168 / 252
第5章 外国編
新たな襲撃4
しおりを挟む
3人目の敵が物音に気付いて様子を見に来た。そこに現れたのは気絶したはずの二人目の男だった。
「さっきの物音は何だ? 何かあったのか?」
「いや、問題はない。そっちはどんな感じだ」
「こっちも特に問題はない。作戦開始まであと5分だ、配置に戻るぞ」
「了解」
3人目の男が戻ろうとした時だった。後ろから二人目の姿に変装したローグに、一人目の男がされたように絞められてそのまま、
「【外道魔法】!」
ビリビリビリビリビリビリビリビリ!
「~~~~~~~~っ!?」
ドサッ
(更に3人目)
この後、4人目も同じ手口で倒したのだが、この時にミーラがあることに気付いた。
「ローグ、5人目の人の気配が遠ざかっていくんだけど」
「!? 気付かれたか!」
5人目の男は駆け出していた。宿から離れるためにだ。
(くそ! 予想以上じゃないか!)
実はこの男は他の4人とは違い、ローグ達の実力を測るための諜報役でしかなかったのだ。他の4人と敵対者の戦いを見て情報を持ち帰ることが使命であり、戦闘のために来たわけではなかったのだ。
そんな5人目の彼が見た限りでは、あっという間に戦いが終わっていた。それどころか戦いですらなっていないともいえるだろう。ローグ・ナイト、この少年はあまりにも強すぎる。下手をすれば自分の位置も把握されてる可能性が高い。一刻も早くここから離脱して情報を持ち帰らなければならない。そう感じて、全力で逃走を図ったのだ。
彼は諜報役というだけあって逃走能力に秀でた男だった。すでに宿が見えないところまで走っている。既に辺りは暗くなっているのだ、絶対に捕まるはずがないと思い込んでいた。たとえ相手が優れた魔法持ちであったとしてもだ。
だが、彼は見誤っていた。敵はローグ・ナイトだけではないのだ。
「(ゾクッ)……!?」
強い悪寒が彼の全身に走った。嫌な予感がしたせいで反射的に後ろを振り返ってしまった。振り返った先には何もなかったが、その時に前から強い衝撃が襲ってきた。
ドンッ
「ぐはっ!? な、何……?」
「よお」
「んな!? お、お前は!?」
彼は前方から殴られたのだ。背中に少女がくっついた状態のローグ・ナイトに殴られた。その事実を理解した時、彼は激しく動揺した。いつの間にか追い抜かれて先回りされていたことになる。もう訳が分からなかった。
「な、何で!? 何でだよ! さっきまで……」
「知る必要は、ない!」
狼狽する5人目をローグは容赦なく殴り倒した。これで5人全員が倒されたのだ。
「よくやったミーラ」
「そ、そんな、えへへへへ……」
珍しくミーラを褒めるローグ。ミーラは褒めてもらって喜んでいる。それもそのはずだ。いくらローグでも、逃走能力に秀でた相手を一人で捕まえられるはずがない。そこでミーラに正確な位置を感知してもらって、都合よく追いついたということだ。ミーラを背負っていたのもそのためだった。
この後二人は、5人目を縛り上げて宿の裏に戻った。ローグは5人組全員をひとまとめにして、ミーラはリオルを呼びに行った。
「さっきの物音は何だ? 何かあったのか?」
「いや、問題はない。そっちはどんな感じだ」
「こっちも特に問題はない。作戦開始まであと5分だ、配置に戻るぞ」
「了解」
3人目の男が戻ろうとした時だった。後ろから二人目の姿に変装したローグに、一人目の男がされたように絞められてそのまま、
「【外道魔法】!」
ビリビリビリビリビリビリビリビリ!
「~~~~~~~~っ!?」
ドサッ
(更に3人目)
この後、4人目も同じ手口で倒したのだが、この時にミーラがあることに気付いた。
「ローグ、5人目の人の気配が遠ざかっていくんだけど」
「!? 気付かれたか!」
5人目の男は駆け出していた。宿から離れるためにだ。
(くそ! 予想以上じゃないか!)
実はこの男は他の4人とは違い、ローグ達の実力を測るための諜報役でしかなかったのだ。他の4人と敵対者の戦いを見て情報を持ち帰ることが使命であり、戦闘のために来たわけではなかったのだ。
そんな5人目の彼が見た限りでは、あっという間に戦いが終わっていた。それどころか戦いですらなっていないともいえるだろう。ローグ・ナイト、この少年はあまりにも強すぎる。下手をすれば自分の位置も把握されてる可能性が高い。一刻も早くここから離脱して情報を持ち帰らなければならない。そう感じて、全力で逃走を図ったのだ。
彼は諜報役というだけあって逃走能力に秀でた男だった。すでに宿が見えないところまで走っている。既に辺りは暗くなっているのだ、絶対に捕まるはずがないと思い込んでいた。たとえ相手が優れた魔法持ちであったとしてもだ。
だが、彼は見誤っていた。敵はローグ・ナイトだけではないのだ。
「(ゾクッ)……!?」
強い悪寒が彼の全身に走った。嫌な予感がしたせいで反射的に後ろを振り返ってしまった。振り返った先には何もなかったが、その時に前から強い衝撃が襲ってきた。
ドンッ
「ぐはっ!? な、何……?」
「よお」
「んな!? お、お前は!?」
彼は前方から殴られたのだ。背中に少女がくっついた状態のローグ・ナイトに殴られた。その事実を理解した時、彼は激しく動揺した。いつの間にか追い抜かれて先回りされていたことになる。もう訳が分からなかった。
「な、何で!? 何でだよ! さっきまで……」
「知る必要は、ない!」
狼狽する5人目をローグは容赦なく殴り倒した。これで5人全員が倒されたのだ。
「よくやったミーラ」
「そ、そんな、えへへへへ……」
珍しくミーラを褒めるローグ。ミーラは褒めてもらって喜んでいる。それもそのはずだ。いくらローグでも、逃走能力に秀でた相手を一人で捕まえられるはずがない。そこでミーラに正確な位置を感知してもらって、都合よく追いついたということだ。ミーラを背負っていたのもそのためだった。
この後二人は、5人目を縛り上げて宿の裏に戻った。ローグは5人組全員をひとまとめにして、ミーラはリオルを呼びに行った。
0
お気に入りに追加
56
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
最強令嬢とは、1%のひらめきと99%の努力である
megane-san
ファンタジー
私クロエは、生まれてすぐに傷を負った母に抱かれてブラウン辺境伯城に転移しましたが、母はそのまま亡くなり、辺境伯夫妻の養子として育てていただきました。3歳になる頃には闇と光魔法を発現し、さらに暗黒魔法と膨大な魔力まで持っている事が分かりました。そしてなんと私、前世の記憶まで思い出し、前世の知識で辺境伯領はかなり大儲けしてしまいました。私の力は陰謀を企てる者達に狙われましたが、必〇仕事人バリの方々のおかげで悪者は一層され、無事に修行を共にした兄弟子と婚姻することが出来ました。……が、なんと私、魔王に任命されてしまい……。そんな波乱万丈に日々を送る私のお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる