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第5章 外国編

尋問3

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 ローグ達は絶句した。価値ある情報、それを守るために自らの意志で死を選ぶなんて……。帝国の皇女リオルでさえショックを受けるのだから、クロズクという組織の非情さがよく分かる。だが、ローグ達にとっては貴重な情報源だ。これ以上彼らに死なれるわけにはいかない。知るべきことがたくさんあるのだ。

「尋問を続けるぞ」
「えええ!?」

 ミーラはこの期に及んで尋問するというローグに驚きを隠せない。リオルは訝し気にローグに問いただす。

「……おい、どうするんだ。何か手はあるのか、自らの命を絶つ覚悟があるこいつらにどうやって……」
「そのための魔法でもある」
「!?」
「やはりな……」
「「「「……!?」」」」

 リオルはそれを聞いてため息を吐く。ローグはまだ生きてる4人に向かって手をかざす。この状況に適した魔法を掛けるためだ。それも、彼らの忠誠心と自己犠牲の精神を踏みにじる魔法をだ。

「【外道魔法・色欲】『愚かな人形』」

 ローグの手から赤紫色の光が漏れだした。その光はもちろん、縛られた4人に放たれる。

「……っ(ドキッ)!?」
「~~っ(ブルブル)! ~~っ(ブルブル)!」
「~~っ(ガクガク)!?」
「…………(ダラン)」

 4人は個々で違った反応を見せたが、最終的に意識があやふやになったのか、動かなくなった。ついでに目は虚ろである。

「いい感じに仕上がったな」
「……これで大丈夫なのか?」
「ああ、早速試してみよう」

 ローグは二人目の口の縛りを解いた。今度は何かを飲み込むようなことはしないでボケーっとしている。自害の心配はなさそうだった。

「よし、死なないな。今度は尋問を始めるか。おい、お前たちは何者だ?」

「……自分たちは、帝国軍クロズク所属、第2暗殺部隊………(省略)………」

「どうだ、ちゃんと話せるからいいだろう?」
「そ、それは……」
「…………」

 自慢げに語るローグを見てリオルもミーラも複雑な顔になる。何しろ洗脳して尋問しているのだ。気分のいいものではない。

「何故俺達を襲った?」

「……『ウルクス』様の、命令で動いた、危険分子だからって……」

「クロズクの長『ウルクス』のことか!」
「知ってるのか、どんな奴だ?」
「目的のためなら手段を選ばない男だ。すでに老人のくせに私が後ろを取られるほどの実力を持っている。敵対することは分かっていたがやっかいな相手だ」

 どうやら強敵のようだ。いずれ立ちふさがる相手になるのは確実のようなので、ローグはウルクスについて知る必要があると判断し、二人目に詳しく聞いてみた。

「ウルクスについて詳しく教えてもらおう。そいつは最近どんなことをしている?」
「……ウルクス様は第一皇子を利用しようとしている……」
「何だと!? 兄上を利用しようとしているだと!? どういうことなのだ!?」
「何のためにそんなことを?」

 ミーラとリオルが動揺するがローグは冷静に分析を続ける。

「二人とも落ち着け。詳しいことを聞こうじゃないか。どう利用するというんだ?」
「……帝国の主導権を握るため……既に第二皇女はこちらの手にある、心を縛って……」
「心を縛る!? 貴様ら、一体何をしたんだ!? 場合によっては……」
「いや、落ち着けって」

 この後、ローグ達は黒幕に目星を付けることができた。そして、この後の行動も決まった。
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