14 / 18
14.
しおりを挟む
魔界に入りこんだ七人の勇者達。彼らの魔王宮殿への道のりは険しかった。
バイパーの記憶だけを頼りに、最短かつ戦闘を極力回避したルートを進む。
そして、人類の最高戦力である勇者たちは遂に魔王宮殿にたどり着いた。
しかし、勇者達が魔王宮殿に入ることはなかった。魔王宮殿の門から現れた魔族を見てかつてない戦慄を感じたからだ。
「よくぞ、ここまでこれたものだな勇者達よ。見事といっておこうか」
「「「「「「「っっ!!??」」」」」」」
その魔族は褐色の肌、血のように赤い髪、金色の瞳、頭から生えた禍々しい2本の黒い角、誰もが振り向くほどの美形、首から下までの肌を隠す紫を基調とした服装、金色のネックレスを身につけていた。その特徴的な姿は人類連合軍が一度だけ確認した魔王と思われる魔族の姿と一致していた。
「バイパーさん、もしかしてあいつが!」
セイブンが震えながらバイパーを振り返ると、バイパーはこの場で誰よりも震えていた。
「ま、間違いない! 魔王宮殿を遠目で見た時に確認した魔王と思われる存在! あのドラクン・エモンに頭を下げさせていた姿から、魔王かその縁者かと思われていたこともあったが……このオーラの圧力!」
「おや? 貴様、数十年くらい前に魔界に来た人間の生き残りであったか。妾の姿を確認していたとは少し驚いたぞ。この魔王の姿を人間が見れたのであるからな」
バイパー、そして他の勇者たちも確信した。今魔の前にいる魔族の女こそが人類の宿敵である魔王尾なのだと。
「お前が、魔王………!」
「いかにも。我が名は『ターレナ・コロク』。妾こそ魔王だ!」
「「「「「「「っ!!」」」」」」
我こそが魔王と宣言したターレナ・コロク。その直後、彼女から膨大な魔力が発生した。これまで戦った来た魔族たちの誰よりも強大な魔力の圧力が勇者たちを襲う。しかし、それで怖気づく勇者たちは一人もいなかった。
「く、なんて魔力量だ!」
「あの五人の大元帥の主なのだから当然よね……!」
「皆、怯むなよ! ここでまでくればもう逃げ場もないんだからな!」
「無論、戦うでござる!」
「僕たちの背中に人類の未来がかかっている! 負けるわけにはいかない!」
「俺たちで魔王を倒す! それだけだ!」
「当然だね!」
勇者達の誰一人が己の魔力の圧力に屈しないさまを見て、ターレナ・コロクは笑った。
「ほほう、嬉しいぞ。そう来なくてはな、ではこれはどうかな? 『爆獣破(ばくじゅうは)』!!」
ターレナ・コロクは漆黒の剣を勇者たちに向けると、強大な魔力を纏わせて振るった。それだけで強力な攻撃が放たれた。まるで魔物の姿をした魔力オーラの嵐が勇者たちに襲い掛かる。
「皆! 防御だ! アンゴール王国を滅ぼした技だ!」
「く! 聖剣結界!」
「ライトウォール!」
「セイントバリアー!」
魔法を使える勇者のメンバーが魔法で防御する。魔法の三重結界にもなるのだが、魔王の力の前にどれだけしのげるかは分からない。結界の中で勇者達は身構える。
「くっ! なんて強大な力なんだ! これがアンゴール王国を滅ぼした魔王の力……信じられない!」
「おい、エアストがいないぞ!」
「そんな! まさか結界の外に……え?」
タヒナが最悪の予想をした時だった。突然、魔王の攻撃が止まったのだ。何が起こったのか分からぬ勇者たちが魔王見てみると、攻撃が止まった理由を瞬時に理解した。
「「「「「「エアスト!!」」」」」」
エアストが魔王の背後から刀で奇襲をかけていたのだ。
バイパーの記憶だけを頼りに、最短かつ戦闘を極力回避したルートを進む。
そして、人類の最高戦力である勇者たちは遂に魔王宮殿にたどり着いた。
しかし、勇者達が魔王宮殿に入ることはなかった。魔王宮殿の門から現れた魔族を見てかつてない戦慄を感じたからだ。
「よくぞ、ここまでこれたものだな勇者達よ。見事といっておこうか」
「「「「「「「っっ!!??」」」」」」」
その魔族は褐色の肌、血のように赤い髪、金色の瞳、頭から生えた禍々しい2本の黒い角、誰もが振り向くほどの美形、首から下までの肌を隠す紫を基調とした服装、金色のネックレスを身につけていた。その特徴的な姿は人類連合軍が一度だけ確認した魔王と思われる魔族の姿と一致していた。
「バイパーさん、もしかしてあいつが!」
セイブンが震えながらバイパーを振り返ると、バイパーはこの場で誰よりも震えていた。
「ま、間違いない! 魔王宮殿を遠目で見た時に確認した魔王と思われる存在! あのドラクン・エモンに頭を下げさせていた姿から、魔王かその縁者かと思われていたこともあったが……このオーラの圧力!」
「おや? 貴様、数十年くらい前に魔界に来た人間の生き残りであったか。妾の姿を確認していたとは少し驚いたぞ。この魔王の姿を人間が見れたのであるからな」
バイパー、そして他の勇者たちも確信した。今魔の前にいる魔族の女こそが人類の宿敵である魔王尾なのだと。
「お前が、魔王………!」
「いかにも。我が名は『ターレナ・コロク』。妾こそ魔王だ!」
「「「「「「「っ!!」」」」」」
我こそが魔王と宣言したターレナ・コロク。その直後、彼女から膨大な魔力が発生した。これまで戦った来た魔族たちの誰よりも強大な魔力の圧力が勇者たちを襲う。しかし、それで怖気づく勇者たちは一人もいなかった。
「く、なんて魔力量だ!」
「あの五人の大元帥の主なのだから当然よね……!」
「皆、怯むなよ! ここでまでくればもう逃げ場もないんだからな!」
「無論、戦うでござる!」
「僕たちの背中に人類の未来がかかっている! 負けるわけにはいかない!」
「俺たちで魔王を倒す! それだけだ!」
「当然だね!」
勇者達の誰一人が己の魔力の圧力に屈しないさまを見て、ターレナ・コロクは笑った。
「ほほう、嬉しいぞ。そう来なくてはな、ではこれはどうかな? 『爆獣破(ばくじゅうは)』!!」
ターレナ・コロクは漆黒の剣を勇者たちに向けると、強大な魔力を纏わせて振るった。それだけで強力な攻撃が放たれた。まるで魔物の姿をした魔力オーラの嵐が勇者たちに襲い掛かる。
「皆! 防御だ! アンゴール王国を滅ぼした技だ!」
「く! 聖剣結界!」
「ライトウォール!」
「セイントバリアー!」
魔法を使える勇者のメンバーが魔法で防御する。魔法の三重結界にもなるのだが、魔王の力の前にどれだけしのげるかは分からない。結界の中で勇者達は身構える。
「くっ! なんて強大な力なんだ! これがアンゴール王国を滅ぼした魔王の力……信じられない!」
「おい、エアストがいないぞ!」
「そんな! まさか結界の外に……え?」
タヒナが最悪の予想をした時だった。突然、魔王の攻撃が止まったのだ。何が起こったのか分からぬ勇者たちが魔王見てみると、攻撃が止まった理由を瞬時に理解した。
「「「「「「エアスト!!」」」」」」
エアストが魔王の背後から刀で奇襲をかけていたのだ。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
世界最強の勇者は伯爵家の三男に転生し、落ちこぼれと疎まれるが、無自覚に無双する
平山和人
ファンタジー
世界最強の勇者と称えられる勇者アベルは、新たな人生を歩むべく今の人生を捨て、伯爵家の三男に転生する。
しかしアベルは忌み子と疎まれており、優秀な双子の兄たちと比べられ、学校や屋敷の人たちからは落ちこぼれと蔑まれる散々な日々を送っていた。
だが、彼らは知らなかったアベルが最強の勇者であり、自分たちとは遥かにレベルが違うから真の実力がわからないことに。
そんなことも知らずにアベルは自覚なく最強の力を振るい、世界中を驚かせるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる