女神様のたまご

無名小女

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第11話

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「着いたよ」
私が目を見開くとそこにはこの世の物とは思えないくらい綺麗な光景が広がっていた。

建物は全て白い大理石のようなもので出来ていて、街中では天使達が飛び回っていた。
「綺麗…」
「綺麗だよねー。ここが天界。どう?少し緊張取れた?」
リリーは私に向かってにこっと笑う。
どうだろう…わからないけど…
「さっきとは違う意味でドキドキしてるかな…」
こんな綺麗な世界見たことない…
私は少し感動していた。

「わかった!じゃあまだ時間あるし、少し回ってかない?この服なら飛べるし」
「えっ!?いいの?」
「もちろん会場に向かいながらだけどね。道の途中に服屋さんとかもあるし、楽しいと思うよー。天界の服は綺麗なのが多いからね。」

私はワクワクしていた。
緊張なんて一気に吹っ飛んでいく感じがした。
「うん!回りたい!ありがとうね、リリー」

私達は会場に向かう途中色々な店を見た。
服屋さん、雑貨屋さん、ポーション調合屋さん、魔法グッズのお店。
どれも光り輝くように綺麗で帰りにまた寄りたいと話した。

そうしてあっという間に会場についてしまった。
ドキドキしてるけどもう怖くはない。
「行こうか。他の女神様候補の人達もいるけどあんまり緊張しないでね?」
「うん。頑張る。」
「サポート天使とはここで一旦お別れだけど帰りにまた会えるから。」
「うん。わかった。いってくるね。」
「いってらっしゃい。」

私は会場の重い扉を開けた。
すると、そこには大体70人位だろうか?多くの世界中の人々が座っていた。
前の子はどうやら日本人みたいらしく少し安心した。
それは前の子も同じようだった。

なぜなら第一声が、
「あなた、日本人?ならよかったー。同じ国の人がいなくて寂しかったの。みんな服のおかげか言葉は通じるんだけど、話がなんかあわなくてね…私、名前は木下桜。あなたは?」
と感動したかのように私の手を握り話しかけてきたからだ。
私はびっくりしながらも言葉を返す。
「安藤翼…よろしくね。」
「翼ちゃん!いい名前ねー。一緒に頑張って残ろうね。」
「うん。そうだね。」

すると試験始まりの鐘がなった。
「また後で話そうね。翼ちゃん。」
そう言ってニコッと笑い、目線を前に戻した。
その顔は真剣で彼女にも強い願いがあったことが見てとれた。

これがやがて天界の試練でライバルとなるであろう木下桜…桜ちゃんと私の出会いだった。

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