射手の統領

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射手の統領175 七神龍攻略コンプリートの宴

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射手の統領
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№175 七神龍攻略コンプリートの宴

「若ー、こりゃまた凄いのー!」
「流石、われらの若じゃのー!」
「われらもできんかのー?これ。」

 テンバで、大広間に主だった家来たちを集め、コム鏑を披露して、植撃矢を放って見せた。
 蔓による拘束、作物の急速栽培、森林の育成と、植撃矢は、今までの属性矢とは少々毛色が違う。破壊ではなく育成なのだ。

「皆の者、今日は七神龍コンプリートの祝いだ。たんと呑んで食うがいい。」
「応!」×多。家来たちは全員、一気に杯を干した。

「それと若、帝都渡りの儀の供奉の総大将ご拝命、おめでとうござりまする。」
「おめでとうござりまする。」×多。
「うむ。帝都渡りの儀では、皆にも手間を掛けるがよろしく頼むぞ。」
「応!」×多。家来たちは全員、一気に杯を干した。

「さらに若、総大将就任に先立ち、いよいよ統領ご就任でござるな。おめでとうござりまする。」
「おめでとうござりまする。」×多。
「うむ。若輩ゆえ皆で支えてくれよ。」
「応!」×多。家来たちは全員、俺に向かって杯を掲げ、一気に干した。
「これでユノベは安泰じゃ。」
「先代もあの世で喜んでおられような。」

 それからユノベ恒例の無礼講となった。しばらくは平和に呑んでいたのだが…。

「あらあら、いい呑みっぷり。流石にテンバの衆どすなぁ。」
「ほんに、ほんに。ユノベの衆が供奉に就きはったら、帝家も安泰どすなぁ。」
 煽る煽るのキョウちゃんズ台風が吹き荒れ、わがユノベの精鋭たちが、ひとり、またひとりと屠られて、大広間に転がって行くではないか。キョウちゃんズはというと、満面に小悪魔の笑みを湛えていやがる。

「おい、サキョウ、ウキョウ。いい加減にしろよ。」
「せやけどうちら、注いでるだけやんかー。」
「せやで。呑みはるんは家来衆やでー。」
「しかしだなー。」
「それにしても、懲りんとよう呑みはるんやから、家来衆も大概やでー。」
「ほんまやー。」

「若ー、ひっく、呑んでましゅかー。」こいつ、呂律が回ってねぇ。
「あらあら、杯が空でござるぞ。」シノブも家来に注いでいる。シノブ、お前もか!
「これはこれは奥方しゃま、忝うごじゃりまする。ひっく。」シノブから注いでもらった和酒を一気に煽ったその家来は、その場でひっくり返り、鼾を掻き始めたのだった。
「シノブー!」
「てへっ。でござる。」てへっ。でござるって…か、かわいいじゃねぇか。

 大いに乱れたテンバの呑み会は、夜遅くまで続くのだった。俺たちは早々に引き上げたけどね。
 早々に引き上げた俺たちは、今宵は赤湯=含鉄食塩泉で混浴を堪能したのだ。その後は、むふふ…ではないのだな。残念だけど。この日は、嫁会議の日だったので、俺はひとりで寝ることになったのだった。
 くそう。混浴でギンギンになったマイドラゴンをどうしてくれるんだ!

 翌日の宴でも、前日の宴とほぼ同じ光景が、ガハマのユノベ副拠で展開されていたのだった。

「若ー、こりゃまた凄いやんかー!」
「流石、わいらの若やでー!」
「わいらもできひんやろか?これ。」
 なんか西の言葉で、同じようなこと言ってやがるし。笑

 ガハマでも、大広間に主だった家来たちを集め、コム鏑を披露して、植撃矢を放って見せたのだ。
 蔓による拘束、作物の急速栽培、森林の育成だ。植撃矢、破壊ではなく育成だから、今までの属性矢とは少々毛色が違う。

「皆の者、今日は七神龍コンプリートの祝いだ。たんと呑んで食うがいい。」
「応!」×多。家来たちは全員、一気に杯を干した。

「若ー、帝都渡りの儀の供奉の総大将ご拝命やそうでんな。おめでとさんでごじゃりまんがな。」
「おめっとさんでおます。」×多。
「うむ。帝都渡りの儀では、皆にも手間を掛けるがよろしく頼むぞ。」
「はいなー!」×多。家来たちは全員、一気に杯を干した。

「若ー、総大将就任に先立って、いよいよ統領ご就任やんかー。おめっとさんでごじゃりまんがな。」
「おめっとさんでおます。」×多。
「うむ。若輩ゆえ皆で支えてくれよ。」
「はいなー!」×多。家来たちは全員、俺に向かって杯を掲げ、一気に干した。
「これでユノベは安泰でおまんな。」
「せやな。先代も喜んでおまっしゃろ。」

 それからユノベ恒例の無礼講となった。しばらくは平和に呑んでいたのだが…。

「あらあら、いい呑みっぷり。流石にガハマの衆どすなぁ。」
「ほんに、ほんに。ユノベの衆が供奉に就きはったら、帝家も安泰どすなぁ。」
「ガハマの衆は、テンバの衆より、呑むでござるなぁ。」
「せやねん。奥方はん、よう見てはるわ。わしら、テンバの衆には負けてられんねん。」おうい!競ってんじゃねぇ。

 テンバからその雰囲気はあったのだが、ここへ来てシノブが完全にキョウちゃんズに合流し、ガハマの家来衆を葬り去る刺客と化した。
 憐れ、わがユノベの精鋭たちが、ひとり、またひとりと小悪魔トリオに呑まされて、無残にも大広間に転がって行ったのであった。
 キョウちゃんズとシノブは、満面に小悪魔の笑みを湛えていた。鬼!あんたら、鬼や!

 ああ、この光景。デジャヴだ。昨日見た光景と一緒だ。
 大いに乱れたガハマの呑み会は、夜遅くまでまだまだ続く。俺たちは早々に引き上げたけどね。

 早々に引き上げた俺たちは、ガハマ三湯のひとつ、碧湯=明礬泉に来ている。軽く硫黄臭があり、白濁系の湯なのだが、日によって緑にも見えることもあるので、碧湯と呼んでいるのだ。
 碧湯に見え隠れする16花を愛でつつ、俺は漠然と、来年の今頃のことを考えていた。

 次ノ宮殿下がお立てになられた御代替わりのご計画では、来年の卯の月晦日の初更から譲位の儀を執り行い、月が替わって皐の月朔日の新月の中、帝居渡りの儀で東都の帝居を出立。
 中間地点のママツで帝居渡りの儀の供奉の総入れ替えを行いつつ、半月掛けて西都の帝居に入り、満月の十五夜に即位の儀を挙行。
 譲位の儀で新帝陛下となられる皇太子殿下は、即位の儀で新たな今上帝陛下にお成り遊ばす。

 俺たち武家は、帝居渡りの儀に供奉しつつ、本拠を東の拠点から西の拠点に移すから、来年の今頃の文の月下旬は、ユノベの本拠は、テンバからガハマに移っていることになる訳だ。
 雄大なフジの霊峰を見て育った俺としては、フジの霊峰が眼前にないのは寂しい気もするが、新たにユノベ本拠となるガハマの眼前には、和の国最大の湖、ビワの聖湖がある。

 ユノベ館の当主用湯殿の露天風呂は、テンバではフジの霊峰を、ガハマではビワの聖湖を、借景で見事に取り入れている。
 ユノベ館の大広間もそうだ。大広間の前の庭が、同様にフジの霊峰とビワの聖湖を借景で取り入れているのだ。

「アタル…、ぼーっとして…、何…考えてる…?」
「ん、サジ姉?来年の今頃は、本拠はもうガハマだなって。俺、テンバで生まれ育ったからさ。」
「うむ、そうだな。雄大なフジの霊山が目の前になくなるのは寂しいと言えば寂しいか。」
「でもぉ、ビワの聖湖がぁ、目の前に広がってるわぁ。これはこれでぇ、いいわよねぇ。」
「そうだな。」
「テンバにもちょくちょく行けばいいんですよ。流邏石ですぐですもの。」
「そう…。私も…子供の…頃から…通った…テンバは…懐かしい…。サヤ?」
「そうね、私もテンバには愛着があるわ。」

 サヤ姉やサジ姉も、俺と同じくテンバに愛着と、離れることへの寂寥を感じているようだ。ふたりとも、子供の頃からよくテンバに遊びに来てたしな。
 一方、ホサキ、アキナ、タヅナは、テンバと言うより、眼前にフジの霊峰が見られなくなることか。テンバに来て1年経ってないし、その上その1年弱のほとんどは七神龍攻略の旅だったし。
 キョウちゃんズは元々西の出だから、この御代替わりは地元に戻る様なものだし、シノブは来たばかりで、テンバへの愛着はないだろう。
 俺は残りのテンバ生活を満喫しようと思ったのだった。
 もちろんガハマに来るのが嫌と言う訳ではない。この、眼前にビワの聖湖が広がる景色も実にいい。

 嫁たちとの混浴を終え、部屋に戻ると、今日の輪番は奇しくもサヤ姉とサジ姉。いつものように、すぐむふふな展開に行くのではなく、3人でテンバでの子供の頃の思い出話に、花を咲かせたのだった。

 サヤ姉、サジ姉との、テンバでの思い出はと言うと、小さい頃は毎日どちらかに泣かされていた思い出しかない。
「なんか子供の頃のテンバの思い出ってさ、毎日、サヤ姉かサジ姉のどちらかに泣かされてたよな。」
「小さい頃のアタル、泣き虫だったものね。」
「そのくせ…、いつも…突っ掛かって…来た…。」
「そうだっけか?
 でもさ、俺がいまだにサヤ姉にもサジ姉にも頭が上がらないのは、子供の頃に毎日泣かされてたトラウマなんじゃね?」
「もう、何言ってんのよ。
 ね、サジ。」
 こくり。

「でもさ、どちらかに泣かされたとき、必ずもう一方が慰めてくれてさ。」
「小さい…ときの…アタルって…、本当に…甘えん坊…。」
「そうそう、私の胸に顔を埋めてさ、『サジ姉がいじめた。』って泣くのよ。」
「私の…胸では…『サヤ姉が…いじめた…。』って…泣いてた…。」
「慰めてくれるときのサヤ姉もサジ姉も本当に優しくってさ、幼心に、このふたりを嫁にすると誓ったんだよな。」

「そりゃあ、『ママー。』って泣かれるとね。ね、サジ。」
 こくり。
「義叔母上…、亡くなってたから…。
 でもアタル…いつも…最後は…『おっぱい…。』って…ねだった…。」
「えー、そんなこと言ったかなぁ。」と惚けつつ、当時の記憶がまざまざと蘇る。確かに、そう言ってたよ.俺。マジでハズいんですけど。

 物心つく前にお袋を亡くして、母親に飢えていた俺は、サヤ姉とサジ姉に甘えるときは、必ず最後におっぱいを要求したのだ。
 ふたりは快くおっぱいを吸わせてくれたが、俺が5~6歳の頃だと、2歳年上のサヤ姉とサジ姉は7~8歳だから、ぺったんこである。もしかすると、俺の貧乳好きは、この頃の体験に基づいているのかもしれない。

「そうだったわね。あれには参ったけど、『ママー。』って泣くアタルに、ダメって言えなかったわ。」
「そう…、泣きながら…おっぱい…吸ってる…アタル…かわいかった…。」
「私たち、幼いながらに、母性本能をくすぐられたわよね。」
 こくり。
 もうそれ以上やめて。マジで黒歴史。封印したいっ!冷汗

「親父が逝ってからは、甘えなくなったけどな。」必死に話題を逸らす俺。
「そうね。叔父上が亡くなってから、アタルは泣かなくなったわよね。だから甘えることもなくなったわ。ね、サジ。」
 こくり。
「ひたすら…弓の…稽古…してた…。」

 7歳のとき、親父がライに敗れて瀕死の重傷を負い、それが元で逝ってからと言うもの、俺の中では、将来ユノベの統領を継ぐと言う意識が芽生え、親父の遺言通り、操龍弓での稽古にひたすら励むようになった。
 そして、それと並行してサヤ姉にもサジ姉にも泣かされなくなったのだった。当然、ふたりに甘えることもなくなった。
「ちょっと…寂し…かった…。サヤ?」
「そうね。甘えるアタル、かわいかったものね。」

「その分、今、甘えてるけどな。」そう言ってふたりの胸を服越しに揉む。
「「あ。」」
 そして脱がして、ふたりの双丘の頂を交互にぺろぺろちゅーちゅーと。
「あん。もうアタルったら、いきなりなんだから。あん。」
「ん…あ…、昔より…舐め方が…えっち…。んんー…。あん…。」
 そりゃそうだよ。5~6歳の子がえっちにおっぱいを舐めてたらヤバ過ぎでしょ。笑
 サヤ姉の桃色とサジ姉の桜色を交互に味見。
「ふふふ。昔はおっぱいだけだったけどな。」そう言って、下にも手を伸ばした。
「「あん。」」サヤ姉とサジ姉にスイッチが入ったっぽい。

 テンバの思い出話に花を咲かせた後は、当然のことながらサヤ姉とサジ姉の頂の花と、秘密の花園も堪能したけどね。

 こういう感じで盛り上がると、最後まで行っちゃうよねぇ。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 毎週月曜22時に投稿します。

 以下の2作品も合わせてよろしくお願いします。
「精霊の加護」https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739
「母娘丼W」https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/265755073

 カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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