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精霊の加護096 教国からの凱旋と昇進の内示
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精霊の加護
Zu-Y
№96 教国からの凱旋と昇進の内示
東府から馬車で数日、俺たちは王都へ帰還した。
そのまま王宮へ直行し、4頭立ての外交馬車を返却した。約3か月に亘る教国の旅を終えた外交馬車は、旅の汚れをきれいに落とし、徹底的にメンテナンスをするそうだ。
数日後にはピカピカになるのだろう。
前日に、王都入りの予定を鳩便で知らせていたため、王宮には部屋が用意されていた。いつもの部屋だ。そしていつもの侍女ふたりが、せっせとお茶の準備をしてくれている。
と、言うことは今夜も、侍女たちが監視任務で覗いて来る訳な。よしっ。いろいろ淫らなプレイで赤面させてやろう。くくく。
「旦那様、悪いお顔になってますわよ。」
「お前さん、その顔は何かやらしいことでも企んでるね。」
「今宵も覗いて来る痴女さんたち…じゃなかった、侍女さんたちに、どんなプレイを披露しようかと思ってさ。」
侍女ふたりがキッと睨んで来た。見事にシンクロしている。
「もう監視任務はございません。」
「え?なんで。」
「ゲオルク卿が面白がって痴態を見せ付けて来られるので、報告を聞く殿下が、『もう馬鹿らしくなった。いずれ身内ゆえ、もうよい。』と仰せになったのです。」
「ちぇっ。何だよ、張り合いのない。」
「何を仰るのです。いくら任務とは言え、こちらの身にもなって下さい。」
「そうですよ。見たくもないものを見せ付けられて。」
「え?見たくなかったの?」
「「当たり前です!」」そうだったのか…。
「そりゃ、悪いことをしたな。てっきりノリノリで覗いてるんだとばかり…。」
「そんな訳ないじゃないですか!それに覗きではありません。監視任務です。」
「そうですよ、決して覗きではありませんからね。それではまる痴女じゃないですか!そう言えばゲオルク卿、先程、わざと侍女を痴女と言いましたよね?」
ナンノコトカナー。俺は眼を逸らして口笛を…、あれ?音が鳴らない。苦笑
「まあまあ侍女どの。その辺で。後は私たちからわが君によく言い聞かせておくゆえ。」
ベスがさり気なく間に入ってくれて侍女たちを抑えた。
そして、お茶の用意を終えると、侍女たちは部屋から出て行った。ふたりとも、ちょいおこ状態だった。苦笑
ひと息ついたら殿下への報告だ。
俺は、わが妻たちと精霊たちを連れて、殿下の執務室に出仕すると、すぐに中に通された。
殿下の執務室には、いつものメンバーがいる。4人の公爵様方と宰相様だ。
「殿下、ただいま戻りました。」
「ゲオルク、お手柄だったな。まあ座れ。
おい、側室たちにも椅子を。」
侍従がわが妻たちの椅子を用意する。ひとつ足りない。
「おや、ひとり増えてるのか?もうひとつ椅子を持て。」
「殿下、教国のヴァーで仲間に加わったドーラです。」
「ドーラじゃ。」え?もうちょっと畏まれよ。
「ほう、龍人か?余は初めて見る。」殿下がそう仰った。人型だが、頭に龍の角が生えているので、龍人とすぐ分かる。
「わらわは龍の王。小僧、物言いに気を付けるがいい。」おいっ!
「あ、いや殿下。今は龍人の姿をしていますが、ドーラは龍山に住まうエンシェントドラゴンなのです。」
「「「「「「なんと!」」」」」」殿下と4人の公爵様と宰相様が驚いた。
「ドーラ、こちらは王太子殿下だ。お前こそ物言いに気を付けろよ。」
「主様がそう仰せなら致し方ないのう。」
旅先からの報告書には、ヴァーを襲っていたエンシェントドラゴンを撃退し、最終的に和解したしか書いていなかった。
龍人となったドーラを仲間にしたとなると、警戒されるかもと思って敢えて隠していたのだ。ここまで連れて来ちゃえばこっちのもの。
「ゲオルク、そなたが寄越した鳩便には、エンシェントドラゴンは撃退し、和解したとしか書いてなかったぞ。」
「はぁ。和解したからこそ、ドーラは龍人になって俺の仲間になってくれたのです。」
「その辺をきちんと書いて寄越さぬか。おかげで余は礼を失したぞ。
ドーラどの、龍の王たるそなたに礼を欠いた物言いであった。許されよ。」
「よいのじゃ。わらわも主様のご上司に失礼仕った。」
「主様と言うと、ゲオルクとは主従関係であられるか?」
「いや違う。主様から子種を頂いておる。」ドーラ、その言い方、ストレート過ぎるぞ。まぁ、龍人だしな、その辺は俺たちの感覚と少々ずれているのだろう。
「ゲオルク、お前なぁ。またこんな…。」
殿下の言いたいことは分かる。またこんな…の後は、飛び切りの美人でボンキュッボンな女をモノにしたのか!と、続いたはずだ。
4人の公爵様方と宰相様も半ば呆れている。苦笑
「それと、教国で契約したソルです。回復とバフの精霊魔法を使います。」
ソルは俺の影に隠れた。いつも通りだ。笑
「ふむ、教国の有能な巫女見習から横取りして来たのだったな。でかした。」
「殿下、その言い方には語弊があります。横取りではありません。その巫女見習が契約をしたがらなかったので、俺が契約をしてもいいかと確認を取ってから契約しました。」
「どちらでもよい。教国の巫女見習と契約させずに、ゲオルクが契約して来た。そこが大事なのだ。」
「その巫女見習ですが、同盟の約定に則り、王国に来ているはずです。」
「そうだ。今は王都教会で学んでおる。非常に優秀だそうだ。精霊と契約せずとも、本人が相当な回復魔法の使い手となるだろう。
そうそう、最近はマリーとも親しくしておる。」
「え?そうなのですか?」まぁふたりとも幼くして有能だしな。しかも、どちらも美少女だし。アイチャがちょっとだけお姉さんか。ふたりが仲良くしてる風景を見たら、ほっこりするだろうなぁ。
「殿下、この後のお時間もありますれば、ゲオルク卿の報告を皆で聞きとうございますが?」
「宰相、そうであったな。
ゲオルク、教国紀行について報告せよ。」
「はい。」
そういう訳で、俺は殿下と4人の公爵様方と宰相様に、教国での活動のあらましを語った。
教都イスタナンカラで、王国の希望通りの条件で同盟に調印したこと。
イスタナンカラ奥の聖山でソルと契約したこと。
新教皇とはパイプができたので、先代ミュンヒェー辺境伯御夫妻暗殺の黒幕と実行犯の調査を依頼したこと。
それから教国北部での話をした。
イスタナンカラから教国北部に行き、教国北部の中心都市ルゥド・オーとその周辺の村々で蔓延っていた栄養失調を、ジュヌとソルの回復魔法で回復させたこと。
ルゥド・オー周辺の寒冷な気候により、穀物の育ちが悪いことに起因する慢性的な食糧難を改善するために、寒冷気候に強いポテトイモの栽培を普及させたこと。
教国政府は、教国北部に対して以前もポテトイモの栽培を奨励したが、保管方法が適切に伝わっておらず、そのためポテトイモから芽吹いた新芽の毒素で、教国北部が大きな被害を受け、教国北部が教国政府に対して遺恨を持っていたこと。
ポテトイモの新芽には毒素があるので、芽を出させないための適切な保管方法、芽が出た際の処理方法を伝授したこと。
ポテトイモと教国政府に対する教国北部の誤解が解けて、教国北部にポテトイモ栽培が定着し、慢性的な食糧不足とそれに起因する栄養失調を解消したこと。
教国政府に対する教国北部の態度の軟化により、教国北部を拠点とした反政府勢力が瓦解したこと。
「なるほど。教国北部の民の難儀を救ったら、教国北部から反政府勢力への支持が消えたという訳か。まさに棚ぼただな。」
「南部公、棚ぼたとも言い切れまい。教国北部と教国政府との溝の根源を見抜いて、その誤解をゲオルクが解いたからこそ、教国北部の民の教国政府に対する不信が消え、結果として反政府勢力への支持がなくなったのだ。」
「北部公の言う通りだ。それこそ、教国南部との海上交易が復活して景気が良くなっている南部公こそ棚ぼたではないか。」
「殿下、これは一本取られましたな。正しくその通りです。
ゲオルク、棚ぼた発言は撤回する。南部こそ恩恵を受けておる。またしてもそなたに救われたな。礼を申す。」
「いえいえ。南部公爵様、勿体ないお言葉です。」
次に教国東部での話をした。
教国東部の中心都市ヴァーが、東の龍山に棲むエンシェントドラゴンから、たびたび襲撃されていたこと。
ヴァーのギルドの依頼でエンシェントドラゴンの討伐に、龍山に向かったところにエンシェントドラゴンが襲来し、精霊魔法で撃退したこと。
エンシェントドラゴンのヴァー襲撃の理由は、ヴァーのギルドの依頼を受けた冒険者が、ドラゴン素材を得るために、一方的に同胞のドラゴンを狩るので、それに対しての報復だったことを聞かされたこと。
エンシェントドラゴンに、過去の遺恨を捨ててヴァーと和解するように勧め、その提案を承諾したエンシェントドラゴンが、龍人のドーラとなって仲間になったこと。
ヴァーのギルドで、今後一切ドラゴン素材を取り扱わないようにさせ、それまでのドラゴン狩りの全責任をギルドマスターに負わせて更迭し、ヴァーから追放したこと。
ヴァーの民を集めて事情を説明し、ドラゴン狩りの禁止と和解を命じたこと。
この命令に不満そうな者もいたので、わが意に沿わなければ、ヴァーを一夜にして滅ぼすと警告して、そのタイミングで、精霊から魔力を一気に放出させて、集まっていた群衆を威嚇したこと。
魔力を放出した精霊たちが魔力補給に来たので、魔力補給のキスが、精霊からの祝福だと受け取られ、ヴァーの群衆が一斉に従ったこと。
「ふむ。ゲオルクが説得したと言うより、精霊たちの祝福のキスのおかげではないのか?」
「東部公爵様、正しくその通りです。」
「東部公、そうかもしれんが、ゲオルクの裁定は実に見事だ。利に走ったギルドを戒め、全責任をギルマスに負わせて追放するなど、冒険者であるゲオルクにしてみたら、ギルドを敵に回す危険があった上での英断だ。実に思い切った処置だ。」
「西部公の言う通り。慈悲深く苛烈と言う評判はここから来たのだな。」
「北部公爵様、その評判と言うのは何です?」
「教国から聞こえて来たそなたの評判だ。」
「慈悲深く苛烈って、真逆では?」
「そうではあるが、言い得て妙ではないか。」
「はぁ。」
「北部公、その辺で。
ゲオルク卿、続きを。」宰相様が話を戻してくれた。
続いて教国南部の話に移る。
教国南部の中心都市キュプロンに到着する前日に、キュプロンから子供たちを攫って逃走を図っていた奴隷商人一行と、それを追跡するキュプロン衛兵隊と遭遇したこと。
キュプロン衛兵隊に助力して、誘拐犯の奴隷商人一行を一網打尽にし、誘拐された子供たちを救出したこと。
衛兵隊の宣伝により、キュプロンでは、大歓迎されて莫大な寄付が集まったこと。
その寄付から、攫われた子供への見舞金と、救出に尽力した衛兵隊への報奨金を出し、残り全額を、ルゥド・オーの農地開発資金、ヴァーの復興資金、キュプロンへの投資、教国政府への新教皇活動資金として寄付して来たこと。
その後の教国中部でも同様だった。
教国中部の中心都市アリトナでも、多額の寄付が集まったこと。
その全額を、ルゥド・オー、ヴァー、アリトナ、新教皇の教国政府に、寄付して来たこと。
ちなみに、わが妻たちがショタを発揮して、暫定的に少年化した精霊たちを襲おうとしたことは伏せておいた。笑
「全額寄付して来たのか?まったく気前がいいな。」
「え?だって殿下ご自身が王国の評判を上げて来いって仰ったじゃないですか。たった少しでも俺が取り分を受け取るのと、全額寄付とでは、印象がまったく違いますよね。」
「まあそうだな。」殿下が同意した。
「ゲオルク、天晴だ。そなたは人心の掴み方を心得ているな。」
「東部公爵様、ありがとうございます。」
最後にイスタナンカラに戻ってから国境の町、ミュンヒェーでのことを報告した。
イスタナンカラでは、先代ミュンヒェー辺境伯御夫妻の暗殺の黒幕とその一派が大勢捕らえられており、その首謀者が前教皇とその取り巻きであったこと。
暗殺実行犯は、黒幕の前教皇たちによって、すぐに始末されていたこと。
首謀者の前教皇とその取り巻き数名を、ミュンヒェーまで連行し、それ以外はイスタナンカラで投獄させたこと。
ミュンヒェーでは、前教皇とその取り巻きを全員に対し、群衆を集めた上での公開処刑を、もっとも残忍な焚刑で敢行したこと。
「ゲオルク、そなたに全面的に任せたがな、まさか前教皇を群衆の前で焚刑にしようとは思わなかったぞ。」
「はい。殿下のご真意は、帝国への圧力になるようにド派手にやれと言うことだと思いましたので。」
「しかしな、焚刑はちとやり過ぎだ。仮にも前教皇だしな。」
「大丈夫ですよ。新教皇とは信頼関係を築いてますし、教国の民は大喜びのようです。」
「帝国が頑なになるかもしれん。」
「そのときは帝国を滅ぼすおつもりなのでしょう?臣従か抗戦かではなく、臣従か滅亡かをお迫りになるご本心かと推察しました。」
「うむ。まあ、そうなのだがな、これでは後へは引けぬ。臨機応変に対応できるようであればなおよかったのだがな。」
「大丈夫ですよ、殿下。逃げ道は用意してますんで。」
「逃げ道?」
「たっぷり焚刑に処しましたが、その間、ジュヌとソルにリペアを掛けさせ続けていました。」
「なんだと?」
「焚刑を終えた前教皇たちを、瀕死の状態のまま遺体安置所に運び込み、そこで回復魔法を掛けてますんで、体の方は全快させてます。」
「体の方?」
「精神はずたずたですけどね。今は身元不明の犯罪奴隷として、ミュンヒェーでこき使ってますよ。」
「なぜ知らせて来なかった?」
「鳩便でご報告できる内容ではないからです。極秘ですからね、直接ご報告しようと思っておりました。」
「なるほどな。筋は通っている。しかしな、本音のところでは、余をやきもきさせようと企んだであろう?」
「はい。殿下の無茶振りに対しまして、ささやかながらもご返礼をと思いましたので。」
「抜け抜けとほざきよるわ。しかしな、ゲオルク、よくやった。申し分ない働きだ。」
「ありがとうございます。」
「そなたには間もなく帝国への遣いに行ってもらう。それまでは側室たち共々、王宮で骨休めをせよ。それとな、冒険話が大好きなマリーも訪うてやってくれ。」
「はい。姫殿下にも、姫殿下の侍女たちにも、たんと教国土産を用意しておりますれば。」
殿下が方眉をぴくッと上げた。侍女たちへの土産は、気を効かせて姫殿下とふたりきりにしろと言う意味で、求婚の意思表示なのである。
俺は前回そう言う意味とは知らずに侍女たちに土産を渡してしまった。だから意味を知ったからと言ってやめる訳には行かない。てか、意味を知らない振りして、押し通してやるのだ。
「それはマリーも喜ぼう。
それとな、この休暇中に伯爵へ昇進だ。」
「え?」
「なんだ、今日、ようやく驚いたな。それだけの働きをしたのだ。陞爵については追って沙汰しよう。下がってよいぞ。大儀であった。」
伯爵って…まじか?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/7/31
更新は火木土の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「射手の統領」も、合わせてよろしくお願いします。
https://kakuyomu.jp/works/16816927859461365664
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
Zu-Y
№96 教国からの凱旋と昇進の内示
東府から馬車で数日、俺たちは王都へ帰還した。
そのまま王宮へ直行し、4頭立ての外交馬車を返却した。約3か月に亘る教国の旅を終えた外交馬車は、旅の汚れをきれいに落とし、徹底的にメンテナンスをするそうだ。
数日後にはピカピカになるのだろう。
前日に、王都入りの予定を鳩便で知らせていたため、王宮には部屋が用意されていた。いつもの部屋だ。そしていつもの侍女ふたりが、せっせとお茶の準備をしてくれている。
と、言うことは今夜も、侍女たちが監視任務で覗いて来る訳な。よしっ。いろいろ淫らなプレイで赤面させてやろう。くくく。
「旦那様、悪いお顔になってますわよ。」
「お前さん、その顔は何かやらしいことでも企んでるね。」
「今宵も覗いて来る痴女さんたち…じゃなかった、侍女さんたちに、どんなプレイを披露しようかと思ってさ。」
侍女ふたりがキッと睨んで来た。見事にシンクロしている。
「もう監視任務はございません。」
「え?なんで。」
「ゲオルク卿が面白がって痴態を見せ付けて来られるので、報告を聞く殿下が、『もう馬鹿らしくなった。いずれ身内ゆえ、もうよい。』と仰せになったのです。」
「ちぇっ。何だよ、張り合いのない。」
「何を仰るのです。いくら任務とは言え、こちらの身にもなって下さい。」
「そうですよ。見たくもないものを見せ付けられて。」
「え?見たくなかったの?」
「「当たり前です!」」そうだったのか…。
「そりゃ、悪いことをしたな。てっきりノリノリで覗いてるんだとばかり…。」
「そんな訳ないじゃないですか!それに覗きではありません。監視任務です。」
「そうですよ、決して覗きではありませんからね。それではまる痴女じゃないですか!そう言えばゲオルク卿、先程、わざと侍女を痴女と言いましたよね?」
ナンノコトカナー。俺は眼を逸らして口笛を…、あれ?音が鳴らない。苦笑
「まあまあ侍女どの。その辺で。後は私たちからわが君によく言い聞かせておくゆえ。」
ベスがさり気なく間に入ってくれて侍女たちを抑えた。
そして、お茶の用意を終えると、侍女たちは部屋から出て行った。ふたりとも、ちょいおこ状態だった。苦笑
ひと息ついたら殿下への報告だ。
俺は、わが妻たちと精霊たちを連れて、殿下の執務室に出仕すると、すぐに中に通された。
殿下の執務室には、いつものメンバーがいる。4人の公爵様方と宰相様だ。
「殿下、ただいま戻りました。」
「ゲオルク、お手柄だったな。まあ座れ。
おい、側室たちにも椅子を。」
侍従がわが妻たちの椅子を用意する。ひとつ足りない。
「おや、ひとり増えてるのか?もうひとつ椅子を持て。」
「殿下、教国のヴァーで仲間に加わったドーラです。」
「ドーラじゃ。」え?もうちょっと畏まれよ。
「ほう、龍人か?余は初めて見る。」殿下がそう仰った。人型だが、頭に龍の角が生えているので、龍人とすぐ分かる。
「わらわは龍の王。小僧、物言いに気を付けるがいい。」おいっ!
「あ、いや殿下。今は龍人の姿をしていますが、ドーラは龍山に住まうエンシェントドラゴンなのです。」
「「「「「「なんと!」」」」」」殿下と4人の公爵様と宰相様が驚いた。
「ドーラ、こちらは王太子殿下だ。お前こそ物言いに気を付けろよ。」
「主様がそう仰せなら致し方ないのう。」
旅先からの報告書には、ヴァーを襲っていたエンシェントドラゴンを撃退し、最終的に和解したしか書いていなかった。
龍人となったドーラを仲間にしたとなると、警戒されるかもと思って敢えて隠していたのだ。ここまで連れて来ちゃえばこっちのもの。
「ゲオルク、そなたが寄越した鳩便には、エンシェントドラゴンは撃退し、和解したとしか書いてなかったぞ。」
「はぁ。和解したからこそ、ドーラは龍人になって俺の仲間になってくれたのです。」
「その辺をきちんと書いて寄越さぬか。おかげで余は礼を失したぞ。
ドーラどの、龍の王たるそなたに礼を欠いた物言いであった。許されよ。」
「よいのじゃ。わらわも主様のご上司に失礼仕った。」
「主様と言うと、ゲオルクとは主従関係であられるか?」
「いや違う。主様から子種を頂いておる。」ドーラ、その言い方、ストレート過ぎるぞ。まぁ、龍人だしな、その辺は俺たちの感覚と少々ずれているのだろう。
「ゲオルク、お前なぁ。またこんな…。」
殿下の言いたいことは分かる。またこんな…の後は、飛び切りの美人でボンキュッボンな女をモノにしたのか!と、続いたはずだ。
4人の公爵様方と宰相様も半ば呆れている。苦笑
「それと、教国で契約したソルです。回復とバフの精霊魔法を使います。」
ソルは俺の影に隠れた。いつも通りだ。笑
「ふむ、教国の有能な巫女見習から横取りして来たのだったな。でかした。」
「殿下、その言い方には語弊があります。横取りではありません。その巫女見習が契約をしたがらなかったので、俺が契約をしてもいいかと確認を取ってから契約しました。」
「どちらでもよい。教国の巫女見習と契約させずに、ゲオルクが契約して来た。そこが大事なのだ。」
「その巫女見習ですが、同盟の約定に則り、王国に来ているはずです。」
「そうだ。今は王都教会で学んでおる。非常に優秀だそうだ。精霊と契約せずとも、本人が相当な回復魔法の使い手となるだろう。
そうそう、最近はマリーとも親しくしておる。」
「え?そうなのですか?」まぁふたりとも幼くして有能だしな。しかも、どちらも美少女だし。アイチャがちょっとだけお姉さんか。ふたりが仲良くしてる風景を見たら、ほっこりするだろうなぁ。
「殿下、この後のお時間もありますれば、ゲオルク卿の報告を皆で聞きとうございますが?」
「宰相、そうであったな。
ゲオルク、教国紀行について報告せよ。」
「はい。」
そういう訳で、俺は殿下と4人の公爵様方と宰相様に、教国での活動のあらましを語った。
教都イスタナンカラで、王国の希望通りの条件で同盟に調印したこと。
イスタナンカラ奥の聖山でソルと契約したこと。
新教皇とはパイプができたので、先代ミュンヒェー辺境伯御夫妻暗殺の黒幕と実行犯の調査を依頼したこと。
それから教国北部での話をした。
イスタナンカラから教国北部に行き、教国北部の中心都市ルゥド・オーとその周辺の村々で蔓延っていた栄養失調を、ジュヌとソルの回復魔法で回復させたこと。
ルゥド・オー周辺の寒冷な気候により、穀物の育ちが悪いことに起因する慢性的な食糧難を改善するために、寒冷気候に強いポテトイモの栽培を普及させたこと。
教国政府は、教国北部に対して以前もポテトイモの栽培を奨励したが、保管方法が適切に伝わっておらず、そのためポテトイモから芽吹いた新芽の毒素で、教国北部が大きな被害を受け、教国北部が教国政府に対して遺恨を持っていたこと。
ポテトイモの新芽には毒素があるので、芽を出させないための適切な保管方法、芽が出た際の処理方法を伝授したこと。
ポテトイモと教国政府に対する教国北部の誤解が解けて、教国北部にポテトイモ栽培が定着し、慢性的な食糧不足とそれに起因する栄養失調を解消したこと。
教国政府に対する教国北部の態度の軟化により、教国北部を拠点とした反政府勢力が瓦解したこと。
「なるほど。教国北部の民の難儀を救ったら、教国北部から反政府勢力への支持が消えたという訳か。まさに棚ぼただな。」
「南部公、棚ぼたとも言い切れまい。教国北部と教国政府との溝の根源を見抜いて、その誤解をゲオルクが解いたからこそ、教国北部の民の教国政府に対する不信が消え、結果として反政府勢力への支持がなくなったのだ。」
「北部公の言う通りだ。それこそ、教国南部との海上交易が復活して景気が良くなっている南部公こそ棚ぼたではないか。」
「殿下、これは一本取られましたな。正しくその通りです。
ゲオルク、棚ぼた発言は撤回する。南部こそ恩恵を受けておる。またしてもそなたに救われたな。礼を申す。」
「いえいえ。南部公爵様、勿体ないお言葉です。」
次に教国東部での話をした。
教国東部の中心都市ヴァーが、東の龍山に棲むエンシェントドラゴンから、たびたび襲撃されていたこと。
ヴァーのギルドの依頼でエンシェントドラゴンの討伐に、龍山に向かったところにエンシェントドラゴンが襲来し、精霊魔法で撃退したこと。
エンシェントドラゴンのヴァー襲撃の理由は、ヴァーのギルドの依頼を受けた冒険者が、ドラゴン素材を得るために、一方的に同胞のドラゴンを狩るので、それに対しての報復だったことを聞かされたこと。
エンシェントドラゴンに、過去の遺恨を捨ててヴァーと和解するように勧め、その提案を承諾したエンシェントドラゴンが、龍人のドーラとなって仲間になったこと。
ヴァーのギルドで、今後一切ドラゴン素材を取り扱わないようにさせ、それまでのドラゴン狩りの全責任をギルドマスターに負わせて更迭し、ヴァーから追放したこと。
ヴァーの民を集めて事情を説明し、ドラゴン狩りの禁止と和解を命じたこと。
この命令に不満そうな者もいたので、わが意に沿わなければ、ヴァーを一夜にして滅ぼすと警告して、そのタイミングで、精霊から魔力を一気に放出させて、集まっていた群衆を威嚇したこと。
魔力を放出した精霊たちが魔力補給に来たので、魔力補給のキスが、精霊からの祝福だと受け取られ、ヴァーの群衆が一斉に従ったこと。
「ふむ。ゲオルクが説得したと言うより、精霊たちの祝福のキスのおかげではないのか?」
「東部公爵様、正しくその通りです。」
「東部公、そうかもしれんが、ゲオルクの裁定は実に見事だ。利に走ったギルドを戒め、全責任をギルマスに負わせて追放するなど、冒険者であるゲオルクにしてみたら、ギルドを敵に回す危険があった上での英断だ。実に思い切った処置だ。」
「西部公の言う通り。慈悲深く苛烈と言う評判はここから来たのだな。」
「北部公爵様、その評判と言うのは何です?」
「教国から聞こえて来たそなたの評判だ。」
「慈悲深く苛烈って、真逆では?」
「そうではあるが、言い得て妙ではないか。」
「はぁ。」
「北部公、その辺で。
ゲオルク卿、続きを。」宰相様が話を戻してくれた。
続いて教国南部の話に移る。
教国南部の中心都市キュプロンに到着する前日に、キュプロンから子供たちを攫って逃走を図っていた奴隷商人一行と、それを追跡するキュプロン衛兵隊と遭遇したこと。
キュプロン衛兵隊に助力して、誘拐犯の奴隷商人一行を一網打尽にし、誘拐された子供たちを救出したこと。
衛兵隊の宣伝により、キュプロンでは、大歓迎されて莫大な寄付が集まったこと。
その寄付から、攫われた子供への見舞金と、救出に尽力した衛兵隊への報奨金を出し、残り全額を、ルゥド・オーの農地開発資金、ヴァーの復興資金、キュプロンへの投資、教国政府への新教皇活動資金として寄付して来たこと。
その後の教国中部でも同様だった。
教国中部の中心都市アリトナでも、多額の寄付が集まったこと。
その全額を、ルゥド・オー、ヴァー、アリトナ、新教皇の教国政府に、寄付して来たこと。
ちなみに、わが妻たちがショタを発揮して、暫定的に少年化した精霊たちを襲おうとしたことは伏せておいた。笑
「全額寄付して来たのか?まったく気前がいいな。」
「え?だって殿下ご自身が王国の評判を上げて来いって仰ったじゃないですか。たった少しでも俺が取り分を受け取るのと、全額寄付とでは、印象がまったく違いますよね。」
「まあそうだな。」殿下が同意した。
「ゲオルク、天晴だ。そなたは人心の掴み方を心得ているな。」
「東部公爵様、ありがとうございます。」
最後にイスタナンカラに戻ってから国境の町、ミュンヒェーでのことを報告した。
イスタナンカラでは、先代ミュンヒェー辺境伯御夫妻の暗殺の黒幕とその一派が大勢捕らえられており、その首謀者が前教皇とその取り巻きであったこと。
暗殺実行犯は、黒幕の前教皇たちによって、すぐに始末されていたこと。
首謀者の前教皇とその取り巻き数名を、ミュンヒェーまで連行し、それ以外はイスタナンカラで投獄させたこと。
ミュンヒェーでは、前教皇とその取り巻きを全員に対し、群衆を集めた上での公開処刑を、もっとも残忍な焚刑で敢行したこと。
「ゲオルク、そなたに全面的に任せたがな、まさか前教皇を群衆の前で焚刑にしようとは思わなかったぞ。」
「はい。殿下のご真意は、帝国への圧力になるようにド派手にやれと言うことだと思いましたので。」
「しかしな、焚刑はちとやり過ぎだ。仮にも前教皇だしな。」
「大丈夫ですよ。新教皇とは信頼関係を築いてますし、教国の民は大喜びのようです。」
「帝国が頑なになるかもしれん。」
「そのときは帝国を滅ぼすおつもりなのでしょう?臣従か抗戦かではなく、臣従か滅亡かをお迫りになるご本心かと推察しました。」
「うむ。まあ、そうなのだがな、これでは後へは引けぬ。臨機応変に対応できるようであればなおよかったのだがな。」
「大丈夫ですよ、殿下。逃げ道は用意してますんで。」
「逃げ道?」
「たっぷり焚刑に処しましたが、その間、ジュヌとソルにリペアを掛けさせ続けていました。」
「なんだと?」
「焚刑を終えた前教皇たちを、瀕死の状態のまま遺体安置所に運び込み、そこで回復魔法を掛けてますんで、体の方は全快させてます。」
「体の方?」
「精神はずたずたですけどね。今は身元不明の犯罪奴隷として、ミュンヒェーでこき使ってますよ。」
「なぜ知らせて来なかった?」
「鳩便でご報告できる内容ではないからです。極秘ですからね、直接ご報告しようと思っておりました。」
「なるほどな。筋は通っている。しかしな、本音のところでは、余をやきもきさせようと企んだであろう?」
「はい。殿下の無茶振りに対しまして、ささやかながらもご返礼をと思いましたので。」
「抜け抜けとほざきよるわ。しかしな、ゲオルク、よくやった。申し分ない働きだ。」
「ありがとうございます。」
「そなたには間もなく帝国への遣いに行ってもらう。それまでは側室たち共々、王宮で骨休めをせよ。それとな、冒険話が大好きなマリーも訪うてやってくれ。」
「はい。姫殿下にも、姫殿下の侍女たちにも、たんと教国土産を用意しておりますれば。」
殿下が方眉をぴくッと上げた。侍女たちへの土産は、気を効かせて姫殿下とふたりきりにしろと言う意味で、求婚の意思表示なのである。
俺は前回そう言う意味とは知らずに侍女たちに土産を渡してしまった。だから意味を知ったからと言ってやめる訳には行かない。てか、意味を知らない振りして、押し通してやるのだ。
「それはマリーも喜ぼう。
それとな、この休暇中に伯爵へ昇進だ。」
「え?」
「なんだ、今日、ようやく驚いたな。それだけの働きをしたのだ。陞爵については追って沙汰しよう。下がってよいぞ。大儀であった。」
伯爵って…まじか?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/7/31
更新は火木土の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「射手の統領」も、合わせてよろしくお願いします。
https://kakuyomu.jp/works/16816927859461365664
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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