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第35話 暗涙
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「八月――三十日――」
夜が明ける前の一番暗い時間のことだった。
少女は、一人暗い玄関の前に立った。電子時計の日にちがズレている。
月明かりの仄明るく揺れる世界の奥を見渡し俯瞰しながら、何度ともなく繰り返した日常の風景をどこか酩酊したように見つめていた。
見えない空にはきっと夏の終わりの空が広がっているだろう、どこか終わり際の空だ。
目に見えない終わりがあった。玄関に置かれた片足だけの靴だった。
もうここに靴が揃うことはない、ましてや私の隣にそれが並ぶことは決して。
「蕾……ダメでしょ。靴はちゃんと揃えなきゃダメだって、ねえねと約束、したじゃない……」
震える指先で中の紙を引き出す。そっと、できるだけ時間をかけて紙を開いていた。
少女は恐怖を自覚していた。これを開くことは自分の中で蕾がもうどうしようもなく遠い場所――恐らく死よりもずっと遠い場所――に行ってしまったのを認めることと一緒だった。
『ねえねへ
もし誰かがこれを見付けたら、御園礼香という人のお家に届けてください』
これは蕾の字だ。角の立った蕾特有の字だ。
『今頃ねえねは何をしていますか? ぼくは今、捜し物をしています。
急にお家から出ていってごめんなさい。でもどうしても知りたいことがあったんです。
それは、お母さんのことです。ぼくはずっと、お母さんのことを知っていました。
そして、ねえねも同じ人のことを指しているのだと、思っていました。けど、ねえねはお母さんのことを”精霊”だって言いました。
それはぼくの記憶とは違います。ぼくはずっと、お母さんはねえねに似た大人の人だと思っていました。
ぼんやりと目が覚めたとき、その人の顔を思い出したのを覚えています。ぼくのことを大事に抱えて、その隣にはねえねが居たのです。
ぼくはねえねに優しく撫でてもらっていました。それからもずっと一緒にいて、でも急にねえねたちは居なくなりました。
少し経って、大きな火事――それが見えたのを覚えています。お母さんは炎の中でぼくを抱いて眠っていました。
目覚めることもありませんでした。真っ赤に炎が世界を閉ざしていて織り布のように美しく映っていたのを覚えています。
その中でお母さんは糸の切れたように眠っていました。指先も冷たかったかもしれません。
――けれど、これはねえねが持っている記憶は違うのでしょう。ぼくはようやく、今にしてそのことを知りました。
伝えないといけないことがあります。』
迷ったように、掠れた文字が揺れていた。その上には小さく滲んだ跡があった。いくつもの小さな点があり、破れてなくなっている場所もあった。
『ぼくはねえねに嘘をついていました。
でも、誓ってぼくは嘘をつきたくて嘘をついたわけじゃないことをここに書いておきます。
ぼくは何も知らなかったのです。ねえねとぼくの見ているものが同じだって、ずっと信じていたのです。
ぼくのお母さんは、ねえねのお母さんとは違いました。
ぼくは……御園礼香という人の弟ではありませんでした。
いえ、これは正しくないかもしれません。今はまだはっきりと確定しているわけではないのです。
けれどそれも、ぼくの今から行く場所でわかるのです。
ぼくは今から、ぼくが礼香さんの家に行く前にいた場所、その場所に行こうと思います。
そこに行けばこのはっきりしない記憶の答えが――見つかる気がするのです。
もう一つ、ぼくは謝らないといけないことがあります。
ぼくはずっと、寝たふりをしていました。礼香さんといる何年か、ずっと眠ったふりをしていました。
ぼくは決して眠れなかったからです。なぜかはわかりません。ずっとまぶたの裏を眺めるばかりで、寝かしつけてもらっていても寝たふりをし続けているだけでした。
けれどずっと隣で一緒にいてくれることが、本当に幸せでした。夢で見たあの光景、幸せそうな■■■の顔と――お母さんの安らいだ顔、それをまぶたの裏に浮かべていること、その時間がぼくにとって幸せな時間だったのです。
だからごめんなさい。学校の宿題も、わからないところなんてないのにみんながしているからという理由で聞きに行っていました。嘘をついていてごめんなさい。
もし、それでもぼくが礼香さんと一緒に居られるとしたなら――もう一度、ねえねと呼べることがあるってするうなら――それはぼくが本当のことを知ってからだって思います。
だから、ぼくは本当のぼくの記憶を探しに行きます。
もしこれが最後のお別れになってしまったら、本当にごめんなさい。
今から行く場所は……はっきりと言うと帰ることができるかわからないのです。
ぼくは――文字通り消えてなくなるかもしれません。この世界から、あらゆる場所から、或いは、元々なかったのかもしれません。
あなたの知っていた御園蕾という人間も――弟と呼んでくれていた事実も――すべて、すべてが消えてしまうのかもしれません。
だからこれだけはあなたの元に還るように――それだけを願っています。
もしぼくが帰ってこないままこれが■■■の元に届いたとき、ぼくが居なくなっていたならぼくのことは忘れてください。
ずっといっ――』
その先の紙はなくなっていた。汚い破り跡がついていた。
礼香は紙を抱え、うずくまっていた。
胸の中に詰まった想いが、溢れ出して止まらなかった。
立ち上がると、クロゼットや物置をひっくり返し始めた。
「バカ――蕾のバカ!!! お願いだから勝手にいなくならないで――!!!」
どこかにあるはずだ。だって蕾と誰よりも一緒にいたのは私だもの。
忘れるなんてできるもんか。だって――今こうして私は――あなたのことをあったものとして認識しているのに……。
勝手に忘れるなんてできるもんか。どこかに繋がりがあるはずなんだ――蕾がどこにいったのか、廃教会だけじゃなくて――。
「いやだ、いや、いや――」
絶対に……一人にしたくない。
だってそれは――蕾がいたから、私は孤独から救われたんだから。
ここに来てからたった一人で、みんなと髪の色の瞳の色も違って、お母さんもお父さんもいない。
ずっと一人で寂しくて、虐められ続けて、泣くことも話すこともできなくなっていたことを覚えている。
家から一歩出ることも怖くて、ずっと下を向いて、誰の目も見ることができなくなって世界が怖かった。
人の声も、憐憫も――質問も――何も心が受け付けなくなった。
そんなときに、玄関に少年がやってきた。
大きな荷物を持った少年。インターフォンにジャンプして映ってくるくらい小さいのに、妙に自信に満ちた顔をしていた。
恐る恐る開けた瞬間に、その小さな少年の発した一言を覚えている。
『ねえね――!』
春風と柔らかな日差しと共に飛び込んできた少年は暖かかった。
あの瞬間に、私は一人じゃなくなった。ずっとあの子が一緒に居てくれた。
嬉しそうに私に付いて回る少年、私がダメなときは一緒に居てくれる不思議な子――私の弟。
「蕾……もう一回、お願い。ねえねって、呼んで――」
思い出す度に涙で前が見えなくなった。
「嘘なんていいよ――全然怒ってないんだよ? あの時たまたま私、おっきい声出しちゃっただけで――お願い。いらないよ――なんにも、血の繋がりも、蕾がどこにいたかもどっちでもいいの。お願い、もう一回、蕾と……会いたいの」
もう使っていないアルバムがあった。いつから使っていないだろう。
無心でアルバムは開かれて、私は緩やかに捲っていく。
初めて向日葵を植えた蕾の写真――泥だらけで笑っている。
これはそっか……ベッドで跳ねてる写真……。
「ぶれてるよ……バカ――」
夕焼けを背景に二人で撮った写真――そう、毎週、毎週一枚ずつ私は蕾と――
「そうだ――」
写真の日にちは一週間ずつ。
ということはこれを遡れば蕾がいなくなった日がわかる。
この写真の最後の一枚から一週間後――。
八月――二十三日。
向日葵が咲いている。
蕾が背伸びをしている。
この日の一週間後は――
「はっ」
電子時計に視線を向ける。
携帯電話もズレている。
「八月、三十日は今日――」
外の日差しが入り込み始めた。
頭の中で秒針の音が聞こえる――。
踏み出す足音が広がる度に、脳裏に思い出が過ぎる。
蕾に会いたい――。
一歩一歩踏み出す度に、その音は大きくなっていく。
鼓膜よりもずっと近くで聞こえる。
魂がそう感じていた。
「行かなきゃ――!」
私は、気がつけば足なんて気にせず走り出していた。
玄関を大きく開け放って、あの子を迎えに行くために――。
あの日は間に合わなかった――。
けど今なら、あの電話が鳴る前なら――。
きっと、絶対に間に合うんだ。
二人で、一緒に帰ろうよ――蕾。
「今度は、私が迎えに行かなきゃ――あの子が、ひとりぼっちだった私を迎えに来てくれたんだから――待ってて、待ってて。絶対行くから」
夜が明ける前の一番暗い時間のことだった。
少女は、一人暗い玄関の前に立った。電子時計の日にちがズレている。
月明かりの仄明るく揺れる世界の奥を見渡し俯瞰しながら、何度ともなく繰り返した日常の風景をどこか酩酊したように見つめていた。
見えない空にはきっと夏の終わりの空が広がっているだろう、どこか終わり際の空だ。
目に見えない終わりがあった。玄関に置かれた片足だけの靴だった。
もうここに靴が揃うことはない、ましてや私の隣にそれが並ぶことは決して。
「蕾……ダメでしょ。靴はちゃんと揃えなきゃダメだって、ねえねと約束、したじゃない……」
震える指先で中の紙を引き出す。そっと、できるだけ時間をかけて紙を開いていた。
少女は恐怖を自覚していた。これを開くことは自分の中で蕾がもうどうしようもなく遠い場所――恐らく死よりもずっと遠い場所――に行ってしまったのを認めることと一緒だった。
『ねえねへ
もし誰かがこれを見付けたら、御園礼香という人のお家に届けてください』
これは蕾の字だ。角の立った蕾特有の字だ。
『今頃ねえねは何をしていますか? ぼくは今、捜し物をしています。
急にお家から出ていってごめんなさい。でもどうしても知りたいことがあったんです。
それは、お母さんのことです。ぼくはずっと、お母さんのことを知っていました。
そして、ねえねも同じ人のことを指しているのだと、思っていました。けど、ねえねはお母さんのことを”精霊”だって言いました。
それはぼくの記憶とは違います。ぼくはずっと、お母さんはねえねに似た大人の人だと思っていました。
ぼんやりと目が覚めたとき、その人の顔を思い出したのを覚えています。ぼくのことを大事に抱えて、その隣にはねえねが居たのです。
ぼくはねえねに優しく撫でてもらっていました。それからもずっと一緒にいて、でも急にねえねたちは居なくなりました。
少し経って、大きな火事――それが見えたのを覚えています。お母さんは炎の中でぼくを抱いて眠っていました。
目覚めることもありませんでした。真っ赤に炎が世界を閉ざしていて織り布のように美しく映っていたのを覚えています。
その中でお母さんは糸の切れたように眠っていました。指先も冷たかったかもしれません。
――けれど、これはねえねが持っている記憶は違うのでしょう。ぼくはようやく、今にしてそのことを知りました。
伝えないといけないことがあります。』
迷ったように、掠れた文字が揺れていた。その上には小さく滲んだ跡があった。いくつもの小さな点があり、破れてなくなっている場所もあった。
『ぼくはねえねに嘘をついていました。
でも、誓ってぼくは嘘をつきたくて嘘をついたわけじゃないことをここに書いておきます。
ぼくは何も知らなかったのです。ねえねとぼくの見ているものが同じだって、ずっと信じていたのです。
ぼくのお母さんは、ねえねのお母さんとは違いました。
ぼくは……御園礼香という人の弟ではありませんでした。
いえ、これは正しくないかもしれません。今はまだはっきりと確定しているわけではないのです。
けれどそれも、ぼくの今から行く場所でわかるのです。
ぼくは今から、ぼくが礼香さんの家に行く前にいた場所、その場所に行こうと思います。
そこに行けばこのはっきりしない記憶の答えが――見つかる気がするのです。
もう一つ、ぼくは謝らないといけないことがあります。
ぼくはずっと、寝たふりをしていました。礼香さんといる何年か、ずっと眠ったふりをしていました。
ぼくは決して眠れなかったからです。なぜかはわかりません。ずっとまぶたの裏を眺めるばかりで、寝かしつけてもらっていても寝たふりをし続けているだけでした。
けれどずっと隣で一緒にいてくれることが、本当に幸せでした。夢で見たあの光景、幸せそうな■■■の顔と――お母さんの安らいだ顔、それをまぶたの裏に浮かべていること、その時間がぼくにとって幸せな時間だったのです。
だからごめんなさい。学校の宿題も、わからないところなんてないのにみんながしているからという理由で聞きに行っていました。嘘をついていてごめんなさい。
もし、それでもぼくが礼香さんと一緒に居られるとしたなら――もう一度、ねえねと呼べることがあるってするうなら――それはぼくが本当のことを知ってからだって思います。
だから、ぼくは本当のぼくの記憶を探しに行きます。
もしこれが最後のお別れになってしまったら、本当にごめんなさい。
今から行く場所は……はっきりと言うと帰ることができるかわからないのです。
ぼくは――文字通り消えてなくなるかもしれません。この世界から、あらゆる場所から、或いは、元々なかったのかもしれません。
あなたの知っていた御園蕾という人間も――弟と呼んでくれていた事実も――すべて、すべてが消えてしまうのかもしれません。
だからこれだけはあなたの元に還るように――それだけを願っています。
もしぼくが帰ってこないままこれが■■■の元に届いたとき、ぼくが居なくなっていたならぼくのことは忘れてください。
ずっといっ――』
その先の紙はなくなっていた。汚い破り跡がついていた。
礼香は紙を抱え、うずくまっていた。
胸の中に詰まった想いが、溢れ出して止まらなかった。
立ち上がると、クロゼットや物置をひっくり返し始めた。
「バカ――蕾のバカ!!! お願いだから勝手にいなくならないで――!!!」
どこかにあるはずだ。だって蕾と誰よりも一緒にいたのは私だもの。
忘れるなんてできるもんか。だって――今こうして私は――あなたのことをあったものとして認識しているのに……。
勝手に忘れるなんてできるもんか。どこかに繋がりがあるはずなんだ――蕾がどこにいったのか、廃教会だけじゃなくて――。
「いやだ、いや、いや――」
絶対に……一人にしたくない。
だってそれは――蕾がいたから、私は孤独から救われたんだから。
ここに来てからたった一人で、みんなと髪の色の瞳の色も違って、お母さんもお父さんもいない。
ずっと一人で寂しくて、虐められ続けて、泣くことも話すこともできなくなっていたことを覚えている。
家から一歩出ることも怖くて、ずっと下を向いて、誰の目も見ることができなくなって世界が怖かった。
人の声も、憐憫も――質問も――何も心が受け付けなくなった。
そんなときに、玄関に少年がやってきた。
大きな荷物を持った少年。インターフォンにジャンプして映ってくるくらい小さいのに、妙に自信に満ちた顔をしていた。
恐る恐る開けた瞬間に、その小さな少年の発した一言を覚えている。
『ねえね――!』
春風と柔らかな日差しと共に飛び込んできた少年は暖かかった。
あの瞬間に、私は一人じゃなくなった。ずっとあの子が一緒に居てくれた。
嬉しそうに私に付いて回る少年、私がダメなときは一緒に居てくれる不思議な子――私の弟。
「蕾……もう一回、お願い。ねえねって、呼んで――」
思い出す度に涙で前が見えなくなった。
「嘘なんていいよ――全然怒ってないんだよ? あの時たまたま私、おっきい声出しちゃっただけで――お願い。いらないよ――なんにも、血の繋がりも、蕾がどこにいたかもどっちでもいいの。お願い、もう一回、蕾と……会いたいの」
もう使っていないアルバムがあった。いつから使っていないだろう。
無心でアルバムは開かれて、私は緩やかに捲っていく。
初めて向日葵を植えた蕾の写真――泥だらけで笑っている。
これはそっか……ベッドで跳ねてる写真……。
「ぶれてるよ……バカ――」
夕焼けを背景に二人で撮った写真――そう、毎週、毎週一枚ずつ私は蕾と――
「そうだ――」
写真の日にちは一週間ずつ。
ということはこれを遡れば蕾がいなくなった日がわかる。
この写真の最後の一枚から一週間後――。
八月――二十三日。
向日葵が咲いている。
蕾が背伸びをしている。
この日の一週間後は――
「はっ」
電子時計に視線を向ける。
携帯電話もズレている。
「八月、三十日は今日――」
外の日差しが入り込み始めた。
頭の中で秒針の音が聞こえる――。
踏み出す足音が広がる度に、脳裏に思い出が過ぎる。
蕾に会いたい――。
一歩一歩踏み出す度に、その音は大きくなっていく。
鼓膜よりもずっと近くで聞こえる。
魂がそう感じていた。
「行かなきゃ――!」
私は、気がつけば足なんて気にせず走り出していた。
玄関を大きく開け放って、あの子を迎えに行くために――。
あの日は間に合わなかった――。
けど今なら、あの電話が鳴る前なら――。
きっと、絶対に間に合うんだ。
二人で、一緒に帰ろうよ――蕾。
「今度は、私が迎えに行かなきゃ――あの子が、ひとりぼっちだった私を迎えに来てくれたんだから――待ってて、待ってて。絶対行くから」
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