51 / 91
4章 計画を考えているうちに、起こってしまうのが人生
5話 複雑に絡み合った世界
しおりを挟む
兼次・麻衣・リディ姉弟とララが、森林の中でも木が少ない場所に居た。上空からの日の光も程よくあり、周囲よりも明るかった。その中央の地面には、小さな水たまりがあり、日の光を反射してキラキラと輝いていた。
「この辺でいいかな」
と兼次はリディから離れ、木の側に近寄ると、木を背もたれ代わりにして地面に座り込んだ。それを見た麻衣はルディと一緒に、彼の左隣に座る。ララは彼の右隣に座った。
最後まで立っていたリディは、4人を見渡すと仕方なく彼の正面に座った。
「リディ、お前との話はあとだ、その前に確認したいことがある。ララ、連合とは?」
兼次はリディを見て、彼女の表情を確認すると、ララに向かって話しかけた。
「銀河連合です。光速を超えて移動できる宇宙船を保有している。又は、それ以上の渡航技術を、持っている超高度文明の組合みたいなものです。低文明の惑星に配慮し、そこを植民地化しない為、お互いに監視する為に出来た組織です。キプロスも加盟しておりましたが、滅んでいますので現在は7つ惑星が加盟しているはずです」
「7つか… 銀河の規模を考えると、超高度文明の生命ってのは意外と少ないな」
ララの話をリディは、黙って聞いていた。しかし聞こえてくる単語が、理解できず。眉間にしわを寄せて、どのタイミングでその事を、質問しようか考えていた。
「それで教団と連合は、どちらが強いんだ?」
「総合戦力では、圧倒的に連合が上です。しかし、連合の中にも教団の信者が居ます。したがって直接戦うとなると、教団の方に軍配が上がります。そのことが解っているので、連合は教団に手出しできないでいます。教団の方も、手出しできないと踏んでやりたい放題です。それが、現在の銀河内の現状です」
「高度に文明が発達しても、相変わらず宗教問題は複雑だな。それで、先程の奴は教団信者と思うか?」
「最後の言葉『連合に報告しません』や、『何であるか理解している』 そして、分かっていても逃げなかった。そこから考察すると、99%の確率で教団信者です。今ごろは、教団上層部と連絡を取っているでしょう」
「そこから推測される未来は?」
「マスターに会おうと、この惑星に大量の宇宙船が、押し寄せると考えます」
「仮に俺が教団に、神として祭り上げられるとどうなる?」
「この銀河の勢力図が、一気に崩れるでしょう。絶対神を得た教団の力が、連合を上回ります。そして教団の勢力規模だとマスターの言葉が、末端まで届かない可能性があります。暴れる輩も出てくるでしょう」
「俺が居る地球は無事だろうが… 他の惑星の者は、迷惑な話だな」
「なんか、凄い投げやり感が・・・」と麻衣が、2人の会話に割り込んできた。
「まぁいい、その辺は事が起きてから考えるとしよう」
「どうせ、丸投げするんだろうけどね!」
彼の言葉を的確に、フォローをする麻衣。それに気分を悪くした兼次は、空気弾を彼女の額めがけて放った。しかし、彼女の額に到達する前に、その空気弾は弾けた。
「っふふ、何時までも同じ手は、通じないわよ!」と麻衣は腕を組み、兼次に向かって自慢げに言った。
「そうか、もう使えるんだったな。まぁいい… ではリディ、次はお前の番だ」
リディは、まだ状況が呑み込めていない様子であり。彼女は覚えている知識を、フル回転させていた。そして、ようやく絞り出した答えが…
「さっきの、光ってるアレは鳥なのか?」
「あれは乗り物だ、中に人が乗っている」
「あれに乗る? その前に翼もないのに、どうやって浮いている?」
「電磁誘導光子振動装置と言うやつだ。簡単に言うと、電磁波で光子の動きを制御して、空間を歪めて重力を制御して浮いている。飛行する時は、機体が光子に覆われる。だから飛ぶ時は、光るんだよ」
「え? 言っている意味が、サッパリ分からないが・・・」
「科学知識が無い状態では、理解できんだろうな。とにかく、あれは空飛ぶ乗り物だ。それで納得しておけ」
「んん~」とリディは、アゴに手を当てながら唸り始めた。
「そんな事は、今はいいだろ? お前たちの問題が先じゃないのか?」
「そ、そうだな・・・」
「ちょっと、待って!」
リディと兼次の話に麻衣は、兼次に向けて右手を広げ出すと、会話に割り込んできた。
「何だ麻衣?」
「兼次ちゃん。何時から、そんな高度な科学知識を?」
「麻衣は、俺の本体の事を知ってるだろ? その知識を持っている種族から、頂いたんだよ」
「へー・・・ そうなんだ」
「マスター、今の言葉で気になる点が?」
「何だララ?」
「先程の飛行技術の点ですが、連合クラスの科学力を持ってないと・・・」
「まったぁーーー!」
兼次はララの質問を遮る様に、大声を張り上げ発言を止めた。
…ララの奴、気付いたのか? まさか、こんな形でボロが出るとは…と思った兼次。自身が滅ぼしたキプロスが、連合に加盟していた事。先程のララの説明と、彼の持っている知識。これらを総合すると、ララは恐らく、兼次がキプロスを滅ぼした事を察したのだろうと考えた。
「ララ… それ以上は言うな。以後誰にも言わない様に、特にな?」
「分かりました。永久に封印しておきます」
「え? なになに? なに2人で納得してるのよ?」
「麻衣、気にするな。忘れてくれ」
「そう言われると、余計に気になるのが人間なんだよねー」
「わかった、麻衣。魔法石を1000個やるから、しばらくガチャってろ」
「マジでー!?」
「マジだ。ララ、入れておけ」
「了解しました」
兼次は麻衣がスマホを取り出し、ゲームを始めるのを確認すると、ララの耳元に顔を寄せた。そして小声で「結果は、全部ノーマルかレアでいいぞ」と耳打ちすると、ララも「了解しました」と小声で返すのであった。
「この辺でいいかな」
と兼次はリディから離れ、木の側に近寄ると、木を背もたれ代わりにして地面に座り込んだ。それを見た麻衣はルディと一緒に、彼の左隣に座る。ララは彼の右隣に座った。
最後まで立っていたリディは、4人を見渡すと仕方なく彼の正面に座った。
「リディ、お前との話はあとだ、その前に確認したいことがある。ララ、連合とは?」
兼次はリディを見て、彼女の表情を確認すると、ララに向かって話しかけた。
「銀河連合です。光速を超えて移動できる宇宙船を保有している。又は、それ以上の渡航技術を、持っている超高度文明の組合みたいなものです。低文明の惑星に配慮し、そこを植民地化しない為、お互いに監視する為に出来た組織です。キプロスも加盟しておりましたが、滅んでいますので現在は7つ惑星が加盟しているはずです」
「7つか… 銀河の規模を考えると、超高度文明の生命ってのは意外と少ないな」
ララの話をリディは、黙って聞いていた。しかし聞こえてくる単語が、理解できず。眉間にしわを寄せて、どのタイミングでその事を、質問しようか考えていた。
「それで教団と連合は、どちらが強いんだ?」
「総合戦力では、圧倒的に連合が上です。しかし、連合の中にも教団の信者が居ます。したがって直接戦うとなると、教団の方に軍配が上がります。そのことが解っているので、連合は教団に手出しできないでいます。教団の方も、手出しできないと踏んでやりたい放題です。それが、現在の銀河内の現状です」
「高度に文明が発達しても、相変わらず宗教問題は複雑だな。それで、先程の奴は教団信者と思うか?」
「最後の言葉『連合に報告しません』や、『何であるか理解している』 そして、分かっていても逃げなかった。そこから考察すると、99%の確率で教団信者です。今ごろは、教団上層部と連絡を取っているでしょう」
「そこから推測される未来は?」
「マスターに会おうと、この惑星に大量の宇宙船が、押し寄せると考えます」
「仮に俺が教団に、神として祭り上げられるとどうなる?」
「この銀河の勢力図が、一気に崩れるでしょう。絶対神を得た教団の力が、連合を上回ります。そして教団の勢力規模だとマスターの言葉が、末端まで届かない可能性があります。暴れる輩も出てくるでしょう」
「俺が居る地球は無事だろうが… 他の惑星の者は、迷惑な話だな」
「なんか、凄い投げやり感が・・・」と麻衣が、2人の会話に割り込んできた。
「まぁいい、その辺は事が起きてから考えるとしよう」
「どうせ、丸投げするんだろうけどね!」
彼の言葉を的確に、フォローをする麻衣。それに気分を悪くした兼次は、空気弾を彼女の額めがけて放った。しかし、彼女の額に到達する前に、その空気弾は弾けた。
「っふふ、何時までも同じ手は、通じないわよ!」と麻衣は腕を組み、兼次に向かって自慢げに言った。
「そうか、もう使えるんだったな。まぁいい… ではリディ、次はお前の番だ」
リディは、まだ状況が呑み込めていない様子であり。彼女は覚えている知識を、フル回転させていた。そして、ようやく絞り出した答えが…
「さっきの、光ってるアレは鳥なのか?」
「あれは乗り物だ、中に人が乗っている」
「あれに乗る? その前に翼もないのに、どうやって浮いている?」
「電磁誘導光子振動装置と言うやつだ。簡単に言うと、電磁波で光子の動きを制御して、空間を歪めて重力を制御して浮いている。飛行する時は、機体が光子に覆われる。だから飛ぶ時は、光るんだよ」
「え? 言っている意味が、サッパリ分からないが・・・」
「科学知識が無い状態では、理解できんだろうな。とにかく、あれは空飛ぶ乗り物だ。それで納得しておけ」
「んん~」とリディは、アゴに手を当てながら唸り始めた。
「そんな事は、今はいいだろ? お前たちの問題が先じゃないのか?」
「そ、そうだな・・・」
「ちょっと、待って!」
リディと兼次の話に麻衣は、兼次に向けて右手を広げ出すと、会話に割り込んできた。
「何だ麻衣?」
「兼次ちゃん。何時から、そんな高度な科学知識を?」
「麻衣は、俺の本体の事を知ってるだろ? その知識を持っている種族から、頂いたんだよ」
「へー・・・ そうなんだ」
「マスター、今の言葉で気になる点が?」
「何だララ?」
「先程の飛行技術の点ですが、連合クラスの科学力を持ってないと・・・」
「まったぁーーー!」
兼次はララの質問を遮る様に、大声を張り上げ発言を止めた。
…ララの奴、気付いたのか? まさか、こんな形でボロが出るとは…と思った兼次。自身が滅ぼしたキプロスが、連合に加盟していた事。先程のララの説明と、彼の持っている知識。これらを総合すると、ララは恐らく、兼次がキプロスを滅ぼした事を察したのだろうと考えた。
「ララ… それ以上は言うな。以後誰にも言わない様に、特にな?」
「分かりました。永久に封印しておきます」
「え? なになに? なに2人で納得してるのよ?」
「麻衣、気にするな。忘れてくれ」
「そう言われると、余計に気になるのが人間なんだよねー」
「わかった、麻衣。魔法石を1000個やるから、しばらくガチャってろ」
「マジでー!?」
「マジだ。ララ、入れておけ」
「了解しました」
兼次は麻衣がスマホを取り出し、ゲームを始めるのを確認すると、ララの耳元に顔を寄せた。そして小声で「結果は、全部ノーマルかレアでいいぞ」と耳打ちすると、ララも「了解しました」と小声で返すのであった。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ゴーレムマスターの愛した人型兵器
お化け屋敷
SF
ファンタジー要素もりもりのSFロボット物で、TVアニメっぽい風味で書いていきます。
世界最高のゴーレムマスター・レイフは、ゼノビア帝国に筆頭魔道士だが、生まれてから一度も女にもてたことのない醜男(ぶおとこ)であった。
現実の女性に見切りを付けた彼は、「女にもてないなら、自分で最高の嫁を作れば良いではないか…」と思い立った。帝国のからお宝を盗み出し出奔したレイフは、地下迷宮を作り、至高のゴーレム製作に情熱を傾ける。そして、あと一歩で完成という時に、レイフは彼を討伐にやって来た勇者一行に殺されてしまった。
そこで終わったと思ったレイフの人生だが、必死に呼びかける女性の声で彼は目覚めた彼は、自分が人型機動兵器のAIとして転生したことに気付くのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる