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射手の統領130 極秘情報
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射手の統領
Zu-Y
№130 極秘情報
ノーサの高級宿屋は、朝餉も高級だった。ラッキー♪
今日はいよいよ商都入りである。エン攻略として受けた三の島遠征は、四の島でのノワ攻略もついて来て、さらに四の島の金剛鏑も手に入れた。
ノワ攻略では、一旦は手痛い初黒星も喫し、慢心と油断を戒められた。それまでとんとん拍子だったからな。初黒星では、とにかく皆が無事だったのが不幸中の幸いだった。しかしあれだ、負け知らずの大将はいつか大敗を喫すると言うから、いい経験になったのは間違いない。
そのお陰でキョウちゃんズに陽の術を身に付けさせる踏ん切りも付いたし、翌日にはリベンジできたし、ノワを眷属にできたしな。
ノーサを発って、商都へ向かう。北東へと続く海岸線を、弓手側に商都湾を見つつ、北東へ進んでいる。
「ねえ、アタル。商都に着いたら次ノ宮殿下に報告に行くのよね?」とサヤ姉。
「ん?まぁ、そうだな。」
「だったらさ、今日、行って来ちゃいなさいよ。ね、サジ?」
こくり。「今から…東都を…往復…。商都で…合流…。」
「なるほどな。」
「それはいい。商都に着いたら、またいろいろあるのだろう?北斗号は私たちに任せて行って来るといい。」とホサキ。
「じゃあそうするわ。商都でな。」
「「「「行ってらっしゃい。」」」」「行てら…。」「「行てらー。」」
俺は、仕入れた商品から手土産を見繕って、流邏石で名府に飛び、さらに東都へと飛んだ。
帝居の大手門前で衛士に取次ぎを頼んだ。衛士は馴染みのサエモンだ。
「おうサエモン、久しいな。」
「おお、アタル。そろそろ来る頃だと思っていたぞ。次ノ宮殿下もそう仰っておられたのだ。」
「では、殿下に取次ぎを頼む。」サエモンはニヤッと笑って、部下に向かって、緊急事案につき最優先での取次と、指示を出していた。
しばらく後、応接室に次ノ宮殿下がいらっしゃった。護衛はサエモン、侍従もひとり連れている。
「アタル、よく来た。そろそろ来る頃かと思っていたぞ。」
「殿下、お久しゅうございます。」
「まあ座れ。紅蓮龍だけでなく、紫嵐龍も攻略して来たそうだな。」ま、当然第一報は届いてるよな。
「はい。成り行きで。
殿下、これは三の島のマサツ切子、これは四の島で討伐したクジラから採取した龍涎香です。まだ採れたてで若いので臭いますが、しばらく寝かせてからご使用下さい。」俺はマサツ切子の大皿と、龍涎香の欠片を差し出した。
「おお、これは見事な。いつも済まぬな。」
「いえ。」
「で、サキョウとウキョウは大丈夫か?」
「はい。身代わりのペンダントのお陰で大事には至りませんでした。」
「そなたたちは和の国の宝だ。十分気を付けてな。」嬉しいお言葉だ。
「ありがとうございます。」
「昨日も大活躍だったそうではないか?」
「それもご存知で。」
「ついさっき、朝議で聞いたのだ。そなたが来たと言うから、朝議は抜けて来たがな。」
「ええ?よろしいのですか?」
「今日の朝議の内容なら、公家どもに任せておいて大丈夫だ。それよりそなたの報告を聞く方が重要なのでな。」
「恐れ入ります。」
殿下は微笑んでおられるが。御眼がその次の展開を促している。
「では早速ですが、これが今回ご依頼頂いたエン鏑、そしてこれが追加で受けたノワ鏑です。」
俺は鏑シャツから赤く輝くエン鏑と、紫色に輝くノワ鏑を取り出して、殿下の御眼の前に置いた。
「おお、美しい。」
で、殿下が次に言うことは分かっている。俺は、残りの、ライ鏑、ウズ鏑、シン鏑、レイ鏑を取り出して並べた。都合6個の神龍鏑は、黄色、青色、橙色、藍色、赤色、紫色に輝いている。
「ふふ。いつもながらそなたは察しがいい。相変わらず以心伝心よの。」
「お褒めに預かり光栄です。」
「実はな、今日商都入りするのであろうから、そなたが来るのは早くても今宵かと思っていたのだ。」
「はい。実は嫁たちから『一刻も早く、次ノ宮殿下の下へ御覧に入れに行け。』と言われまして。今日、嫁たちは北斗号で商都入りをしますので、この後、商都に飛んで合流します。」
「なるほどな。で、最後の緑はいつ手に入れに行くのだ?」
「そうですね。立て続けに攻略しましたし、他の予定もありますので、しばらく休んでからにしようと思ってます。」
「左様よな。翠樹龍は差し当たって暴れておらぬから、このまましばらく放置でも構うまい。その分、朝廷からの攻略依頼も出せぬがな。」
「いえ、朝廷からの依頼のあるなしに関わらず、年内には攻略しようと思ってます。」
「左様か。当面は、オミョシ分家との同盟締結の正式発表もあるしな。そう言えば此度は余に声は掛からぬな?」
「はい。流石に商都で行いますので、殿下にご足労願う訳には参りません。」
「はっはっは。大方、山髙屋が懲りたのであろう?」
「いえ、此度の披露目の取り仕切りは社長ではなく専務にお願いしてますので、殿下を利用しようなどと大それた考えは起こしませんよ。もちろん社長も前回ので十分学んでると思いますがね。」
「そうか。そうか。あの痴れ者め、十分懲りたか。あっはっは。
ところでな、内々のことだが余は間もなく西都に参るのだ。ゆえに、呼ばれれば参ってもよいぞ。」
「え?殿下が西都に?」ひょっとしてまさか…。
「ふふん。その顔は察したようだの。これだけで察するとは流石よな。」
「殿下、畏れながら遷都の儀は極秘事項ゆえ、ご内密に。」侍従が割って入ったのだが…。この侍従、使えねぇ。自分でバラしちまいやがった。
「これ、侍従。余は遷都のことなど、何も申しておらぬぞ。」
「え?あ、あの…。」キョどる侍従。横でサエモンが頭を抱えている。
「アタル、侍従が口走ったこと、内密にな。さもなくばこの者を罰せねばならなくなる。」侍従が泣きそうな顔で俺を見た。懇願の眼だ。しょうがねぇなぁ。
「もちろん聞かなかったことにしますよ。」まぁ、内輪の者には言うけどな。
「実は陛下の体調が優れぬのだ。御年は55。まだまだお若いのだがな。最近、兄上に譲位のことをご下問され、兄上から余に遷都についての下準備を極秘に進めるよう依頼が来た。余が西都に行けば、そなたのように勘の良い奴は気付くかもしれんがの。」
「殿下、ユノベ家とオミョシ分家の婚姻同盟締結の披露目に、ご臨席賜れないでしょうか?」
サエモンも侍従もギョッとした。
「くくく。あっはっは。いいぞ、実にいい。アタルよ、そなたは本当に察しがいいな。」
殿下のこの反応にサエモンも侍従も???だ。
「相分かった。わが忠臣、ユノベ朝臣のたっての願いとあらば聞き届けよう。」
「ありがとうございます。改めてお使者を立てます。」
「余は西都の帝居に宿泊するゆえ、西都・商都間の往復の護衛は、セプトに申し付ける。」
「承知いたしました。」
それから、エンとノワの攻略のあらましと、三の島巡りと四の島巡りについて語ったのだが、次ノ宮殿下は、神龍の攻略とともに、カドガーからズシミへの嵐の中の渡航に非常に興味を持たれていた。
「ふむ。報告大儀。」
これで次ノ宮殿下への拝謁は終わった。
侍従を連れた次ノ宮殿下が応接室から退室し、俺は衛士のサエモンと大手門へ向かった。
「なぁ、アタル。あの話の展開はどう言うことだ?」
「あの話の展開とは?」
「殿下の西都の下見の話から、いきなりお前の披露目に殿下がお出になると言う話になったことだよ。」
「ああ、あれか。次ノ宮殿下はな、遷都に向けての下準備を秘密裏に進めたいのだよ。」
「それは承知している。しかし、そのことと、殿下がお前の披露目に出ることがどう繋がるのだ。」
「次ノ宮殿下は、ご自身が西都に行くことで『勘のいい奴が気付くかもしれん。』と仰せだったろう?」
「そうだな。」
「殿下と仲の良い俺の披露目に来たとなれば、遷都の下準備のために西都に行ったのでは?と勘繰る奴がぐっと減るではないか。」
「なるほど、そうか。それで合点が行った。しかしあのやり取りにはそう言う裏の意図があったのか?それにしてもアタルよ、お前はよくそれに気付いたな。」
「うーん、次ノ宮殿下とは馬が合うからなぁ。そのせいかもしれないな。」実際はそうじゃないけどな。あの謎掛けが分からなきゃ、武門の棟梁はやって行けないだろう。
「それともうひとつ。なんで護衛がセプトなんだ?俺たち衛士がいるではないか。」
「ああ、あれか?あれはな、『北斗号に乗せろ。』と仰ってるんだよ。」
「え?そうなのか?」
「当然、北斗号のまわりは衛士で固めてもらうことになるぞ。よろしくな。」
俺はサエモンと別れて大手門を出て、東都ギルドに向かった。
「チナツさん、久しぶり。」
「あー、アタルさん!もう大活躍じゃないですか!」
「いやいや、大したことないよ。これ三の島の土産な。」宰府で仕入れた柚子胡椒を渡した。
「ありがとうございます。」
「タケクラさんに繋いでくれ。」
そしてギルマスルームに通された。
「タケクラさん、久しぶり。これ、三の島の土産な。」タケクラにはカゴンマで仕入れた芋焼酎だ。
「いつもすまんな。ところで聞いてるぞ。紅蓮龍だけでなく紫嵐龍も攻略したそうだな。」
「ああ。これだ。紅蓮龍がエン鏑、紫嵐龍がノワ鏑だ。」タケクラに、エン鏑とノワ鏑を見せた。赤と紫に輝いている。
「見事だ。とんとん拍子だな。」
「いや、ノワの攻略のときは不覚にも油断してな、暴風のブレスを食らって、撤退を余儀なくされた。」
「らしいな。しかし全員無事なのだろう。」
「ああ。身代わりのペンダントのお陰でな。」
俺は詳しい攻略の状況を語った。
「正しく間一髪だな。」
「ああ、ほんとに際どかった。」
「ところで商都では、オミョシ分家との婚姻同盟の披露目をするそうだな。」
「ああ。山髙屋西本店の店長で山髙屋の専務に仕切りを頼んでいる。」
「また次ノ宮殿下を呼ぶのか?」おっといきなり鋭い質問が出た。苦笑
「うーん、流石に商都だからなぁ。」とお茶を濁す。
「アタル、帝居にはまだ行ってないのか?」
「いや、ここに来る前に行って来た。新たな神龍鏑を手に入れたら、御覧に入れると言う約束を、次ノ宮殿下としてるのでな。」
「ならば、次ノ宮殿下から披露目に呼べと言われなかったか?」
「いや。」披露目に呼べとは、直接言われてないから嘘じゃない。
「そうか、呼んだ方がいいかもしれないぞ。」
「なんでだ?」
「まぁいろいろとな。」タケクラは知ってるかもしれんな。探ってみるか?
「お呼びして、ご来駕下さると言うなら、そりゃありがたいがな、商都だぞ。お呼びするにはちと遠過ぎる。」
「まぁ、そうだな。」
「殿下が西都の帝居に行く用事でもあれば、そのついでにお越し頂けるかもしれないがな。」掠らせてみる。
「いや、披露目に呼ばれたら、殿下はそのついでに西都の帝居に行くんじゃないか。」ああ、やっぱタケクラは次ノ宮殿下の西都行きを知ってるな。
「ふむ。折角のタケクラさんのアドバイスだから検討してみるよ。」
俺とタケクラの視線がバチバチと絡み合う。タケクラも一連のやり取りから、俺が重要な極秘情報~次ノ宮殿下の西都行き~を手に入れていると察したかもしれんな。
「ところでこれか商都か?」話題を変えて来たな。
「いや、テンバに寄ってからだな。」
「そうか、気を付けてな。」タケクラが話を終わらせ、俺はギルマスルームを辞した。
これで東都の用事は終わり。次に流邏石でテンバに飛んだ。
「あ、若。お帰りなさいやし。」
「おう、大儀。」
俺はそのまま表座敷に直行した。叔父貴たちは的場で鍛錬しているとのことだったので、近習に呼びに行かせた。
表座敷の主の座にどっかと腰を下ろし、叔父貴たちを待つ。しばらくして叔父貴たちが表座敷に現れた。
「アタル、いきなりだな。」と二の叔父貴。
「叔父貴どのたち、留守居大儀。変わりはないか?」
「ないぞ。それよりアタルは随分と名を馳せているではないか。」と三の叔父貴。
「左様。われらも鼻が高いぞ。」と末の叔父貴。
「まぁ、嫁たちのお陰かな。それよりこれを。」
俺は、エン鏑とノワ鏑を出した。赤と紫の輝きに叔父貴たちが息を呑む。
「「「見事。」」」出た!お得意の3人ハモり。笑
俺は、表座敷から庭に向かって、抑えた炎撃矢と風撃矢を披露した。
「「「おお~、素晴らしい!」」」またハモった。笑
「で、アタルひとりか?」と二の叔父貴。
「ああ。皆は今、北斗号で商都に向かっている。今日中に商都入りできるので、俺だけ別行動で、次ノ宮殿下に拝謁しに東都へ行って来た。これから商都へ戻って、皆と合流する。」
「なるほどな。その後はオミョシ分家との婚姻同盟締結の披露目だな。」と三の叔父貴。
「此度は西本店の店長に、披露目の仕切りを任せているそうではないか。」と末の叔父貴。
「うむ。で、そこに次ノ宮殿下を呼ぶことにした。」俺はシレっと告げた。
「「「なんと!」」」またまたハモった。笑
「もう、殿下の内諾は得ている。」
「わざわざ商都までお越し頂くのは畏れ多いのではないか?」と二の叔父貴。まあそれが妥当な感覚だわな。
「いや、殿下は西都に行くご予定があってな、披露目へのご参加はその目的を隠すのにちょうど打って付けなのだ。」
「はて、何のご予定か?この時期の西都には、特に祭祀などの行事はないと思うが…?」
「叔父貴どのたち、近う。…もそっと近う。」声を潜めてそう言うと、叔父貴たちが俺に寄り、3人の叔父貴どのと俺で顔を付き合せることになった。俺は3人の叔父貴たちを見回す。
「これは極秘事項ぞ。次ノ宮殿下の西都行きは遷都の下準備よ。」
「「「なんだとー!」」」また×3ハモった。笑
「叔父貴どのたち、声がでかい。」
「「「すまぬ。」」」また×4ハモった。笑
「陛下のご体調が優れず陛下から帝太子殿下に譲位のご相談があってな、次ノ宮殿下が、帝太子殿下から御代替わりの際の遷都の下準備を仰せつかったのだ。」
「アタルよ、そなたはなんでそのような極秘情報を知っておる?」二の叔父貴の疑問は当然だな。
「そうよ、その極秘情報は誰から聞いたのだ?そもそも情報源は確かな筋なのか?」三の叔父貴の心配もその通りだ。しかし、
「さっき、次ノ宮殿下御本人から直接伺ったんだよ。」
「「「なんと!」」」また×5ハモった。笑
「だから、披露目に招待したんだ。」
「なるほど、それでご承知なされた訳か。」末の叔父貴がすぐに納得した。
「その通り。でな、次ノ宮殿下の西都行きには大々的に武家から護衛を付ける。もちろん衛士が護衛の任に就くだろうが、帝居の守備もあるゆえ、そうそう大人数は割けまい。だからわれらが同盟を活用するのだ。そして御座船を山髙屋に都合させる。」
「大掛かりだな。」と二の叔父貴。
「ああ、次ノ宮殿下が参られるのだからな。そうなって来ると、キノベのトウラクとタテベのシルドにも声を掛けることになる。次ノ宮殿下の護衛だからな。」
「そうするとトノベとヤクシはどうするのだ?どちらも世継は決まってないし、嫡男のカナタもクリスも幼いぞ。」と三の叔父貴。
「かと言ってタテベとキノベが世継なのに、トノベとヤクシは当主が顔を出すと言うのもなぁ。アタル、何かいい手立てはないか?」末の叔父貴。
「伯母御ふたりをカナタとクリスの後見に就ければよい。」
「え?姉貴たちをか?」と二の叔父貴。
「何をしでかすか分からんぞ。」と三の叔父貴。
「次ノ宮殿下に粗相をしたら取り返しがつかん。」と末の叔父貴。
叔父貴たち全員顔をしかめた。明らかに不同意な顔だ。余程普段から伯母御ふたりを持て余していると見える。笑
「あのふたりは、上と見た者には従順だし外面もよくするから大丈夫だ。」
「わしらには無理難題を吹っ掛けて来るが…。」二の叔父貴、それを聞くか?その答は分かってるよな?俺にその答を言わすのか?
「叔父貴どのたちは下に見られておるゆえなぁ。」
「「「…。」」」そう悲しそうな顔をするなよ。苦笑
「では後のこと、よろしく頼む。」
これで切り上げて、俺は商都へ飛んだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/10/16
更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
Zu-Y
№130 極秘情報
ノーサの高級宿屋は、朝餉も高級だった。ラッキー♪
今日はいよいよ商都入りである。エン攻略として受けた三の島遠征は、四の島でのノワ攻略もついて来て、さらに四の島の金剛鏑も手に入れた。
ノワ攻略では、一旦は手痛い初黒星も喫し、慢心と油断を戒められた。それまでとんとん拍子だったからな。初黒星では、とにかく皆が無事だったのが不幸中の幸いだった。しかしあれだ、負け知らずの大将はいつか大敗を喫すると言うから、いい経験になったのは間違いない。
そのお陰でキョウちゃんズに陽の術を身に付けさせる踏ん切りも付いたし、翌日にはリベンジできたし、ノワを眷属にできたしな。
ノーサを発って、商都へ向かう。北東へと続く海岸線を、弓手側に商都湾を見つつ、北東へ進んでいる。
「ねえ、アタル。商都に着いたら次ノ宮殿下に報告に行くのよね?」とサヤ姉。
「ん?まぁ、そうだな。」
「だったらさ、今日、行って来ちゃいなさいよ。ね、サジ?」
こくり。「今から…東都を…往復…。商都で…合流…。」
「なるほどな。」
「それはいい。商都に着いたら、またいろいろあるのだろう?北斗号は私たちに任せて行って来るといい。」とホサキ。
「じゃあそうするわ。商都でな。」
「「「「行ってらっしゃい。」」」」「行てら…。」「「行てらー。」」
俺は、仕入れた商品から手土産を見繕って、流邏石で名府に飛び、さらに東都へと飛んだ。
帝居の大手門前で衛士に取次ぎを頼んだ。衛士は馴染みのサエモンだ。
「おうサエモン、久しいな。」
「おお、アタル。そろそろ来る頃だと思っていたぞ。次ノ宮殿下もそう仰っておられたのだ。」
「では、殿下に取次ぎを頼む。」サエモンはニヤッと笑って、部下に向かって、緊急事案につき最優先での取次と、指示を出していた。
しばらく後、応接室に次ノ宮殿下がいらっしゃった。護衛はサエモン、侍従もひとり連れている。
「アタル、よく来た。そろそろ来る頃かと思っていたぞ。」
「殿下、お久しゅうございます。」
「まあ座れ。紅蓮龍だけでなく、紫嵐龍も攻略して来たそうだな。」ま、当然第一報は届いてるよな。
「はい。成り行きで。
殿下、これは三の島のマサツ切子、これは四の島で討伐したクジラから採取した龍涎香です。まだ採れたてで若いので臭いますが、しばらく寝かせてからご使用下さい。」俺はマサツ切子の大皿と、龍涎香の欠片を差し出した。
「おお、これは見事な。いつも済まぬな。」
「いえ。」
「で、サキョウとウキョウは大丈夫か?」
「はい。身代わりのペンダントのお陰で大事には至りませんでした。」
「そなたたちは和の国の宝だ。十分気を付けてな。」嬉しいお言葉だ。
「ありがとうございます。」
「昨日も大活躍だったそうではないか?」
「それもご存知で。」
「ついさっき、朝議で聞いたのだ。そなたが来たと言うから、朝議は抜けて来たがな。」
「ええ?よろしいのですか?」
「今日の朝議の内容なら、公家どもに任せておいて大丈夫だ。それよりそなたの報告を聞く方が重要なのでな。」
「恐れ入ります。」
殿下は微笑んでおられるが。御眼がその次の展開を促している。
「では早速ですが、これが今回ご依頼頂いたエン鏑、そしてこれが追加で受けたノワ鏑です。」
俺は鏑シャツから赤く輝くエン鏑と、紫色に輝くノワ鏑を取り出して、殿下の御眼の前に置いた。
「おお、美しい。」
で、殿下が次に言うことは分かっている。俺は、残りの、ライ鏑、ウズ鏑、シン鏑、レイ鏑を取り出して並べた。都合6個の神龍鏑は、黄色、青色、橙色、藍色、赤色、紫色に輝いている。
「ふふ。いつもながらそなたは察しがいい。相変わらず以心伝心よの。」
「お褒めに預かり光栄です。」
「実はな、今日商都入りするのであろうから、そなたが来るのは早くても今宵かと思っていたのだ。」
「はい。実は嫁たちから『一刻も早く、次ノ宮殿下の下へ御覧に入れに行け。』と言われまして。今日、嫁たちは北斗号で商都入りをしますので、この後、商都に飛んで合流します。」
「なるほどな。で、最後の緑はいつ手に入れに行くのだ?」
「そうですね。立て続けに攻略しましたし、他の予定もありますので、しばらく休んでからにしようと思ってます。」
「左様よな。翠樹龍は差し当たって暴れておらぬから、このまましばらく放置でも構うまい。その分、朝廷からの攻略依頼も出せぬがな。」
「いえ、朝廷からの依頼のあるなしに関わらず、年内には攻略しようと思ってます。」
「左様か。当面は、オミョシ分家との同盟締結の正式発表もあるしな。そう言えば此度は余に声は掛からぬな?」
「はい。流石に商都で行いますので、殿下にご足労願う訳には参りません。」
「はっはっは。大方、山髙屋が懲りたのであろう?」
「いえ、此度の披露目の取り仕切りは社長ではなく専務にお願いしてますので、殿下を利用しようなどと大それた考えは起こしませんよ。もちろん社長も前回ので十分学んでると思いますがね。」
「そうか。そうか。あの痴れ者め、十分懲りたか。あっはっは。
ところでな、内々のことだが余は間もなく西都に参るのだ。ゆえに、呼ばれれば参ってもよいぞ。」
「え?殿下が西都に?」ひょっとしてまさか…。
「ふふん。その顔は察したようだの。これだけで察するとは流石よな。」
「殿下、畏れながら遷都の儀は極秘事項ゆえ、ご内密に。」侍従が割って入ったのだが…。この侍従、使えねぇ。自分でバラしちまいやがった。
「これ、侍従。余は遷都のことなど、何も申しておらぬぞ。」
「え?あ、あの…。」キョどる侍従。横でサエモンが頭を抱えている。
「アタル、侍従が口走ったこと、内密にな。さもなくばこの者を罰せねばならなくなる。」侍従が泣きそうな顔で俺を見た。懇願の眼だ。しょうがねぇなぁ。
「もちろん聞かなかったことにしますよ。」まぁ、内輪の者には言うけどな。
「実は陛下の体調が優れぬのだ。御年は55。まだまだお若いのだがな。最近、兄上に譲位のことをご下問され、兄上から余に遷都についての下準備を極秘に進めるよう依頼が来た。余が西都に行けば、そなたのように勘の良い奴は気付くかもしれんがの。」
「殿下、ユノベ家とオミョシ分家の婚姻同盟締結の披露目に、ご臨席賜れないでしょうか?」
サエモンも侍従もギョッとした。
「くくく。あっはっは。いいぞ、実にいい。アタルよ、そなたは本当に察しがいいな。」
殿下のこの反応にサエモンも侍従も???だ。
「相分かった。わが忠臣、ユノベ朝臣のたっての願いとあらば聞き届けよう。」
「ありがとうございます。改めてお使者を立てます。」
「余は西都の帝居に宿泊するゆえ、西都・商都間の往復の護衛は、セプトに申し付ける。」
「承知いたしました。」
それから、エンとノワの攻略のあらましと、三の島巡りと四の島巡りについて語ったのだが、次ノ宮殿下は、神龍の攻略とともに、カドガーからズシミへの嵐の中の渡航に非常に興味を持たれていた。
「ふむ。報告大儀。」
これで次ノ宮殿下への拝謁は終わった。
侍従を連れた次ノ宮殿下が応接室から退室し、俺は衛士のサエモンと大手門へ向かった。
「なぁ、アタル。あの話の展開はどう言うことだ?」
「あの話の展開とは?」
「殿下の西都の下見の話から、いきなりお前の披露目に殿下がお出になると言う話になったことだよ。」
「ああ、あれか。次ノ宮殿下はな、遷都に向けての下準備を秘密裏に進めたいのだよ。」
「それは承知している。しかし、そのことと、殿下がお前の披露目に出ることがどう繋がるのだ。」
「次ノ宮殿下は、ご自身が西都に行くことで『勘のいい奴が気付くかもしれん。』と仰せだったろう?」
「そうだな。」
「殿下と仲の良い俺の披露目に来たとなれば、遷都の下準備のために西都に行ったのでは?と勘繰る奴がぐっと減るではないか。」
「なるほど、そうか。それで合点が行った。しかしあのやり取りにはそう言う裏の意図があったのか?それにしてもアタルよ、お前はよくそれに気付いたな。」
「うーん、次ノ宮殿下とは馬が合うからなぁ。そのせいかもしれないな。」実際はそうじゃないけどな。あの謎掛けが分からなきゃ、武門の棟梁はやって行けないだろう。
「それともうひとつ。なんで護衛がセプトなんだ?俺たち衛士がいるではないか。」
「ああ、あれか?あれはな、『北斗号に乗せろ。』と仰ってるんだよ。」
「え?そうなのか?」
「当然、北斗号のまわりは衛士で固めてもらうことになるぞ。よろしくな。」
俺はサエモンと別れて大手門を出て、東都ギルドに向かった。
「チナツさん、久しぶり。」
「あー、アタルさん!もう大活躍じゃないですか!」
「いやいや、大したことないよ。これ三の島の土産な。」宰府で仕入れた柚子胡椒を渡した。
「ありがとうございます。」
「タケクラさんに繋いでくれ。」
そしてギルマスルームに通された。
「タケクラさん、久しぶり。これ、三の島の土産な。」タケクラにはカゴンマで仕入れた芋焼酎だ。
「いつもすまんな。ところで聞いてるぞ。紅蓮龍だけでなく紫嵐龍も攻略したそうだな。」
「ああ。これだ。紅蓮龍がエン鏑、紫嵐龍がノワ鏑だ。」タケクラに、エン鏑とノワ鏑を見せた。赤と紫に輝いている。
「見事だ。とんとん拍子だな。」
「いや、ノワの攻略のときは不覚にも油断してな、暴風のブレスを食らって、撤退を余儀なくされた。」
「らしいな。しかし全員無事なのだろう。」
「ああ。身代わりのペンダントのお陰でな。」
俺は詳しい攻略の状況を語った。
「正しく間一髪だな。」
「ああ、ほんとに際どかった。」
「ところで商都では、オミョシ分家との婚姻同盟の披露目をするそうだな。」
「ああ。山髙屋西本店の店長で山髙屋の専務に仕切りを頼んでいる。」
「また次ノ宮殿下を呼ぶのか?」おっといきなり鋭い質問が出た。苦笑
「うーん、流石に商都だからなぁ。」とお茶を濁す。
「アタル、帝居にはまだ行ってないのか?」
「いや、ここに来る前に行って来た。新たな神龍鏑を手に入れたら、御覧に入れると言う約束を、次ノ宮殿下としてるのでな。」
「ならば、次ノ宮殿下から披露目に呼べと言われなかったか?」
「いや。」披露目に呼べとは、直接言われてないから嘘じゃない。
「そうか、呼んだ方がいいかもしれないぞ。」
「なんでだ?」
「まぁいろいろとな。」タケクラは知ってるかもしれんな。探ってみるか?
「お呼びして、ご来駕下さると言うなら、そりゃありがたいがな、商都だぞ。お呼びするにはちと遠過ぎる。」
「まぁ、そうだな。」
「殿下が西都の帝居に行く用事でもあれば、そのついでにお越し頂けるかもしれないがな。」掠らせてみる。
「いや、披露目に呼ばれたら、殿下はそのついでに西都の帝居に行くんじゃないか。」ああ、やっぱタケクラは次ノ宮殿下の西都行きを知ってるな。
「ふむ。折角のタケクラさんのアドバイスだから検討してみるよ。」
俺とタケクラの視線がバチバチと絡み合う。タケクラも一連のやり取りから、俺が重要な極秘情報~次ノ宮殿下の西都行き~を手に入れていると察したかもしれんな。
「ところでこれか商都か?」話題を変えて来たな。
「いや、テンバに寄ってからだな。」
「そうか、気を付けてな。」タケクラが話を終わらせ、俺はギルマスルームを辞した。
これで東都の用事は終わり。次に流邏石でテンバに飛んだ。
「あ、若。お帰りなさいやし。」
「おう、大儀。」
俺はそのまま表座敷に直行した。叔父貴たちは的場で鍛錬しているとのことだったので、近習に呼びに行かせた。
表座敷の主の座にどっかと腰を下ろし、叔父貴たちを待つ。しばらくして叔父貴たちが表座敷に現れた。
「アタル、いきなりだな。」と二の叔父貴。
「叔父貴どのたち、留守居大儀。変わりはないか?」
「ないぞ。それよりアタルは随分と名を馳せているではないか。」と三の叔父貴。
「左様。われらも鼻が高いぞ。」と末の叔父貴。
「まぁ、嫁たちのお陰かな。それよりこれを。」
俺は、エン鏑とノワ鏑を出した。赤と紫の輝きに叔父貴たちが息を呑む。
「「「見事。」」」出た!お得意の3人ハモり。笑
俺は、表座敷から庭に向かって、抑えた炎撃矢と風撃矢を披露した。
「「「おお~、素晴らしい!」」」またハモった。笑
「で、アタルひとりか?」と二の叔父貴。
「ああ。皆は今、北斗号で商都に向かっている。今日中に商都入りできるので、俺だけ別行動で、次ノ宮殿下に拝謁しに東都へ行って来た。これから商都へ戻って、皆と合流する。」
「なるほどな。その後はオミョシ分家との婚姻同盟締結の披露目だな。」と三の叔父貴。
「此度は西本店の店長に、披露目の仕切りを任せているそうではないか。」と末の叔父貴。
「うむ。で、そこに次ノ宮殿下を呼ぶことにした。」俺はシレっと告げた。
「「「なんと!」」」またまたハモった。笑
「もう、殿下の内諾は得ている。」
「わざわざ商都までお越し頂くのは畏れ多いのではないか?」と二の叔父貴。まあそれが妥当な感覚だわな。
「いや、殿下は西都に行くご予定があってな、披露目へのご参加はその目的を隠すのにちょうど打って付けなのだ。」
「はて、何のご予定か?この時期の西都には、特に祭祀などの行事はないと思うが…?」
「叔父貴どのたち、近う。…もそっと近う。」声を潜めてそう言うと、叔父貴たちが俺に寄り、3人の叔父貴どのと俺で顔を付き合せることになった。俺は3人の叔父貴たちを見回す。
「これは極秘事項ぞ。次ノ宮殿下の西都行きは遷都の下準備よ。」
「「「なんだとー!」」」また×3ハモった。笑
「叔父貴どのたち、声がでかい。」
「「「すまぬ。」」」また×4ハモった。笑
「陛下のご体調が優れず陛下から帝太子殿下に譲位のご相談があってな、次ノ宮殿下が、帝太子殿下から御代替わりの際の遷都の下準備を仰せつかったのだ。」
「アタルよ、そなたはなんでそのような極秘情報を知っておる?」二の叔父貴の疑問は当然だな。
「そうよ、その極秘情報は誰から聞いたのだ?そもそも情報源は確かな筋なのか?」三の叔父貴の心配もその通りだ。しかし、
「さっき、次ノ宮殿下御本人から直接伺ったんだよ。」
「「「なんと!」」」また×5ハモった。笑
「だから、披露目に招待したんだ。」
「なるほど、それでご承知なされた訳か。」末の叔父貴がすぐに納得した。
「その通り。でな、次ノ宮殿下の西都行きには大々的に武家から護衛を付ける。もちろん衛士が護衛の任に就くだろうが、帝居の守備もあるゆえ、そうそう大人数は割けまい。だからわれらが同盟を活用するのだ。そして御座船を山髙屋に都合させる。」
「大掛かりだな。」と二の叔父貴。
「ああ、次ノ宮殿下が参られるのだからな。そうなって来ると、キノベのトウラクとタテベのシルドにも声を掛けることになる。次ノ宮殿下の護衛だからな。」
「そうするとトノベとヤクシはどうするのだ?どちらも世継は決まってないし、嫡男のカナタもクリスも幼いぞ。」と三の叔父貴。
「かと言ってタテベとキノベが世継なのに、トノベとヤクシは当主が顔を出すと言うのもなぁ。アタル、何かいい手立てはないか?」末の叔父貴。
「伯母御ふたりをカナタとクリスの後見に就ければよい。」
「え?姉貴たちをか?」と二の叔父貴。
「何をしでかすか分からんぞ。」と三の叔父貴。
「次ノ宮殿下に粗相をしたら取り返しがつかん。」と末の叔父貴。
叔父貴たち全員顔をしかめた。明らかに不同意な顔だ。余程普段から伯母御ふたりを持て余していると見える。笑
「あのふたりは、上と見た者には従順だし外面もよくするから大丈夫だ。」
「わしらには無理難題を吹っ掛けて来るが…。」二の叔父貴、それを聞くか?その答は分かってるよな?俺にその答を言わすのか?
「叔父貴どのたちは下に見られておるゆえなぁ。」
「「「…。」」」そう悲しそうな顔をするなよ。苦笑
「では後のこと、よろしく頼む。」
これで切り上げて、俺は商都へ飛んだ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/10/16
更新は月水金の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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