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2章 地球激闘編

7話 戦いの前夜 その3

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 円形の椅子に座り食事が来るのを待っている3人、調理場所を教えに行った美憂は、そのまま一緒に作っているのか、なかなか戻ってこない。

「そうだ瑠偉、この島も俺の物になった。
 今日から個室を与えてやろう、新居が決まるまでだが、ゆっくり寝れるな? これで溜まった欲望を開放できるだろう。よかったな?」
「セクハラだし…しないし…」

「した方がいいぞ? ストレスの軽減、ホルモンの活性化で肌艶アップ、さらに乳癌チェックも出来て一石二鳥だ」
「だから、セクハラだって言ってるでしょ」

 瑠偉は<言ってるでしょ>と同時に右手で机をたたき睨んでくる。
 目を逸らし麻衣を見る、こちらも元気が無いように感じる。
 まぁ、東京があれだし仕方ない、そのせいか2人の口数も少ないし、目線も下降気味だ。

 沈黙が長いな・・・

 夜巳が出て行ってから20分ぐらいたったはず、米を持ってきたと言っていたしあと40分ぐらいかかるか・・・

「兼次ちゃん、明日の討伐に麻衣も行きたいんだけど?」
「いいだろう来るがいい、そして俺の勇士を目に焼き付けるがいい」

 連れてって大丈夫だろうか? まぁかなりの力を与えたし自衛は出来るだろうが…
 問題はどうやって倒すかだが、あれの予知では俺が勝つらしいが、
 戦闘となると、攻撃方法が全く思いつかないぞ…

「ところで参考までに聞きたいのだが、ガイルアとどうやって戦ったらいいと思う?」

 視線が下向きだった2人がこちらを見ると同時に、呆れた表情をしている。

「ノープランなの? 馬鹿なの?」
「兼次ちゃん、大丈夫なの? 倒せるの?」

「あれの予知は正確だから勝てるのは間違いない、だがな・・・」
「なら、あれに聞いたらどうですか?」

 瑠偉は夜巳を相当嫌ってるのか、あれとか物扱いになってる。

 しかしリヴァララが居ないと不便だな、食事にしても細かな用事も指示できない。せっかく俺の物になったことだし、新たに名前を付けよう、呼びずらいしな。よし<ララ>しよう2文字で呼びやすい、あとテナに強制起動できないか聞いてみるか。

 あれの話ではガイルアは動かない、ここには来ないだろう。
 立ち上がり部屋のボタンを押しテナと呼び出すと、何時もの感情のこもってない声が聞こえる。

「なんでしょうか?」
「リヴァララを強制起動できないか? あんな性格だが夜巳の力はかなり優秀だ、アフリカ上空から動かない事は予知で確定している、だからここは安全だ」

「わかりました起動しましょう、どのみち権限は貴方です。
 これから先は自己責任でお願いします」
「お、おう・・・・まかせろ」

 しばらく待っていると、銀の球体が予告なくテーブルの上に出現した。

『お久しぶりです、マスター』
「うむ、早速だが現状を説明しよう」

 そのまま長々とここの安全とガイルア退治の事を説明をする、あとは安全のためにガイルアが消滅するまで、偵察を飛ばさずここで待機するように指示もした。

『了解しましたマスター』
「リヴァララよマスターが変わったんだ、呼び名も変えるぞ。
 <ララ>と命名しよう!」
『了解しましたマスター』

 あっさりと終ったな、ちょっとごねるかと思ったが…

「よしララ、瑠偉と美憂に個室を与えるので、準備しておいてくれ」
『了解しましたマスター』

 ララの発言と同時に銀の球体が突然消える。
 それと同時に部屋の扉が開き3人の視線が一斉に出入り口に集まる、ほぼ全員夜巳が帰ってきたと思っていたが、そこには夜巳ではなく1人の女性が立っていた。

 その女性はこちらに向かって歩いてくる、身長は170前半か…艶やかな長く真っすぐな銀色の髪が光を綺麗に反射し頭部に天使の輪が出来ている。

 顔は色白で可愛いというより美形寄りだ、しかし何となく美憂に似ているが目の色が赤い、BWHは麻衣にそっくりな体系をしている、体に密着している服を着ているせいで、体のラインがより強調され妖艶な美しさを放っていた。

 3人とも入ってきた女性を見入ってしまって、話しかけるタイミングを忘れていた。
 その女性は俺の側まで来て立ち止まった。
 
 麻衣が一番最初に話しかけた。「おお~、すごい美人だ・・・え、誰?」
『マスターより指示されていた、マスター専用ロボットが完成したので、これより配備させていただきます』

 見た目が美人だが、今までの合成音で違和感が半端ない。

「声帯が何時もの声なんだが、違和感があるので変えてくれるか?
 瑠偉達を参考に女性の声にしてくれ」

『了解しました研究しておきます、まず最初に機能の説明を始めます』
「あ、ああ頼む…」

『まず目ですが約5000℃のレザー光線を発射することが可能です、
 視覚はすべての光の波長を検知することが可能で、物質の原子構成を解析することができます。視野は180度で暗闇でも視界の確保が可能です。

 感知センサーは放射線、味覚、温度、湿度、重力波、臭気、気圧、高度、電磁波、磁力線を備えます。

 身体機能は、10tまでの重量の物を持ち上げることが可能で、空中浮遊機能を備えマッハ10での航行が可能です。当然空間転移も行えます。

 搭載する武器は、圧縮した空気を超高速で発射し、厚さ20cmの鉄板を貫通できる、破壊力がある空気砲を搭載しました。

 その空気砲に電磁波や、高温レーザーを混ぜることにより、破壊力を更にあげることが可能で、空気がある限り無限に打ち続けることができます。

 防御関係は、この都市に搭載されている、物理衝撃・断熱・重力波・放射線・電磁波の各シールドの同時展開が可能で、恒星の超新星爆発にも耐えれます。

 以上です。
 その他、細かの機能がありますが、必要に応じて説明させていただきます』

「こ、これは・・・メカ〇リーザなの?」
「な、なに・・・戦争でも起こす気なの?」

麻衣の発言が、かなりおかしい。
瑠偉は大丈夫なの? 的な顔押している。

 しかし、ララさんは自重する気ゼロだな、超新星爆発にも耐えれるとか、俺の力はおろか地球の科学力でも止められない。真面目にこの1体で都市を簡単に滅ぼせそうだ。

 だが一番気になる部分がある、固いか柔らかいかだ! 右手を伸ばし豊満な胸部を目指した。

 固いな・・・固いぞ!

 まぁいいか、見た目はいいから鑑賞用として・・・ん?

「やっぱり、胸から触るんですね・・・」
「さすが兼次ちゃん、ブレないね」

 うわ~、視線が痛い
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