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精霊の加護135 ツリの第五形態
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精霊の加護
Zu-Y
№135 ツリの第五形態
コンツェが産まれてから2週間、ラスプ村に腰を据えていた俺は、毎日精霊たちを連れてキノコ畑や、キノコ工場、村の農場へと通った。そして精霊魔法により、収穫を大いに上げていた。これには、植物系の精霊魔法を操るツリが大活躍してくれていたのだ。
ちなみに移動は、アクアビット号だ。
わが妻たちは交代で、母さんの産後の肥立ちを助けるとともに、アルとコンツェの面倒を見てくれるふたり、俺の視察に同行するふたり、父さんと狩りに行く3人に分かれてローテーションしていた。
父さんは、乱獲にならないように、1日の獲物の上限を決めているので、わが妻たち3人が同行すれば、あっと言う間にその日の上限を狩って、そそくさと帰って来ていた。早いときは昼過ぎだったりもする。そしてコンツェにべったりなのだ。笑
夕方までには皆が帰宅し、精霊たち以外は全員、俺も含めてコンツェにべったりである。
精霊たちは、コンツェに興味を示さないので、コンツェに精霊を見る力がないことは一目瞭然。その分、精霊たちは、精霊と話せるアルにべったりであった。
ところがである。今日はツリがアルに見向きもしない。俺から離れないで、やたらとキスをねだって来る。
とうとうこのときが来たか。長かったような短かったような。待ちわびた瞬間が到来したのだ。いよいよツリがボンキュッボンの第五形態になるのだ。
ここのところ、キノコ畑や村の農場で頑張ってくれたものなー。キノコや作物の促成栽培でツリはフル稼働だった。だからとうとう第四形態をカンストし、第五形態への進化のときを迎えたのだ。
まあ、アルはと言うと、ツリが構わなくても他の精霊たちが構ってくれてるから全然気にしていないし。笑
ラスプ村に里帰りしてから、わが妻たちや精霊たちも寝泊まりするとなると、実家では手狭なので、実家の隣に俺たちが寝起きする離れを増設していた。
離れは俺たちの寝室と皆で入れる大きめの風呂だけである。食事は実家の母屋にて皆で食うから、離れに台所などはない。寝室と風呂場だけのいたってシンプルな作りなのである。
ツリが形態進化の兆候を見せ始めたので、精霊たちを連れて離れの風呂場に行った。ここでいつも通り、精霊たちを風呂に入れ、ツリの進化の兆候を見極めるのだ。
第四形態の大人の体になってからも、風呂では俺が洗ってやっている。と言うか、ボンキュッボンになるように、揉んでる時間の方が長いのだが。笑
キャッキャと喜ぶ他の精霊たちとは違い、この日のツリは、触れる度にびくっと反応して、はぁはぁと息遣いが荒くなった。さらに、揉んだり摘まんだりしようものなら、艶めかしい声を上げた。
ああ、こりゃ、すぐ進化するな。
そう言えば、進化の際の要求は、『舐めて。』『吸って。』『しゃぶって。』とエスカレートして来ていたが、最後の進化ではどうなるのだろ?
風呂場を出て、そのまま寝室のベッドに行く。マイドラゴンが鎌首をもたげている。理想としては第五形態のボンキュッボンだが、第四形態でもそれなりにいい。ツリの艶めかしい反応を見て、マイドラゴンが反応してしまったようだ。
しかし、それを見たツリが、
『ゲオルク、エッチはダメ。』と言った。
「え?」
『ゲオルクと、初めてエッチすると、ツリたちは能力が倍加できるようになる。』
「ならいいんじゃね?」
『ダメ。今、倍加すると、第四形態の倍加だから8倍。』
「第五形態になったら?」
『10倍。』
「分かった。今は我慢する。早く第五形態になれ。」
こくりとツリは頷いた。
ツリに押し倒されると、ツリは後ろ向きに、俺の顔に跨った。うー、お尻アップか。苦笑
『飲んで。』
「へ?飲むの?まさか…。」いわゆる聖水?変態さんたちの好むプレイ?
『違ーうっ!ツリたち、おしっこ、出さない。プンプン。』心を読まれたか?でもさ、ツリ。それはアイドルの言う台詞では?ってか、ツリ、ちょいおこ?笑
確かにツリたちは飲んだり食ったりしないしな。あ、でも酒は呑むか。などと考えていると、ツリはそのまま仰向けの俺の腹の上に、うつ伏せに倒れ込んで、ぱくりとマイドラゴンを捕食した。え?
れろれろちゅばちゅば…。うおおー!
『ゲオルク、飲んで。』
ツリの蜜壺から溢れて来る液体を、腹を括って口に含むと…あれ、旨い。魔力の味だ。って、なんでこれが魔力の味って分かるんだろ、俺。
俺とツリは、ハイジから貰った『閨中心得』に出ている四十八手のふたつ巴~いわゆるロクキュウ(英語)~の態勢で、互いに口で攻め合った。
ついにマイドラゴンがホワイトブレスを噴射すると、ツリがすべて飲み込んで、緑色に眩く発光した。すると、蜜壺から魔力味の液体が、さらに溢れ出して来たので、俺は迷わずそれを飲んだ。
ツリは緑色に発光したまま直径3mほどの球体になり、ぐんぐん膨れて直径5m程になった。このサイズだと離れの部屋には収まる訳がない。離れの屋根と壁は吹っ飛んだ。まあまた精霊たちに建て直してもらえばいいだけだけどな。
そして直径5mの球体のツリが、人型を取り出すと…。
おおお!これぞ正しく第五形態。文句なしのボンキュッボンで、しかもわが妻たちに劣らぬ絶世の美女ではないか。全身緑色だけど。
第五形態への進化で魔力を使い果たし、発光がやんだツリを、俺は迷わず押し倒した。そのまま唇を奪い、しばらくべろちゅーを続け、それから、わが妻たちクラスの巨乳を、ぱふぱふからのおしゃぶりで堪能した。
そして手で蜜壺を探りに行くと、
『ゲオルク、エッチはダメ。』
「なんで?第五形態でシたら10倍になるんだろ?」
『魔力が満タンのときだけ。今は形態進化で魔力を使い切ってる。』
「聞いてないよぉ。」
『そりゃそう。今、言ったもん。』
「じゃあ、すぐ満タンにしろよ。もう1回マイドラゴンから搾り取れ。そしたら俺が、酒を口移しで与える。すぐ満タンになるだろ?」
『ダメ。ホワイトブレスが溜まってないと効果が薄れる。それに今だと9倍にしかならない。10倍になるのは第五形態でカンストしてから。』
「うー、まじか?」泣くぞ。
『ゲオルク、そんなに焦らないで。いつかはカンストする。』
「ちぇっ、分かったよ。」なんだよ、結局、当分はお預けじゃないか!泣
『でも、満タンにはしてね。』
はむっとマイドラゴンを咥えたツリは、マイドラゴンを起こして再びれろれろちゅばちゅばの舌技で搾り取り、俺から口移しでウイスキーを貰って、口の中で魔力量を増幅させ、ゴクリと飲み込んだ。すると第五形態のツリは、眩く輝き出したのだった。
第五形態との契約ボーナスは+5万なので、第四形態の+4万から1万上昇、第四形態から第五形態への進化時の体液飲みで+2万。合計3万上がって、俺の魔力量の上限は73万から、76万にアップした。
ここで困ったことが起きた。いつもの攻防…ではなくて、ツリが着られる衣類がないのだ。
『ゲオルクー、入らない。』
Tバックはすんなり穿けたのだが、シースルーブラが巨乳を収納し切れない。仕方なくノーブラのまま着させようとしたワンピにも入らない。胸のサイズがまったく違うものな。
「うーん、どうしたものか?」
『ツリは別に裸でも…。』
「ダメっ!」
『ぶー。』いつもながら、このむくれ顔もかわいい。
取り敢えず、屋根と壁がなくなった離れのベッドで、イチャイチャしながら考えるか。
第五形態になったツリにぱふぱふをしてもらっていると、他の精霊たちも加わって来たのだった。第四形態では、ぱふぱふがイマイチなので、じっくり揉むだけにしたけどな。
しばらくして、母屋からリーゼが夕餉に呼びに来たのだが、
「なによ、これ?」と、屋根と壁がなくなった離れを見て唖然としている。
「形態進化で球体になったとき、球体が大きくなり過ぎて離れの部屋に収まらなかったんだよ。
それよりさ、着るものがないんだよなー。」
第五形態に進化したツリを見せてそう言うと、
「あら、私たちと同じくらいのサイズよね。私のを貸すわ。」え?
あっけなく一件落着であった。
それから3日後、王太子殿下より「速やかに王宮へ登城せよ。」との鳩便が届いたので、相談役の神父さんと代官と東府からの役人ふたりの側近4人にラスプ村を任せ、俺たちはアクアビット号で王都に向かった。
帝都から帰還してそろそろ5ヶ月か。イゴールどのは、戴冠式をやるのは半年後と言っていたから、足場固めが順調に進んでいるのだな。
ラスプ村から東府へは、出発日の今日から翌々日までの3日、東府を素通りしたので、王都へは翌々日から6日後までの5日だ。
6日後には王都入りして、王宮へと登城し、王太子殿下の執務室へ出仕した。執務室には、4人の公爵様方はいらっしゃらず、殿下と宰相様だけだった。
なお、精霊たちは当然ついて来ていたが、わが妻たちは控室で待機しているそうだ。
「殿下、お久しゅうございます。ゲオルク・スピリタス、お召しにより参上仕りました。」
「おお、ゲオルク、大儀。楽にしてよいぞ。随分早かったではないか。」
「はい。東部公爵様より派遣して頂いた役人ふたりが有能でして、ラスプ村の内政がいい感じで回ってますので、ご連絡を頂いてすぐに出て来られました。」
「ラスプ村ブランドのキノコも、王都では相当な人気よな。」
「よくご存じで。お陰様で、王都の仲買人たちが何人も買い付けに来てくれてます。」
「大手の仲買人を随分食い物にしたそうだの?」
「滅相もない。賄賂で専売を持ち掛けて来た大手の仲買人が複数いましてね、俺は断ったんですが、そしたら側近たちを賄賂で釣ろうとしたんですよ。賄賂に使う程、金が余ってるならそれを思いっ切り吸い上げましてですね、仕入れに来てくれる仲買人たちのための宿泊施設を建てる財源にしました。」
「くくく。そなたは相変わらず抜け目がないな。
大手の幹部どもがな、それぞれの仲買人に預けた専売にするための工作資金が、いつのまにかアウトレット品に化けてしまったとぼやいておったぞ。」
「えー、そうなんですか?それだと今月は搾り取れませんかね。」
「そなた、まだ搾り取る気でいたのか?」
「専売にはしないと言ってるのに、賄賂で専売にしようと持ち掛けて来るのなら、遠慮なく頂きますよ。」
「まあ、大手の連中は自業自得だの。」
「ところで、呼ばれたのはイゴールどのの戴冠式ですか?」
「うむ。戴冠式は即位宣言の半年後の、来月20日だそうだ。」
「え?それならまだ時間がありますよね。」
「うむ。そなたがラスプ村を短期間で随分発展させたゆえな、その手腕を買ってだな、新領地の開発方針を考えさせようと思って呼んだのだ。」
「え?新領地ですか?」
「そなた、忘れたのか?侯爵昇進の折に伝えたではないか。西部大草原の一画、南部群島リシッチャ島の隣の無人島、北部氷山エリアのハイラン高地の3つだ。
西部大草原の一画は帝国への行きに見るとして、南部群島の無人島か、北部のハイラン高地のいずれかを、帝国行きの前に見て参れ。」
「では、ハイラン高地は一度行ったことがありますゆえ、無人島にします。」
「左様か。いつ発つ?」
「明日にでも。」
「相変わらず性急だな。」
「そうでもありませんよ。王都から帝都までは急いでも半月掛かりますからね、来月の初めに立つのであれば、無人島を見て来るのに、それほど余裕はありません。」
「ふむ。旅はそなたの方が慣れておるゆえ、その辺は任すとしよう。今宵は王宮に泊まって行け。」
「はっ。ありがとうございます。」
殿下の執務室を辞して、俺たちは行き付けの王宮御用達仕立屋に向かった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/10/30
更新は火木土の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「射手の統領」も、合わせてよろしくお願いします。
https://kakuyomu.jp/works/16816927859461365664
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
Zu-Y
№135 ツリの第五形態
コンツェが産まれてから2週間、ラスプ村に腰を据えていた俺は、毎日精霊たちを連れてキノコ畑や、キノコ工場、村の農場へと通った。そして精霊魔法により、収穫を大いに上げていた。これには、植物系の精霊魔法を操るツリが大活躍してくれていたのだ。
ちなみに移動は、アクアビット号だ。
わが妻たちは交代で、母さんの産後の肥立ちを助けるとともに、アルとコンツェの面倒を見てくれるふたり、俺の視察に同行するふたり、父さんと狩りに行く3人に分かれてローテーションしていた。
父さんは、乱獲にならないように、1日の獲物の上限を決めているので、わが妻たち3人が同行すれば、あっと言う間にその日の上限を狩って、そそくさと帰って来ていた。早いときは昼過ぎだったりもする。そしてコンツェにべったりなのだ。笑
夕方までには皆が帰宅し、精霊たち以外は全員、俺も含めてコンツェにべったりである。
精霊たちは、コンツェに興味を示さないので、コンツェに精霊を見る力がないことは一目瞭然。その分、精霊たちは、精霊と話せるアルにべったりであった。
ところがである。今日はツリがアルに見向きもしない。俺から離れないで、やたらとキスをねだって来る。
とうとうこのときが来たか。長かったような短かったような。待ちわびた瞬間が到来したのだ。いよいよツリがボンキュッボンの第五形態になるのだ。
ここのところ、キノコ畑や村の農場で頑張ってくれたものなー。キノコや作物の促成栽培でツリはフル稼働だった。だからとうとう第四形態をカンストし、第五形態への進化のときを迎えたのだ。
まあ、アルはと言うと、ツリが構わなくても他の精霊たちが構ってくれてるから全然気にしていないし。笑
ラスプ村に里帰りしてから、わが妻たちや精霊たちも寝泊まりするとなると、実家では手狭なので、実家の隣に俺たちが寝起きする離れを増設していた。
離れは俺たちの寝室と皆で入れる大きめの風呂だけである。食事は実家の母屋にて皆で食うから、離れに台所などはない。寝室と風呂場だけのいたってシンプルな作りなのである。
ツリが形態進化の兆候を見せ始めたので、精霊たちを連れて離れの風呂場に行った。ここでいつも通り、精霊たちを風呂に入れ、ツリの進化の兆候を見極めるのだ。
第四形態の大人の体になってからも、風呂では俺が洗ってやっている。と言うか、ボンキュッボンになるように、揉んでる時間の方が長いのだが。笑
キャッキャと喜ぶ他の精霊たちとは違い、この日のツリは、触れる度にびくっと反応して、はぁはぁと息遣いが荒くなった。さらに、揉んだり摘まんだりしようものなら、艶めかしい声を上げた。
ああ、こりゃ、すぐ進化するな。
そう言えば、進化の際の要求は、『舐めて。』『吸って。』『しゃぶって。』とエスカレートして来ていたが、最後の進化ではどうなるのだろ?
風呂場を出て、そのまま寝室のベッドに行く。マイドラゴンが鎌首をもたげている。理想としては第五形態のボンキュッボンだが、第四形態でもそれなりにいい。ツリの艶めかしい反応を見て、マイドラゴンが反応してしまったようだ。
しかし、それを見たツリが、
『ゲオルク、エッチはダメ。』と言った。
「え?」
『ゲオルクと、初めてエッチすると、ツリたちは能力が倍加できるようになる。』
「ならいいんじゃね?」
『ダメ。今、倍加すると、第四形態の倍加だから8倍。』
「第五形態になったら?」
『10倍。』
「分かった。今は我慢する。早く第五形態になれ。」
こくりとツリは頷いた。
ツリに押し倒されると、ツリは後ろ向きに、俺の顔に跨った。うー、お尻アップか。苦笑
『飲んで。』
「へ?飲むの?まさか…。」いわゆる聖水?変態さんたちの好むプレイ?
『違ーうっ!ツリたち、おしっこ、出さない。プンプン。』心を読まれたか?でもさ、ツリ。それはアイドルの言う台詞では?ってか、ツリ、ちょいおこ?笑
確かにツリたちは飲んだり食ったりしないしな。あ、でも酒は呑むか。などと考えていると、ツリはそのまま仰向けの俺の腹の上に、うつ伏せに倒れ込んで、ぱくりとマイドラゴンを捕食した。え?
れろれろちゅばちゅば…。うおおー!
『ゲオルク、飲んで。』
ツリの蜜壺から溢れて来る液体を、腹を括って口に含むと…あれ、旨い。魔力の味だ。って、なんでこれが魔力の味って分かるんだろ、俺。
俺とツリは、ハイジから貰った『閨中心得』に出ている四十八手のふたつ巴~いわゆるロクキュウ(英語)~の態勢で、互いに口で攻め合った。
ついにマイドラゴンがホワイトブレスを噴射すると、ツリがすべて飲み込んで、緑色に眩く発光した。すると、蜜壺から魔力味の液体が、さらに溢れ出して来たので、俺は迷わずそれを飲んだ。
ツリは緑色に発光したまま直径3mほどの球体になり、ぐんぐん膨れて直径5m程になった。このサイズだと離れの部屋には収まる訳がない。離れの屋根と壁は吹っ飛んだ。まあまた精霊たちに建て直してもらえばいいだけだけどな。
そして直径5mの球体のツリが、人型を取り出すと…。
おおお!これぞ正しく第五形態。文句なしのボンキュッボンで、しかもわが妻たちに劣らぬ絶世の美女ではないか。全身緑色だけど。
第五形態への進化で魔力を使い果たし、発光がやんだツリを、俺は迷わず押し倒した。そのまま唇を奪い、しばらくべろちゅーを続け、それから、わが妻たちクラスの巨乳を、ぱふぱふからのおしゃぶりで堪能した。
そして手で蜜壺を探りに行くと、
『ゲオルク、エッチはダメ。』
「なんで?第五形態でシたら10倍になるんだろ?」
『魔力が満タンのときだけ。今は形態進化で魔力を使い切ってる。』
「聞いてないよぉ。」
『そりゃそう。今、言ったもん。』
「じゃあ、すぐ満タンにしろよ。もう1回マイドラゴンから搾り取れ。そしたら俺が、酒を口移しで与える。すぐ満タンになるだろ?」
『ダメ。ホワイトブレスが溜まってないと効果が薄れる。それに今だと9倍にしかならない。10倍になるのは第五形態でカンストしてから。』
「うー、まじか?」泣くぞ。
『ゲオルク、そんなに焦らないで。いつかはカンストする。』
「ちぇっ、分かったよ。」なんだよ、結局、当分はお預けじゃないか!泣
『でも、満タンにはしてね。』
はむっとマイドラゴンを咥えたツリは、マイドラゴンを起こして再びれろれろちゅばちゅばの舌技で搾り取り、俺から口移しでウイスキーを貰って、口の中で魔力量を増幅させ、ゴクリと飲み込んだ。すると第五形態のツリは、眩く輝き出したのだった。
第五形態との契約ボーナスは+5万なので、第四形態の+4万から1万上昇、第四形態から第五形態への進化時の体液飲みで+2万。合計3万上がって、俺の魔力量の上限は73万から、76万にアップした。
ここで困ったことが起きた。いつもの攻防…ではなくて、ツリが着られる衣類がないのだ。
『ゲオルクー、入らない。』
Tバックはすんなり穿けたのだが、シースルーブラが巨乳を収納し切れない。仕方なくノーブラのまま着させようとしたワンピにも入らない。胸のサイズがまったく違うものな。
「うーん、どうしたものか?」
『ツリは別に裸でも…。』
「ダメっ!」
『ぶー。』いつもながら、このむくれ顔もかわいい。
取り敢えず、屋根と壁がなくなった離れのベッドで、イチャイチャしながら考えるか。
第五形態になったツリにぱふぱふをしてもらっていると、他の精霊たちも加わって来たのだった。第四形態では、ぱふぱふがイマイチなので、じっくり揉むだけにしたけどな。
しばらくして、母屋からリーゼが夕餉に呼びに来たのだが、
「なによ、これ?」と、屋根と壁がなくなった離れを見て唖然としている。
「形態進化で球体になったとき、球体が大きくなり過ぎて離れの部屋に収まらなかったんだよ。
それよりさ、着るものがないんだよなー。」
第五形態に進化したツリを見せてそう言うと、
「あら、私たちと同じくらいのサイズよね。私のを貸すわ。」え?
あっけなく一件落着であった。
それから3日後、王太子殿下より「速やかに王宮へ登城せよ。」との鳩便が届いたので、相談役の神父さんと代官と東府からの役人ふたりの側近4人にラスプ村を任せ、俺たちはアクアビット号で王都に向かった。
帝都から帰還してそろそろ5ヶ月か。イゴールどのは、戴冠式をやるのは半年後と言っていたから、足場固めが順調に進んでいるのだな。
ラスプ村から東府へは、出発日の今日から翌々日までの3日、東府を素通りしたので、王都へは翌々日から6日後までの5日だ。
6日後には王都入りして、王宮へと登城し、王太子殿下の執務室へ出仕した。執務室には、4人の公爵様方はいらっしゃらず、殿下と宰相様だけだった。
なお、精霊たちは当然ついて来ていたが、わが妻たちは控室で待機しているそうだ。
「殿下、お久しゅうございます。ゲオルク・スピリタス、お召しにより参上仕りました。」
「おお、ゲオルク、大儀。楽にしてよいぞ。随分早かったではないか。」
「はい。東部公爵様より派遣して頂いた役人ふたりが有能でして、ラスプ村の内政がいい感じで回ってますので、ご連絡を頂いてすぐに出て来られました。」
「ラスプ村ブランドのキノコも、王都では相当な人気よな。」
「よくご存じで。お陰様で、王都の仲買人たちが何人も買い付けに来てくれてます。」
「大手の仲買人を随分食い物にしたそうだの?」
「滅相もない。賄賂で専売を持ち掛けて来た大手の仲買人が複数いましてね、俺は断ったんですが、そしたら側近たちを賄賂で釣ろうとしたんですよ。賄賂に使う程、金が余ってるならそれを思いっ切り吸い上げましてですね、仕入れに来てくれる仲買人たちのための宿泊施設を建てる財源にしました。」
「くくく。そなたは相変わらず抜け目がないな。
大手の幹部どもがな、それぞれの仲買人に預けた専売にするための工作資金が、いつのまにかアウトレット品に化けてしまったとぼやいておったぞ。」
「えー、そうなんですか?それだと今月は搾り取れませんかね。」
「そなた、まだ搾り取る気でいたのか?」
「専売にはしないと言ってるのに、賄賂で専売にしようと持ち掛けて来るのなら、遠慮なく頂きますよ。」
「まあ、大手の連中は自業自得だの。」
「ところで、呼ばれたのはイゴールどのの戴冠式ですか?」
「うむ。戴冠式は即位宣言の半年後の、来月20日だそうだ。」
「え?それならまだ時間がありますよね。」
「うむ。そなたがラスプ村を短期間で随分発展させたゆえな、その手腕を買ってだな、新領地の開発方針を考えさせようと思って呼んだのだ。」
「え?新領地ですか?」
「そなた、忘れたのか?侯爵昇進の折に伝えたではないか。西部大草原の一画、南部群島リシッチャ島の隣の無人島、北部氷山エリアのハイラン高地の3つだ。
西部大草原の一画は帝国への行きに見るとして、南部群島の無人島か、北部のハイラン高地のいずれかを、帝国行きの前に見て参れ。」
「では、ハイラン高地は一度行ったことがありますゆえ、無人島にします。」
「左様か。いつ発つ?」
「明日にでも。」
「相変わらず性急だな。」
「そうでもありませんよ。王都から帝都までは急いでも半月掛かりますからね、来月の初めに立つのであれば、無人島を見て来るのに、それほど余裕はありません。」
「ふむ。旅はそなたの方が慣れておるゆえ、その辺は任すとしよう。今宵は王宮に泊まって行け。」
「はっ。ありがとうございます。」
殿下の執務室を辞して、俺たちは行き付けの王宮御用達仕立屋に向かった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/10/30
更新は火木土の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「射手の統領」も、合わせてよろしくお願いします。
https://kakuyomu.jp/works/16816927859461365664
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
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