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No.10
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それはバレンタインの日のことだった。
この魔導師学校ではバレンタインの日に好きな人に自分の魔力が込められた指輪を送り交換できたら両想いになるという風習がある。
そんな日なのでみんなどこか浮き足立っていた。
俺も当然指輪は作ってある。というよりどの学年も授業でちょうど、バレンタイン前の時期に作らされるのだ。
本来自分を守るアクセサリーとして作られているのだが多分、昔の先輩方が指輪交換して両想いになったからこの風習がひろがってるんだろう…
そんな中、俺はメリーに指輪をあげるか考えていた。
メリーは理事長の孫娘だがこの学校の生徒なのかと言われると制服を着ているのは一度も見たことない。
だからそもそもメリーは指輪を持っていない可能性もあるしもしかしたら風習を知らないかもしれない。
そう思い、俺は渡すのをためらってしまっていた。
「あの…これ…くれないのはわかってるんだけど…」
リエルは俺に指輪をくれた。
俺は断ったんだがせめての気持ちとしてとリエルに言われたのでもらった。
授業で習ったがこの指輪には指輪をつけた人を魔力で守る力があるらしい。
リエルはきっと俺を好きで守りたいからこれをくれたんだろう。
そう思うとリエルの気持ちが嬉しくてまたそれにこたえられない自分が不甲斐なかった。
俺が時計塔に向かうとメリーは珍しくいつも閉まっているカーテンを開いて窓の外を見ていた。
それを見て俺は珍しなと思うのと同時に時計の下のカーテンの閉まった部屋はここだったんだなと感じていた。
俺はメリーに声をかける
「珍しいな、外の景色を見るなんて」
「そうね。私、この日が好きなの。みんなが恋をして好きな人に指輪を送る。交換できたら両想い。お互いの魔力がお互いを守るの。片想いでも好きな人を指輪で守れたら幸せだと思うの。この日は幸せが詰まってるから好きなの」
そう話すメリーの顔が5歳から成長してないのをかんじさせないほどとても色っぽくて俺はドキッとした。
「あの…俺、指輪作ったんだ…それで…メリーに貰って欲しいんだ…」
精一杯の告白だった。
好きとかは恥ずかしくて言えなかった。
だけど…少しでも伝えられたら…
それを聞いたメリーはびっくりした顔をしたあとあわあわして赤くなった頬を手で押さえた。
「私…に…?」
「うん…」
それにつられて俺も顔が赤くなる。
「私…リックに指輪なんてもらう資格ないよ?」
「ううん、俺、メリーにもらって欲しいんだ。メリーはお返しはくれなくてもいい。でも俺は…」
「伝えたかったんだ。メリーが大事な人なんだって。」
この魔導師学校ではバレンタインの日に好きな人に自分の魔力が込められた指輪を送り交換できたら両想いになるという風習がある。
そんな日なのでみんなどこか浮き足立っていた。
俺も当然指輪は作ってある。というよりどの学年も授業でちょうど、バレンタイン前の時期に作らされるのだ。
本来自分を守るアクセサリーとして作られているのだが多分、昔の先輩方が指輪交換して両想いになったからこの風習がひろがってるんだろう…
そんな中、俺はメリーに指輪をあげるか考えていた。
メリーは理事長の孫娘だがこの学校の生徒なのかと言われると制服を着ているのは一度も見たことない。
だからそもそもメリーは指輪を持っていない可能性もあるしもしかしたら風習を知らないかもしれない。
そう思い、俺は渡すのをためらってしまっていた。
「あの…これ…くれないのはわかってるんだけど…」
リエルは俺に指輪をくれた。
俺は断ったんだがせめての気持ちとしてとリエルに言われたのでもらった。
授業で習ったがこの指輪には指輪をつけた人を魔力で守る力があるらしい。
リエルはきっと俺を好きで守りたいからこれをくれたんだろう。
そう思うとリエルの気持ちが嬉しくてまたそれにこたえられない自分が不甲斐なかった。
俺が時計塔に向かうとメリーは珍しくいつも閉まっているカーテンを開いて窓の外を見ていた。
それを見て俺は珍しなと思うのと同時に時計の下のカーテンの閉まった部屋はここだったんだなと感じていた。
俺はメリーに声をかける
「珍しいな、外の景色を見るなんて」
「そうね。私、この日が好きなの。みんなが恋をして好きな人に指輪を送る。交換できたら両想い。お互いの魔力がお互いを守るの。片想いでも好きな人を指輪で守れたら幸せだと思うの。この日は幸せが詰まってるから好きなの」
そう話すメリーの顔が5歳から成長してないのをかんじさせないほどとても色っぽくて俺はドキッとした。
「あの…俺、指輪作ったんだ…それで…メリーに貰って欲しいんだ…」
精一杯の告白だった。
好きとかは恥ずかしくて言えなかった。
だけど…少しでも伝えられたら…
それを聞いたメリーはびっくりした顔をしたあとあわあわして赤くなった頬を手で押さえた。
「私…に…?」
「うん…」
それにつられて俺も顔が赤くなる。
「私…リックに指輪なんてもらう資格ないよ?」
「ううん、俺、メリーにもらって欲しいんだ。メリーはお返しはくれなくてもいい。でも俺は…」
「伝えたかったんだ。メリーが大事な人なんだって。」
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