上 下
18 / 80
1章 宇宙遭難編

17話 飛んでます

しおりを挟む
 宇宙空間に小型ジェット機が姿を現した

「よし、着いたぞ何とか成功だ」

 窓から外を見るとそこに惑星があった、南極北極は白く陸地は惑星のほぼ全域を覆っている、その陸地はほぼ均一な緑に覆われていて森林地帯が大部分を占めていると思われる、海の青い色は陸地の隙間に所々点在している、海が多い地球とは違いここは陸地が多い、さしずめ緑の惑星と言ったところか。

 彼女たちを見ると一瞬の出来事に理解できていない様子である、前回の光速移動は気絶していたので、実質今回が初めての体験だ。

 34年の時間が過ぎているが時間が止まっていたのでほんの一瞬の出来事である。

 麻衣が窓際まで移動したいのかシートベルトを外し立ち上がる、しかし立ち上がる事は出来ず、足はそのまま床を離れ座ったままの姿勢で天井に激突した。

「い、いたい」
「言い忘れたが無重力だからな、勢いをつけて立ち上がるとそのまま飛び上がるぞ、そして笑える行動と絶景をありがとう。
 と言っておこう」

 そう言いながら俺は円錐形状で広がりフワフワしているスカートと中身を見ている、この無重力状態でのスカートがフワフワしている姿は相変わらずの絶景である。
 麻衣は俺の言葉で気がつき両手でスカートを抑える、するとその反動で体が回転を始め飛行機前方に移動していく「わぁああああああ」と可愛い声を出しながら。

 瑠偉を見ると右手で座席をつかみ左手でスカートを抑えている。

「そんなに、気にするならスカート履かなくても…」

 と俺は瑠偉の見ながら言った

「足がみじ・・・いえ、何でもないです」

 と瑠偉は途中で言いかけてやめて右手で口を押えてる、胸は若干残念だが腰からのお尻の形はいいのにな、脱がしてみたいな・・・

「絶対にありえませんから、ホントに刺しますよ?」

 と瑠偉はこちらを睨んでいる。

「え? な、なんおことかな?」 うっ、かんだ・・・
「わ~、浮いてるよ~、凄い凄い!」

 美憂は手で座席のつかみ足は平泳ぎをするように動かし座席の上を器用に飛び回っている、そして窓際に移動した。

「あれ地球? 帰ってきたの?」
「美憂、陸地の形違うだろ? 海も少ないし・・・」
「そう言われてみるとそうかもしれない・・・宇宙から地球を見たことないし」

 美憂は両手で窓枠にしがみついて外を見ている。
 なるほど、瑠偉が成績を聞くなと言ったのはこう言う事か、宇宙から地球を見たのは限られた人しか見れてないが、写真とかで見たことあるだろうに?
 しかしよく高校に入れたな・・・まぁ、運動部の推薦枠だろうな。

 瑠偉を見ると彼女は外を見ている、しばらくして俺の方に振り向く。

「地球に似ていますね・・・陸地がほぼ緑なのが引っかかりますが?
 大丈夫ですよね、兼次?」
「大丈夫だよマックスパワーの8割ほど使ったが失敗はしていない・・・
 はずだから場所はあっている・・・と思う」

 自信なさげの俺の言葉を聞いて瑠偉は眉間にしわを寄せ再び窓から外を眺め始めた。
 麻衣はスカートを抑えながらまだ回っていた、壁にぶつかりそうになると足や手で衝突を防ぐ、しかしその反動でまた反対側に飛んでいく、それを何度も繰り返していた。

「なんとかしてよー、止まらないよー、戻してよー」
「よーし、では手をスカートから離したら座席に戻してやろう」
「いじわるぅー、さっき見たでしょ、もぅ・・・」

 そう言いながら麻衣は天井に頭がぶつかった

「い、いたい・・・戻してよ・・・うぅ」

 力で麻衣の体を捕獲するとそのまま窓際の座席まで移動させ座らせる。

「ほらよ、座ったらシートベルトしとけよ」
「おおおおお、すげーーーーーーーーー、すごいって、すごいってば」

 麻衣は座ると同時に顔を付け外を見て奇声を発しながら狂乱を始めた。

「よく見とけよ、二度と見れないからな景色だからな、ではこのまま近づいて大気圏のすれすれまで移動するぞ」

 彼女たち声をかけるが気づいてない様子で窓から外を無言で眺め続けている。

「これが、初体験と言うやつか・・・」

 反応は無しか、まぁ、いいか・・・進もう

 俺はその惑星に向けて飛行機を移動させると飛行機が徐々に加速してく、手ごろな速度になった所で力を解除する、すると飛行機はそのままの速度を保ったまま惑星に接近していった。

 飛行機はその惑星に近づくにつれ、惑星の輪郭が少しづつ大きくなっていった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

日本国転生

北乃大空
SF
 女神ガイアは神族と呼ばれる宇宙管理者であり、地球を含む太陽系を管理して人類の歴史を見守ってきた。  或る日、ガイアは地球上の人類未来についてのシミュレーションを実施し、その結果は22世紀まで確実に人類が滅亡するシナリオで、何度実施しても滅亡する確率は99.999%であった。  ガイアは人類滅亡シミュレーション結果を中央管理局に提出、事態を重くみた中央管理局はガイアに人類滅亡の回避指令を出した。  その指令内容は地球人類の歴史改変で、現代地球とは別のパラレルワールド上に存在するもう一つの地球に干渉して歴史改変するものであった。  ガイアが取った歴史改変方法は、国家丸ごと転移するもので転移する国家は何と現代日本であり、その転移先は太平洋戦争開戦1年前の日本で、そこに国土ごと上書きするというものであった。  その転移先で日本が世界各国と開戦し、そこで起こる様々な出来事を超人的な能力を持つ女神と天使達の手助けで日本が覇権国家になり、人類滅亡を回避させて行くのであった。

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

魔法学院の階級外魔術師

浅葱 繚
ファンタジー
魔力の色によって使える魔法が決まる世界。魔法学院に入学した主人公ルーシッド・リムピッドの魔力の色は何と『無色』。色が無いゆえに一切の魔法が使えないルーシッド。しかし、実は無色の魔力には彼女だけが知っているある秘密があって… 魔法が絶対の世界は、たった一人の魔術師によって大きく動き出す。

いつか日本人(ぼく)が地球を救う

多比良栄一
SF
この小説にはある仕掛けがある。 読者はこの物語を読み進めると、この作品自体に仕掛けられた「前代未聞」のアイデアを知ることになる。 それは日本のアニメやマンガへ注がれるオマージュ。 2次創作ではない、ある種の入れ子構造になったメタ・フィクション。 誰もがきいたことがある人物による、誰もみたことがない物語がいま幕を開ける。 すべてのアニメファンに告ぐ!! 。隠された謎を見抜けるか!!。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------ 25世紀後半 地球を襲った亜獣と呼ばれる怪獣たちに、デミリアンと呼ばれる生命体に搭乗して戦う日本人少年ヤマトタケル。なぜか日本人にしか操縦ができないこの兵器に乗る者には、同時に、人類を滅ぼすと言われる「四解文書」と呼ばれる極秘文書も受け継がされた。 もしこれを人々が知れば、世界は「憤怒」し、「恐怖」し、「絶望」し、そして「発狂」する。 かつてそれを聞いた法皇がショック死したほどの四つの「真理」。 世界でたった一人、人類を救えも、滅ぼしもできる、両方の力を手に入れた日本人少年ヤマトタケル。 彼は、世界100億人全員から、救いを求められ、忌み嫌われ、そして恐れられる存在になった。 だが彼には使命があった。たとえ人類の半分の人々を犠牲にしても残り11体の亜獣を殲滅すること、そして「四解文書」の謎を誰にも知られずに永遠に葬ることだった。

借金背負ったので死ぬ気でダンジョン行ったら人生変わった件 やけくそで潜った最凶の迷宮で瀕死の国民的美少女を救ってみた

羽黒 楓
ファンタジー
旧題:借金背負ったので兄妹で死のうと生還不可能の最難関ダンジョンに二人で潜ったら瀕死の人気美少女配信者を助けちゃったので連れて帰るしかない件 借金一億二千万円! もう駄目だ! 二人で心中しようと配信しながらSSS級ダンジョンに潜った俺たち兄妹。そしたらその下層階で国民的人気配信者の女の子が遭難していた! 助けてあげたらどんどんとスパチャが入ってくるじゃん! ってかもはや社会現象じゃん! 俺のスキルは【マネーインジェクション】! 預金残高を消費してパワーにし、それを自分や他人に注射してパワーアップさせる能力。ほらお前ら、この子を助けたければどんどんスパチャしまくれ! その金でパワーを女の子たちに注入注入! これだけ金あれば借金返せそう、もうこうなりゃ絶対に生還するぞ! 最難関ダンジョンだけど、絶対に生きて脱出するぞ! どんな手を使ってでも!

異世界に追放されました。二度目の人生は辺境貴族の長男です。

ファンタスティック小説家
ファンタジー
 科学者・伊介天成(いかい てんせい)はある日、自分の勤める巨大企業『イセカイテック』が、転移装置開発プロジェクトの遅延を世間にたいして隠蔽していたことを知る。モルモットですら実験をしてないのに「有人転移成功!」とうそぶいていたのだ。急進的にすすむ異世界開発事業において、優位性を保つために、『イセカイテック』は計画を無理に進めようとしていた。たとえ、試験段階の転移装置にいきなり人間を乗せようとも──。  実験の無謀さを指摘した伊介天成は『イセカイテック』に邪魔者とみなされ、転移装置の実験という名目でこの世界から追放されてしまう。  無茶すぎる転移をさせられ死を覚悟する伊介天成。だが、次に目が覚めた時──彼は剣と魔法の異世界に転生していた。  辺境貴族アルドレア家の長男アーカムとして生まれかわった伊介天成は、異世界での二度目の人生をゼロからスタートさせる。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

❤️レムールアーナ人の遺産❤️

apusuking
SF
 アランは、神代記の伝説〈宇宙が誕生してから40億年後に始めての知性体が誕生し、更に20億年の時を経てから知性体は宇宙に進出を始める。  神々の申し子で有るレムルアーナ人は、数億年を掛けて宇宙の至る所にレムルアーナ人の文明を築き上げて宇宙は人々で溢れ平和で共存共栄で発展を続ける。  時を経てレムルアーナ文明は予知せぬ謎の種族の襲来を受け、宇宙を二分する戦いとなる。戦争終焉頃にはレムルアーナ人は誕生星系を除いて衰退し滅亡するが、レムルアーナ人は後世の為に科学的資産と数々の奇跡的な遺産を残した。  レムールアーナ人に代わり3大種族が台頭して、やがてレムルアーナ人は伝説となり宇宙に蔓延する。  宇宙の彼方の隠蔽された星系に、レムルアーナ文明の輝かしい遺産が眠る。其の遺産を手にした者は宇宙を征するで有ろ。但し、辿り付くには3つの鍵と7つの試練を乗り越えねばならない。  3つの鍵は心の中に眠り、開けるには心の目を開いて真実を見よ。心の鍵は3つ有り、3つの鍵を開けて真実の鍵が開く〉を知り、其の神代記時代のレムールアーナ人が残した遺産を残した場所が暗示されていると悟るが、闇の勢力の陰謀に巻き込まれゴーストリアンが破壊さ

処理中です...