235 / 248
第178話 学園に向けて
しおりを挟む
つまり、後二~三日したら学園に出なければならないのだ。学生としてミロアは再び学園に足を運ぶ。一ヶ月近く屋敷にいたミロアが緊張しないはずがない。周囲の目、好奇の目が気になって仕方がない。
「はぁ……今学園に行くのはちょっと怖いけど、オルフェや専属騎士の二人がいてくれるから安心できるわね」
「そうさ。そもそも、もうこれからの学園には面倒な男たちはいないんだ。最初に想定した危機はないよ」
「そうね……」
今回のガンマの暴走で、ミロアたちにとって厄介な者たちは制限された。ガンマは学園を退学することが決まり、勉学などは王宮で厳しい家庭教師と行うことになった。ローイ・ミュドはガンマを唆したとして退学どころか罪人として捕らえられた。処罰はまだ決まってないが、当分は外に出れないだろう。
国家反逆罪をなすりつけられたマーク・アモウは罪そのものがガンマの狂言だったとしてすぐに自由になったが、ガンマを止められなかった無能な側近として周りから白い目で見られることは間違いない。学園にいる間は大きな動きもできないだろう。
そして、男たちだけでなく今回利用されてしまったミーヤ・ウォームも退学を余儀なくされた。そもそも、身分を偽った罪もそこそこ大きいのだ。
「王族、それも元王太子が退学するとなると多くの貴族たちから王族への態度が変わるわね。国王陛下は再発防止も兼ねて今回の出来事を全て公表するつもりでいるみたいだし」
「……まあ、ガンマ殿下とその側近達の酷さやウォーム男爵家の罪を明かすことはいい見せしめになるのは確かだしな。立場としては間違ったことを公にするだけ……国王陛下は正しいことをしようとしているだけさ。学園に戻るミロアのためにもな」
「ええ……」
ミロアが学園に戻る時期くらい国王も把握している。それに合わせて調整してくれるとも事前に聞いていた。ガンマたちのことを明かすのもその調整ということもあるのだ。
「私の学園の復帰にお父様お母様、家臣の皆やオルフェ、それに国王陛下まで力を貸してくれたんだもの。登校の日は堂々としていこうかしら?」
「ああ、それでいいよ。ミロアは公爵令嬢である以上に俺の婚約者なんだからさ」
「オルフェ……ふふふ、ありがとう」
ミロアはにっこり笑って見せた。オルフェも婚約者の笑顔に見惚れながらも笑顔を返す。そして、二人で笑いあった。
「はぁ……今学園に行くのはちょっと怖いけど、オルフェや専属騎士の二人がいてくれるから安心できるわね」
「そうさ。そもそも、もうこれからの学園には面倒な男たちはいないんだ。最初に想定した危機はないよ」
「そうね……」
今回のガンマの暴走で、ミロアたちにとって厄介な者たちは制限された。ガンマは学園を退学することが決まり、勉学などは王宮で厳しい家庭教師と行うことになった。ローイ・ミュドはガンマを唆したとして退学どころか罪人として捕らえられた。処罰はまだ決まってないが、当分は外に出れないだろう。
国家反逆罪をなすりつけられたマーク・アモウは罪そのものがガンマの狂言だったとしてすぐに自由になったが、ガンマを止められなかった無能な側近として周りから白い目で見られることは間違いない。学園にいる間は大きな動きもできないだろう。
そして、男たちだけでなく今回利用されてしまったミーヤ・ウォームも退学を余儀なくされた。そもそも、身分を偽った罪もそこそこ大きいのだ。
「王族、それも元王太子が退学するとなると多くの貴族たちから王族への態度が変わるわね。国王陛下は再発防止も兼ねて今回の出来事を全て公表するつもりでいるみたいだし」
「……まあ、ガンマ殿下とその側近達の酷さやウォーム男爵家の罪を明かすことはいい見せしめになるのは確かだしな。立場としては間違ったことを公にするだけ……国王陛下は正しいことをしようとしているだけさ。学園に戻るミロアのためにもな」
「ええ……」
ミロアが学園に戻る時期くらい国王も把握している。それに合わせて調整してくれるとも事前に聞いていた。ガンマたちのことを明かすのもその調整ということもあるのだ。
「私の学園の復帰にお父様お母様、家臣の皆やオルフェ、それに国王陛下まで力を貸してくれたんだもの。登校の日は堂々としていこうかしら?」
「ああ、それでいいよ。ミロアは公爵令嬢である以上に俺の婚約者なんだからさ」
「オルフェ……ふふふ、ありがとう」
ミロアはにっこり笑って見せた。オルフェも婚約者の笑顔に見惚れながらも笑顔を返す。そして、二人で笑いあった。
8
お気に入りに追加
5,470
あなたにおすすめの小説
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
婚約破棄されましたが、帝国皇女なので元婚約者は投獄します
けんゆう
ファンタジー
「お前のような下級貴族の養女など、もう不要だ!」
五年間、婚約者として尽くしてきたフィリップに、冷たく告げられたソフィア。
他の貴族たちからも嘲笑と罵倒を浴び、社交界から追放されかける。
だが、彼らは知らなかった――。
ソフィアは、ただの下級貴族の養女ではない。
そんな彼女の元に届いたのは、隣国からお兄様が、貿易利権を手土産にやってくる知らせ。
「フィリップ様、あなたが何を捨てたのかーー思い知らせて差し上げますわ!」
逆襲を決意し、華麗に着飾ってパーティーに乗り込んだソフィア。
「妹を侮辱しただと? 極刑にすべきはお前たちだ!」
ブチギレるお兄様。
貴族たちは青ざめ、王国は崩壊寸前!?
「ざまぁ」どころか 国家存亡の危機 に!?
果たしてソフィアはお兄様の暴走を止め、自由な未来を手に入れられるか?
「私の未来は、私が決めます!」
皇女の誇りをかけた逆転劇、ここに開幕!
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
そんなに妹が好きなら死んであげます。
克全
恋愛
「アルファポリス」「カクヨム」「小説家になろう」に同時投稿しています。
『思い詰めて毒を飲んだら周りが動き出しました』
フィアル公爵家の長女オードリーは、父や母、弟や妹に苛め抜かれていた。
それどころか婚約者であるはずのジェイムズ第一王子や国王王妃にも邪魔者扱いにされていた。
そもそもオードリーはフィアル公爵家の娘ではない。
イルフランド王国を救った大恩人、大賢者ルーパスの娘だ。
異世界に逃げた大魔王を追って勇者と共にこの世界を去った大賢者ルーパス。
何の音沙汰もない勇者達が死んだと思った王達は……
不遇な王妃は国王の愛を望まない
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。
※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり(苦手な方はご注意下さい)。ハピエン🩷
※稚拙ながらも投稿初日からHOTランキング(2024.11.21)に入れて頂き、ありがとうございます🙂 今回初めて最高ランキング5位(11/23)✨ まさに感無量です🥲
拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら
みおな
恋愛
子爵令嬢のクロエ・ルーベンスは今日も《おひとり様》で夜会に参加する。
公爵家を継ぐ予定の婚約者がいながら、だ。
クロエの婚約者、クライヴ・コンラッド公爵令息は、婚約が決まった時から一度も婚約者としての義務を果たしていない。
クライヴは、ずっと義妹のファンティーヌを優先するからだ。
「ファンティーヌが熱を出したから、出かけられない」
「ファンティーヌが行きたいと言っているから、エスコートは出来ない」
「ファンティーヌが」
「ファンティーヌが」
だからクロエは、学園卒業式のパーティーで顔を合わせたクライヴに、にっこりと微笑んで伝える。
「私のことはお気になさらず」

【完結】婚約者が私以外の人と勝手に結婚したので黙って逃げてやりました〜某国の王子と珍獣ミミルキーを愛でます〜
平川
恋愛
侯爵家の莫大な借金を黒字に塗り替え事業を成功させ続ける才女コリーン。
だが愛する婚約者の為にと寝る間を惜しむほど侯爵家を支えてきたのにも関わらず知らぬ間に裏切られた彼女は一人、誰にも何も告げずに屋敷を飛び出した。
流れ流れて辿り着いたのは獣人が治めるバムダ王国。珍獣ミミルキーが生息するマサラヤマン島でこの国の第一王子ウィンダムに偶然出会い、強引に王宮に連れ去られミミルキーの生態調査に参加する事に!?
魔法使いのウィンロードである王子に溺愛され珍獣に癒されたコリーンは少しずつ自分を取り戻していく。
そして追い掛けて来た元婚約者に対して少女であった彼女が最後に出した答えとは…?
完結済全6話
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる