。
ハーちゃんや棗先生がまだわたしたちと同じ年くらいの頃の話だ。
アタシたちが生まれた頃でもある。
その頃にはもう、そんなものがこの国にはあったんだと思うと、なんだか怖かった。
だけど九〇年代後半にはもう、インターネットや携帯電話の出会い系サイトの普及によって、ツーショットダイヤルは次第に衰退していったそうだ。一方で、SMやスカトロといった特殊マニア向けのツーショットダイヤルは依然男女ともに、気軽に話せると根強い人気なんだという。
「なるほどね。SMにスカトロかぁ……」
アタシは美香たちが作っていた料金一覧表を思い出した。
そこには確かオプションでスカトロが入っていた。
「アタシもいつかすることになっちゃうのかな」
アタシが呟くと、
「案外悪いものじゃないよ」
凛がそう言った。
したことあるの? なんて、こわくて聞けなかった。
電車は、もうすぐ秋葉原につく。
お客さんは、お医者さんとか、中学校の先生とか、タクシーの運転手とか、牧師さんとかいろいろ。
男の人はセックスのことしかきっと頭にないんだと思う。
終業式の日、式の後の教室でアタシたちには夏休みの正しい過ごし方というプリントが配られた。
担任の棗先生がそのプリントを面倒くさそうに読みあげた。
「一応きまりだからね」
先生はそう言った。
きっと職員室の朝のミーティングで、ちゃんと読みあげるようにと、校長とか教頭からお達しが出たのだろう。
規則正しい生活をしましょうとか、そんな内容のプリントだった。
そこには不純異性交遊をしない、という項目があった。
要するにセックスをするなって意味。
なぜ高校生がセックスをしてはいけないかと言えば、それはけっしてアタシたちのために書かれた言葉などではないということは、大人たちが考えているほどアタシたちはバカじゃないからわかる。
セックスをしてこどもなんか出来たり、ときどきテレビのニュースになるように妊娠を誰にも悟られないままこどもをトイレとかで出産して殺しちゃう子なんかが出てきたりしたら、教師たちの責任が問われることになるからだ。
大人たちは自分のことしか考えていないくせに、いつもアタシたちのことを気にかけてるふりをする。
だから誰も信用できない。
アタシもいつかそんな大人になってしまうのかな。
「まぁ、なんだ、お前たちくらいの年頃の子に不純異性交遊をするななんて今時言う方がおかしいと先生なんかは思っちゃうわけなんだけど、みんなほどほどにな」
先生の言葉にアタシたちはみんな笑った。
棗先生は他のおとなたちとは違う。
棗先生とかハーちゃんみたいな大人になりたいなとアタシは思った。
山ほど出た宿題を受け取って、通知表をもらって、アタシの成績は相変わらず中の中で、それから下校になった。
yoshiにはいつでも会えるけれど、棗先生にしばらく会えなくなってしまうのが寂しくて、アタシはみんなが帰りはじめる中、凛と一緒に先生を教室に呼び止めて、しばらく会えなくても平気なくらい先生とおしゃべりを楽しんだ。
アタシは先生のことがyoshiと同じくらい好きだった。
先生に別れを告げて教室を出ると、ケータイに美嘉から今日も夕方いつものファミレスで待ってるとメールが入っていた。
「ナナセくんに美嘉ちゃんをレイプしてもらおうと思うんだ」
アタシは数日前に凛からそんな計画をもちかけられた。
その日アタシはすぐには返事ができないと答えたけれど、もう気持ちは固まっていた。
アタシは凛の計画に乗るつもりでいた。
ナナセのケータイの番号を凛に教えるのは簡単だ。
yoshiに聞けば番号くらいすぐに教えてもらえるだろう。
ナナセは中学の卒業アルバムとかで美嘉の住所くらい知ってるはずだった。
住所がわかれば、夏休みになってしまっても生活範囲が大体わかる。
ナナセに美嘉をレイプさせることくらい簡単にできてしまいそうだった。
「でも……」
凛はアタシとふたりきりになると、
「ただレイプされるだけじゃ、美嘉ちゃんには足りないと思うんだ」
そう言って、数日間かけて考えたに違いない計画をアタシに話した。
「夕方までに戻ればいいんだよね。秋葉原に行こう。
買いたいものがあるんだ。電車の中で詳しいこと説明する」
アタシたちが住む横浜から秋葉原は、何度か電車を乗り換えなければいけないけど、そんなに遠いわけじゃなかった。
「レイプくらいじゃ足りない。
生まれてきたことを後悔するくらい酷い目に、一度あわせてあげないとあの子は更正しない」
凛はアタシたち以外には誰も乗っていない電車の中でそう言った。
凛は何も教えてはくれなかったけれど、アタシはそんな風に怒りをあらわにする彼女を見るのははじめてで少し戸惑った。
きっと美嘉に何かされたのだろう。
凛はアタシにケータイを差し出した。
そこには「神奈川県立緑南高校一年二組掲示板」とあった。
「お兄ちゃんに頼んで、アタシたちのクラスの学校裏サイトを作ってもらったの」
凛にお兄さんがいることは知っていた。
凛がお兄さんのただの兄妹じゃないことも。
凛は中学のときからお兄さんとセックスしてる。
美嘉たちは知らない、アタシと凛だけの秘密だった。
掲示板には匿名で、たぶん凛が書き込んだんだと思うけれど、美嘉のことばかりが書かれていた。
美嘉がどんな家に住んで、どんな親を持ち、どんな家庭に生まれ育ったのか、記されていた。
父親は職を転々とし、現在は無職であること、母親はネズミ講にハマっていておかしな宗教の信者であること、どこまで本当かはわからないけれど書かれていた。
書き込みはケータイの画面をスクロールするたびにエスカレートして差別的な言葉が並んでいた。
家の写真まで貼りつけられていた。
「この写真は美嘉の家?」
アタシは美嘉の家を知らなかったからそう聞いた。
凛は、うん、とうなづいた。
「お兄ちゃんがインターネットで見付けてくれたの」
パソコンをあまり触らないアタシにはよくわからなかったけれど、インターネットの検索サイトでは特定の誰かの家の写真まで手に入れることができるらしかった。
その家は女王様のように振る舞う美嘉とは正反対の、築何十年立っているかわからないほどオンボロの平屋の家だった。
最後の書き込みにはURLが貼られていた。
「ここに飛べばいいの?」
凛は黙ってうなづいた。
そこには、アタシたち女子中高生がプロフって呼んでる、ほとんどの子たちが登録してるっていうサイトだった。
自分の簡単なプロフィールと写真を公開して、学校も住むところも違う相手と交流をしたりする場所だった。
そこに裸の写メを載せたりする女の子が結構な数いることが問題になって、少し前にテレビのニュースで取り上げられたこともあった。
それは美嘉のプロフィールだった。
だけどアタシが知っている彼女のプロフとは少し違っていた。
確かに美嘉の誕生日や血液型、好きなブランドやアーティストまで、美嘉がこたえそうなことが書き綴られていたけれど、そこには美嘉の裸の写真が載っていた。
「どうやって手に入れたの?」
と尋ねると、
「アイコラだよ」
と凛は答えた。
顔は美嘉のものだけれど、裸の体は別の女の子の写真だそうだ。
そんなふうにはとても見えないくらい、それはよく出来ていた。
「アタシのお兄ちゃん、ネットではちょっと有名なアイコラ職人なんだ」
凛のお兄さんは、ツムギという名前でアイコラサイトを運営していて、一日に数万人が彼のサイトを訪れるのだという。
まだ大学一年なのに、そのサイトの広告収入で月に数十万円の収入があるのだそうだ。
凛はこの学校裏サイトのURLをアタシたちのグループを除いたクラスメイト全員のケータイに今夜送るのだと言った。
だけどそれは、凛の復讐計画のほんの一部に過ぎなかった。
「秋葉原には何を買いに行くの?」
アタシは聞いた。
「わたしもよくわからないんだ。全部お兄ちゃんにお願いしてあるから」
秋葉原でお兄ちゃんが待ってるの。
凛はそう言って、アタシが見たこともない顔で笑った。
凛は、美嘉がアタシのお客さんを捕まえてくるツーショットダイヤルについて、少し調べてくれていた。
出会い系サイトだって家出少女サイトだってあるのに、いまどきどうしてツーショットダイヤルなんて古臭いものを、ってアタシは思っていた。
「美香が使っているのは、"Love promise"という携帯サイト。
サイトを通じて女の子と生電話するみたい」
名前を聞いたことがあるだけで、どういったものかわかっていなかったけれど、ツーショットダイヤルというのは、ダイヤルQ2とか、一般の公衆回線、国際電話回線を利用した男性有料・女性無料の双方向会話サービスだという。
男女の出会いや交際を目的としていて90年代に若者の間で人気だったらしい。
ハーちゃんや棗先生がまだわたしたちと同じ年くらいの頃の話だ。
アタシたちが生まれた頃でもある。
その頃にはもう、そんなものがこの国にはあったんだと思うと、なんだか怖かった。
だけど九〇年代後半にはもう、インターネットや携帯電話の出会い系サイトの普及によって、ツーショットダイヤルは次第に衰退していったそうだ。一方で、SMやスカトロといった特殊マニア向けのツーショットダイヤルは依然男女ともに、気軽に話せると根強い人気なんだという。
「なるほどね。SMにスカトロかぁ……」
アタシは美香たちが作っていた料金一覧表を思い出した。
そこには確かオプションでスカトロが入っていた。
「アタシもいつかすることになっちゃうのかな」
アタシが呟くと、
「案外悪いものじゃないよ」
凛がそう言った。
したことあるの? なんて、こわくて聞けなかった。
電車は、もうすぐ秋葉原につく。
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