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第2章 無限イチャイチャ計画
第41話 忍ばないデート1・クソダンス
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デート計画を立てて数日後。
俺は狭いような広いような微妙なラインの公園で風華を待っていた。
すると花柄のワンピースを着た風華が走り寄ってきた。見た目だけは死ぬほどかわいい。見た目だけは。
「お待たせしました。あなたは空雄さんですか?」
「それ以外ねぇだろ」
「では合言葉を……私の好きな食べ物は?」
はぁ? 合言葉なんて決めてなかっただろ。まぁ好きな食べ物くらいは知ってるし、ノリに合わせてやるか。
「マカロンだろ」
「血液型は?」
「B型」
「スリーサイズは?」
「上から85、58、85」
「何で知ってるんですか、きもぉ」
お前を助けるために何度もプロフィール見たからだよクソッタレ!
「つーか合言葉ってなんだよ」
「今日はお忍びデートですからね。ニンニン」
ニンニンやめろ。それじゃ忍者同士のデートだろ。
「全然忍べてないけどな」
「ところでその首に下げているのは何ですか? 迷子札ですか?」
俺は首から長いストラップを付けたカード入れをぶら下げていた。半透明のカード入れの中には俺の顔写真と軽いプロフィールが書かれている。
「社員証もどきだよ。お前は人気者なんだから男といるのがバレたらマズイだろ。だから保険としてこれぶら下げておけばマネージャーかスタッフと勘違いしてくれると思ったんだよ」
「なるほど。たまにはいいこと思い付きますね」
「お前よりはな」
「それじゃあエッチな動画撮りますか」
「普通のダンス動画な」
俺が曲を掛けてスマホを構えると、踊り始めた。
「ずんちゃ、ずんちゃ」
なんだよそのリズム。かわいくなければ許されないぞ。かわいいから許されるけども。
曲が佳境に入ったところで、風華がくるりとその場で回転した。瞬間、スカートがめくり上がり、太ももの辺りまで足が露わになる。俺はそれを見て思わず視線を逸らした。
「おい。気をつけないと、その……見えるぞ」
「サービスですよ」
「いやマズイだろ。一応清楚なお天気お姉さんなんだからそういう売り方は良くない」
「なるほど、自分以外には見せるなと。束縛ですね?」
「なぜそうなる」
口が裂けても言わないが正直、見せて欲しくないなとは思う。それは束縛というよりも俺の交友関係の少なさから来るものだ。昔から友達が他の友達と遊んでいるとモヤモヤした気持ちになる。
遊び人や顔の広い人間なら誰が誰と遊ぼうが、自分も他の友人や女と遊ぶので気にしないのだろう。だが俺は交友関係が狭く、一人当たりの依存度が高いのでこういった嫉妬に似た感情が生まれやすい。ホント、損な性格してんなぁ俺。
勝手にネガティブになっていると、風華が気持ちを察したのか、ヤレヤレといったリアクションをとった。
「仕方ないですねぇ。後でエッチな画像送ってあげますからそれで何かを致してください」
「致さねぇよ!」
コイツよく今まで犯罪に巻き込まれず生きてこれたな!
風華は俺の見下した視線をもろともせず、次はロボットダンスを始めた。
「ウィーンガシャーン、ウィーンガシャーン」
その擬音いらねぇだろ!
さらに何を血迷ったかコサックダンスを始めた。
「ほい! ほい!」
何気に凄くうまい。じゃなかったマズイぞ!
「おいバカ、見えてはいけないものが見えるって!」
「パンツの一枚や二枚で騒がないでくださいよ。減るもんじゃあるまいし」
それセクハラオヤジが言うセリフだろ!
「それでは最後にヘッドスピンをお見せしましょう」
「多分色々と大惨事になるから辞めてくれ」
俺は何とか説得した。
その後。
「ちょっと腹減ったな」
「それじゃあお弁当を食べましょう」
「そんなの持って来てたのか」
「彼女の手作りお弁当食べたいでしょう?」
そりゃあ食べたいけどコイツは弁当に関しては前科があるからな。その名もカレーぶち撒け事件。ピクニック企画でビッキーの頭にカレーをぶち撒けたアレだ。あの事件の動画は切り抜かれて今もネット上で再生数を伸ばし続けている。
「まさかカレーじゃねぇよな?」
「あはは! 同じ失敗はしませんよ。今回はシチューです」
コイツ一回脳みそのメンテナンスした方がいいんじゃねぇか?
その後、警戒しながらもシチューを無事食べ終えた。結構美味かったのがムカつくわ!
俺は狭いような広いような微妙なラインの公園で風華を待っていた。
すると花柄のワンピースを着た風華が走り寄ってきた。見た目だけは死ぬほどかわいい。見た目だけは。
「お待たせしました。あなたは空雄さんですか?」
「それ以外ねぇだろ」
「では合言葉を……私の好きな食べ物は?」
はぁ? 合言葉なんて決めてなかっただろ。まぁ好きな食べ物くらいは知ってるし、ノリに合わせてやるか。
「マカロンだろ」
「血液型は?」
「B型」
「スリーサイズは?」
「上から85、58、85」
「何で知ってるんですか、きもぉ」
お前を助けるために何度もプロフィール見たからだよクソッタレ!
「つーか合言葉ってなんだよ」
「今日はお忍びデートですからね。ニンニン」
ニンニンやめろ。それじゃ忍者同士のデートだろ。
「全然忍べてないけどな」
「ところでその首に下げているのは何ですか? 迷子札ですか?」
俺は首から長いストラップを付けたカード入れをぶら下げていた。半透明のカード入れの中には俺の顔写真と軽いプロフィールが書かれている。
「社員証もどきだよ。お前は人気者なんだから男といるのがバレたらマズイだろ。だから保険としてこれぶら下げておけばマネージャーかスタッフと勘違いしてくれると思ったんだよ」
「なるほど。たまにはいいこと思い付きますね」
「お前よりはな」
「それじゃあエッチな動画撮りますか」
「普通のダンス動画な」
俺が曲を掛けてスマホを構えると、踊り始めた。
「ずんちゃ、ずんちゃ」
なんだよそのリズム。かわいくなければ許されないぞ。かわいいから許されるけども。
曲が佳境に入ったところで、風華がくるりとその場で回転した。瞬間、スカートがめくり上がり、太ももの辺りまで足が露わになる。俺はそれを見て思わず視線を逸らした。
「おい。気をつけないと、その……見えるぞ」
「サービスですよ」
「いやマズイだろ。一応清楚なお天気お姉さんなんだからそういう売り方は良くない」
「なるほど、自分以外には見せるなと。束縛ですね?」
「なぜそうなる」
口が裂けても言わないが正直、見せて欲しくないなとは思う。それは束縛というよりも俺の交友関係の少なさから来るものだ。昔から友達が他の友達と遊んでいるとモヤモヤした気持ちになる。
遊び人や顔の広い人間なら誰が誰と遊ぼうが、自分も他の友人や女と遊ぶので気にしないのだろう。だが俺は交友関係が狭く、一人当たりの依存度が高いのでこういった嫉妬に似た感情が生まれやすい。ホント、損な性格してんなぁ俺。
勝手にネガティブになっていると、風華が気持ちを察したのか、ヤレヤレといったリアクションをとった。
「仕方ないですねぇ。後でエッチな画像送ってあげますからそれで何かを致してください」
「致さねぇよ!」
コイツよく今まで犯罪に巻き込まれず生きてこれたな!
風華は俺の見下した視線をもろともせず、次はロボットダンスを始めた。
「ウィーンガシャーン、ウィーンガシャーン」
その擬音いらねぇだろ!
さらに何を血迷ったかコサックダンスを始めた。
「ほい! ほい!」
何気に凄くうまい。じゃなかったマズイぞ!
「おいバカ、見えてはいけないものが見えるって!」
「パンツの一枚や二枚で騒がないでくださいよ。減るもんじゃあるまいし」
それセクハラオヤジが言うセリフだろ!
「それでは最後にヘッドスピンをお見せしましょう」
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俺は何とか説得した。
その後。
「ちょっと腹減ったな」
「それじゃあお弁当を食べましょう」
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