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本編
19.クレイドール ー崩壊ー
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「やはり屋敷にはいないか。あんな書置きを残したのだ、当然だろうな」
当然でしょうに。それどころか、もっと早く出て行ってもおかしくないのですよ? もっとも、私達が計画のためにタイミングを見計らったから、こういう状況になったのですがね。これからもっと状況が動きますが。
「……失敗したな。私が仕事にかまけて家庭を見なかった結果がこれか。……今度は家族をよく見なかったせいで失敗するとは皮肉だな」
今更、後悔しても遅いです。ベーリュ・ヴァン・ソノーザ、貴方はあまりにも自分の家族を蔑ろにしすぎました。あの日記の内容からして若かったころから家族を駒のように見ていた男が、妻子といい関係を築けるはずがなかったのですね。家族を踏み台にして成功を手にしてきた人生は、家族関係が原因で終わるのです。
「すぐにサエナリアを探し出す手配を用意しろ。騎士を動かしても構わん」
サエナリアお嬢様の家出が大ごとになる前に見つけ出そうというのでしょうが残念。側近のウオッチさんもこちら側なので見つけてくれることはありませんよ。ふふふ!
「かしこまりました。では、サエナリア様の似顔絵を作成して騎士たちに配りましょう」
「似顔絵か、それなら……」
ベーリュは奥様の後ろにいる私に目線を移しました。え? まさか?
「サエナリアの侍女。お前に似顔絵を頼む。できるな?」
「! はい。分かりました」
うわっ、私に頼むなんて卑怯な! でも、不審がられるわけにはいかなくて即答するしかありません。
「あなた、何故使用人に似顔絵を頼むの? この娘は確かにさサエナリアの専属だったみたいだけど、それだけでしょう?」
何を言い出すんでしょうか、この女? 貴女のような薄情者がお嬢様の似顔絵を描けると思って?
「ああ、確かに専属侍女だ。だが、長女を蔑ろにしてきたお前や姉の名前も覚えていない娘よりもましだとは思わんか?」
ほら、やっぱり。実の夫に蔑まされて何も言えなくなる。ざまあ。
◇
サエナリアお嬢様の似顔絵を描く。私はその要望に対して、あえて正確に描いて見せた。
「お嬢様のお顔は………このようになります」
「「え?」」
……やはり、疑問形か。自分の娘の顔すらろくに見ていないから本気で戸惑ってるよ。何て奴ら! 正確に描いてやってもこれか。分かっていたけど。
「………そうか、そうだったな。私に似たのだったな」
「ああ、確かにこんな顔だったわ………」
私が描いた『似顔絵のサエナリアお嬢様』はベーリュ・ヴァン・ソノーザと同じ黒目で茶髪。おそらくこの二人にとっては、『妹と違って美しいというわけでも、逆に醜いというわけでもないような地味で特徴のない顔つき』ということでしょう。今働いている喫茶店では、髪型も化粧も変えているから出回っても見つからないでしょう。
……それにしてもこの二人、見ているだけで「本当に妹と比べればたいして可愛くない」と思っていることが分かります。そんな微妙な顔で娘を見るなよ。自分の子だろうに……。
「ねえ! もうなんなのよ! 何で今更見なくなった女のために騒いでんのよ! お菓子はまだあ!?」
こんな時に我儘なバカ娘が癇癪を起します。うるさいですねえ。
「………お前は実の姉のがいなくなって心配だと思わないのか?」
ベーリュが底冷えるほど冷めた声でワカナに声を掛けてやるが、酷い返答が来る。
「何でこの私がいない女の心配をしなくちゃいけないのよ! 馬鹿じゃないの?」
馬鹿はどっちだ。
「父親の私にもこれか。相当ひどいな……………おい、誰かこの娘を自室に閉じ込めろ。うるさくて仕方がない。少し手荒でもいいぞ」
「え?」
ああ、いずれこうなると思っていましたよ。
「あ、あなた、何を言って……」
役立たずな奥様が無駄な抗議をしても、冷たい目で睨まれてひるんでしまう。当然です。
「お前はもう黙ってろ、この役立たずが。これから娘たちの教育は私が行う。お前はもう口出ししなくていい。大変な失敗をしたのだからな」
「そ、それは……」
黙り込む奥様は思い知ったのでしょうねえ。娘たちの教育について大変な失敗をしたのだと。自業自得、ざまあないですね。
「はあ!? 何言ってんのよお父様! 何で私が閉じ込められなくちゃいけないの! お菓子は、綺麗なドレスはあるの!?」
「黙れ! 見てくれは言いだけの我儘娘が! おい、さっさと連れていけ!」
「「「はっ!」」」
使用人たち、つまり私の同僚たちはベーリュに命じられてワカナという馬鹿を連れて行きました。連れていかれたワカナは「何するのよ!」「私を誰だと思ってるの、ムキー!」などと喚き散らして暴れます。やかましいですねえ。
「あ、あの子が可哀想だわ……」
はあ? この期に及んでまだ言うか? 腹立つ女だなあ。
「あの子? ワカナとサエナリア、どっちがだ?」
「…………」
黙るなよ、サエナリアお嬢様が可哀そうだろ。こんな両親とあんな妹を持ったサエナリアお嬢様が!
「答えは簡単だ。二人とも可哀そうだ」
「え」
おい。妹の方は可哀そうじゃないだろ。
「片方の娘しか愛さない母親、そんな母親に育児を任せて娘を顧みない父親。こんな愚かな両親を持った二人がかわいそうと言ったのだ。違うか?」
「……っ! あ、あ、ああああああああぁぁぁぁぁ!」
そうじゃないだろ。ワカナは除外しろよ。そう思ったのに母親の方は今になって慟哭までする。屋敷中に響くほど叫ばないでくださいな。うるせえ。
「……何と惨めな姿か。あれが私の妻、か」
……何が惨めだ。次は貴方がこうなるんだ。もっとひどい醜態をさらすのは自分だとも思っていないのでしょうが、多くの罪が暴かれた時がいずれ来るので覚悟してほしいですね。
「私にも責任があるか。こうなっては大きな規模でサエナリアを探し出さなくてはならん。せっかく王家と婚約までこぎつけたというのに……もしも、サエナリアが見つからなかったら、ソノーザ家は落ち目に戻ってしまう。そんなことは許されない……!」
落ち目? 笑いがこみ上げそうですねえ。私達の計画で落ち目どころか破滅の道へ向かっているというのに。
「ワカナのことは後回しにするか、もはや手遅れだろうしな」
手遅れなのはソノーザ家そのものですよ? ソノーザ公爵家崩壊計画はすでに始まっているのですからねえ。
当然でしょうに。それどころか、もっと早く出て行ってもおかしくないのですよ? もっとも、私達が計画のためにタイミングを見計らったから、こういう状況になったのですがね。これからもっと状況が動きますが。
「……失敗したな。私が仕事にかまけて家庭を見なかった結果がこれか。……今度は家族をよく見なかったせいで失敗するとは皮肉だな」
今更、後悔しても遅いです。ベーリュ・ヴァン・ソノーザ、貴方はあまりにも自分の家族を蔑ろにしすぎました。あの日記の内容からして若かったころから家族を駒のように見ていた男が、妻子といい関係を築けるはずがなかったのですね。家族を踏み台にして成功を手にしてきた人生は、家族関係が原因で終わるのです。
「すぐにサエナリアを探し出す手配を用意しろ。騎士を動かしても構わん」
サエナリアお嬢様の家出が大ごとになる前に見つけ出そうというのでしょうが残念。側近のウオッチさんもこちら側なので見つけてくれることはありませんよ。ふふふ!
「かしこまりました。では、サエナリア様の似顔絵を作成して騎士たちに配りましょう」
「似顔絵か、それなら……」
ベーリュは奥様の後ろにいる私に目線を移しました。え? まさか?
「サエナリアの侍女。お前に似顔絵を頼む。できるな?」
「! はい。分かりました」
うわっ、私に頼むなんて卑怯な! でも、不審がられるわけにはいかなくて即答するしかありません。
「あなた、何故使用人に似顔絵を頼むの? この娘は確かにさサエナリアの専属だったみたいだけど、それだけでしょう?」
何を言い出すんでしょうか、この女? 貴女のような薄情者がお嬢様の似顔絵を描けると思って?
「ああ、確かに専属侍女だ。だが、長女を蔑ろにしてきたお前や姉の名前も覚えていない娘よりもましだとは思わんか?」
ほら、やっぱり。実の夫に蔑まされて何も言えなくなる。ざまあ。
◇
サエナリアお嬢様の似顔絵を描く。私はその要望に対して、あえて正確に描いて見せた。
「お嬢様のお顔は………このようになります」
「「え?」」
……やはり、疑問形か。自分の娘の顔すらろくに見ていないから本気で戸惑ってるよ。何て奴ら! 正確に描いてやってもこれか。分かっていたけど。
「………そうか、そうだったな。私に似たのだったな」
「ああ、確かにこんな顔だったわ………」
私が描いた『似顔絵のサエナリアお嬢様』はベーリュ・ヴァン・ソノーザと同じ黒目で茶髪。おそらくこの二人にとっては、『妹と違って美しいというわけでも、逆に醜いというわけでもないような地味で特徴のない顔つき』ということでしょう。今働いている喫茶店では、髪型も化粧も変えているから出回っても見つからないでしょう。
……それにしてもこの二人、見ているだけで「本当に妹と比べればたいして可愛くない」と思っていることが分かります。そんな微妙な顔で娘を見るなよ。自分の子だろうに……。
「ねえ! もうなんなのよ! 何で今更見なくなった女のために騒いでんのよ! お菓子はまだあ!?」
こんな時に我儘なバカ娘が癇癪を起します。うるさいですねえ。
「………お前は実の姉のがいなくなって心配だと思わないのか?」
ベーリュが底冷えるほど冷めた声でワカナに声を掛けてやるが、酷い返答が来る。
「何でこの私がいない女の心配をしなくちゃいけないのよ! 馬鹿じゃないの?」
馬鹿はどっちだ。
「父親の私にもこれか。相当ひどいな……………おい、誰かこの娘を自室に閉じ込めろ。うるさくて仕方がない。少し手荒でもいいぞ」
「え?」
ああ、いずれこうなると思っていましたよ。
「あ、あなた、何を言って……」
役立たずな奥様が無駄な抗議をしても、冷たい目で睨まれてひるんでしまう。当然です。
「お前はもう黙ってろ、この役立たずが。これから娘たちの教育は私が行う。お前はもう口出ししなくていい。大変な失敗をしたのだからな」
「そ、それは……」
黙り込む奥様は思い知ったのでしょうねえ。娘たちの教育について大変な失敗をしたのだと。自業自得、ざまあないですね。
「はあ!? 何言ってんのよお父様! 何で私が閉じ込められなくちゃいけないの! お菓子は、綺麗なドレスはあるの!?」
「黙れ! 見てくれは言いだけの我儘娘が! おい、さっさと連れていけ!」
「「「はっ!」」」
使用人たち、つまり私の同僚たちはベーリュに命じられてワカナという馬鹿を連れて行きました。連れていかれたワカナは「何するのよ!」「私を誰だと思ってるの、ムキー!」などと喚き散らして暴れます。やかましいですねえ。
「あ、あの子が可哀想だわ……」
はあ? この期に及んでまだ言うか? 腹立つ女だなあ。
「あの子? ワカナとサエナリア、どっちがだ?」
「…………」
黙るなよ、サエナリアお嬢様が可哀そうだろ。こんな両親とあんな妹を持ったサエナリアお嬢様が!
「答えは簡単だ。二人とも可哀そうだ」
「え」
おい。妹の方は可哀そうじゃないだろ。
「片方の娘しか愛さない母親、そんな母親に育児を任せて娘を顧みない父親。こんな愚かな両親を持った二人がかわいそうと言ったのだ。違うか?」
「……っ! あ、あ、ああああああああぁぁぁぁぁ!」
そうじゃないだろ。ワカナは除外しろよ。そう思ったのに母親の方は今になって慟哭までする。屋敷中に響くほど叫ばないでくださいな。うるせえ。
「……何と惨めな姿か。あれが私の妻、か」
……何が惨めだ。次は貴方がこうなるんだ。もっとひどい醜態をさらすのは自分だとも思っていないのでしょうが、多くの罪が暴かれた時がいずれ来るので覚悟してほしいですね。
「私にも責任があるか。こうなっては大きな規模でサエナリアを探し出さなくてはならん。せっかく王家と婚約までこぎつけたというのに……もしも、サエナリアが見つからなかったら、ソノーザ家は落ち目に戻ってしまう。そんなことは許されない……!」
落ち目? 笑いがこみ上げそうですねえ。私達の計画で落ち目どころか破滅の道へ向かっているというのに。
「ワカナのことは後回しにするか、もはや手遅れだろうしな」
手遅れなのはソノーザ家そのものですよ? ソノーザ公爵家崩壊計画はすでに始まっているのですからねえ。
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