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第28話 今日を振り返る
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自室のベッドで寝転がるミロアは今日のことを振り返る。ガンマが文句を言うために突然訪問してきてそれをうまく追い返すことに成功、父と話して婚約解消のために準備、義母と義妹のことも……色々あった。
「さてと……後は何事もないことを願うけど、そんなに都合のいい話はないわよね」
前世の知識では、転生系統の主人公の親族・仲間にハプニングが起こるのが定番の一つだった。だからこそミロアは父と義母義妹のために色々考えて進言したが、あれで十分だとは確定できない。仮にも敵となる相手は王家なのだから。
「これが駄目な王家であれば付け入る隙をついて『ざまぁ』ってことになるんだけど、ガンマ殿下はともかく国王夫妻はどんな人なのかまだ分からないのよね」
ガンマはミロアの視点でいう『クズ』だ。しかし、その親まではまだ未確定。国王か王妃のどちらかがまともであれば、味方にして短期決戦もできるかもしれないのだが、あのガンマを王太子にしたがっているのなら期待は薄い。
「でも、うちだって公爵家だからね。王家に匹敵する力はあるということだし、お父様も影武者以外は準備してくれるみたいだしね。私のことも……」
ミロアは何とか父にしっかり準備するように説得できたし、ミロア自身の要望も叶えてくれると約束してくれた。その要望とは、ミロアの足りないと思われるものを補うためのことだ。
「明日から私に護身術の授業が加わるのね。習い事が必要になるなんて学生時代以来かしら、前世のね」
ミロアが望んだのは護身術だ。専属騎士がつけられると決まったとはいえ、ミロア自身が弱すぎることは不安の種のまま。それならばと、少しでも理不尽を強いられそうな時に抵抗できる強さがほしいと思ったのだ。
「前世では結構運動できる体だったけど、『こっち』ではどうかな。お父様が強い騎士だったこともあるから私も体は強い方みたいだけどね」
父バーグは戦争の最前線で生き残った騎士でもあったらしく、その娘のミロアも体は強いはずだと言う貴族の子供もいるのだ。事実、あのガンマもミロアのことを『体が強い』と言っている。そのことを思い出したミロアはニヤリと口角を上げる。
『ミーヤ、そんな奴のことは放っておいて構わない。その女は体が強いからな』
「体だけは強い? それだけでは済まさないわ。体だけでなく剣も体術も磨き上げてやるわ。何なら今度は私が突き飛ばしてやろうかしら? ふふふ」
ミロアは強くなった自分を妄想する。前世の影響で結構悪いことも考えるようになったようだ。妄想とはいえガンマを突き飛ばす自分を思い描くミロア。今彼女が自分の顔を見たら『悪役令嬢』のようだと思うかもしれない。
「さてと……後は何事もないことを願うけど、そんなに都合のいい話はないわよね」
前世の知識では、転生系統の主人公の親族・仲間にハプニングが起こるのが定番の一つだった。だからこそミロアは父と義母義妹のために色々考えて進言したが、あれで十分だとは確定できない。仮にも敵となる相手は王家なのだから。
「これが駄目な王家であれば付け入る隙をついて『ざまぁ』ってことになるんだけど、ガンマ殿下はともかく国王夫妻はどんな人なのかまだ分からないのよね」
ガンマはミロアの視点でいう『クズ』だ。しかし、その親まではまだ未確定。国王か王妃のどちらかがまともであれば、味方にして短期決戦もできるかもしれないのだが、あのガンマを王太子にしたがっているのなら期待は薄い。
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「明日から私に護身術の授業が加わるのね。習い事が必要になるなんて学生時代以来かしら、前世のね」
ミロアが望んだのは護身術だ。専属騎士がつけられると決まったとはいえ、ミロア自身が弱すぎることは不安の種のまま。それならばと、少しでも理不尽を強いられそうな時に抵抗できる強さがほしいと思ったのだ。
「前世では結構運動できる体だったけど、『こっち』ではどうかな。お父様が強い騎士だったこともあるから私も体は強い方みたいだけどね」
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ミロアは強くなった自分を妄想する。前世の影響で結構悪いことも考えるようになったようだ。妄想とはいえガンマを突き飛ばす自分を思い描くミロア。今彼女が自分の顔を見たら『悪役令嬢』のようだと思うかもしれない。
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