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精霊の加護120 帝太子イゴールの皇帝即位
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精霊の加護
Zu-Y
№120 帝太子イゴールの皇帝即位
イゴールどのの帝都奪還軍と行動を共にし、反乱軍から無事帝都を奪還して、俺たちは帝都の高級宿屋にいる。
王帝同盟を締結する交渉のときに宿泊していた宿屋だ。
「主様、行軍と戦陣ゆえ遠慮しておったがの、昨夜は満月だったのじゃ。つまり、わらわの発情期は一昨日から今宵までなのじゃ。今宵で終わりゆえ、今宵は子種を所望するのじゃ。3日分まとめてうんと可愛がってたも。」ドーラがもじもじしながらそんな可愛いことを言って来た。
愛い奴。その願い、聞き届けようぞ。むふふ。
他のわが妻たちも今宵はドーラに譲ると言うので、すぐさまドーラと1回戦を始めて、ドーラをとことん可愛がりつつ、マイドラゴンが歓喜の咆哮を上げてホワイトブレスをドーラに叩き込んだ。
その後、精霊たちを風呂に入れ、第四形態のまともな胸をそこそこ楽しみつつ、第三形態の小振りな胸を適当にあしらっていたら、ソルとダクが、
『ゲオルク、手抜きー。』『真面目にやれー。』と文句を言って来た。やばい、バレテーラ。
それから一生懸命揉んでやったら、ソルとダクは機嫌を直したのだった。ちょろい。笑
その後、皆で夕餉を摂って、軽く呑み、精霊たちにも口移しで呑ませて、ドーラとの2回戦目に突入したのだった。結局この夜は3回戦まで行った。当然、最後までである。
翌日、帝都宮殿へ登城すると、あちこちで修復が始まっていた。
復旧に当たっている帝国兵が皆、親しげに挨拶して来る。先陣を共にして来た仲間だからな。
イゴールどのは、半壊した宮殿の、比較的まともな部屋で執務を取っていた。両横にはスンクマムル侯爵とエウーキ伯爵がいて、ふたりがイゴールどのを補佐している。タイガも側近の如く詰めていた。
「おお、ゲオルクどの。昨日は大活躍だったな。」イゴールどのが声を掛けて来た。
「大活躍したのは、精霊たちけどな。」
「何を言う?同じことではないか。」
「ところで先代は、無事に保護したのか?」
「ああ、しかしな、心が折れていてダメだな。信じ切っていたニコライの謀反ゆえなぁ。」
「第二帝子は担ぎ上げられただけなのであろう?」
「まあ、そうではあるが、ニコライが父を退位させた事実は変わらぬし、父が、ニコライに背かれたと思っておるのだ。
大層塞ぎ込んでおってな、休養させておるが、当分は人前には出られぬ。」
「では、イゴールどのが?」
「そうなる。ニコライの皇帝即位は認めず、余が父の後を継ぐ。」
「で、反乱の首謀者は?」
「クツークルイ侯爵の筆頭重臣だな。そこにジオウラトスクとハリサンジーユの筆頭重臣たちも絡んでいる。」
「第二帝子も加担しているのか?」
「加担はしてないな。ニコライ自身も神輿に担ぎ上げられたと言ってるし、まわりも担ぎ上げたと言っている。しかし、担ぎ上げられた以上、ニコライには責任は負ってもらうさ。」
「どうするのだ?」
「ニコライ、クツークルイ侯爵、ジオウラトスク子爵、ハリサンジーユ子爵は、王国への破壊工作の首謀者として王国へ送る。煮るなり焼くなり好きにしてくれ。もし帝国へ戻されることがあれば、全員死罪だ。」
「分かった。4人の身柄は引き受けよう。王国で一生、犯罪奴隷として働いてもらう。帝国に戻って死罪になるよりはいいだろう。」
「どうだかな。気位だけは高いニコライが、犯罪奴隷の身分に耐えられるとも思えんが、一方で、奴に自害する性根などあるはずもないな。」
「そんな感じの奴だったな。まあ、自害したいと言うならさせてやるさ。」
「主犯格の各家筆頭重臣3名は死罪。3貴族家はすべて取り潰しで断絶。クツークルイ侯爵の妻たちは離縁して実家に戻し、実家で無期限の蟄居。ジオウラトスク子爵とハリサンジーユ子爵は入婿だから、2子爵家の正妻どもは帰る実家がない。3家の子供たち共々全員死罪だ。」
「まあ、そうなるか。しかし、正妻たちはまだしも、何も知らなかったであろう子供たちは憐れだな。」
「うむ。実は子どもたちには、折を見て特赦を与え、死一等を免じようと思うておる。帝国内には置けぬゆえ、教国で出家などさせたいが、ゲオルクどの、教国に取り次いではもらえぬか?」
「分かった。引き受けよう。」
「ところでな、余の皇帝即位宣言とともに、エウーキ伯爵は侯爵に叙爵し、クツークルイを与え、スンクマムル侯爵には、ジオウラトスクを与える。
そしてハリサンジーユは余の直轄とする。
3港町と南府との海上交易を活性化させたい。ゲオルクどのには、海上交易の仲介も頼みたいのだ。」
「もちろんだとも。南部公爵様に取り次ごう。すでに第一便は送ってあるがな。」
「手回しのいいことだ。それとな、タイガも騎士爵に任じ、虎林の里をタイガ騎士爵領とすることにした。これは実質上、虎林の里を、ホワイトタイガー族の自治領として、将来も含めて正式に認める。と言うことだ。」とイゴールどのが言うと、
「タイガ、よかった。里の皆も、喜ぶ。」トーラがタイガの騎士爵就任を寿ぎ、
「トーラ、そして義兄どののおかげだ。礼を言う。」と、タイガが返した。
「いやいや、俺は何もしてねぇよ。ホワイトタイガー族の忠勤の賜物だぜ。」
「左様だ。タイガ、余はそなたの忠誠に心より感謝しておるぞ。」
「はっ。」タイガが応じた。
「スンクマムル侯爵とエウーキ伯爵には、余の側近として、余の帝国運営が軌道に乗るまでは帝都に詰めてもらうことになった。ゲオルクどの、すまんが、スンクマムル行きは、次回の帝国訪問の折にして欲しい。」
「殿下、やはり何とかなりませんか?昨日のうちに、奥へ『北府騎士団のワルキューレどのを連れて行く。』と鳩便を送ってしまいましてな。」スンクマムル侯爵が、イゴールどのに泣き付いているが…、
「すまんな、スンクマムル侯爵。今、そなたを片時も手放す訳には参らぬのだ。」ばっさりだ。苦笑
「スンクマムル侯爵、よろしければ、私が奥方に手紙を進ぜようではないか。『此度は帰国の命が下ったゆえお会いできぬが、次回の帝国訪問の折には必ずお会いしよう。』とな。いかがか?」ベスが折衷案を出すと、スンクマムル侯爵が飛び付いた。
「それはありがたい。ぜひお頼みいたす。」
「うむ。引き受けた。」ベスが微笑んでいる。
「で、イゴールどの、皇帝即位と戴冠式はいつ行うんだ?」
「取り敢えず、皇帝即位宣言は、帝都宮殿を修復してからすぐに執り行うつもりだ。数日を見込んでいる。正式な戴冠式は、余の地固めが済んでからだな。半年程、先になろうかの。」
「そうか。では俺たちは、イゴールどのの皇帝即位宣言を見届けてから、王国への帰途に就くとしよう。」
「ニコライたちの護送の準備に、やはり数日頂きたい。」
「承知した。」
帝都宮殿が修復したら、盟友イゴールどの皇帝即位宣言か。そう聞くと、俺が半壊させた帝都宮殿の修復にひと肌脱がねばなるまいな。
わが妻たちを先に帰して、俺は帝国兵たちとともに、帝国宮殿の復旧に、全面的に協力した。と、言っても活躍したのは精霊たちの精霊魔法なのだがな。
木材はツリ、金属はメタ、土台はクレ、洗浄にはワラ、廃棄材の焼却にフィア、細かい廃棄物を帝都外に吹き飛ばすのにウィン。チルとソルとダクが、出番がないと言ってぶー垂れていたのはご愛敬だ。笑
結局、帝都宮殿の復旧は、この日1日で終了した。よって、イゴールどのの即位宣言は明日にはできる見込みとなった。
「「準備が間に合わんではないか!」」と、スンクマムル侯爵とエウーキ伯爵にしこたま文句を言われてしまうのだが、イゴールどのが、
「準備出来てからでよい。」と、ふたりを宥めて収まった。俺のせいじゃねぇよな?汗
最終的に、イゴールどのの皇帝即位宣言は3日後の実施と決まった。
その夜は、ドーラ以外のわが妻たちとむふふタイムだ。この夜、とうとうカルメンの魔力が上限値に達した。残るはリーゼとジュヌだ。
翌日と翌々日は、わが妻たちが、このままでは腕が鈍ると言って、帝都ギルドでクエストを受けて、帝都の周辺の魔獣退治に出向くことになった。
俺も同行したが、俺の精霊魔法は禁止だそうだ。苦笑
わが妻たちは、ベスとビーチェがAランク相当、リーゼ、ジュヌ、カルメンがBランク、ドーラがCランク、トーラがDランクである。俺抜きでも十分に強い。
さらにベスはスノウに騎乗して、重騎士として活躍したし、ナイトは、リーゼ、ジュヌ、カルメン、ビーチェを代わる代わる乗せていた。
ドーラとトーラは、馬には乗らないが、たまに本来の姿に変身したりして、大いに暴れ…じゃなかった、活躍していた。
そんなに受けて大丈夫か?と言う数のクエストをガンガンこなして行くわが妻たち。
そもそも、ドーラがCランクで、トーラがDランクと言うのも、ふたりの実力からしたらおかしいのだ。
確かに、飛び級できるのはDランクまでだから、仕方ないのだが、ふたりとも、クエストで討伐対象のときは、聖獣エンシェントドラゴンと聖獣ホワイトタイガーだから、Sランクなのにな。
わが妻たちの実際の戦いぶりは、かなりの物である。
リーゼは、中級魔法は全属性、上級魔法も風属性、火属性、冷属性を使う。特に風属性が得意で、飛翔系の魔物は絶好の餌食だ。
ジュヌは、中級以下のすべての回復魔法と、上級のHP回復魔法を使うので、回復はお手の物だし、中級魔法障壁も心強い。
カルメンは、中級以下のすべての支援魔法と、上級支援魔法の速度バフ、速度デバフだ。これらで戦闘が一気に有利になる。
ベスは、中級以下の盾スキルと槍スキルのすべてに、上級の盾スキルの物理防御と魔法防御だ。ベスが自在の盾を展開すると、中途半端な拠点よりよほど安全である。さらにスノウを駆っての機動攻撃は強力だ。
ビーチェは、中級以下の刀術スキル全般と、上級刀術スキルの斬撃に刺突で、華麗に相手を屠る。目にも止まらぬ動きなので、魔物はまず対応できない。
ドーラは、中級以下の剣術スキル全般と、上級剣術スキルのスラッシュで獲物を一刀両断する。また上級剣術スキルのパリィでほとんどの物理攻撃を受け流すことができる。
トーラは、中級以下のすべての拳闘スキルと、上級拳闘スキルのコークスクリューとクラッシュを使う。全筋隆起でブーストモードになると体が2倍以上になるので、この状態で上級拳闘スキルを繰り出されたら、魔獣ですら一撃必殺である。
うん、俺、いなくてもいいかも。苦笑
横で精霊たちが、『出番ー。』と言ってぶー垂れているのはご愛敬だ。
結局、この2日間でドーラはBランクに、トーラはCランクに上がった。
昼間はクエストで頑張った分、夜は、むふふタイムである。
え?お前は頑張ってないだろうって?細かいことは気にするな。笑
夜は生ぱふぱふで14個のメロンボールを堪能する至福の生活を過ごしたのだった。しかし、こんな優雅な生活はあっと言う間に終わりを告げる。まあ、たった2日だし。
今日は帝都宮殿でイゴールどのの皇帝即位宣言の式典である。とっとと朝餉を済ませた俺たちは、帝都宮殿に入った。
俺が半壊させたが、復旧にも協力した帝都宮殿は、それなりの威容を示している。
イゴールどのの、皇帝即位宣言の式典には、帝都に在中していた貴族たちは全員列席している。思ったより、多くの貴族がいるのに驚いた。こいつら、謀反の際は、まったく動かなかったのにな。いわゆる日和見だ。
それと、ニコライ、クツークルイ侯爵、ジオウラトスク子爵、ハリサンジーユ子爵の4名が、手枷足枷囚人服で、末端に控えさせられていた。日和見どもが、4人をチラ見している。
復旧された帝都宮殿の大広間にファンファーレが鳴り響き、帝太子イゴールどのが堂々と大広間に入城した。そのまま玉座に進み、玉座の前で振り返った。イゴールどのは、無言で列席する貴族たちを睥睨している。
かなり効果的な間の取り方だな。と、感心していると、イゴールどのが宣言をした。
「余、帝太子イゴール・ボドブリは、父の後を継ぎ、ここに第12代皇帝に即位することを宣言する。なお、先日第12代皇帝即位を宣言した謀反人、ニコライの即位宣言は無効とする。
異論のあるものは前に出よ。」ニコライは首を垂れているので表情は見えない。
シーンとして首を垂れる貴族たち。異論があっても、ここでそれを言うものは、日和見どもの中にはおるまいな。
イゴールどのが、ニコライ、クツークルイ侯爵、ジオウラトスク子爵、ハリサンジーユ子爵の4名をねめつけて、
「異論はないのか?」と聞いた。4人とも頭を上げずに黙っている。
「新皇帝陛下に忠誠を誓います。」スンクマムル侯爵が跪き、日和見貴族どもがそれに倣った。
「新皇帝陛下、ばんざーい!」今度は、エウーキ伯爵だ。日和見貴族どもの万歳三唱が続く。
出来レース過ぎて思わず吹き出しそうになったが、何とか堪えた。笑
「謀反人どもの処罰を言い渡す。第二帝子ニコライ、帝子身分剥奪。クツークルイ侯爵、ジオウラトクス子爵、ハリサンジーユ子爵は爵位剥奪。」
「え?」っと意外そうに呟くニコライ。「「「…。」」」残りの3人はあきらめの表情だ。
「さらに、同盟国トレホス王国への工作首謀者として、4名の身柄を王国へ引き渡す。なお、王国から身柄を返された折には、全員打ち首とする。」
「兄上、私は関わっておりませぬ。」
「衛兵、許可なく発言した罪人を打ち据えよ。」イゴールどのの命令に、衛兵が容赦なくニコライを打ち据え、ニコライは悲鳴を上げた。
シーンとなる貴族たち一同。
「元3貴族家の筆頭重臣どもは、謀反を首謀した罪により、本日全員打ち首。元3貴族家は断絶。他家より嫁ぎし妻妾どもは、実家に戻して終生蟄居。入婿を取っていた2子爵家の娘ども、および謀反人どもの子息子女は、朕が戴冠後に全員打ち首とする。
罪人どもを引っ立てよ。」
衛兵が4人を連行して行った。
「さて、次に帝都奪還の論功行賞を行う。
勲功第一、エウーキ伯爵。勲功第二、スンクマムル侯爵。勲功第三、ホワイトタイガー族族長タイガ。前へ。」
「「「はっ。」」」3人がイゴールどのの前に出た。
「エウーキ伯爵、スクミンへの救援、クツークルイ、ジオウラトスク、ハリサンジーユの制圧、並びに帝都奪還の軍勢の派遣と奪還作戦での功を称し、クツークルイを新領地として加増し、侯爵位を授ける。また、副宰相として朕が側近を務めよ。」
「ははっ。」
「スンクマムル侯爵、帝都奪還の軍勢の派遣と奪還作戦での功を称し、ジオウラトスクを新領地として加増する。また、宰相として朕が帝政の舵取りを補佐せよ。」
「ははっ。」
「ホワイトタイガー族族長タイガ、少数精鋭でのスクミン救援、スクミンから帝国南部へ敗走する謀反勢の追撃、並びに帝都奪還作戦での功を称し、虎林の里の永久自治権と騎士爵へ任じ、コリン姓を与える。」
「ははっ。」
「なお、日和見を決め込んだ他の貴族たちは、3年後に爵位を1段階下げるものとする。ただし、3年の間に帝国に貢献した者は、その限りではない。」
貴族たちからどよどよとざわめきが起きた。
「朕の裁定に不服な者あらば、領地に戻って戦支度を始めるがいい。」イゴールどののこのひと言で日和見どもはシーンとなった。
その日の午後、謀反を主導した3貴族家の筆頭重臣3名が公開処刑され、ニコライたち4人はその処刑を見せられた後、檻の馬車に乗せられて、帝都内を引き回された。
イゴールどのは徹底的にやるのだな。
イゴールどのの皇帝即位宣言と、一連の裁定を見届けた翌日、俺たちは帝都を発った。俺たちの馬車に、帝都騎士団が、ニコライたち4人の罪人を乗せた檻の馬車を国境まで護送したのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/9/25
更新は火木土の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「射手の統領」も、合わせてよろしくお願いします。
https://kakuyomu.jp/works/16816927859461365664
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
Zu-Y
№120 帝太子イゴールの皇帝即位
イゴールどのの帝都奪還軍と行動を共にし、反乱軍から無事帝都を奪還して、俺たちは帝都の高級宿屋にいる。
王帝同盟を締結する交渉のときに宿泊していた宿屋だ。
「主様、行軍と戦陣ゆえ遠慮しておったがの、昨夜は満月だったのじゃ。つまり、わらわの発情期は一昨日から今宵までなのじゃ。今宵で終わりゆえ、今宵は子種を所望するのじゃ。3日分まとめてうんと可愛がってたも。」ドーラがもじもじしながらそんな可愛いことを言って来た。
愛い奴。その願い、聞き届けようぞ。むふふ。
他のわが妻たちも今宵はドーラに譲ると言うので、すぐさまドーラと1回戦を始めて、ドーラをとことん可愛がりつつ、マイドラゴンが歓喜の咆哮を上げてホワイトブレスをドーラに叩き込んだ。
その後、精霊たちを風呂に入れ、第四形態のまともな胸をそこそこ楽しみつつ、第三形態の小振りな胸を適当にあしらっていたら、ソルとダクが、
『ゲオルク、手抜きー。』『真面目にやれー。』と文句を言って来た。やばい、バレテーラ。
それから一生懸命揉んでやったら、ソルとダクは機嫌を直したのだった。ちょろい。笑
その後、皆で夕餉を摂って、軽く呑み、精霊たちにも口移しで呑ませて、ドーラとの2回戦目に突入したのだった。結局この夜は3回戦まで行った。当然、最後までである。
翌日、帝都宮殿へ登城すると、あちこちで修復が始まっていた。
復旧に当たっている帝国兵が皆、親しげに挨拶して来る。先陣を共にして来た仲間だからな。
イゴールどのは、半壊した宮殿の、比較的まともな部屋で執務を取っていた。両横にはスンクマムル侯爵とエウーキ伯爵がいて、ふたりがイゴールどのを補佐している。タイガも側近の如く詰めていた。
「おお、ゲオルクどの。昨日は大活躍だったな。」イゴールどのが声を掛けて来た。
「大活躍したのは、精霊たちけどな。」
「何を言う?同じことではないか。」
「ところで先代は、無事に保護したのか?」
「ああ、しかしな、心が折れていてダメだな。信じ切っていたニコライの謀反ゆえなぁ。」
「第二帝子は担ぎ上げられただけなのであろう?」
「まあ、そうではあるが、ニコライが父を退位させた事実は変わらぬし、父が、ニコライに背かれたと思っておるのだ。
大層塞ぎ込んでおってな、休養させておるが、当分は人前には出られぬ。」
「では、イゴールどのが?」
「そうなる。ニコライの皇帝即位は認めず、余が父の後を継ぐ。」
「で、反乱の首謀者は?」
「クツークルイ侯爵の筆頭重臣だな。そこにジオウラトスクとハリサンジーユの筆頭重臣たちも絡んでいる。」
「第二帝子も加担しているのか?」
「加担はしてないな。ニコライ自身も神輿に担ぎ上げられたと言ってるし、まわりも担ぎ上げたと言っている。しかし、担ぎ上げられた以上、ニコライには責任は負ってもらうさ。」
「どうするのだ?」
「ニコライ、クツークルイ侯爵、ジオウラトスク子爵、ハリサンジーユ子爵は、王国への破壊工作の首謀者として王国へ送る。煮るなり焼くなり好きにしてくれ。もし帝国へ戻されることがあれば、全員死罪だ。」
「分かった。4人の身柄は引き受けよう。王国で一生、犯罪奴隷として働いてもらう。帝国に戻って死罪になるよりはいいだろう。」
「どうだかな。気位だけは高いニコライが、犯罪奴隷の身分に耐えられるとも思えんが、一方で、奴に自害する性根などあるはずもないな。」
「そんな感じの奴だったな。まあ、自害したいと言うならさせてやるさ。」
「主犯格の各家筆頭重臣3名は死罪。3貴族家はすべて取り潰しで断絶。クツークルイ侯爵の妻たちは離縁して実家に戻し、実家で無期限の蟄居。ジオウラトスク子爵とハリサンジーユ子爵は入婿だから、2子爵家の正妻どもは帰る実家がない。3家の子供たち共々全員死罪だ。」
「まあ、そうなるか。しかし、正妻たちはまだしも、何も知らなかったであろう子供たちは憐れだな。」
「うむ。実は子どもたちには、折を見て特赦を与え、死一等を免じようと思うておる。帝国内には置けぬゆえ、教国で出家などさせたいが、ゲオルクどの、教国に取り次いではもらえぬか?」
「分かった。引き受けよう。」
「ところでな、余の皇帝即位宣言とともに、エウーキ伯爵は侯爵に叙爵し、クツークルイを与え、スンクマムル侯爵には、ジオウラトスクを与える。
そしてハリサンジーユは余の直轄とする。
3港町と南府との海上交易を活性化させたい。ゲオルクどのには、海上交易の仲介も頼みたいのだ。」
「もちろんだとも。南部公爵様に取り次ごう。すでに第一便は送ってあるがな。」
「手回しのいいことだ。それとな、タイガも騎士爵に任じ、虎林の里をタイガ騎士爵領とすることにした。これは実質上、虎林の里を、ホワイトタイガー族の自治領として、将来も含めて正式に認める。と言うことだ。」とイゴールどのが言うと、
「タイガ、よかった。里の皆も、喜ぶ。」トーラがタイガの騎士爵就任を寿ぎ、
「トーラ、そして義兄どののおかげだ。礼を言う。」と、タイガが返した。
「いやいや、俺は何もしてねぇよ。ホワイトタイガー族の忠勤の賜物だぜ。」
「左様だ。タイガ、余はそなたの忠誠に心より感謝しておるぞ。」
「はっ。」タイガが応じた。
「スンクマムル侯爵とエウーキ伯爵には、余の側近として、余の帝国運営が軌道に乗るまでは帝都に詰めてもらうことになった。ゲオルクどの、すまんが、スンクマムル行きは、次回の帝国訪問の折にして欲しい。」
「殿下、やはり何とかなりませんか?昨日のうちに、奥へ『北府騎士団のワルキューレどのを連れて行く。』と鳩便を送ってしまいましてな。」スンクマムル侯爵が、イゴールどのに泣き付いているが…、
「すまんな、スンクマムル侯爵。今、そなたを片時も手放す訳には参らぬのだ。」ばっさりだ。苦笑
「スンクマムル侯爵、よろしければ、私が奥方に手紙を進ぜようではないか。『此度は帰国の命が下ったゆえお会いできぬが、次回の帝国訪問の折には必ずお会いしよう。』とな。いかがか?」ベスが折衷案を出すと、スンクマムル侯爵が飛び付いた。
「それはありがたい。ぜひお頼みいたす。」
「うむ。引き受けた。」ベスが微笑んでいる。
「で、イゴールどの、皇帝即位と戴冠式はいつ行うんだ?」
「取り敢えず、皇帝即位宣言は、帝都宮殿を修復してからすぐに執り行うつもりだ。数日を見込んでいる。正式な戴冠式は、余の地固めが済んでからだな。半年程、先になろうかの。」
「そうか。では俺たちは、イゴールどのの皇帝即位宣言を見届けてから、王国への帰途に就くとしよう。」
「ニコライたちの護送の準備に、やはり数日頂きたい。」
「承知した。」
帝都宮殿が修復したら、盟友イゴールどの皇帝即位宣言か。そう聞くと、俺が半壊させた帝都宮殿の修復にひと肌脱がねばなるまいな。
わが妻たちを先に帰して、俺は帝国兵たちとともに、帝国宮殿の復旧に、全面的に協力した。と、言っても活躍したのは精霊たちの精霊魔法なのだがな。
木材はツリ、金属はメタ、土台はクレ、洗浄にはワラ、廃棄材の焼却にフィア、細かい廃棄物を帝都外に吹き飛ばすのにウィン。チルとソルとダクが、出番がないと言ってぶー垂れていたのはご愛敬だ。笑
結局、帝都宮殿の復旧は、この日1日で終了した。よって、イゴールどのの即位宣言は明日にはできる見込みとなった。
「「準備が間に合わんではないか!」」と、スンクマムル侯爵とエウーキ伯爵にしこたま文句を言われてしまうのだが、イゴールどのが、
「準備出来てからでよい。」と、ふたりを宥めて収まった。俺のせいじゃねぇよな?汗
最終的に、イゴールどのの皇帝即位宣言は3日後の実施と決まった。
その夜は、ドーラ以外のわが妻たちとむふふタイムだ。この夜、とうとうカルメンの魔力が上限値に達した。残るはリーゼとジュヌだ。
翌日と翌々日は、わが妻たちが、このままでは腕が鈍ると言って、帝都ギルドでクエストを受けて、帝都の周辺の魔獣退治に出向くことになった。
俺も同行したが、俺の精霊魔法は禁止だそうだ。苦笑
わが妻たちは、ベスとビーチェがAランク相当、リーゼ、ジュヌ、カルメンがBランク、ドーラがCランク、トーラがDランクである。俺抜きでも十分に強い。
さらにベスはスノウに騎乗して、重騎士として活躍したし、ナイトは、リーゼ、ジュヌ、カルメン、ビーチェを代わる代わる乗せていた。
ドーラとトーラは、馬には乗らないが、たまに本来の姿に変身したりして、大いに暴れ…じゃなかった、活躍していた。
そんなに受けて大丈夫か?と言う数のクエストをガンガンこなして行くわが妻たち。
そもそも、ドーラがCランクで、トーラがDランクと言うのも、ふたりの実力からしたらおかしいのだ。
確かに、飛び級できるのはDランクまでだから、仕方ないのだが、ふたりとも、クエストで討伐対象のときは、聖獣エンシェントドラゴンと聖獣ホワイトタイガーだから、Sランクなのにな。
わが妻たちの実際の戦いぶりは、かなりの物である。
リーゼは、中級魔法は全属性、上級魔法も風属性、火属性、冷属性を使う。特に風属性が得意で、飛翔系の魔物は絶好の餌食だ。
ジュヌは、中級以下のすべての回復魔法と、上級のHP回復魔法を使うので、回復はお手の物だし、中級魔法障壁も心強い。
カルメンは、中級以下のすべての支援魔法と、上級支援魔法の速度バフ、速度デバフだ。これらで戦闘が一気に有利になる。
ベスは、中級以下の盾スキルと槍スキルのすべてに、上級の盾スキルの物理防御と魔法防御だ。ベスが自在の盾を展開すると、中途半端な拠点よりよほど安全である。さらにスノウを駆っての機動攻撃は強力だ。
ビーチェは、中級以下の刀術スキル全般と、上級刀術スキルの斬撃に刺突で、華麗に相手を屠る。目にも止まらぬ動きなので、魔物はまず対応できない。
ドーラは、中級以下の剣術スキル全般と、上級剣術スキルのスラッシュで獲物を一刀両断する。また上級剣術スキルのパリィでほとんどの物理攻撃を受け流すことができる。
トーラは、中級以下のすべての拳闘スキルと、上級拳闘スキルのコークスクリューとクラッシュを使う。全筋隆起でブーストモードになると体が2倍以上になるので、この状態で上級拳闘スキルを繰り出されたら、魔獣ですら一撃必殺である。
うん、俺、いなくてもいいかも。苦笑
横で精霊たちが、『出番ー。』と言ってぶー垂れているのはご愛敬だ。
結局、この2日間でドーラはBランクに、トーラはCランクに上がった。
昼間はクエストで頑張った分、夜は、むふふタイムである。
え?お前は頑張ってないだろうって?細かいことは気にするな。笑
夜は生ぱふぱふで14個のメロンボールを堪能する至福の生活を過ごしたのだった。しかし、こんな優雅な生活はあっと言う間に終わりを告げる。まあ、たった2日だし。
今日は帝都宮殿でイゴールどのの皇帝即位宣言の式典である。とっとと朝餉を済ませた俺たちは、帝都宮殿に入った。
俺が半壊させたが、復旧にも協力した帝都宮殿は、それなりの威容を示している。
イゴールどのの、皇帝即位宣言の式典には、帝都に在中していた貴族たちは全員列席している。思ったより、多くの貴族がいるのに驚いた。こいつら、謀反の際は、まったく動かなかったのにな。いわゆる日和見だ。
それと、ニコライ、クツークルイ侯爵、ジオウラトスク子爵、ハリサンジーユ子爵の4名が、手枷足枷囚人服で、末端に控えさせられていた。日和見どもが、4人をチラ見している。
復旧された帝都宮殿の大広間にファンファーレが鳴り響き、帝太子イゴールどのが堂々と大広間に入城した。そのまま玉座に進み、玉座の前で振り返った。イゴールどのは、無言で列席する貴族たちを睥睨している。
かなり効果的な間の取り方だな。と、感心していると、イゴールどのが宣言をした。
「余、帝太子イゴール・ボドブリは、父の後を継ぎ、ここに第12代皇帝に即位することを宣言する。なお、先日第12代皇帝即位を宣言した謀反人、ニコライの即位宣言は無効とする。
異論のあるものは前に出よ。」ニコライは首を垂れているので表情は見えない。
シーンとして首を垂れる貴族たち。異論があっても、ここでそれを言うものは、日和見どもの中にはおるまいな。
イゴールどのが、ニコライ、クツークルイ侯爵、ジオウラトスク子爵、ハリサンジーユ子爵の4名をねめつけて、
「異論はないのか?」と聞いた。4人とも頭を上げずに黙っている。
「新皇帝陛下に忠誠を誓います。」スンクマムル侯爵が跪き、日和見貴族どもがそれに倣った。
「新皇帝陛下、ばんざーい!」今度は、エウーキ伯爵だ。日和見貴族どもの万歳三唱が続く。
出来レース過ぎて思わず吹き出しそうになったが、何とか堪えた。笑
「謀反人どもの処罰を言い渡す。第二帝子ニコライ、帝子身分剥奪。クツークルイ侯爵、ジオウラトクス子爵、ハリサンジーユ子爵は爵位剥奪。」
「え?」っと意外そうに呟くニコライ。「「「…。」」」残りの3人はあきらめの表情だ。
「さらに、同盟国トレホス王国への工作首謀者として、4名の身柄を王国へ引き渡す。なお、王国から身柄を返された折には、全員打ち首とする。」
「兄上、私は関わっておりませぬ。」
「衛兵、許可なく発言した罪人を打ち据えよ。」イゴールどのの命令に、衛兵が容赦なくニコライを打ち据え、ニコライは悲鳴を上げた。
シーンとなる貴族たち一同。
「元3貴族家の筆頭重臣どもは、謀反を首謀した罪により、本日全員打ち首。元3貴族家は断絶。他家より嫁ぎし妻妾どもは、実家に戻して終生蟄居。入婿を取っていた2子爵家の娘ども、および謀反人どもの子息子女は、朕が戴冠後に全員打ち首とする。
罪人どもを引っ立てよ。」
衛兵が4人を連行して行った。
「さて、次に帝都奪還の論功行賞を行う。
勲功第一、エウーキ伯爵。勲功第二、スンクマムル侯爵。勲功第三、ホワイトタイガー族族長タイガ。前へ。」
「「「はっ。」」」3人がイゴールどのの前に出た。
「エウーキ伯爵、スクミンへの救援、クツークルイ、ジオウラトスク、ハリサンジーユの制圧、並びに帝都奪還の軍勢の派遣と奪還作戦での功を称し、クツークルイを新領地として加増し、侯爵位を授ける。また、副宰相として朕が側近を務めよ。」
「ははっ。」
「スンクマムル侯爵、帝都奪還の軍勢の派遣と奪還作戦での功を称し、ジオウラトスクを新領地として加増する。また、宰相として朕が帝政の舵取りを補佐せよ。」
「ははっ。」
「ホワイトタイガー族族長タイガ、少数精鋭でのスクミン救援、スクミンから帝国南部へ敗走する謀反勢の追撃、並びに帝都奪還作戦での功を称し、虎林の里の永久自治権と騎士爵へ任じ、コリン姓を与える。」
「ははっ。」
「なお、日和見を決め込んだ他の貴族たちは、3年後に爵位を1段階下げるものとする。ただし、3年の間に帝国に貢献した者は、その限りではない。」
貴族たちからどよどよとざわめきが起きた。
「朕の裁定に不服な者あらば、領地に戻って戦支度を始めるがいい。」イゴールどののこのひと言で日和見どもはシーンとなった。
その日の午後、謀反を主導した3貴族家の筆頭重臣3名が公開処刑され、ニコライたち4人はその処刑を見せられた後、檻の馬車に乗せられて、帝都内を引き回された。
イゴールどのは徹底的にやるのだな。
イゴールどのの皇帝即位宣言と、一連の裁定を見届けた翌日、俺たちは帝都を発った。俺たちの馬車に、帝都騎士団が、ニコライたち4人の罪人を乗せた檻の馬車を国境まで護送したのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/9/25
更新は火木土の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「射手の統領」も、合わせてよろしくお願いします。
https://kakuyomu.jp/works/16816927859461365664
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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