精霊の加護

Zu-Y

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精霊の加護109 帝国と同盟締結

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精霊の加護
Zu-Y

№109 帝国と同盟締結

 翌日、朝餉を摂り終えた俺たち王国同盟締結使節団は、早々に帝宮へと向かった。
 帝宮に着くと…、あれ?思ったより被害がひどくね?大手門は大丈夫だが、帝宮の東側は、東の蔵だけでなく、外塀も含めて瓦礫の山だった。ってか、石垣の土台から崩壊してやがるし。
 昨日、敵対的な眼で睨んで来た警備兵たちは、俺と目を合わせようとしない。この惨状では流石にな…。苦笑

 すると昨日、弄ってやった警備兵を見付けた。
「おい、昨日のお前、ちょっと来い。」
 だっと走って警備兵がやって来た。
「スピリタス様、何でありますか?」ビシッと敬礼している。敬礼しつつもやはり微妙に目を合わせない。ってか言葉遣いから違う。
「昨日の威勢はどうしたよ?」
「昨日は失礼しました。自分の考え違いでありました。」眼がうつろだ。これ以上弄ると弱い者いじめになっちまう。やーめた。
「連日精が出るな。お勤めご苦労さん。」え?って感じで目を見開く警備兵。
 俺たち一行は、帝宮内に入って行った。

 で、昨日の会議室にいる。
 正面に座っているのは、真ん中に憔悴し切った皇帝、高級宿屋に供ふたりだけ連れて乗り込んで来たままの気概がある帝太子、おろおろと蒼褪めている第二帝子、トーラを見つめて、悲しそうな顔をしているエカチェリーナ姫。宰相がいない。
「宰相はいないのか?」俺の問い掛けに皇帝がぴくッとしたが、そのまま無言を貫いた。代わりに帝太子が答えた。
「昨夜、原因不明の倒壊をした、帝宮東側一帯の復旧作業の陣頭指揮を執っており申す。」
「それはそれは。災難でしたな。」俺のこのひと言に、ちっと舌打ちをする皇帝。
 すると、皇帝の態度にムッとした精霊たちが、変なオーラを出し始めた。やべーやべー。俺は精霊たちに声掛けして宥めた。

 帝太子のイゴールどのが場を仕切る。
「では早速本題に入ろう。帝国としては、王国から出された残りのふたつの条件を飲むことに同意する。」
「それは重畳。念のために残り2条件を申し述べてくれないか?」
「されば、スピリタス卿の帝国内自由行動権、そして帝国内の反王国分子の摘発とその幹部の王国への引渡し。これが帝国の理解している残り2条件である。王国に異存はないか?」
「条件はそれでよい。当然、その反王国幹部の中に第二帝子は含まれているのだろうな?」俺が念を押すと第二帝子はギョッとしてさらに蒼褪めた。震えているのが分かる。

「弟ニコライは、旗頭に担がれたに過ぎぬ。反王国の意思など毛頭ない。そもそもニコライには、親王国とか反王国とか、明確な思想はないのだ。粗忽者ゆえ、担がれて煽てられてその気になったに過ぎぬ。」
「それでも暗殺者ふたりをわが元に送ったではないか。」
「それも担がれて乗せられただけだ。後先考えぬ短慮者ゆえ、ご容赦頂きたい。二度と王国に敵対したなどと誤解されるような行為はさせぬ。もし、した場合は、そのときこそ、王国に引き渡そう。」最後のひと言に、ぴくッとする第二帝子ニコライ。
「おい、第二帝子。ニコライと言ったな。帝太子イゴールどのの言う通り、相違ないか?」

「間違ござらぬ。」と言っても信じられなぇな。
「ではその証を立てよ。」
「証?」
「この場で頭を丸めるがいい。」ちょっとハードルを上げてみた。笑
「え?」
「王国流の最上級の詫びだ。」全然違うけどな。笑
「おい、枢機卿を呼べ。ニコライが出家する。」
「兄上。」第二帝子は最近まで敵対していた帝太子に縋っている。
「分別せよ。それとも命を差し出すか?王国に引き渡すとはそう言うことぞ。」
「父上。」
「…。」皇帝は無言で答えない。

 しばらく待っていると、枢機卿が呼ばれて来て、ニコライは有無を言わさず、すべてを剃られた。もちろん頭部ね。きれいにつるりんこである。笑
 ニコライの奴、半泣きだし。情けねぇ。

「では帝太子イゴールどのの言う通りの条件で、王帝同盟を締結することにする。詳細の条件は役人ども同士で詰めさせよう。」

 しばらく雑談していると、役人同士で煮詰めた条件が提示された。

 両国は互いの危機に際しては最優先で救援に向かう。
 両国間の貿易の関税をなくす。
 国民の往来は出国側のパスポートと入国側にビザの発給により認める。
 帝国はゲオルク・スピリタス卿に対し、帝国内の自由行動権を保証する。
 王国はゲオルク・スピリタス卿が、定期的に帝国を訪れることを認める。
 帝国のエカチェリーナ姫を、王国に長期留学させる。
 帝国は帝国内の反王国勢力を一掃する。
 王国からの要求があった場合、帝国は捕らえた反王国勢力を王国に引き渡す。
 虎林の里の自治権を認め、ホワイトタイガー族の兵役を免除する。

 互いに内容を確認して同意した。帝国側は皇帝が、王国側は俺が、同盟条約に署名して調印した。

「では俺たちは、自由行動圏に基づき、帝国内を視察する旅に出発させて頂く。役人たちの馬車と護衛は、エカチェリーナ姫に同道して王国へ帰る。エカチェリーナ姫は、出立の準備はよろしいか?」
「準備はとうにできておりまする。」
「うむ。それはよき心掛けよ。出立は明日。
 姫は剣術がお得意ゆえ、王国では王都近衛隊の養成課程で励むがよい。」
「はい。」
「王国には優秀な若き人材が数多あまたおる。中でも、王都魔法学院におわす王国の末の姫殿下マリー様と、王都教会神職養成所に教国から留学して来ている巫女見習アイチャどののふたりは群を抜いているな。
 目指す道は違えど、年齢も近いゆえ、このおふたりは親交を結んでおられる。エカチェリーナどのも、同じ年頃ゆえ、このおふたりと親交を結ぶとよいだろう。」
「はい。」

「それとわれらが帝国巡りを終えて来るまでに、反王国派幹部を捕らえておいて欲しい。」
「それは請け合おう。これより一部の者の屋敷には、捕縛の兵が向かわせる。十分に取り調べて、芋蔓式に反王国派を一網打尽にして見せよう。」帝太子のこのひと言に、第二帝子はギョッとした。
「兄上、まさか…。」
「まずはそなたをそそのかした3人を捕らえるのだ。」

「イゴールどの、もしや帝都の外に駐屯している軍勢かな?」
「左様。騎士団と近衛隊で捕らえる。」
「そう言うことなら、同盟に基づき加勢しようぞ。『両国は互いの危機に際しては最優先で救援に向かう。』いかがか?」
「ふむ。同盟締結のその日に早速ご救援か。同盟の宣伝にはよかろうな。
 父上、よろしいですな?」
「よきに計らえ。」
 なるほどな、俺に派手に暴れろってか?王国の力を見せ付けて、同盟したことの支持を取り付けるつもりなのだな。やはり帝太子イゴールどのは切れる。

 そう言えば、今日の交渉で、皇帝が発言したのは初めてじゃね?

 同盟交渉は午前中で無事終わり、俺たちは帝太子が率いる騎士団と近衛隊に、同道した。外交馬車1台と、スノウに騎乗して重騎兵となったベス、ナイトに騎乗して軽騎兵となったビーチェの2騎。見た目は貧弱なこの救援に、ほとんどの帝国兵が呆れている。
 まあ見てろよ。笑

 ちなみにゲオルク学校も来たがったが、実戦で危ないのと、ゲオルク学校は役人たちの護衛であり、護衛対象の役人たちはもちろん出動しない。よって、ゲオルク学校は役人たちとともに、帝都に留め置いた。

 3つの貴族軍は、2000がひとつと1000がふたつ。それぞれの貴族家の当主が軍勢を率いて来ている。
 帝太子率いる帝国正規軍は、騎士団1500、近衛隊1000で、貴族軍より若干少なめである。
 帝太子が、貴族軍を率いている当主に出頭命令を出した。貴族軍の本陣に、近衛隊から伝令の騎馬が2騎ずつ走って行った。

 しばらくして、伝令の騎馬が貴族軍の本陣からこちらに向かって帰って来た。
 貴族軍では、本陣からか3つの貴族軍部隊に伝令が飛び、見る見るうちに戦闘態勢の陣を敷いている。こちらに駆け戻って来る伝令が受け取った返事の内容は一目瞭然だ。
 帝太子殿下の命により、騎士団と近衛隊が戦闘態勢を整える。

 伝令が戻って来て貴族軍の返事を告げた。
「報告します。『捕らえたければ、腕ずくで来い。』とのことです。」やはりか。
「やむなし。殲滅するか。」イゴールどのがため息交じりに呟いた。
「なぁ、イゴールどの。帝国人同士で争うと禍根が残ろうぞ。まずは、俺たちにやらせてくれないか?なるべく相手の兵を殺さないようにやるよ。」
「ふむ。では先陣はゲオルクどのに任そうか?」

「よし、行くぞ。まずはソル、皆にバフ。」『はーい。』
「それから、クレ、フィア、チル、ワラ、ウィン、メタで行くぞ。相手の陣のまわりすべてを取り囲むようにな、各々の威嚇攻撃を叩き込め。」
『『『『『『はーい。』』』』』』
 3つの貴族軍部隊のまわりや上空に、地震、花火、凍結、洪水、竜巻、落雷が襲う。
 いずれも部隊のスレスレに着弾しているので、それぞれの部隊には損害こそ出していないが、その気になればいつでも貴族部隊内にぶち込める。そうすれば、甚大な損害が出るのは、火を見るよりも明らかだ。これは馬鹿でも分かること。
 貴族軍部隊にしてみれば、俺たちがその気になれば、いつでもぶち込まれる。と言う、心理的なストレスはハンパない。
 案の定、3つの貴族軍部隊は、どれも大パニックを起こし、統制を取れぬまま右往左往している。

 たびたび魔力補給に来る精霊たちに、ウォトカをひと口含んで唾液の魔力を増幅しつつ、濃厚なべろちゅーで魔力を補給する俺。
 ウォトカで酔って、キャハハハハと哄笑しながら、狂ったように精霊魔法をぶっ放し続けるわが精霊たち。
 後でわが妻たちに聞いたら、身の毛のよだつ光景だったらしい。苦笑

 大した時間も経たずに、3つの陣に白旗が上がった。
「ツリ。」『出番キター♪』貴族軍の兵たちが次々と、地面から生えて来た蔓でぐるぐる巻きにされ、拘束されて行く。
 ツリにも、ウォトカで増幅した唾液の魔力をべろちゅーで供給しつつ、ツリによる相手兵4000名の捕縛は順調に進んで行き、貴族家当主3人を含む全員を拘束した。
「ソル。」『ん-、たあー。』気合とともに、相手の陣をすべて含む広範囲に、エリアヒールとエリアリペアを施した。最後にソルにもウォトカ入りべろちゅー。

 我彼とも、一兵も欠くことなく、一兵も怪我させずに~実際は怪我させたかもしれないがソルが回復させた~、一方的な帝国正規軍の勝利で終わった。
 貴族家当主の3人は、落ち延びることすらできなかった。そりゃそうだ、陣のまわりに様々な精霊魔性が絶えず撃ち込まれていたのだからな。

 しばらくして、本陣で蔓にぐるぐる巻きにされていた反王国派の貴族家当主3人が逮捕され、近衛兵に両脇を固められて帝太子と俺の前に引き立てられて来た。3人とも顔面蒼白で覇気がない。

「王国への敵対がいかに身の程知らずか、身に染みたか?」帝太子が問い掛けた。
「「「はい。」」」
「されば、そなたたちには弟ニコライを王国にけし掛けた責任を負ってもらう。厳しい取り調べの後、同盟の条件に従って王国に引き渡すゆえ覚悟せよ。否と言うならそなたたちの家を取り潰し、一族を粛正する。諾ならばそなたらの犠牲をもって、家督を嫡子に継がせ、家は残す。
 返答はいかに?」
「「「御意に従いまする。」」」完全に項垂れている。もはや観念したようだ。
「相分かった。一族と家名の存続は、このイゴールが引き受けた。
 ゲオルクどの、同盟に基づく此度のご救援、わが父皇帝陛下に成り代わり、感謝致す。」
「なんの。他愛もないことよ。そ奴ら3人は、俺が帝国巡りを終えて帰るまでにしっかり取り調べて、他の反王国派も洗いざらい吐き出させて欲しい。」
「委細承知。」
 俺と帝太子イゴールどのは、もはやツーカーの仲になりつつある。

「ところでイゴールどの。こいつら3人はどこの領主なんだ?」
「されば、旗頭が帝国南部中心都市クツークルイの領主クツークルイ侯爵。同じく帝国南部の港町ジオウラトスクを領するジオウラトスク子爵と港町ハリサンジーユを領するハリサンジーユ子爵だ。この3人は兄弟で、兄が侯爵家を継ぎ、弟ふたりが有力与力の子爵家に婿入りしている。この3人の結束は固い。」

「帝国南部と言えば、王国南部との海上貿易も盛んだよな?それなのになんで反王国派なんだ?」
「ゲオルクどの、言いにくいのだが、帝国には王国への進出を目論む勢力があってな。反王国派がそれだ、」
「つまり、王国南部に侵略するつもりなのか?と言うことはワラに工作をしたのもこいつらか?」
「ワラ?」
「無力化工作に遭った王国南部の水の精霊だ。」
「そうだ。もっともこいつらは、主導したのは王国の武器商人で、それを支援したに過ぎぬと主張しているがな。王国への賠償金は、この3人に負担させることにしたのだが、それが気に入らず、この行動に出たのだろう。」
「なるほど、それなりに根が深いのだな。」

 俺とイゴールどのが会話する横で、騎士団と近衛隊の面々が、ふわふわと漂う精霊たちを見て、完全に引きつっていた。笑

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

設定を更新しました。R4/8/28

更新は火木土の週3日ペースを予定しています。

2作品同時発表です。
「射手の統領」も、合わせてよろしくお願いします。
https://kakuyomu.jp/works/16816927859461365664

カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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