時計塔には秘密が眠っている

無名小女

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No.13

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俺は天使と契約した後、メリーのお願いを叶えるために時計塔に向かった。

早速お願いを実行しようかとすると、メリーは首を横に振り紅茶とお菓子を出してきた。

「少し作戦を練りましょう。契約したてで力の出し方もわからないでしょ?」
そう言ってメリーと俺は色々話した。
作戦についてはもちろんだけど他にも色々な話をした。
その時はとても楽しくてメリーの変化には気が付かなかった。

「じゃあ実行しましょう。リック。剣をもってね。そして異空間を作ったあと、契約した天使を出して。」
そう言われ、指示通りに動くとエルが出てきた。  

「ご主人?御用はなんですか?」
エルがそう言った瞬間、メリーの右目の紋章が今までに見たことないくらい輝いた。
すると女のこれまた露出の激しい服を着た悪魔が召喚された。
その悪魔からは痛いくらいの魔力が放たれている。
俺はなんかがひっかかっていた。この痛み、どこかで…

「やっと、うちを呼んだな。メリー。用事はなあに?天使まで出して物騒やな。」
するとメリーは堂々とした態度で言い放った。
「貴方に死んでもらうわ!あそこにいるリック達に殺してもらってね!」
すると悪魔は笑った
「こいつらにうちを殺してもらう?計画と、違うじゃないか」
「あの計画は嘘よ。死になさい。悪魔、ロゼッタ」

そう言ってメリーは俺達に防御魔法をかけた
「戦って、あの悪魔を殺して。私もサポートだけならできるから」
「わかった。エル、力を貸せるか?」
「貸しますよ、なんたって悪魔は天使の敵、いや、神の敵ですからね。」

そう言ってエルは俺の背後につき支援魔法を出した。
力が強くなるのを感じる。
「アハハ(笑)面白くなってきたわ。そうね、腕もなまってきてるし準備運動にはなるんじゃない?」

悪魔は強力な炎魔法を大量に放つ。
炎を見た瞬間、俺はズキンと頭が痛くなるのを感じる。
あの時の記憶が蘇り、俺は怖くて動けなかった。
でも何かとても大事なことを忘れている気がする。
思い出したくない。でも思い出さなきゃという気持ちで頭がいっぱいになっている。

メリーはそんな俺に手を添えた。
「私の力ならいくらだって貸せる。怖くないよ、あの時とは違う。大丈夫。」
あの時、そういうメリーの手も震えていたことに俺は気が付かなかった。
俺は馬鹿みたいにそれに元気をもらっていた。

「ありがとう、メリー。俺、やるよ。もう、怖くない」
そう言って俺は剣に力を込めた。
剣はみるみる魔法を吸収していく。

「ちっ、厄介なのをもっていやがる。」
悪魔は剣を奪おうと魔法を出してきたがそれもまた剣が吸収していく。
「こうなったら剣に魔法を吸収させて中から壊してやる!」
悪魔はそう怒鳴り散らし魔法を出した瞬間、
「ご主人、カウンターです」
エルが悪魔の闇の魔法をエルの光の魔法で弾き返した。
「今、私達は力を共有してます。エル自体はそんなに力出せないですがその吸収した剣の力は天使の聖なる力へと変えさせてもらいました。」
エルはニコッと笑い、剣が吸収した力を吸い取っている。
「悪魔が怯んでいる今のうちです。剣にみんなの魔法の力を込めて、心臓に突き刺しましょう。私は悪魔の固定をさせていただきます。」

「させるか!うちはここにいるやつらを皆殺しして魂を喰らってやる。そしたらうちは最強の悪魔になるしな。」
そう言いながらも悪魔はかなりのダメージを負ったようで、少しふらついてる。

いけるかもしれない。
俺はそう思いながら剣をぎゅっと握りしめた。
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