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第3章 王都防衛編
第94話 王都決戦1・無力
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虹色ゾンビが羽化して、天使に似た光り輝くゾンビが現れた。
光のゾンビはジェット機のように高速で神樹へ向かっていた。俺の鎧コウモリでは到底追いつけない。このままだと王都が破壊されて人々が殺される。
クソ、クソッ! もっと空飛ぶ巨獣の対策を練っておけば……! 蚊の巨獣が現れた時点でやるべきだった。後悔先に立たずだ。
もはや俺が出来ることは急いで馬を走らせて神樹へ戻ることだけだった。
「シロ! 聞こえる!?」
「どうしたトマティナ! 避難したか!?」
「シロが戻るまで私達で食い止めることにしたわ!」
「よせ! 危険だ!」
トマティナ達は俺の屋敷にいるが、その周辺も危険だ。せめて北側から離れて欲しい。
「大丈夫。少し時間を稼ぐだけだから」
「そうですわ。シロ様が戻るほんのちょっとだけですから」
二人の落ち着いた声音。俺を宥めてくれているのだろう。……そうだな、焦ってはダメだ。彼女達を信じよう。
「……分かった。すぐに行くから少しの間だけ頼んだぞ」
急ぎながらも、冷静に。馬から落ちてケガでもしたらそれこそ終わりだ。落ち着け俺。戻りながら策を練るんだ。ヤツを倒す策を。絶対に何かあるはずだ。
俺が頭をフル回転させながら帰還している一方、光のゾンビは腕の一振りで神樹の枝を破壊していた。そして幾許もせず、地上に舞い降りた天使のように幹の上に降り立った。
「会えて嬉しいわ。ゾンビさん。よければ一緒に踊りましょう?」
トマティナは鎧兵を展開していた。数は二千。樹上に多めに残しておいてよかった。だが、俺が近くにいない現状、再召喚は叶わない。今いるおよそ五千体でどうにかして貰うしかない。
「お姉さま、わたくしも混ぜていただきますわ」
二人は部隊を細かく分けている。一網打尽を防ぐためだろう。さすがだ。
「ケケケ……」
光ゾンビは不気味な声を発して様子を窺っている。そのまま止まっていてくれ。なんて願いは叶うはずもなく、ゆらりと腕を上げて十指を前に出した、次の瞬間。
全ての指が“消えた”。
直後、爆音と共に砂煙が上がる。数十体の鎧兵が圧縮したアルミ缶のように潰れた。
「な、なに!?」
煙の晴れた地面には鞭で打ったような、というより、龍が這ったような巨大な跡が残されていた。
これは……透明な指の鞭攻撃か……!
緑ゾンビの透明化、黄色ゾンビの触手の合わせ技と見ていいだろう。
くそ、デタラメな技を使いやがる。今までの全ゾンビの技を使えると考えるべきか。
「二人とも、ソイツは今までのゾンビの技を使えると思った方がいい! 気をつけろ!」
「みたいね。面白くなってきたわ」
ペロリと舌を出すトマティナ。その顔は強張っているものの、まだ余裕がありそうだ。
それから一分ほど攻撃を凌ぐが、限界が見え始める。
「お姉さま、王都へ後退しますわ!」
「……ッ、仕方ないわね」
王都か……なるほど、今は人が居ないから建造物が盾として、または高さのある足場として使えるな。
オイチならではの発想だ。俺なら国民の大切な建物を破壊するのに躊躇していただろう。道徳心や倫理観が欠如している彼女ならではだ。変態もたまには役立つな。
光ゾンビを牽制しながら王都へと向かう軍勢。付かず離れずの絶妙な距離を保っている。上手いな、敵からしたら飛ぶには近過ぎて、近接攻撃するには遠い。ゆえに数歩ずつ動くしかない。
しかしその苦肉の策も、痺れを切らした光ゾンビによって容易に破られる。
「キャキャキャキャ!」
精神の壊れた少女のような声を上げるとともに、体中に穴が開いて黒い弾丸が放出される。分かりやすく表現すると、マシンガンだ。
物量攻撃により、散らしていた兵が次々に潰されていく。
それでも大多数はなんとか王都へたどり着いていた。
「さぁ、ここからが本番よ」
光ゾンビが王都の防壁に手を掛ける。壁がクッキーでも握りつぶすように簡単に崩れていく。
「こっちですわよ!」
オイチは鎧兵をワザと見えやすい位置に配置して敵を王都内へと誘っている。
そして遂に壁を破壊して王都へ一歩踏み込んだ。
「攻撃するわ! オイチ、合わせて!」
「了解ですわ、お姉さま!」
建造物に潜ませていた鎧兵が姿を現し、矢の雨を降らす。
敵は腕を振って弾くが、建物に接触してよろめいた。
「あら、まだまだステップは下手ね。それじゃあ社交界には出られないわよ?」
トマティナが余裕の台詞を吐きながら攻撃を続ける。
「高さがあればどうにかなりますわ」
オイチは鎧兵を屋根に登らせて攻撃。頭を重点的に狙っている。
敵は鬱陶しそうにしつつも、少しずつ王都内へと踏み込んでいた。
「そろそろ仕上げですわ」
その一言を発した瞬間、光ゾンビの足元が崩れる。
「グギィ!?」
驚く光ゾンビの周囲をよく眺めると“鎧モグラ”の頭が見えた。
オイチが鎧モグラで地盤を緩くしたようだ。なるほど、面白い手だな。
俺が感心している間にも地面が崩れ、敵の体勢が悪くなっていく。
「トドメですわ!」
一際高い建物から跳んだ兵がクロスボウを頭へ打ち込む。直後、爆発。しかし。
敵は顔に小さな盾を顕現させて爆発を防いでいた。
「ケケケ……」
一度使った策は通じない、とでも言うようにニチャリと笑っている。
そして次の瞬間、光ゾンビの体中に穴が開き、全方位ビームが放たれた。
「まずいわ! オイチ、退避させて!」
トマティナが叫ぶも間に合わない。ビームは、高所や物陰に潜む鎧兵を建造物ごと撃ち抜いた。
怪獣映画のワンシーンのごとくあらゆる物体が粉々に散っていく。勢いよく舞い上がった土埃が王都を包む。
数十秒後、視界が晴れた先に全くダメージを負っていない光ゾンビが見えた。周囲の建造物は無惨に壊れ、燃え盛る炎に包まれている。
「……ッ!」
トマティナとオイチは絶句していた。
くそ、やっぱり無理か。鎧兵は残り百体くらい。どのような策を講じようとも一分ともたないだろう。
最悪の展開が頭をよぎる。次は聖地へ行かれてしまう。俺はまだ追い付けない。
絶望が脳を支配し始めた、その時。
「総員、戦闘準備!」
突如、よく通る低い声が響いた。
「な、なんでお前達が!?」
俺がモニター越しに眺める先、現れたのは、女王の側近ルシフェルと、団長グレイプニル率いる北方騎士団だった。
光のゾンビはジェット機のように高速で神樹へ向かっていた。俺の鎧コウモリでは到底追いつけない。このままだと王都が破壊されて人々が殺される。
クソ、クソッ! もっと空飛ぶ巨獣の対策を練っておけば……! 蚊の巨獣が現れた時点でやるべきだった。後悔先に立たずだ。
もはや俺が出来ることは急いで馬を走らせて神樹へ戻ることだけだった。
「シロ! 聞こえる!?」
「どうしたトマティナ! 避難したか!?」
「シロが戻るまで私達で食い止めることにしたわ!」
「よせ! 危険だ!」
トマティナ達は俺の屋敷にいるが、その周辺も危険だ。せめて北側から離れて欲しい。
「大丈夫。少し時間を稼ぐだけだから」
「そうですわ。シロ様が戻るほんのちょっとだけですから」
二人の落ち着いた声音。俺を宥めてくれているのだろう。……そうだな、焦ってはダメだ。彼女達を信じよう。
「……分かった。すぐに行くから少しの間だけ頼んだぞ」
急ぎながらも、冷静に。馬から落ちてケガでもしたらそれこそ終わりだ。落ち着け俺。戻りながら策を練るんだ。ヤツを倒す策を。絶対に何かあるはずだ。
俺が頭をフル回転させながら帰還している一方、光のゾンビは腕の一振りで神樹の枝を破壊していた。そして幾許もせず、地上に舞い降りた天使のように幹の上に降り立った。
「会えて嬉しいわ。ゾンビさん。よければ一緒に踊りましょう?」
トマティナは鎧兵を展開していた。数は二千。樹上に多めに残しておいてよかった。だが、俺が近くにいない現状、再召喚は叶わない。今いるおよそ五千体でどうにかして貰うしかない。
「お姉さま、わたくしも混ぜていただきますわ」
二人は部隊を細かく分けている。一網打尽を防ぐためだろう。さすがだ。
「ケケケ……」
光ゾンビは不気味な声を発して様子を窺っている。そのまま止まっていてくれ。なんて願いは叶うはずもなく、ゆらりと腕を上げて十指を前に出した、次の瞬間。
全ての指が“消えた”。
直後、爆音と共に砂煙が上がる。数十体の鎧兵が圧縮したアルミ缶のように潰れた。
「な、なに!?」
煙の晴れた地面には鞭で打ったような、というより、龍が這ったような巨大な跡が残されていた。
これは……透明な指の鞭攻撃か……!
緑ゾンビの透明化、黄色ゾンビの触手の合わせ技と見ていいだろう。
くそ、デタラメな技を使いやがる。今までの全ゾンビの技を使えると考えるべきか。
「二人とも、ソイツは今までのゾンビの技を使えると思った方がいい! 気をつけろ!」
「みたいね。面白くなってきたわ」
ペロリと舌を出すトマティナ。その顔は強張っているものの、まだ余裕がありそうだ。
それから一分ほど攻撃を凌ぐが、限界が見え始める。
「お姉さま、王都へ後退しますわ!」
「……ッ、仕方ないわね」
王都か……なるほど、今は人が居ないから建造物が盾として、または高さのある足場として使えるな。
オイチならではの発想だ。俺なら国民の大切な建物を破壊するのに躊躇していただろう。道徳心や倫理観が欠如している彼女ならではだ。変態もたまには役立つな。
光ゾンビを牽制しながら王都へと向かう軍勢。付かず離れずの絶妙な距離を保っている。上手いな、敵からしたら飛ぶには近過ぎて、近接攻撃するには遠い。ゆえに数歩ずつ動くしかない。
しかしその苦肉の策も、痺れを切らした光ゾンビによって容易に破られる。
「キャキャキャキャ!」
精神の壊れた少女のような声を上げるとともに、体中に穴が開いて黒い弾丸が放出される。分かりやすく表現すると、マシンガンだ。
物量攻撃により、散らしていた兵が次々に潰されていく。
それでも大多数はなんとか王都へたどり着いていた。
「さぁ、ここからが本番よ」
光ゾンビが王都の防壁に手を掛ける。壁がクッキーでも握りつぶすように簡単に崩れていく。
「こっちですわよ!」
オイチは鎧兵をワザと見えやすい位置に配置して敵を王都内へと誘っている。
そして遂に壁を破壊して王都へ一歩踏み込んだ。
「攻撃するわ! オイチ、合わせて!」
「了解ですわ、お姉さま!」
建造物に潜ませていた鎧兵が姿を現し、矢の雨を降らす。
敵は腕を振って弾くが、建物に接触してよろめいた。
「あら、まだまだステップは下手ね。それじゃあ社交界には出られないわよ?」
トマティナが余裕の台詞を吐きながら攻撃を続ける。
「高さがあればどうにかなりますわ」
オイチは鎧兵を屋根に登らせて攻撃。頭を重点的に狙っている。
敵は鬱陶しそうにしつつも、少しずつ王都内へと踏み込んでいた。
「そろそろ仕上げですわ」
その一言を発した瞬間、光ゾンビの足元が崩れる。
「グギィ!?」
驚く光ゾンビの周囲をよく眺めると“鎧モグラ”の頭が見えた。
オイチが鎧モグラで地盤を緩くしたようだ。なるほど、面白い手だな。
俺が感心している間にも地面が崩れ、敵の体勢が悪くなっていく。
「トドメですわ!」
一際高い建物から跳んだ兵がクロスボウを頭へ打ち込む。直後、爆発。しかし。
敵は顔に小さな盾を顕現させて爆発を防いでいた。
「ケケケ……」
一度使った策は通じない、とでも言うようにニチャリと笑っている。
そして次の瞬間、光ゾンビの体中に穴が開き、全方位ビームが放たれた。
「まずいわ! オイチ、退避させて!」
トマティナが叫ぶも間に合わない。ビームは、高所や物陰に潜む鎧兵を建造物ごと撃ち抜いた。
怪獣映画のワンシーンのごとくあらゆる物体が粉々に散っていく。勢いよく舞い上がった土埃が王都を包む。
数十秒後、視界が晴れた先に全くダメージを負っていない光ゾンビが見えた。周囲の建造物は無惨に壊れ、燃え盛る炎に包まれている。
「……ッ!」
トマティナとオイチは絶句していた。
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最悪の展開が頭をよぎる。次は聖地へ行かれてしまう。俺はまだ追い付けない。
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突如、よく通る低い声が響いた。
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