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番外編

ザイーダ侯爵⑦

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そして、誕生日パーティー当日。

この日は親戚の人が中心に祝いに来た。もちろんネフーミの数少ない友人も来ていたりしていたが、普段の誕生日パーティーよりも若干人が少ない。理由はもちろん、この日の作戦を聞いた人の中には出席をしたがらない人がいたからだ。

「通常の三分の二、といったところか」

それもそのはずだ。ネフーミの見苦しい行為を見たくないと思う人はいるだろう。その後でネフーミが惨めに振られる姿を見たい人はいるようだが。

「いよいよですね」

「ああ」

心なしかウルスの声が少し弾んんで聞こえた。ある意味当然か。これから、ザイーダ家の馬鹿娘を懲らしめると思えば気分がよくなるのも無理はない。






遂にその時が来た。ネフーミがダイドに告白して、そして振られたのだ。ダイドは笑って「面白い冗談」と言ってマリアの元に戻って談笑する。その一方で、ネフーミは現実を受け入れられなかったらしくてわなわなと震えている。

「マズいな、癇癪を起しそうだ」

このままではネフーミが暴走するだろう。そう考えた私はネフーミの傍にやってきて、そこで周りに向かって宣言する。

「名残惜しいですが、これにて我が姉ネフーミ姉様の誕生日パーティーを終了したいと思います! お祝いに来てくださった皆様方、今日は本当にありがとうございました!」

「はっ!?」

このタイミングで誕生日パーティーを閉会するというのも打ち合わせ通りだ。使用人たちは私の合図に合わせてテキパキと閉会の行動に出る。

「さあ、ネフーミ姉様。この後は部屋でゆっくり休んでくださいませ」

私は振られて佇む惨めなネフーミの手を掴んで別の部屋に進んでいった。

「ちょ、ちょっと! 離して!」

このまま強引に引っ張って、会場を後にしようとするがネフーミは暴れそうになった。本当に面倒だ。

「待ってよ! まだ、ダイド様に言いたいことが、」

「もう十分だよ。告白して振られた。もうこれ以上はないでしょ」

「!」

この時のネフーミは振られたショックで情緒不安定。それにつけ込んで言葉巧みに意気消沈させて大人しくさせる。それくらいのことは私一人でもできるのだ。

「結局、ダイド様はマリア姉様のことしか見ていなかった。どんなにネフーミ姉様が美しくても、あの二人の絆はネフーミ姉様が横恋慕して奪い取れるほど脆くなんかないんだ。二人を見て分からなかったの?」

「そ、そんな……」

「諦めなよ。ダイド様のほうからネフーミ姉様を求めなかった時点で、マリア姉様との関係を崩すなんて無理だったんだよ」

そこまで言われてネフーミは膝から崩れ落ちた。この時点で私はいい気味だと思った。







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