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最終章
砂煙
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大きな揺れにリオルもローグも帝国軍も驚いた。
「な、なんだ!? 地震か!?」
「殿下、もしや魔法では!?」
「いや、それはない。大きな魔力は感じられなかったから本当に大地が揺れただけだ」
「そ、そうなのか? いや、ローグが言うならそうか」
大地の揺れにリオルやサーファは「魔法ではないか!?」と焦ったが、ローグが冷静に分析したので少し落ち着いた。
「気をつけろよ。ただの地震ならそれはそれで面倒だ。多分、余震が来るか最悪大きな地震が起こる」
「ええ!? こんな大事な時に地震なんて、」
ズゥウゥゥゥゥウゥゥゥゥウゥゥゥン!!
「「「「「っ!?」」」」」
またもやリオルの言葉を遮るかのように大地の揺れが起こった。しかも先ほどよりも大きく少し長く。
「くっ、落ち着け皆!」
「ちっ! 結構でかい! 最悪な奴だ……ん?」
帝国軍が慌てふためく中、ローグは気付いた。王都の方で砂煙が上がっていることに。それもとても大きな砂煙が。
(もしや、王都で大きな建物が崩壊したのか?)
あれだけの砂煙が王都で上がるのは不自然だ。よほど大きな建物が崩壊したりしなければあり得ない。かつて、ローグが壊滅させた魔法協会も騒動の中で砂煙を上げたことがあるが、今目にしているのはそれ以上だ。
(魔法協会以上の建物が崩壊したか? まあ、魔法が使えないようにしてやったが、それと同時にいろんな魔術も消し去ってやったからな。建物を補強する術式が消えたから建造物の崩壊が起こってもおかしいことじゃないがな。大地の揺れもそれが原因か?)
自身が治まった。それを機に、ローグはリオルに自分の分析を告げる。
「リオさん、王都で大きな建物が派手に崩壊した可能性がある。あの砂煙の量からしてな。地震もそれが原因だろう」
「何? ……本当だ。あんなに砂煙が舞い散るとは、それだけ大きな建物が崩壊したのか。だとすれば大地の揺れも納得がいくな」
「しかし殿下。王都の大きな建物の崩壊が地震の原因だとすれば、王都で何が崩壊したというのですか?」
「直接、王都に言ってみなければ分からない。少し様子を見てから王都に進軍したらどうかな?」
「「……………」」
ローグの分析と進言を聞いてリオルとサーファは考える。地震のせいで帝国軍は少し動揺してしまったし、王都を攻め落とす過程でまた地震が起きたら面倒だ。それに砂煙も気になる。リオルとサーファはしばらく考え込んだ。
「……もう少し様子を見よう。焦って失敗するよりはましだ。ここは王都から距離を取って少し休もう」
リオルの指示で帝国軍の進軍は今から三十分後となった。
「な、なんだ!? 地震か!?」
「殿下、もしや魔法では!?」
「いや、それはない。大きな魔力は感じられなかったから本当に大地が揺れただけだ」
「そ、そうなのか? いや、ローグが言うならそうか」
大地の揺れにリオルやサーファは「魔法ではないか!?」と焦ったが、ローグが冷静に分析したので少し落ち着いた。
「気をつけろよ。ただの地震ならそれはそれで面倒だ。多分、余震が来るか最悪大きな地震が起こる」
「ええ!? こんな大事な時に地震なんて、」
ズゥウゥゥゥゥウゥゥゥゥウゥゥゥン!!
「「「「「っ!?」」」」」
またもやリオルの言葉を遮るかのように大地の揺れが起こった。しかも先ほどよりも大きく少し長く。
「くっ、落ち着け皆!」
「ちっ! 結構でかい! 最悪な奴だ……ん?」
帝国軍が慌てふためく中、ローグは気付いた。王都の方で砂煙が上がっていることに。それもとても大きな砂煙が。
(もしや、王都で大きな建物が崩壊したのか?)
あれだけの砂煙が王都で上がるのは不自然だ。よほど大きな建物が崩壊したりしなければあり得ない。かつて、ローグが壊滅させた魔法協会も騒動の中で砂煙を上げたことがあるが、今目にしているのはそれ以上だ。
(魔法協会以上の建物が崩壊したか? まあ、魔法が使えないようにしてやったが、それと同時にいろんな魔術も消し去ってやったからな。建物を補強する術式が消えたから建造物の崩壊が起こってもおかしいことじゃないがな。大地の揺れもそれが原因か?)
自身が治まった。それを機に、ローグはリオルに自分の分析を告げる。
「リオさん、王都で大きな建物が派手に崩壊した可能性がある。あの砂煙の量からしてな。地震もそれが原因だろう」
「何? ……本当だ。あんなに砂煙が舞い散るとは、それだけ大きな建物が崩壊したのか。だとすれば大地の揺れも納得がいくな」
「しかし殿下。王都の大きな建物の崩壊が地震の原因だとすれば、王都で何が崩壊したというのですか?」
「直接、王都に言ってみなければ分からない。少し様子を見てから王都に進軍したらどうかな?」
「「……………」」
ローグの分析と進言を聞いてリオルとサーファは考える。地震のせいで帝国軍は少し動揺してしまったし、王都を攻め落とす過程でまた地震が起きたら面倒だ。それに砂煙も気になる。リオルとサーファはしばらく考え込んだ。
「……もう少し様子を見よう。焦って失敗するよりはましだ。ここは王都から距離を取って少し休もう」
リオルの指示で帝国軍の進軍は今から三十分後となった。
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