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最終章

二週間後

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 ローグ達が帝国で会議をしてから2週間後。

「どうだ?」

「問題ありません。大丈夫です」

「そうか。よし、先に進もう」

「「「「「了解」」」」」

 人が寝静まる真夜中で、ローグとリオル率いる部隊が王国の周辺をうろつきまわっていた。いや、性格には王国の周りにローグの作った特殊な魔道具を設置していっているのだ。そのため、部隊は迅速かつ的確に作戦を実行できるように少数精鋭で構成されている。

「良し。第七装置はここに設置しよう。リオさんお願いします」

「わかった。装置を組み上げろ」

「「「「「了解」」」」」

 精鋭部隊は迅速に尚且つ静かに『第七装置』を組み上げる。そして、ローグが指定した場所に設置した。ローグとリオルたちはこれまでに別々の場所でも同じような魔道具を六機ほど組み上げて設置していったのだ。王国を取り囲むように。

「……私達がこのような魔道具を使う日が来るなんてな。それも一国を覆うほどの規模の力を使うなんて」

「言っとくけど、作ったのは俺、起動させるのも俺、作戦の要は俺だからな」

「ああ、分かってるさ。君の力によるところが大きい。まあでも……」

 リオルは組みあがった魔道具を見つめる。その目に映ったのは見たこともない文字と不思議な魔法陣が描かれたオブジェのような柱だ。これが組みあがった魔道具であり、帝国が王国に打ち勝つための礎となるというのだ。

「……私達は、帝国は王国に勝つためにこんな手段を取ることになるのだな」

 リオルは複雑な心境で口をこぼす。勝つためとはいえ、ローグの切り札と考えを組み込んだ作戦に思うことがあるらしい。今まで自分が努力で磨き上げた剣技で正々堂々と戦ってきただけに、このような作戦を受け入れられない自分がいる、そんな気分なのだ。

「リオさん。あんたの気持ちは正直分からなくもない。俺も魔法を持てなかった『無能』だったころはすごく努力させられたもんさ。生き残るためにな。随分と辛酸をなめられたもんさ。だからこそ、絡めてだったり奇抜だったり卑怯な手を使わなければならない時もあるものさ」

「ローグ……そうだな、そういう時もあるな」

 リオルは迷いを振り払うかのように深呼吸と気を引き締めて、向き直った。

「確かに、奇麗ごとばかりでは戦争は有利に働かない。帝国の未来のために誰かが手を汚さなくてはならないのなら私がそのよく目を担わなければならない。これも王族の務めだ」

「そういうことだ。まあ、王国には魔法があるから戦争に卑怯があるならまず向こうの方だけどな」

「ふっ、そうだな。魔法を使える君が言うならそうなんだろうな」

 二人が軽口を言い合っている間に、魔道具は最終段階まで準備が終わっていた。そこにローグが魔力を通す。

「よし、残り後一つ。第八魔道具を準備出来れば俺達の戦争の開始だ」

「よし、皆行こう」

「「「「「はい」」」」」

 ローグとリオルたちは最後の場所に向かった。その場所にローグにとって因縁の深いというか宿敵ともいえる人物がいるとはローグ達は思ってもいなかった。
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