上 下
20 / 27

20 恋する日常(4) ~アオイ~

しおりを挟む
オレは、マットの上にバタッとうつ伏せになって倒れた。
いった後の心地の良い感じ。

リュウジは、オレの背中に手をやった。

「なぁ、アオイ。ここまでしたんだ。やっぱりセックスしないか?」

オレはリュウジの顔を見た。
優しさを湛えた表情。

リュウジはおふざけもあるけど、時折こうやって真剣に話す時がある。
そういう時は、オレの事を本気に思って口にしている。
それが、最近よくわかってきた。

オレは、頷いて答える。

「わかった……セックスしよう」



と、思って、体操着のズボンを下ろすと、リュウジは手を叩いて喜ぶ。

「うわー! アオイのブリーフ姿、やべぇ、超可愛い!」

はぁ……。
ため息が出る。

やっぱり、前言撤回。
オレは、全然、リュウジの事が分かってない……。
こいつの生態は一体どうなっているんだ?

オレは、リュウジを睨みながら言う。

「お、お前なぁ。女のパンツの方が好きなんだろ?」
「うーん。そうだな。確かにパンティの方がいいな。なんたって可愛いしな。でも、たまにはブリーフもいいもんだぜ!」

リュウジは顎に手をやって、絵画でも眺める評論家のようにオレの下半身を鑑賞する。
そして、コメントを口にした。

「うーむ。こうやって見ると、悪い事をしている小学生を思わせるな……」
「な、なんだ、それ?」

「ほら、大好きなお兄ちゃんのブリーフをこっそりと穿いちゃってエッチな気分になっちゃう弟君的な……もちろん、そのままパンツの中に射精な!」
「ぶっ……なんだ、その変態的な妄想は? 人のパンツなんて穿きたくなるか普通。あははは」

リュウジはこうやってたびたび冗談を言ってオレを楽しませてくれる。
リュウジの冗談は独特のユーモアが有って何故か笑ってしまう。
オレが笑っていると、リュウジは真顔で言った。

「あれ? お前、何笑っているんだ? 男だったら好きな人のパンツ穿きたくなるだろ?」
「えっ? そうなのか?」

「やだなぁ。当たり前だろ」

うそだろ!?
オレにはそんな発想はまったくなかった。

好きな人のパンツを穿くって……マジなのか?
オレはリュウジの表情を読む。

真剣な表情でオレを見返す。
やばい、マジらしい。

オレは慌てて答えた。

「そ、そうだな。男だったら当たり前だな。う、うん」

冷や汗が出た。
まったく、男ってのは想像を超えているぜ。
と、思ったのと同時に、気になる事が頭に浮かんだ。

「なぁ、ところで、リュウジ。お前、もしかしてだが……オレのパンツ穿きたいって思うか?」
「おう! それなぁ、アオイ。お前のそのブリーフ、俺に穿かせろよ!」

リュウジは両手を前に出しゾンビのようにオレに迫る。
オレは、後ずさる。

「ひっ、ば、バカ! 何言っているんだよ!」
「いいからよ。ほら、よこせよ!」

「や、やめろ!」

オレは慌てて、自分のブリーフを脱ぎリュウジの手の届かないところへ放り投げた。

「はぁ、はぁ。恥ずかしいからやめろよな! リュウジ!」
「あははは。なぁ、アオイ。自分からパンツを脱いでいるわけだが……やる気満々だな!」

オレは、はっとして股間を押さえた。
すぐに、カーッと体が熱くなる。

「ば、バカ! これは不可抗力だ」

リュウジは、オレの手首を握りると、スッとオレの腰に手を当てて抱き寄せる。

「照れちゃって、本当に可愛いよ、アオイ。俺としたかったんだろ? ほら」
「なっ……んっ…んん」

オレは反論しようとしたが、そのまま唇を塞がれてしまった。




オレとリュウジは、マットの上で対面座位で繋がった。
この体位だとアナルの奥まで入ってくる。

そして、腰を前後に振るだけでお尻の中の気持ちの良いところが擦れて気持ちが良いのだ。
リュウジもオレのお尻を揉みくちゃに揉みながら腰の突き上げを激しくする。

「あっ、あっ、いいっ、すごくいいっ……リュウジ、気持ちいいっ」
「はぁ、はぁ、俺もだ。アオイの中、最高だっ!」

汗が滴り落ちる。
リュウジの繰り返されるピストン運動に、下半身はしびれて感覚を失う。
そして、オレの半立ちのペニスの先からは、透明なエッチなおつゆがだらだらと垂れ始めた。

リュウジは、オレが感じているのを満足気に見ながら、息を荒げる。

「はぁ、はぁ、アオイのアヘ顔、最高! もっと、もっといくぜ!」
「あっ、あっ、これ以上は……ダメッ、おかしくなりそう……」

下半身が熱くなって、体がぽわっとしてくる。
なんて、心地よいんだろう。
体中の細胞の一つ一つがリュウジに愛されてる喜びを感じている。

オレは、リュウジにおねだり。

「あっ、あっ、リュウジ、リュウジ……ぎゅっとして」
「ああ、いいとも。はぁ、はぁ……」

リュウジのきついハグ。
ああ、愛されている。

リュウジの肌の温かさ。
そして、固くゴツゴツとした筋肉。
その中に、オレは溶け込んでいく。
幸せ……。

そして、そのままキス。

「んー、んー、ぷはっ、はぁ、はぁ……んっ、んっ……」

上下の揺れに合わせ、唇もまた、離れてはくっつき、くっついては離れる。
下半身に集まる快感に、舌が絡み合う快感が混ざり合う。

最高にエロくて気持ちいい……。

だめだ。
ああ、もういきそうだ。

オレは、リュウジの耳元で呟く。

「あっ、あっ、リュウジ、一緒に……」
「はぁ、はぁ、ああ、俺もいきそう……」

リュウジの大きな突き上げ。
それと同時にリュウジのペニスがアナルの奥まで突き刺さる。

「いくーっ!」

リュウジの断末魔。

「あーっ……」

半開きの口から漏れた。
すぐに、体をビクッ、ビクッ、と激しい痙攣が襲った。

アナルの中ではリュウジの果てたペニスから精子が広がる感じ。
よく来たね、みんな。いらっしゃい……。

ああ、なんて心地がいいんだ。

やばい……。
やっぱり、リュウジとのセックス。
最高に気持ちいい……。






オレは、リュウジに抱きつくように体を重ねた。
指先でリュウジの胸の筋肉を触る。
本当に固くて逞ましい体をしている。

ふふふ。
何故かおかしくなって微笑む。

そんな幸せなまどろみに浸っていると、リュウジが話かけてきた。

「なぁ、アオイ」
「ん?」

「今度、俺達のセックスさ、ユーチューブに上げないか?」

オレは目を見開く。

「はぁ? お前、アホか? そんな事をしたら即退学だろ。何でそんな意味のない事を……」

「ああ、俺さ。幸せで幸せでどうしようもないんだ。溢れてきて抑えようがない。だから、他の奴らにもお裾分けしてもいいかなって……」

トクン……。

そっか。
リュウジもそう思っているのか……。
幸せ過ぎて、幸せを弄ぶ感じ。

同じだな。
オレとリュウジは本当に気持ちが通じ合っている。
嬉しくて言葉に詰まる。

オレは、リュウジの唇を指でなぞりながら言った。

「でもさ、リュウジ。それって、ありがた迷惑ってやつだろ? バカップルってっやつさ」
「そっか、やっぱり、そうだよな」

「そうだよ」

オレは、リュウジに思いっきりハグをする。
そして、リュウジの頬に頬をずりをした。

リュウジは、言った。

「アオイって甘えん坊だよな」
「リュウジもな」

そう言って、違いない! と二人大笑いをした。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

性的イジメ

ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。 作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。 全二話 毎週日曜日正午にUPされます。

孤独な戦い(3)

Phlogiston
BL
おしっこを我慢する遊びに耽る少年のお話。

禁断の寮生活〜真面目な大学生×体育会系大学生の秘密〜

藤咲レン
BL
■あらすじ 異性はもちろん同性との経験も無いユウスケは、寮の隣部屋に入居した年下サッカー部のシュンに一目惚れ。それ以降、自分の欲求が抑えきれずに、やってはイケナイコトを何度も重ねてしまう。しかし、ある時、それがシュンにバレてしまい、真面目一筋のユウスケの生活は一変する・・・。 ■登場人物 大城戸ユウスケ:20歳。日本でも学力が上位の大学の法学部に通う。2回生。ゲイで童貞。高校の頃にノンケのことを好きになり、それ以降は恋をしないように決めている。自身はスポーツが苦手、けどサカユニフェチ。奥手。 藤ヶ谷シュン:18歳。体育会サッカー部に所属する。ユウスケとは同じ寮で隣の部屋。ノンケ。家の事情で大学の寮に入ることができず、寮費の安い自治体の寮で生活している。

ぼくに毛が生えた

理科準備室
BL
昭和の小学生の男の子の「ぼく」はクラスで一番背が高くて5年生になったとたんに第二次性徴としてちんちんに毛が生えたり声変わりしたりと身体にいろいろな変化がおきます。それでクラスの子たちにからかわれてがっかりした「ぼく」は学校で偶然一年生の男の子がうんこしているのを目撃し、ちょっとアブノーマルな世界の性に目覚めます。

山本さんのお兄さん〜同級生女子の兄にレ×プされ気に入られてしまうDCの話〜

ルシーアンナ
BL
同級生女子の兄にレイプされ、気に入られてしまう男子中学生の話。 高校生×中学生。 1年ほど前に別名義で書いたのを手直ししたものです。

男の子たちの変態的な日常

M
BL
主人公の男の子が変態的な目に遭ったり、凌辱されたり、攻められたりするお話です。とにかくHな話が読みたい方向け。 ※この作品はムーンライトノベルズにも掲載しています。

孤独な戦い(4)

Phlogiston
BL
おしっこを我慢する遊びに耽る少年のお話。

男色官能小説短編集

明治通りの民
BL
男色官能小説の短編集です。

処理中です...