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おまけ6 第38話補足
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バニアに迫ろうとしたカリブラは突然気を失った。バニアの『陰』がバニアを守るために気づかれぬように何かしらの方法でカリブラを眠らせたのだ。
「……。……」
「また、こいつが喚いたのか。って、今度はこんな所で居眠り!? ……なんてやつだ全く」
カリブラのことをある程度知る男性教師が顔を顰めてカリブラを睨む。どうやらかなり不満に思っているようだが、立場上放っておくワケにもいかないため渋々嫌そうに保健室に運ぶことにした。
「あ~、君たち、カリブラのことでなにか知ってるか?」
「いえ、カリブラが突然寝込んでしまわれて、私達もよくわかりません」
教師に質問を投げられたアスーナたち。答えたのはバニアだが、彼女は白々しく何も知らないと言った。ただ、立場もあるため『自分の護衛が気絶させました』などとバカ正直に言うつもりもない。
一方、教師の方もそれ以上追求するつもりもなかった。どうぜカリブラだからと大事にしなくても大丈夫だと判断したのだ。いざとなればカリブラの責任でいいだろうという打算もあって。
「そうか分かった。じゃあこいつは私が保健室まで運ぶから君たちはそのまま授業に出なさい」
「はい。先生もお疲れ様です」
こうしてカリブラとソルティアが持ちかけた『婚約の交換』という話は強制的に終わった。カリブラは教師によって保健室に運ばれることになるのだが、起きた後で喚きまくるのであった。
◇
「……あい」
「あ?」
「……あい……ミス……ゆー……」
「?? 何いってんだこいつ?」
「ぷっ」
カリブラは保健室のベッドで眠っている最中、寝言を聞かれてしまうのであった。カリブラを運んだ教師と保健室の教師、保健室で手当を受けている生徒にまで。思わず笑いが吹き出してしまうくらいカリブラは寝言を吐くのであった。
「あい……ラブ……ミス……ゆー……」
「?? 何言ってるんだこいつ? 夢の中でアスーナ嬢かソルティア嬢に告白でもしてんのか?」
「ですが、ラブの後にミスってどういうことなんでしょう? 一種のイタズラでしょうか?」
「ぷぷっ、ラブにミス……くくくっ」
この後カリブラは呆れた教師に強制的に起こされて喚き散らすのだが、怒った教師に寝坊と判断されてこの話は終わるのであった。カリブラの見に何が起こったか分からずじまいのまま。本来こういうことはほうっておくべきことではないのだが、カリブラの日頃の行いの悪さが要因で深く調べられることはなかった。
カリブラは納得いかなかったが、それどころではいかなくなっていた。実は、保健室で手当を受けていた生徒がカリブラが保健室で寝ていたことを広めてしまったのだ。おまけに寝言まで正確に伝えて広まってしまったために、カリブラは『寝坊令息』とか『寝言令息』とか『告白令息』とか言われるようになってしまった。
「ふ、ふざけんなよ! なんでこの僕がそんな屈辱的な……畜生! どこのどいつだ! この僕が寝言で告白なんて馬鹿にすんな!」
寝言のことなど覚えていないカリブラは根も葉もない噂だと言うが、噂はもう学園中に広まってしまい、カリブラが違うと言ってももう遅い状況だった。
「畜生! こんな屈辱は生まれて初めてだ! それもこれもあのバニア・モタスのせいだ! 絶対に許せない! 生きることすら後悔するほどの恥辱を与えてやるんだ!」
カリブラはバニアに対する復讐を誓った。しかし、その復讐がカリブラの破滅への入口であったのだ。
「……。……」
「また、こいつが喚いたのか。って、今度はこんな所で居眠り!? ……なんてやつだ全く」
カリブラのことをある程度知る男性教師が顔を顰めてカリブラを睨む。どうやらかなり不満に思っているようだが、立場上放っておくワケにもいかないため渋々嫌そうに保健室に運ぶことにした。
「あ~、君たち、カリブラのことでなにか知ってるか?」
「いえ、カリブラが突然寝込んでしまわれて、私達もよくわかりません」
教師に質問を投げられたアスーナたち。答えたのはバニアだが、彼女は白々しく何も知らないと言った。ただ、立場もあるため『自分の護衛が気絶させました』などとバカ正直に言うつもりもない。
一方、教師の方もそれ以上追求するつもりもなかった。どうぜカリブラだからと大事にしなくても大丈夫だと判断したのだ。いざとなればカリブラの責任でいいだろうという打算もあって。
「そうか分かった。じゃあこいつは私が保健室まで運ぶから君たちはそのまま授業に出なさい」
「はい。先生もお疲れ様です」
こうしてカリブラとソルティアが持ちかけた『婚約の交換』という話は強制的に終わった。カリブラは教師によって保健室に運ばれることになるのだが、起きた後で喚きまくるのであった。
◇
「……あい」
「あ?」
「……あい……ミス……ゆー……」
「?? 何いってんだこいつ?」
「ぷっ」
カリブラは保健室のベッドで眠っている最中、寝言を聞かれてしまうのであった。カリブラを運んだ教師と保健室の教師、保健室で手当を受けている生徒にまで。思わず笑いが吹き出してしまうくらいカリブラは寝言を吐くのであった。
「あい……ラブ……ミス……ゆー……」
「?? 何言ってるんだこいつ? 夢の中でアスーナ嬢かソルティア嬢に告白でもしてんのか?」
「ですが、ラブの後にミスってどういうことなんでしょう? 一種のイタズラでしょうか?」
「ぷぷっ、ラブにミス……くくくっ」
この後カリブラは呆れた教師に強制的に起こされて喚き散らすのだが、怒った教師に寝坊と判断されてこの話は終わるのであった。カリブラの見に何が起こったか分からずじまいのまま。本来こういうことはほうっておくべきことではないのだが、カリブラの日頃の行いの悪さが要因で深く調べられることはなかった。
カリブラは納得いかなかったが、それどころではいかなくなっていた。実は、保健室で手当を受けていた生徒がカリブラが保健室で寝ていたことを広めてしまったのだ。おまけに寝言まで正確に伝えて広まってしまったために、カリブラは『寝坊令息』とか『寝言令息』とか『告白令息』とか言われるようになってしまった。
「ふ、ふざけんなよ! なんでこの僕がそんな屈辱的な……畜生! どこのどいつだ! この僕が寝言で告白なんて馬鹿にすんな!」
寝言のことなど覚えていないカリブラは根も葉もない噂だと言うが、噂はもう学園中に広まってしまい、カリブラが違うと言ってももう遅い状況だった。
「畜生! こんな屈辱は生まれて初めてだ! それもこれもあのバニア・モタスのせいだ! 絶対に許せない! 生きることすら後悔するほどの恥辱を与えてやるんだ!」
カリブラはバニアに対する復讐を誓った。しかし、その復讐がカリブラの破滅への入口であったのだ。
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