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4-3 カオルの部屋 ~カオル~

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オレは、裸のままエプロンを着用した。
そう、ケンイチが、裸エプロンが好きって言ったからだ。

まぁ、どれだけ効果があるかはわからないが、できることはすべてやっておきたい。
少しでも可能性があるのなら……。

それに、これまでオレの女装はすべて当たっている。
だから、信じるしかない。



ケンイチが目を覚ますと、オレは、さりげなく背後が見えるように流し台の前に立った。
どうだ? 裸エプロン。
お前が好きな裸エプロンだぞ。

「どっ、どうして、裸エプロンしているんだよ」

ホッ。
よかった。
ケンイチなら食いついてくれると思ったぜ。

「普段はよ、家ではいつもこの格好だぜ。オレは」

「まっ、マジか……」


まったく、ケンイチは鈍感だ。
マジの訳あるかよ。

普通に裸エプロンで過ごしている奴なんて聞いたことがない。
でも、こんな嘘を、簡単に信じてしまうところが、ケンイチの可愛いところでもあるんだよな。

そんな、事を思っていると、ケンイチが後ろからがばっと抱き着いてきた。
そして、思いがけないことを口にした。



「カオル……俺、お前の事が好きみたいなんだ」


「えっ?」



ケンイチ、お前から、告白!?
突然の事で、頭が真っ白になる。

オレの事を好きって、マジか?
親友として?

ああ、そうか。そうもしれない。
なにせ、男同士。ケンイチはノンケだしな。



「カオル、俺と付き合ってくれないか?」



オレは頭の中で、ごちゃごちゃしていたものが消えた。
そして、すぐにこう、答えていた。

「ああ。いいぜ。付き合ってやっても」





オレとケンイチは、裸になりベットに座った。

ケンイチは、人差し指で、オレの唇をなぞるように触った。

「どうしたんだ? カオル。恥ずかしいのか?」

やばい。
緊張しているんだ。
ちょっと、震えているのかも。

「ちょ、ちょっとだけな……」

ケンイチは、額をオレの額を合わせて微笑む。

「らしくないな。緊張しているのか?」
「うっせぇ」

「キス、しようか?」

オレは、無言でコクリと頷いた。



ちゅぱ、ちゅぱ、と音を鳴らして唇を合わせる。
繰り返し、繰り返しキスを重ねる。
ああ、体が火照ってくる。

そして、絡めた合った舌が、ぴちゃ、ぴちゃといやらしい音を立てた。
ああ、エロい……。


「んっ、んっ、ぷはっ。なぁ、カオル」
「はぁ、はぁ。なんだ?」

「居酒屋でキスの練習したけど、結局、本番はカオル、お前だったな……んっ、んっ」
「ぷはっ……そうだな。でも、あの時より気持ちいいぜ……ちゅっぱ、ちゅっぱ」

「……ああ、そうだな。どうしてか分かるか? カオル……」
「はぁ、はぁ……そんな事は簡単だろ。愛し合っていることが分かっているから。だよな?」

「だな。カオル、お前とのキスは最高……」
「ちゅぱ、ちゅぱ……それにしても、ケンイチ。オレ達は、男同士でなんてエロいキスをしているんだろうな……んっ、んっ、んっ、ぷはっ」




ケンイチの愛撫は、唇から耳へ、首筋、そしてに乳首に移った。
オレは、その度に快感に身をよがらせる。

「れろれろ。カオルの乳首、綺麗だ」
「あっ、あっ。恥ずい事……いうなよ、あっ」

「見てみろ、お前のおっぱい。まっ平な胸に乳首がピンク色でツンと立っていて、超かわいいじゃないか。ああ、愛おしいな。ちゅぱ、ちゅぱ」
「なっ、なんだよ。それ……お前、でかいおっぱいが好みなんだろ?」

「ん? あー。あのエロビデオの時か?」
「そうだよ……」

「確かに、あの時、おっぱいを見て、これじゃないなって思ったのは本当だ。でも、お前の乳首を舐めて分かったよ。俺の求めていたおっぱいは、これだった、てよ」
「そっ、そんなこと……」

「なぁ、カオル。俺のペニス、触ってみろよ」

ケンイチの手に導かれてオレはケンイチのペニスに触れた。
それは、驚きだった。

「うっ、嘘だろ? かてぇ……」

オレがぎゅっと握ると、それを跳ね返してくる。
しかも、でかい……。
なっ!
こいつのペニス、こんなにすごかったのか……。
あの時は、もっと柔かったのに……。

「ほら? わかっただろ? 今だったらお前に勝てる。どうだ?」
「バカ……」

とは口では言ったが、オレは嬉しくて涙が出そうだった。
そっか、オレの体で満足してくれるんだな。
こんなに固くするまで興奮して……。




しばらくすると、オレの乳首の先っちょは、ケンイチの執拗な愛撫により、超敏感なヒリヒリ状態になってしまった。

「あっ、あっ。ケンイチ、お願いだ。もう、オレの乳首いじめないでくれ……」
「ちゅっぱ、ちゅっぱ。だめだな。俺はこの乳首と運命の出会いだったんだからよ」

「ぶっ! お前、何言っているんだ? オレの乳首を勝手に……」
「ちゅっぱ、ちゅっぱ。この乳首だって、俺に舐められるのを、ずっと、待っていてくれたんじゃないのか?」



えっ?



ケンイチのその言葉は、オレの心の奥深くにずしりと響いた……。



ケンイチにとっては何気ない一言だろう。
でも、オレにとっては今までの人生そのもの。

ああ、そうだ。
そうだった。
忘れていた。

乳首だけじゃない。
オレの心も体も全部。

お前の愛撫を、お前に愛されるのをずっと待っていた。
その通りだ……。
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