白い夏に雪が降る【完結済】

安条序那

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第48話 就縛

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 『トッターカとフーガ ニ短調』
 カーラジオで流れていたのは、それだった。
 雨が降り、雨が止む。
 ……再び雨が降り、雨が止む。
 雹の飛礫がフロントガラスを叩き、それが砕けて路面を叩く。
 霹靂が鳴る。晴天に吼える竜のように積乱雲は渦巻きながら、乱気流に飲まれた鳥達が百舌の早贄のように木々に突き刺さって、なおもそれを気にしないように羽ばたいて鳴き声を上げる。
 ある瞬間は恐るべき羽音がして、何かと空を見上げればそれは大群だ。枯れ葉のような羽が空に向かって竜巻となって伸び上がり、耳障りなあの羽音を撒き散らしながら道路に落ちてくる。フロントガラスには死体がタイヤには挽き潰された粘液が混じり合って、次はそれを食らう為の蟻や百足の蟲たちがそれに群がって吐き気を催すほどに悍ましい光景が出来上がる。
 車窓から見る風景は、もはやこの世のものとは思えなかった。この場所には秩序がない……いや、それ以上に――これは……意志がないのだ。
 誰も、どの生き物も意志がない……ウニの胚やホヤのように物理的な刺激をトリガーにして形態を変えていく生き物達がいるが、直感的な印象としてそれが近いだろう。もちろん、人間もその例に漏れない。
 この光景を誰に話せば信じてもらえるだろう、今帝都に向かう道路には大量の廃車が転がっておりほとんどの交通は既に麻痺しているにもかかわらず、大量の車が全く意に介せず帝都に向かって進んでいることを。そして、その車のほとんどが目の前の廃車に全くスピードを落とさずそのままの速度で突っ込んで、その度に火柱と悲鳴が上がっていることを。車内で燃え尽きていく人間に何が出来る。自分の身が粉々になっているのにホルダーから缶コーヒーを取り出そうとしてアスファルトを物色し続ける人間になにができる。
 ……俺は何度も言うが、天才でも異才でも奇才でも秀才でも天賦の子でもない。
 特別なわけでも、誰かより何が出来るわけでもない。
 それはわかっている。
 もし名だたる偉人の彼らみたくピンチをチャンスに変える閃きと、無象に積み上げられたガラクタの没頭達があればいつだって運命を変え得る力があったなら、こんな状況だって、きっと華麗に切り抜けてみせるのだろう。
 でも、俺はそうじゃないことを知っている。
 だから進んでいる。
――俺は帝都に向かうのだ。
 
 桜庭しづるは15号線を進んでいた。
 車内には一人、時刻は昼間のことであった。
 彼は水を打ったような静かな心でただひたに走り続けていた。
 狂った世界の真ん中で、ただ自分だけが今正気だと思って走っている。
 理由はたった一つ、それは『帝都大病院がどうなっているのか知りたい』というものだった。
 帝都に戻りたいわけではない。帝都に入るつもりもない。
 橋の上から眺めて、それだけでいいのだ。
 桜庭しづるの役目、帰れば日常が流れる場所。それがただ一目見たかった。
 こんな地獄を見るに比べて、その価値はいかほどのものだろう。きっと他人から見れば無価値に決まっている。

「それでもいい」

 押し込めるように誰も居ない車内でしづるは呟いた。
 流れていく光景の異変に気が付いたのは、15号線の三咲町の境を抜けて山道を抜けた辺りの頃だった。
 普段ならばこんな時間に車が流れることはほとんどないにも関わらず、今日はやけに車が多かった。
 峠の頂上の生い茂った木々の間を進んで行くに、薄いガードレールだけが崖から通行する車両を守ってくれているような場所である。
 フロントガラスからは赤いバンのスペアタイヤが見えていた。
 そのタイヤに付いていくようにハンドルを切って山道をゆっくりと縫うように降りていたところである。
 ふと飲み物を口に含んで視線を外した瞬間、突如として目の前からタイヤが消えた。
 しづるは驚きつつ急ブレーキし、目の前の光景を凝視した。
 凝視した先には、道がなかった。
 転落事故である。
 急いで車をバックさせ路肩へ駐めるとしづるは崖下を確認しに走った。

「……ッ……ぁ……」

 覗き込んだ崖下には鉄くずが積み重なっていた。
 言葉を失ったしづるは恐ろしくなって車の中へ逃げるように帰った。その間に後方を進んだ車も、同じように転落して燃えていた。
 それからも進めば進むほど、日常は壊れていった。
 世界に入った亀裂の深さが目に見えて帝都へ続いていた。
 もう既に、この道はしづるの知る道ではなくなっていた。
 死の行軍が至る場所にあった。
 一人で歩くには余りにも罪の多い世界。
 悲鳴、悲鳴が聞こえればまだいい。笑う声、声にならない声。
 どこもかしこも死が転がっている。
 しづるはそれでも走り続けた。むしろ走り続けることだけが彼を正気に保っていた。
 視界を意識して狭くして、耳をできるだけ塞いで、それでも足りないほどの大きすぎる絶望には人など取るに足らないただの産まれたばかりの胎児である。
 けれど、その中にあって唯一対抗できるものは覚悟ともう一つだけあった。
 どこまでも、どこまでも車輪は進む。進めようとする限り、死の海にあっても命は進んでいく。
 荘厳極まる音色はさながら祝福である。
 辺りに充満した死の光景に、ただ一人の生者は恵みを与えるようにオルガンの音色を振り蒔いた。

「……」

 桜庭しづるは死の海にあって人間である。
 沈黙の峠を越え、死の海を越えて、目的地にたどり着いていた。
 ドアを開けて、橋に向かい合う。
 この欄干からなら帝都大病院を見ることは出来るのだ。
 ここからでいい、俺の日常の欠片が、そこにあってくれるだけでいい――。
 しづるは祈るように帝都大橋から帝都を眺めた。
 


「――! しづるさん、お帰りなさい」
「……ただいま、礼香」

 二人は向かい合って、礼香は心配そうにしづるを見つめ、しづるはどこか所在なさそうに視線を浮つかせた。

「帝都、どうでしたか?」
「うん、大丈夫だったみたいだ。今のところはね」
「そ、そうでしたか! なら良かった。なんだかしづるさん、元気全然ないからてっきり大きい火事とか、なんだか見たくないものでも見てきちゃったのかもって思ってたんです。でも、良かった。帰ってきてくれたから……心配したんですからね、とっても。けが人なんですから、無理しないでください」

 礼香はしづるの腕にひしと抱きついて、その身体を支えるようにリビングへと誘った。

「それより礼香、あの話、詳しく聞かせてくれ。昨日の夜のことについてヒントになるかもしれないことだし」
「はいっ。とにかくお茶入れますね。あっ血が滲んじゃってる。痛いですよね? じゃあ包帯も変えないと、待っててくださいね。お姉ちゃんに任せてください!」

 しづるは淑やかに微笑んでくるくると忙しそうに動き回る礼香の背中を一休みしながら見ていた。

「……」



 呆然と立ち尽くしていたのはしづるだった。
 白と白の境界がある。
 積乱雲と大地の境界がある。
 断ち切れた帝都大橋は灼けた飴細工めいたひしゃげ方をしていた。
 けれどそれ以上に、帝都は巨人にでも踏み潰されたみたいにぺちゃんこだった。
 帝都大病院、帝都タワー、築百年近い歴史建造物も、みんな一様にプレス機で粉砕されたゴミだった。
 白骨も見えたかもしれない、けれどそれも心を揺さぶるには決して値しなかった。 
 しづるは、冷静だった。
 冷静でしかあれなかった。
 ここにたどり着くまでに万物が異常を掲げ、狂い、斃れていた。
 それに比べ掛けた時、しづるの中に湧き上がったのは意外にも『良かった』という感想であった。
 帝都に暮らしていた約1000万人という膨大な人類。
 もし彼らが15号線での道のりで出会った人間のように狂っていたらどうなっていたろう。
……きっと、今こうして見ている光景よりも悲惨な光景であったに違いない。
 だから、これで良かったのだ。苦しみ足掻かずに事切れたこと、それ以上の救いが、この状況に他に何があるというのだろう。
 俺に出来ることはただ祈るだけだ、できるだけその痛みを化膿させないように。
 しづるは膝をついた。
 そうして最も見栄えの良い一点に三角形に土を盛り、手を合わせた。
 全ての亡くなった人に、死んだ俺の日常に穏やかに祈りを捧げるのだ。
 そうすれば、心も穏やかに戻れるはずだ。だって、俺は――ただひと目帝都を見に来ただけなんだ。
 しづるは奥歯を噛みしめた。

「いいわけ、ないだろォッッ!!!」
 瞠目して叫んでいた。

 自分が叫んでいることも気が付かなかった。
 喉を振り絞って叫ぶ声を止めることはできなかった。

「返せ――!!! 返せよッ!!! みんなを返せェ――!!! ァアーーーッ!!! バカヤロォーッッッ!!! ああああああああああああああ……!!!」

 精神と肉体はいよいよ跛行して、しづる自身にもどちらが自分なのかわからなかった。
 脳に酸素が回っていない酸欠のまま、彼だけ帝都に向かって叫んでいた。
 海に吸い込まれてどこまでもその声すら消えていく。
 それでも無駄でも、しづるは本能で叫んだ。
 学生時代を暮らした安アパート、研修していた病棟、帝都大の友人、かつての恋人、一切合切が今こうして無くなってしまった。それは過去の簒奪と同義である。

「奪いやがって……! 強くなりたいんだ…………!!! もっと、強くなりたい――! もっと、力があれば――!」

 守れたかもしれなかったのに……!!!

 声にすら出来なかった。指先はびりびりと痺れて土を掴んでいた。それ以外は指先一つも動かなかった。

「っ――!!!」 

 しづるの酸欠に陥った脳に、明滅する光があった。
 虹色の輪郭を纏った思考に、光の周波数が伸びて向こう側の光速を体験していた。
 フラッシュバックするように礼香や悠里、そして篠沢一木が意識に浮かび上がりそれは意識の空に瞬く間に沖天し視覚はその意識に追従し視点を移動させていく。

『しーちゃん』『しづるさん!』『しづるくん』『しづる』『桜庭くん?』『桜庭さん』『おい』『桜庭――』

 思い浮かべる顔が一つ一つ消えていく。もう二度と聞くことのできない声達は、名残惜しそうに面影だけを残して、俺の前から消えていく。

『行け』

 それだけが聞こえて、意識に現れた声達は地平線に落ちていき、意識は再び暗い眼球の中に帰ってきていた。

「はァ……は……」

 しづるは踵を返した。もう、どれだけ悔しくてもこの帝都に彼ができることはない。

「俺は、みんなを……守りたかった――」

 言葉は、酷く空しい耳鳴りと消えた。


「……」

「しづるさん! しづるさんってば! 疲れていると思ったので甘い紅茶ですよ~、ほら、どうぞどうぞ」

 礼香の声が耳に届く。肩に指が触れていた。どうも俺は気が付いていなかったらしい。

「…………ああ。ごめん、呆っとしてた。ありがと……」

 テーブルに包帯や傷薬などを広げた礼香は、そのまま椅子に座ってしづるをじいと見た。

「しづるさん」
「? なんだ」
「ありがとう、私を守ってくれて」
「……っ。気にしなくていいよ。俺が、好きでやったこと――」

 しづるの頬に、少女の手のひらが触れた。

「大丈夫です。不安だと思いますけど。きっと、諦めなければ、いつか会えますから」

 しづるは少女の瞳が潤んで揺れているのを見た気がした。少女もまた、同じだった。

「きっと、叶いますから」

 少女はにこりと微笑んだ。

「ああ、ありがとう――」
 
 
  少女は心配そうにしづるを眺めていた。
 しづるは玄関の鏡に映った自分を見ながらサンダルに足を押し込んでいた。

「行くんですか」
「ああ。どうせすぐに治りはしないんだ。それならやれることをしにいこう」

 しづるが叔父である一木から連絡を受けたのは三十分前のことだった。礼香と一通り昨夜の件と礼香の記憶について話し終えた後、やはり計ったように招集を受けたしづるは準備を始めていた。

「あの、わたし、どうすればいいでしょう……ここで待っているのがいいでしょうか」
「いや、礼香。君も来るんだ。きっとこのままここにいたら、世界も一緒にここで終わる。それなら一緒に行こう」
「……世界が、終わるんですか?」
「うん、多分。だからそれを防ぐために行くんだ。絶対にどうにかなるとは言えないんだけどさ」
「しづるさんは、この世界、好きですか?」

 礼香は指先を突き合わせて伏し目がちにしづるに問うた。

「――わからない。複雑なんだ。報われてほしいと思った人が報われなかったこともある、自分がそうなったこともある。合格発表で俺は受かったけど、落ちたヤツもいた。合格したけど急病で通えなくなって、家も貧乏でさ。払いきれない程デカい借金だけ抱えて退学したヤツもいた。人間関係が上手くいかなくって、将来を嘱望されていたにもかかわらず自殺した人間だっていた。きっとそいつらはさ、こんな世界跡形もなく滅びてしまえばいいって思ってたんだと思うよ。……そして、俺はそれを否定出来ない。たまたま俺はその悲しみを避けることができただけだ。日常に流されるのが他の人間より上手だっただけだ。俺は今まで俺のことについて、深い深い、ある種自分の存在が消えてしまった方がずっと楽だなんて思ったことは殆どない」

 しづるは玄関に手をかけた。

「だから、その答えが欲しいんだ。俺はこの世界に『特別』が欲しい。誰とも違う理由が欲しいんだ。俺を世界に繋ぎ止めている理由が。俺の心が世界と繋がっていられる理由が」
「特別……ですか」
「君には蕾くんがいた。それが強い意志で君を世界に繋ぎ止めていた。今だって、きっとそうなんだろう。俺には、そんなに強い意志はない。それでもここに立っている。……理由を見つけたいんだ。俺は、俺の中が空っぽなのか満たされているのかもわからない。それが嫌なんだ。今までいろんな特別になりたかった。けど、どれにも何十歩も及ばなかった。いつも俺は俺が凡庸であることばかり確かめて、俺はあらゆる特別を手に入れることが出来なかった。でも、恨むことだってないんだ。だって俺の立場や境遇は何一つだって不自由じゃない。でも……俺はそれが空しいんだ。『特別な人』が持っている悲しみや孤独、アッパーな性質、壊滅した感性――そのどれも、俺は何一つ持っていないんだ。ただそこらへんにいる一個人でしかないんだ。だからわからないんだ。それが知りたい。ただそれだけなんだ。だからこの世界を嫌いにもなれないし、好きにもなれない。俺にとっての世界は『ただそこにあるもの』でしかない――」

 玄関を開けると、傾き始めた斜陽が差し込んだ。

「きっと、そこにあるだけの世界の中で、しづるさんを繋ぎ止めてくれる人や思い出があるんだと思います。ありますよ。しづるさんには、絶対に」
「……そうかな。わからないや」


「……来たかい。早かったね、しづるくん。ずいぶんな格好だ。大変だったんだね」

 その夕方のことだった。
 御園礼香をつれたしづるは、天文研究所に到着した。

「おじさん、随分遅くなって悪い」
「いいや、そんなことはない。十分だ。君がここに辿り着けただけでもぼくにとっては嬉しいことだ。……そこにいるのは、礼香ちゃんかい」
「……! あ、あなたは――」
「随分昔に会ったことがあるね。お久しぶり。元気にしていたかい?」
「……」
「中で話しよう、おじさん。時間もないんだろ」
「ふふ、そうだね。君たちには伝えるべきことがいっぱいあるからね」

 三人はラボの中に入っていく。エントランス、研究部、続いていく廊下に人間の気配はない。どこまでも不気味なくらいに静寂の帳が降りていた。

「悠里は大丈夫なんだよな」
「大丈夫とは言いがたい状況だが、一応安定はしている。むしろ今後のことを考えればベストコンディションとも言えるかもな……」

 しづるは不審そうに首を傾げた。

「悠里にはもう既に話し終えている。後はしづるくん、君の承認が取れればぼくは計画の最終段階に取りかかることが出来るわけだ、だから今からぼくは君に説明しようと思ってる。きっと君の知りたかったことを話すことが出来るだろう。そしてこの先の予定……というよりも君にお願いしないといけないこと、かな。礼香ちゃんには少しの間休憩室にいてもらいたい。いいかい」
「どうして私が一緒じゃだめなんですか……?」
「君が聞いても分からないし、込み入った話になる。君とは別に話す機会を設けよう」
「そんなにお時間は取らせません。だから今ここで答えてくれませんか!」

 礼香は食い下がり、一木の歩みは止まった。

「なんだい。一つだけで、簡潔に済むものなら許可しよう」
「私のお父さんのこと、何か知っているんですかっ」
「……知っているさ。彼とは腐れ縁でね。ただし友人でも仲間でもない――」

 少女は顔色を失った。

「彼とは、敵同士だ」





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