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最終章
ローグVSレオン1
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「い、一撃で、王国の魔法持ち騎士を……」
「お、おお、流石はローグだ。これなら、」
リオルたちは顔をほころばせた。敵がレオン一人になったのだ。これなら、作戦の成功率が大きく跳ね上がった。人数差ならこちらが有利になったのだ。だが、
「言っとくけど、手出し無用だ。あんたたちは他にやることやってくれ」
「っ! しかし、相手は部下を見捨てるような外道だぞ! それに……」
戦場を駆け抜けてきたリオルは、ローグの言うことはすぐに理解できる。ローグを囮にして作戦を継続しろということだ。敵が魔法を使う手練れと言う以上、苦戦は免れまい。
「奴に時間は与えないほうがいい。魔道具はあの枯れ木の隣で準備してくれ」
ローグは目線を左に向ける。リオルも同じように目線を向けると、確かに枯れ木があった。
「……分かった。武運を祈るぞ。皆、準備に取り掛かるぞ」
ローグ達はこそこそ何か話していることに気付いたレオンは、攻撃をリオルたちにも放つ。
「そこのお姉さん。何を話してるのかな~? よそ見はいけないよ【炎魔法】『火球弾』!」
ボンッ! ボンッ! ボンッ! ボンッ!
大きな火の玉がリオルと精鋭部隊に放たれたが、ここでローグの魔法の結界がリオルたちを包む。
「【外道魔法・怠惰】『堕落の壁』!」
「へえ……わざわざ、そんな大きな結界を張るんだ。魔力の無駄だろうに」
(お前がでかい火球をぶっ放すからだよ)
レオンの魔法の火球は以前よりも大きくて強くなっていた。ローグはリオルたちを守るためにも大きな結界を張った。
「リオさん。あんたたちは急いでくれ。身を守るためなら出し惜しみもしないほうがいい。俺が渡した道具も必要なら使い切ってもいい」
「……ああ。勝てよ!」
「おう」
リオルはそれだけ言って精鋭部隊と共に移動した。その場に残ったのはローグとレオンだけだ。
「あははははははは!! これで勝負の、決闘の邪魔はいなくなったね! 『魔法付与・剣』!」
レオンは剣を抜くと、その剣の刀身から炎が噴き出てきた。魔法を付与されて炎の剣のようになったのだ。相当な魔力が発せられ、その分効果は絶大だろう。
「そうだな。これで心置きなく戦える!」
ローグも剣を抜いて構えた。この剣は帝国に与えられた剣をローグが魔法で改造したものだ。この戦いのために用意した特別製だ。
「その剣、王国の物じゃないけど、かなり強力な力があるね?」
「はっ、お前なら分かるか。分かるよな。『魔法付与・剣』!」
ローグの剣が赤紫色の魔力と金色の魔力に覆われた。そして、剣そのものが赤紫色に変化して先が伸びて長剣に変化し、剣の鍔からグリップの部分が金色に変化した。ローグの剣の変化を見たレオンから笑顔が消えた。
「……ちょっと特別過ぎない?」
「流石に俺もずるいと思ったけど、その剣も王国軍の特別性だろ?」
ローグの言うとおりだった。レオンの剣は一般の王国兵の剣と細部が違う。魔法付与に適した術式を組み込んだ特別性だ。かなり早い出世を重ねたレオンだからこそ与えられた剣なのだ。
「……否定できないけど、それには負けると思うな。僕が勝ったらくれよ」
「勝ってみろよ」
「そうするよ」
ガッキィィィィィン!
「お、おお、流石はローグだ。これなら、」
リオルたちは顔をほころばせた。敵がレオン一人になったのだ。これなら、作戦の成功率が大きく跳ね上がった。人数差ならこちらが有利になったのだ。だが、
「言っとくけど、手出し無用だ。あんたたちは他にやることやってくれ」
「っ! しかし、相手は部下を見捨てるような外道だぞ! それに……」
戦場を駆け抜けてきたリオルは、ローグの言うことはすぐに理解できる。ローグを囮にして作戦を継続しろということだ。敵が魔法を使う手練れと言う以上、苦戦は免れまい。
「奴に時間は与えないほうがいい。魔道具はあの枯れ木の隣で準備してくれ」
ローグは目線を左に向ける。リオルも同じように目線を向けると、確かに枯れ木があった。
「……分かった。武運を祈るぞ。皆、準備に取り掛かるぞ」
ローグ達はこそこそ何か話していることに気付いたレオンは、攻撃をリオルたちにも放つ。
「そこのお姉さん。何を話してるのかな~? よそ見はいけないよ【炎魔法】『火球弾』!」
ボンッ! ボンッ! ボンッ! ボンッ!
大きな火の玉がリオルと精鋭部隊に放たれたが、ここでローグの魔法の結界がリオルたちを包む。
「【外道魔法・怠惰】『堕落の壁』!」
「へえ……わざわざ、そんな大きな結界を張るんだ。魔力の無駄だろうに」
(お前がでかい火球をぶっ放すからだよ)
レオンの魔法の火球は以前よりも大きくて強くなっていた。ローグはリオルたちを守るためにも大きな結界を張った。
「リオさん。あんたたちは急いでくれ。身を守るためなら出し惜しみもしないほうがいい。俺が渡した道具も必要なら使い切ってもいい」
「……ああ。勝てよ!」
「おう」
リオルはそれだけ言って精鋭部隊と共に移動した。その場に残ったのはローグとレオンだけだ。
「あははははははは!! これで勝負の、決闘の邪魔はいなくなったね! 『魔法付与・剣』!」
レオンは剣を抜くと、その剣の刀身から炎が噴き出てきた。魔法を付与されて炎の剣のようになったのだ。相当な魔力が発せられ、その分効果は絶大だろう。
「そうだな。これで心置きなく戦える!」
ローグも剣を抜いて構えた。この剣は帝国に与えられた剣をローグが魔法で改造したものだ。この戦いのために用意した特別製だ。
「その剣、王国の物じゃないけど、かなり強力な力があるね?」
「はっ、お前なら分かるか。分かるよな。『魔法付与・剣』!」
ローグの剣が赤紫色の魔力と金色の魔力に覆われた。そして、剣そのものが赤紫色に変化して先が伸びて長剣に変化し、剣の鍔からグリップの部分が金色に変化した。ローグの剣の変化を見たレオンから笑顔が消えた。
「……ちょっと特別過ぎない?」
「流石に俺もずるいと思ったけど、その剣も王国軍の特別性だろ?」
ローグの言うとおりだった。レオンの剣は一般の王国兵の剣と細部が違う。魔法付与に適した術式を組み込んだ特別性だ。かなり早い出世を重ねたレオンだからこそ与えられた剣なのだ。
「……否定できないけど、それには負けると思うな。僕が勝ったらくれよ」
「勝ってみろよ」
「そうするよ」
ガッキィィィィィン!
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