時計塔には秘密が眠っている

無名小女

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No.8,5

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NO.8,5
それはリックが時計塔から寮に帰った後のこと…

メリーはリックから貰ったスポーツドリンクを飲みながら考え事をしていた。

すると、メリーの脳内にテレパシーが送られてきた
「おーい、メリー。最近全然呼んでくれないじゃないかよ。」
その主を私はよく知っている。そりゃそうだ。ようがないんだから。
「うるさい。あなたにようはないのよ。」

「あー、そうか。今はあの少年がお気に入りだからよばないのか。確かにばれたら大変だもんな。」
テレパシーの主は悪戯に言う。
「そうよ。この呪いの意味だって…」
「呪いとかいうなよー。それも対価にお前はは力を得れたんだ、だから復讐だって…」
「黙って。それ以上言ったら殺すわよ。」
私は風邪のせいかとてもイライラしていた。
テレパシーを遮断しようとする。

「あはは(笑)無理だ。お前にはうちを殺すことも今このテレパシーを遮断することも。だって…」
「うちのほうが強いから。でしょ?」
「よくわかっていらっしゃる。ところでメリー」
声の主はニヤリと笑った。そして問題の核心に迫る。

「あの少年のこと利用する気だろ。いや、違う。利用する気なだけだった。」
「………」
「だけど違う感情が芽生えてきてる。人間って怖いよな。だから計画が遅れてる。」
「計画については彼が中3になったら実行するわ。それまで待って。」
私は焦っていた。早くテレパシーを切りたい。
「わかったよー。実行するときは呼べよ。」
「ええ、呼ぶわ。だからテレパシーを切って。今、具合悪いの。」
「はいはい、わかったよ、ご主人」

危なかった。
これはバレちゃいけない。
私がテレパシーの主を殺そうとしてること。

でもそれは私の計画の一部にすぎない。
この計画の真の目的は…
「リック…あなたなら…私を楽にしてくれるよね…」 

リック。それは私が好きになってはいけない相手。
いや私なんかが好きになる資格がない相手。
だけど…私は…
「早く来ないかしら、中3の春。そうじゃないと…」
私は彼のことを好きになってしまう。
私が彼を好きになることは計画の狂いを生む。
でも計画は必ず実行しなくてはいけない。
なぜなら…それが私の懺悔になり解放にもなるのだから…
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