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第2章 無限イチャイチャ計画
第45話 ゲーム実況1・ガチャ
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俺の母親と風華の勘違い地獄漫才が終わって数日後。
パソコンの前で地蔵のように一点を見つめて、ボッーとしていると、風華の出るゲーム実況特番が始まった。
ピンクを基調としたカワイイ女の子の部屋風のスタジオセットの真ん中に風華がいる。
「どうもー! ゲームの天才、乃和木風華ちゃんでーす!」
自称天才な。
「ついに、ついにこの時が来ましたか、っと」
無駄に溜めてんじゃねぇぞ。
「なんと! 普段からゲーム好き好き言っていたら、ついに番組内でやらせてもらえることになりましたー! ドンドンパフパフー!」
俺も無料でゲームやりてぇよ。
「さてさて、と言うことで今日はいくつかのゲームをやって行きます! まずは新作ソーシャルゲーム、ホニャララアイランドをしたいと思います!」
なんだそのクソみたいな名前。早くサービス終了しろ!
「ソシャゲは私もよくやるんですけど、仕事の合間にスマホでサクッとできるので重宝してます」
お前の場合はゲームの合間に仕事だろ。
「やはりまずはガチャですよね。この運営さんから借りた無責任スマホで好き勝手課金したいと思います!」
コイツ言いたい放題だな! 運営に怒られろ!
「SSRが一番珍しくて強いみたいですよ。今日はそんなレアキャラが出るというピックアップガチャを引きたいと思います」
ふぅん、コイツ無駄に運がいいし普通に一番いいやつ引きそうだよな。
「当たりはモ=ラルというキャラです」
真面目そうな名前だな。
「それと、なかんずく斉藤ですね」
ピン芸人みてぇな名前だな。もっとファンタジーっぽいヤツ出せよ。
「それでは行きますか。十体一度に出る十連ガチャ回します。そーれ、ポチー!」
風華がスマホをタップした瞬間、画面がピカピカ光る。なんかすごいの出そう。
「はいはい、ダメパターンね。私は騙されませんよ」
ソシャゲ分かり手やめろ。
風華の予想通りレアはいなかった。
「えーと、鯛のアラ五体と、デュフ山五体ですね」
だからなんだよそのクソみてぇな名前は。よく会議通ったな。
「ソラオみたいなモブしか出ませんね。かわいくていいですけど」
誰がモブ顔だよ。その通りだけどよ!
ちなみにソラオとは俺のことでもあり、風華の飼っている犬のことでもある。風華は俺に向けて攻撃&アピールをしているのだ。俗にいう匂わせである。やめろと言ったのに、このバカは俺の苦虫を潰したような顔を想像して内心ニヤニヤしていることだろう。
「次行きますよー! ポチー!」
俺の気も知らず、風華はまた十連ガチャを回した。今度は虹色に光る。
「キタ! さすがにこれは当たり確定でしょう!?」
しかし、予想に反して、また鯛のアラとデュフ山が出た。
「えーと、出たのは、アラ、アラ、アラ、デュフ、デュフ、デュフ、あらあらデュフフ!」
合わせてオタクなお姉さんみたいな言い回しやめろ!
結局、その後も回し続けたが、爆死で終わった。まぁ出ても出なくても盛り上がるのがガチャ実況のいいところだし、ノーダメージだろ。
「えーん、えーん」
なんか手を目元に当てて泣き始めた。嘘泣き下手かよ。
「えーん、えーん、チラッ」
チラ見すんな!
「円、円、くださいよぉ」
どさくさに紛れてガチャ代せびるな!
「……え? 時間がないから先に行けって?」
スタッフに言われたらしい。しゃーない。
「スゥー」
それを聞いた風華は、なんか息を吸って溜め始めた。そして。
「詫び石はよ!」
表に出るやつが言ったらダメだろ!
で。
「気を取り直して次はバトルをします」
パーティー編成画面が映し出された。
「まずはパーティー編成ですね。さっき引いたキャラを使います。鯛のアラとデュフ山です」
鯛のアラってアイテムかと思ったら編成できるのかよ。ちょっとそういう外した感じ好きだわ。ちょっとな!
「それでは準備が整ったのでバトルへGO!」
風華が画面をタップすると、草原に立つ2Dキャラが映し出された。鯛のアラには足が生えている。シュール過ぎんだろ。
「なるほどなるほど。ターン制バトルですね」
風華が自分はわかってますよオーラを出しながらゲームを進める。
するとすぐに敵が現れた。名前はトリアエズビール&エダマメ。
居酒屋かよ。これ作ったヤツ酒飲みながら適当に考えただろ。
「なんとこのゲームには必殺技があるんですよ」
この手のゲーム大体あるだろ。
風華が必殺技コマンドを選び、タップ。すると、キャラのカットインが入り、セリフが出てきた。
『必殺! お通しカット!』
バカみたいな技名だな!
直後、死にかけのサメのヒレみたいな斬撃が敵に当たって死んだ。
そして次のステージに移動した。画面端に四分の一と書かれていることから、これを残り四回繰り返すのが分かる。
「WAVE多いですねぇ。スキップチケットはないんですか?」
コラ! 気持ちは分かるが、初めくらいゲームを楽しめよ!
そしてようやくボス戦へ。名前はシメノラーメン。
うんうん、飲み歩いた後は締めのラーメン食べたいよな……クソみたいな名前にしてんじゃねぇよ! もうサ終しろ!
「軽くひねってやりますかぁ」
したり顔をしている。一旦、鏡で自分の顔見た方がいいぞ。ムカつく表情してっから。
ボスに鯛のアラがチクチクダメージを与えていく。数回攻撃して敵のHPが赤くなった。
「はい、後は必殺技で勝ち確ですね」
しかし。敵の攻撃が先に来た。
『くらえ! お会計アタック!』
だせぇ名前の技だな! 中二病が見たら発狂するレベル!
そして、ラーメンの汁が味方に飛んできた後、パーティーは全滅した。
いや、死ぬんかい。ゲームバランスくそじゃね?
あんぐりと口を開けて放心状態の風華。そして一言。
「クソ……いいゲームですね!」
今クソゲーって言おうとしただろ。
よくないぞ。言っていいのは俺みたいなクズだけ。ギャハハ!
パソコンの前で地蔵のように一点を見つめて、ボッーとしていると、風華の出るゲーム実況特番が始まった。
ピンクを基調としたカワイイ女の子の部屋風のスタジオセットの真ん中に風華がいる。
「どうもー! ゲームの天才、乃和木風華ちゃんでーす!」
自称天才な。
「ついに、ついにこの時が来ましたか、っと」
無駄に溜めてんじゃねぇぞ。
「なんと! 普段からゲーム好き好き言っていたら、ついに番組内でやらせてもらえることになりましたー! ドンドンパフパフー!」
俺も無料でゲームやりてぇよ。
「さてさて、と言うことで今日はいくつかのゲームをやって行きます! まずは新作ソーシャルゲーム、ホニャララアイランドをしたいと思います!」
なんだそのクソみたいな名前。早くサービス終了しろ!
「ソシャゲは私もよくやるんですけど、仕事の合間にスマホでサクッとできるので重宝してます」
お前の場合はゲームの合間に仕事だろ。
「やはりまずはガチャですよね。この運営さんから借りた無責任スマホで好き勝手課金したいと思います!」
コイツ言いたい放題だな! 運営に怒られろ!
「SSRが一番珍しくて強いみたいですよ。今日はそんなレアキャラが出るというピックアップガチャを引きたいと思います」
ふぅん、コイツ無駄に運がいいし普通に一番いいやつ引きそうだよな。
「当たりはモ=ラルというキャラです」
真面目そうな名前だな。
「それと、なかんずく斉藤ですね」
ピン芸人みてぇな名前だな。もっとファンタジーっぽいヤツ出せよ。
「それでは行きますか。十体一度に出る十連ガチャ回します。そーれ、ポチー!」
風華がスマホをタップした瞬間、画面がピカピカ光る。なんかすごいの出そう。
「はいはい、ダメパターンね。私は騙されませんよ」
ソシャゲ分かり手やめろ。
風華の予想通りレアはいなかった。
「えーと、鯛のアラ五体と、デュフ山五体ですね」
だからなんだよそのクソみてぇな名前は。よく会議通ったな。
「ソラオみたいなモブしか出ませんね。かわいくていいですけど」
誰がモブ顔だよ。その通りだけどよ!
ちなみにソラオとは俺のことでもあり、風華の飼っている犬のことでもある。風華は俺に向けて攻撃&アピールをしているのだ。俗にいう匂わせである。やめろと言ったのに、このバカは俺の苦虫を潰したような顔を想像して内心ニヤニヤしていることだろう。
「次行きますよー! ポチー!」
俺の気も知らず、風華はまた十連ガチャを回した。今度は虹色に光る。
「キタ! さすがにこれは当たり確定でしょう!?」
しかし、予想に反して、また鯛のアラとデュフ山が出た。
「えーと、出たのは、アラ、アラ、アラ、デュフ、デュフ、デュフ、あらあらデュフフ!」
合わせてオタクなお姉さんみたいな言い回しやめろ!
結局、その後も回し続けたが、爆死で終わった。まぁ出ても出なくても盛り上がるのがガチャ実況のいいところだし、ノーダメージだろ。
「えーん、えーん」
なんか手を目元に当てて泣き始めた。嘘泣き下手かよ。
「えーん、えーん、チラッ」
チラ見すんな!
「円、円、くださいよぉ」
どさくさに紛れてガチャ代せびるな!
「……え? 時間がないから先に行けって?」
スタッフに言われたらしい。しゃーない。
「スゥー」
それを聞いた風華は、なんか息を吸って溜め始めた。そして。
「詫び石はよ!」
表に出るやつが言ったらダメだろ!
で。
「気を取り直して次はバトルをします」
パーティー編成画面が映し出された。
「まずはパーティー編成ですね。さっき引いたキャラを使います。鯛のアラとデュフ山です」
鯛のアラってアイテムかと思ったら編成できるのかよ。ちょっとそういう外した感じ好きだわ。ちょっとな!
「それでは準備が整ったのでバトルへGO!」
風華が画面をタップすると、草原に立つ2Dキャラが映し出された。鯛のアラには足が生えている。シュール過ぎんだろ。
「なるほどなるほど。ターン制バトルですね」
風華が自分はわかってますよオーラを出しながらゲームを進める。
するとすぐに敵が現れた。名前はトリアエズビール&エダマメ。
居酒屋かよ。これ作ったヤツ酒飲みながら適当に考えただろ。
「なんとこのゲームには必殺技があるんですよ」
この手のゲーム大体あるだろ。
風華が必殺技コマンドを選び、タップ。すると、キャラのカットインが入り、セリフが出てきた。
『必殺! お通しカット!』
バカみたいな技名だな!
直後、死にかけのサメのヒレみたいな斬撃が敵に当たって死んだ。
そして次のステージに移動した。画面端に四分の一と書かれていることから、これを残り四回繰り返すのが分かる。
「WAVE多いですねぇ。スキップチケットはないんですか?」
コラ! 気持ちは分かるが、初めくらいゲームを楽しめよ!
そしてようやくボス戦へ。名前はシメノラーメン。
うんうん、飲み歩いた後は締めのラーメン食べたいよな……クソみたいな名前にしてんじゃねぇよ! もうサ終しろ!
「軽くひねってやりますかぁ」
したり顔をしている。一旦、鏡で自分の顔見た方がいいぞ。ムカつく表情してっから。
ボスに鯛のアラがチクチクダメージを与えていく。数回攻撃して敵のHPが赤くなった。
「はい、後は必殺技で勝ち確ですね」
しかし。敵の攻撃が先に来た。
『くらえ! お会計アタック!』
だせぇ名前の技だな! 中二病が見たら発狂するレベル!
そして、ラーメンの汁が味方に飛んできた後、パーティーは全滅した。
いや、死ぬんかい。ゲームバランスくそじゃね?
あんぐりと口を開けて放心状態の風華。そして一言。
「クソ……いいゲームですね!」
今クソゲーって言おうとしただろ。
よくないぞ。言っていいのは俺みたいなクズだけ。ギャハハ!
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