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4章 計画を考えているうちに、起こってしまうのが人生
3話 対峙①
しおりを挟む少しさかのぼる…
地上に居る兼次、そしてリディと麻衣、麻衣に連れられているルディ。彼らは上空にある、大きな飛行物体を眺めていた。
…街で見かけた怪しい2人組。やはり、この惑星の住人じゃなかったか… と兼次は思うと、麻衣の方に目を配った。
「麻衣… 防御シールドを展開しておけ。リディは俺の後ろに」
と兼次は言うと、リディの前に手を出し彼女の体を、自身の後ろに追いやろうとした。
「まて! あれはなんだ? お前たちは知っているのか?」
リディは伸びてきた兼次の手を振り払うと、彼に問いかけた。
「知り合いではないな、だが友好的な相手でもない事は確かだ。ちなみにアレは宇宙船だ、詳しくは後で話す」
兼次はリディに話していると、何かは分からないが、自身の体が不思議な状態になっていることに気が付いた。再び上空を見るが浮いている機体は、特に変わった様子はなかった。
「兼次ちゃーん、使えないよー! おかしいよー、なにかした?」
麻衣は心配そうな表情で、兼次に訴えかけた。
兼次は、超能力の使えなくなった麻衣を見ると・・・ 一つの可能性を考えた。恐らく宇宙船から超能力を、阻害する効果のある何かをあてられているのだろうと。
「なるほど、そう言う事か・・・ ララ、緊急事態だ。直ぐに来い!」
「お前、どうした? 誰に言っている? 説明してくれ」
「リディ、悪いが話はあとだ。ララ、3人を頼む」
兼次の言葉と同時に、突然リディの肩に手が置かれた。
「了解しました。さあ、リディ様こちらに…」
リディは背後に人の気配を感じていなかった。にもかかわらず、肩に手を置かれた。そして振り返ると、人が立っていた。彼女は、驚きの表情でララを見上げた。
「誰だ? いつから居た?」
「詳しくは後で… こちらに来て下さい」
ララはリディを連れ、麻衣達の場所まで案内した。リディはララを不思議な表情で見ながら、麻衣の元に移動する。そしてルディの側に来ると、彼の肩に手を回した。そしてララは、3人の前に立ちふさがる様に立ち尽くした。
「ララ… 上のアレから何か出ているか?」
「超能力を阻害する効果のある、特殊な電磁波が照射されております。ちなみにマスターなら、その電磁波を常時吸収しているので、問題ないかと思います。むしろパワーアップしているはずです」
兼次は右手を機体に向けると、それに人差し指を向けた。彼は落ち着いて、力を指先に集めた。その指先は光り出すと、球状にの光の玉になった。
「当然俺には、効かなかったな・・・ 確認するまでもなかった。だが攻撃らしき物を食らっているから、威嚇でもしておくか」
兼次はそう言うと、右手の位置を少し下げて、機体の端に照準を合わせた。兼次は片目を閉じると、もう一度照準を確認すると。その光る弾を、上空の宇宙船に向かって発射した。光の玉は、宇宙船には命中せず。宇宙船をすぐ横を通過し、空彼方に消えていった。
「ったく、降りてくるなら、直ぐに降りて来いよ」
と兼次は言った後に、彼は宇宙船から照射されている、特殊な電磁波の出力が上がったのを感じた。さすがに、今の状態では吸収しきれないな… と彼は思うと、隠していた本体の力を開放した。
「マスター、出力が上昇したようです。そして、そしてマスターの気配が…」
「さすがに隠したままでは、吸収しきれなくなったのでな。気付くか?」
「あれくらいの事が出来るなら、ガイルアの存在を知っているかと。もちろん、その危険性も… 今頃は、逃げるか降りてくるかで、迷っている事でしょう」
ララと兼次が会話している最中も、5人は上空に浮かんでいる宇宙船を見上げていた。すると、宇宙船の機体全体が白い光に覆われる。その光は、薄暗かった5人の居る森林を、強力に照らし始めた。麻衣・リディ・ルディは、その光が眩しく、手を目に当てた。
「まぶしー・・・ 目が、目がぁー、めがぁぁぁ!」
と麻衣が一人だけ叫ぶが、リディ姉弟は初めて見る光景に、口を開けながら見ていた。
「マスター、電磁波の照射が止まりました。おそらく、大気圏外に逃げていくかと」
しかし、このララの言葉と共に、宇宙船を覆っている光が突然消えた。光が止まるとともに、手を目に当てていた3人は、その手を下した。
「止まったぞ?」と兼次はララに話しかけた。
「マスター、宇宙船の生命反応2つのうち、1つが消えました。おそらく、降りるか逃げるかで、争ったのでしょう。そして、降りる方が勝ったようです」
「俺が誰と分かっていて、対面したいとは・・・ 例の教団メンバーか?」
「可能性は、十分に考えられます」
5人が見上げている宇宙船、その中央に直径3mほどが白く発光を始めた。その光は、徐々に強くなると、兼次達の前方5m程先に光が舞い降りた。そして光が消え去ると、そこにはアレーシャが立っていた。
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