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No.16
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あの後、俺は理事長の言うとおりに魔法の水にメリーがくれたペンダントを落とした。
するとペンダントは今までに見たことのない光を放ち、輝いていた。
俺が眩しくて思わず手を覆うとメリーの残像みたいなものが出てきた。
メリーの姿形をしたその光は俺に語りかける。
「リックがこれを見ているということはもう私はいないということになるわね。今からリックに私の記憶とお願いを託したいの。遺言だと思ってくれればいい。嫌だったら聞かなくてもいいし見なくてもいいわ。でも私はどうしてもリックにこれを託したかった。」
そう言うとメリーの形をした光は消え、魔法の水に映像が映し出された。
そこには衝撃の事実が隠されていた。
メリーはソレスト村の領主の娘として生まれたこと。
領主の夫婦には子供に悪魔から呪いがかけられていてメリーが紫色の瞳になったこと。
領主の夫婦はメリーがどんな姿でも受け止めると決意し、メリーを育てていたこと。
しかし、村人達はメリーの紫色の瞳を嫌い、いじめていたこと。
こいつは悪魔の子だ。村を壊滅させるに決まってる。と。
そしてメリーが5歳の頃、事件が起きた。
領主の家がもやされたのだ。
犯人はメリーの存在を快く思わなかった村人達で俺の父親もだった。
メリーは自分の死を覚悟したその時、母親と父親がメリーを庇い死亡した。
メリーは唯一自分を受け入れてくれた両親の死を悲しみ、復讐を決意したこと。
その時に燃えている中で唯一燃えていなかった本、封印された悪魔の本を見つけ、封印を解き契約したこと。
そしてメリーは自分を貶めた村人達へ復讐をするために村を燃やしたこと。
その後は理事長の祖母の元に行ったが天使と契約していた祖母はメリーを契約の決まりによって受け入れられず、ただメリーを守るために時計塔に隠したこと。
だが、メリーは自分のしたことに関してストレスを抱えマナの変質で背が伸びなくなり、死を望み、ソレスト村の生き残りの俺を見つけ、魔法を駆使して俺を時計塔まで連れてきたこと。
これが俺と会う前のメリーの全てだった。
天使と契約したものは悪魔と契約のしたものと一緒にはいれない。
これが天使と契約した対価だった。
俺はそれを悟った。
メリーの記憶を見た後、またメリーの形をした光がでてきた。
「リックにお願いがある。ソレスト村のような悲劇を生まないために立派なエクソシストになってほしい。私みたいな人をもう出さないでほしい。約束してくれる?」
そのメリーの声はどこか悲しそうで俺は胸が締め付けられた。
悪かったのは悪魔の子と呼ばれた少女だけじゃなかった。
村人達だって悪かったはずだ。俺の父さんだって…
村人達が差別さえしなければ、メリーはこんな運命を辿らなかったかもしれない。
「ああ、約束するよ。メリー。だって俺は…メリーのことが大好きだから。」
「ありがとう。私も大好きだよ。リック。ずっと死にたがっていた私に幸せを教えてくれた。生きる希望をくれた。それだけですごく嬉しかった。私が復讐をしなければ付き合えたかもしれないわね。馬鹿よね。私って…」
そう言うとメリーは笑った。
泣きそうな顔で。
俺はそうかもな。しか返せなかった。
それ以上言ったら俺も泣いてしまいそうだったから。
メリーが死んだなんて嘘みたいだ。
だってまだ話せてる。
もしかしたらこれがドッキリでやり直せるんじゃないかって期待してしまった。
だけどメリーはそれを察したのか
「やり直せないんだよ。もう。私、いないから。だけどこれは私の意志が詰まってる。これが光り輝く限り貴方を護るわ。大好きなリック。また来世で…会っ…て…私を…見つけて…」
メリーの光は消えかかっていた。
俺が慌てて魔力を足したが間に合わなかった。
メリーの光は消えた。
でも俺は寂しくはなかった。
彼女は俺を護ると言っていた。
その意志が本物であるかのようにペンダントはずっとメリーの形の光が消えても輝いていたから…
するとペンダントは今までに見たことのない光を放ち、輝いていた。
俺が眩しくて思わず手を覆うとメリーの残像みたいなものが出てきた。
メリーの姿形をしたその光は俺に語りかける。
「リックがこれを見ているということはもう私はいないということになるわね。今からリックに私の記憶とお願いを託したいの。遺言だと思ってくれればいい。嫌だったら聞かなくてもいいし見なくてもいいわ。でも私はどうしてもリックにこれを託したかった。」
そう言うとメリーの形をした光は消え、魔法の水に映像が映し出された。
そこには衝撃の事実が隠されていた。
メリーはソレスト村の領主の娘として生まれたこと。
領主の夫婦には子供に悪魔から呪いがかけられていてメリーが紫色の瞳になったこと。
領主の夫婦はメリーがどんな姿でも受け止めると決意し、メリーを育てていたこと。
しかし、村人達はメリーの紫色の瞳を嫌い、いじめていたこと。
こいつは悪魔の子だ。村を壊滅させるに決まってる。と。
そしてメリーが5歳の頃、事件が起きた。
領主の家がもやされたのだ。
犯人はメリーの存在を快く思わなかった村人達で俺の父親もだった。
メリーは自分の死を覚悟したその時、母親と父親がメリーを庇い死亡した。
メリーは唯一自分を受け入れてくれた両親の死を悲しみ、復讐を決意したこと。
その時に燃えている中で唯一燃えていなかった本、封印された悪魔の本を見つけ、封印を解き契約したこと。
そしてメリーは自分を貶めた村人達へ復讐をするために村を燃やしたこと。
その後は理事長の祖母の元に行ったが天使と契約していた祖母はメリーを契約の決まりによって受け入れられず、ただメリーを守るために時計塔に隠したこと。
だが、メリーは自分のしたことに関してストレスを抱えマナの変質で背が伸びなくなり、死を望み、ソレスト村の生き残りの俺を見つけ、魔法を駆使して俺を時計塔まで連れてきたこと。
これが俺と会う前のメリーの全てだった。
天使と契約したものは悪魔と契約のしたものと一緒にはいれない。
これが天使と契約した対価だった。
俺はそれを悟った。
メリーの記憶を見た後、またメリーの形をした光がでてきた。
「リックにお願いがある。ソレスト村のような悲劇を生まないために立派なエクソシストになってほしい。私みたいな人をもう出さないでほしい。約束してくれる?」
そのメリーの声はどこか悲しそうで俺は胸が締め付けられた。
悪かったのは悪魔の子と呼ばれた少女だけじゃなかった。
村人達だって悪かったはずだ。俺の父さんだって…
村人達が差別さえしなければ、メリーはこんな運命を辿らなかったかもしれない。
「ああ、約束するよ。メリー。だって俺は…メリーのことが大好きだから。」
「ありがとう。私も大好きだよ。リック。ずっと死にたがっていた私に幸せを教えてくれた。生きる希望をくれた。それだけですごく嬉しかった。私が復讐をしなければ付き合えたかもしれないわね。馬鹿よね。私って…」
そう言うとメリーは笑った。
泣きそうな顔で。
俺はそうかもな。しか返せなかった。
それ以上言ったら俺も泣いてしまいそうだったから。
メリーが死んだなんて嘘みたいだ。
だってまだ話せてる。
もしかしたらこれがドッキリでやり直せるんじゃないかって期待してしまった。
だけどメリーはそれを察したのか
「やり直せないんだよ。もう。私、いないから。だけどこれは私の意志が詰まってる。これが光り輝く限り貴方を護るわ。大好きなリック。また来世で…会っ…て…私を…見つけて…」
メリーの光は消えかかっていた。
俺が慌てて魔力を足したが間に合わなかった。
メリーの光は消えた。
でも俺は寂しくはなかった。
彼女は俺を護ると言っていた。
その意志が本物であるかのようにペンダントはずっとメリーの形の光が消えても輝いていたから…
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