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第88話 元側近(2)
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オルフェからミロアへの手紙もよく来ている。流石に毎日とはいかないが、オルフェの視点から見た学園の状況を伝えてもらっているのだ。ただ、あくまでも一個人からの視点からなので大した情報は入ってこない。
だからこそ、オルフェ個人に関わる話にミロアは驚いた。
「どういうことなの、オルフェの手紙にはローイ・ミュドと関わっているようなことはなかったはずよ!?」
「ですが、実際にローイ・ミュドがオルフェ様に突っかかるようなことが幾度かあったようです。そのほとんどがミロアお嬢様との関係についてということのようで、学園の教師すら把握しています」
「なっ……!」
「オルフェ様はそんなときは適当に受け流したりはぐらかしているようです。ローイ・ミュドにあきれている様子から本気で問題ないと思われているか、お嬢様に心配かけたくないと思って手紙で伝えていないのかもしれません。」
「そんな……」
ミロアは絶句した。ローイ・ミュドはまともな人間だと思っていただけに、そんな人物がミロアに極端に好意的であるゆえにオルフェに敵意を剥き出しにしていたとは衝撃だった。
(あれ? ローイ・ミュドってヤバいやつだったの?)
「……その、ローイ・ミュドの行動は結構過激だったりするの?」
「過激というか、頻繁にガンマ殿下やマーク・アモウに辛辣な発言をしては口論になったり、オルフェ様に対して人目も憚らずミロアお嬢様の状況を聞き出そうとしているようです。特に酷いのは、自分がミロアお嬢様の唯一の味方であると口にして触れ回っていることですね」
「うわぁ…………」
具体的なことを聞かされて、ミロアは顔がひきつった。自分に好意を抱いていることは手紙で知ったが、思っていたよりもその思いが過激だったのだ。聞いているだけで、嘗ての自分が思い出される。
(なんてことなの……ローイ・ミュドってガンマ殿下たちとはまた別の意味で面倒な男じゃないのよ! そもそも行動そのものが昔の私……いや、男性だから少し表現が違う? 男の『ヤンデレ』気味ってこと?)
王太子だったガンマのもとを辞めていった元側近。真面目で堂々とした男であるゆえに不真面目なガンマのことを見限った男だと思っていたが、その本性はミロアに対して強すぎる思いを抱いていたことになる。側近を辞めたのもミロアのことを思うゆえの行動だとしたら辻褄も合う。
エイルの口から語られた情報を整理すればそういうことだ。
「ガンマ殿下本人も酷かったけど、その側近たちも問題がありすぎやしない? 脳筋に腹黒にヤンデレって、王家側の側近の選考基準はどうなってんのよーっ!?」
王太子も、騎士団長の息子も、宰相の息子も、元側近もろくでもない男だった。しかも、そのうちの三人がミロアに執着している。そんな理不尽な状況にミロアは激情を叫んだ。
だからこそ、オルフェ個人に関わる話にミロアは驚いた。
「どういうことなの、オルフェの手紙にはローイ・ミュドと関わっているようなことはなかったはずよ!?」
「ですが、実際にローイ・ミュドがオルフェ様に突っかかるようなことが幾度かあったようです。そのほとんどがミロアお嬢様との関係についてということのようで、学園の教師すら把握しています」
「なっ……!」
「オルフェ様はそんなときは適当に受け流したりはぐらかしているようです。ローイ・ミュドにあきれている様子から本気で問題ないと思われているか、お嬢様に心配かけたくないと思って手紙で伝えていないのかもしれません。」
「そんな……」
ミロアは絶句した。ローイ・ミュドはまともな人間だと思っていただけに、そんな人物がミロアに極端に好意的であるゆえにオルフェに敵意を剥き出しにしていたとは衝撃だった。
(あれ? ローイ・ミュドってヤバいやつだったの?)
「……その、ローイ・ミュドの行動は結構過激だったりするの?」
「過激というか、頻繁にガンマ殿下やマーク・アモウに辛辣な発言をしては口論になったり、オルフェ様に対して人目も憚らずミロアお嬢様の状況を聞き出そうとしているようです。特に酷いのは、自分がミロアお嬢様の唯一の味方であると口にして触れ回っていることですね」
「うわぁ…………」
具体的なことを聞かされて、ミロアは顔がひきつった。自分に好意を抱いていることは手紙で知ったが、思っていたよりもその思いが過激だったのだ。聞いているだけで、嘗ての自分が思い出される。
(なんてことなの……ローイ・ミュドってガンマ殿下たちとはまた別の意味で面倒な男じゃないのよ! そもそも行動そのものが昔の私……いや、男性だから少し表現が違う? 男の『ヤンデレ』気味ってこと?)
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エイルの口から語られた情報を整理すればそういうことだ。
「ガンマ殿下本人も酷かったけど、その側近たちも問題がありすぎやしない? 脳筋に腹黒にヤンデレって、王家側の側近の選考基準はどうなってんのよーっ!?」
王太子も、騎士団長の息子も、宰相の息子も、元側近もろくでもない男だった。しかも、そのうちの三人がミロアに執着している。そんな理不尽な状況にミロアは激情を叫んだ。
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