射手の統領

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射手の統領118 西の島の金剛鏑

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№118 西の島の金剛鏑

 鰹節の極上品本枯節と、上物のリッチリ昆布をクラキザで大量に仕入れた俺たちは、昼前にクラキザを発って、南の海を馬手側に見ながら、三の島南岸西の半島であるマサツ半島の南端の海岸線を、ひたすら東に進んでいた。

 この南の海の先には、外海とつみを南南西に向かって島々が点在していると言う。アマダイ島、ノリコレ島、ラブチュ島、ミチョ島、リュキュ島のアマナワ群島だ。リュキュ島は、外洋の島々の中心である。リュキュ島のさらに南西の先には、コミヤ島、シガッキ島、ニシピョン島、マショナミ島、ナグニョ島のヤエミヤ群島がある。
 これらの島々は、外海航路で結ばれており、カゴンマを起点にリュキュ島まで順に結ぶのがアマナワ航路で、リュキュ島からナグニョ島までを結ぶのがヤエミヤ航路である。
 これらの島々とは別に、三の島のすぐ南にはシュシ島とクヤ島があり、これらは短距離の渡し航路でカゴンマと繋がれている。

 夕刻になってビュドヤに着いた俺たちは、北斗号を山髙屋ビュドヤ支店に預けて、砂風呂近くの温泉宿を取った。
 部屋は、デラックスダブルと6人部屋である。そう、デラックスダブルと言うことは、今宵もむふふなのだ!
 今夜の輪番のアキナを、ここんとこマイブームのじっくりねっとりで攻略してやる。一昨日は、じっくりねっとりで乱れるタヅナに暴走されて、危うく犯されそうになったけどな。苦笑

 さて、砂風呂は明朝ってことにして、今宵はビュドヤの温泉に浸かる。ビュドヤの温泉は海の目の前と言うこともあり、単純食塩泉である。単純食塩泉はポカポカで保温効果に優れる。
 つ、ま、りっ!
 湯上りの嫁たちが、保温効果のせいで、浴衣を着崩して艶めかしさMAXのはずなのである。団扇なんかではだけた胸元を扇ごうものなら、俺の理性はぶっ飛ぶからね。爆

 まぁそうだよね…。
 現実は違うんだよね…。
 どーせ俺の妄想でしたよっ!
 湯上りの嫁たちは、浴衣でもネグリジェでもありませんでした。大泣

 温泉宿の料理は、ま、典型的な温泉宿のそれでして、いと美味しゅうございました。(-人-)

 夕餉を堪能して部屋に戻ると、今宵の輪番は眼鏡プレイのアキナだ。
 最近のマイブームのじっくりねっとりを頼んだら、なぜか三つ編みをして、黒縁の眼鏡を掛けたではないか。攻められ系ドMの地味女子モードと見た。笑
 その夜、俺の繰り出すじっくりねっとり攻めに対して、なすがままを貫くアキナなのだった。まるで初陣じゃん。実にいい。新鮮だ!
 ああ、専務。例のアレ、早く完成させてくれぃ。

 翌朝、俺たちは砂風呂に行った。正確には砂蒸し風呂と言うそうだ。
 砂風呂は浴室から直接出ることができる砂浜にあり、浴衣に着替えて、首にタオルを巻き、係の人がスコップで掘った穴に、仰向けに寝転ぶと、係の人が砂を掛けてくれた。
 砂の重みは、重いと言う程のものではない。熱くはなく、ほんわかと暖かい程度だ。ぶっちゃけ、この程度で汗出るのかよ。と最初は思った。しかしじわじわと来るのである。決して熱くはないし、暑くもないのだが、じわじわと心地よい汗が額から流れ落ちる。これはいい。
 初心者は10分ぐらいがいいよ。と言われたのだが、俺は心地よくて15分くらい寝ていた。時間が経って起き上がると、浴衣は汗でびっしょりだった。
 浴室に戻る際に浴衣を返して、浴室の湯船に入ると、食塩泉が非常に心地よかった。

 朝の砂風呂を堪能した俺たちは、10時頃、ビュドヤを発ち、そのまま海岸沿いを北北西に進んだ。馬手側のカゴンマ湾の1時の方向遠くに、湾からそびえ立つ立派な山が見える。その山は、山頂からゆったりと煙を上げている。
 間違いない。あれがサクラの火山島だ。実に雄大な眺めだ。

 ビュドヤを発つのが遅めだったので昼餉も遅くなったが、レーキ浜で昼餉休憩を取った。
 浜から海に雷撃矢を撃ち込むと、地魚が何匹も浮いて来た。それらを救い取って、食べられるものを選別し、鍋にぶち込んで地魚の潮汁を作った。この潮汁を焚きたての飯にぶっ掛けて頂くのである。野趣味溢れ、とても旨かった。

 そして夕刻にはとうとうカゴンマの港町に着いた。
 キノベ陸運カゴンマ営業所に北斗号を預け、近くの宿屋を取った。今宵は嫁会議の日なので、嫁たちは大部屋、おれはシングルでボッチである。
 宿屋で部屋を確保すると、そのままカゴンマの港町へ夕餉を摂りに行くことになった。

 さて、今宵の俺には、絶対に譲れない一線がある。
 夕餉は鰻一択だ!もし嫁たちが反対するなら、俺はひとりでも鰻を食いに行く。カゴンマ周辺はママツに次ぐ、鰻の産地なのだ。
 俺は今、「夕餉は鰻で。」と、切り出すタイミングを計っている。
 ソッコーで提案して先制攻撃を仕掛けるべきか、あるいは他の意見が出揃ってから最後に鰻を主張して逆転を勝ち取る戦法に行くべきか迷う。勝算が高そうなのは…、うーん。

「夕餉はぁ、何を食べますぅ?」とタヅナが切り出して来た。さぁ、いよいよ戦闘開始のゴングが鳴ったぞ。皆をどうやって説得するかだ。
「「鰻!」」即答でキョウちゃんズがハモった。…え?
「賛成…。サヤ…?」サジ姉が賛成してサヤ姉に振った。マジか?
「そうね、私も鰻が食べたいかな。」サヤ姉も賛成した。他の皆も頷いてあっさり鰻に決まった。
 俺が、説得のための戦略を練ってたのって、いったいなんだったんだろ?ま、結果オーライだからいいけどさ。

 カゴンマでも人気の鰻屋に入り、皆で鰻丼を注文した。カゴンマの鰻丼には、飯、鰻、飯、鰻の二段重ねがある。
 ちなみにこの店の鰻重は、鰻と飯が別盛だそうだ。鰻丼と鰻重の違いは店によって異なる。
 ひとつは、この店のように、鰻丼が飯の上に鰻を乗っけた物で、鰻重は重箱に鰻を入れて飯は別盛と言う違いの店。もうひとつは、どちらも飯の上に鰻を乗っけてるが、丼を使ったのが鰻丼で、重箱を使ったのが鰻重と言う店。このタイプの店は鰻重の方が、乗ってる鰻がでかい。
 さて、うんちくを語っている間に、鰻丼が出て来た。
 大ぶりの丼に、はみ出そうな鰻の蒲焼が乗っている。適度に山椒を振り掛けてがぶりと身だけをひと口行く。カゴンマの蒲焼は、腹開きで蒸しの工程を入れない西の焼き方だから、身に歯応えがある。甘辛いたれとの相性もいい。次はたれの掛かった飯と一緒に頬張る。うん、飯がホクホクだ。さらにもうひと口行くと、飯の中から鰻が出て来た。二段重ねの一段目だ。鰻を発掘したようで、なんともお得感がある。実に旨い。やはり鰻にしてよかった。

 当然、キョウちゃんズはお代わりをした。ほんとによく食べる。キョウちゃんズは桁外れの気力量を維持するために、摂取した栄養のほとんどが使われていたせいで、出会ったばかりの頃は、13歳だと言うのに成長不良の幼児体型だった。
 ライたちにそのことを教わってから、キョウちゃんズは意識してよく食べるようになった。すると、成長にも栄養が回り出したせいか、間もなく初潮を迎え、成長モードに入って、背が伸び出して来たのだ。そう言えば最近また伸びたな。ついでに言うと、背も伸び出したが、体型的にも、幼児体型を卒業して少女体型になり、胸が少々膨らみ出して来ている。
 俺は、ロリは論外なので、ペッタンコの頃は見向きもしなかったが、膨らみ出して来てからは、ちょっと惹かれるようになって来ている。さらに言うと、俺は巨乳が苦手で小振りが好きなので、もう少しすればなかなかのストライクゾーンになると思うのだ。
 ちなみに大人嫁たちも皆小振りで、俺の好みにどストライクなのである。むふふのふ。

 その夜は嫁会議なので、俺は追い出されてボッチなのだった。ゆっくり眠れる。こう言う夜も悪くはない。
 そう言えばもう卯の月か。サヤ姉の誕生日がすぐだからエッチな下着を買って上げようっと。

 翌日、朝イチでカゴンマのギルドに行き、デミズの宿屋に登録していた流邏石を、俺の分も含めて全員分、カゴンマギルドに登録し直した。
 中に入って受付に行き、冒険者カードを提示して、ギルマスに取り次ぎを頼むと、受付嬢が眼を剥いて中にすっ飛んで行ったのはご愛敬だ。笑
 やはりSランクのプラチナカードは扱いが違う。俺たちは間もなくギルマスルームに通されていた。
「おいが、ギルマスのスケサスじゃ。」椅子に踏ん反り返って口髭をしごいている。左右にピンと跳ねて確かに立派な口髭だが、滑稽でもある。しかし、随分と偉そうな奴だな。なんか初対面なのに無礼じゃね?その態度にちょこっとだがイラっと来た。
「俺はアタル。順に、サヤ、サジ、ホサキ、サキョウ、ウキョウ、アキナ、タヅナだ。」
「わい、おなごばっか連れち、なんなん?」何だと?
「いや、皆、優秀だが?」
「ふん、おなごに何がでくっかよ。」この野郎。
「男尊女卑か。お前、ギルマスのくせに頭悪ぃな。サヤ姉、口髭半分。」

 チン。と音がした。サヤ姉が居合で一閃し、雷神の太刀を鞘に納めた音だ。
 右の口髭をしごいていた右手から、はらはらと口髭が落ちる。落ちた口髭を呆然と見つめるスケサス。
「な、な、な、なんしよったどかー?。」けけけ、ざ・ま・あ!
「どうだ?なかなかの腕前だろう?優秀か無能かに男も女もねぇんだよ。分かったか?」
 スケサス、お口パクパク酸欠金魚。笑
 しかし立派な口髭が半分しかなくなった。両方あっても笑えたが、片方だけになるとなお笑える。俺は笑い飛ばしたいところを何とか堪えて、
「本題だがな、俺たちは金剛鏑を貰い受けに来た。キューシでは『龍ば封ずっ石』とか『龍神石』って言ってたな。サクラの火山島の祠にあると聞いたが?」

「キューシじゃと?」ギルマスのスケサスがなぜか食い付いたので、俺はキューシの村長から貰った紹介状を見せた。食い入るように読むスケサス。

「こいは…。こいは何ともキューシが世話になったんじゃな。キューシはおいの在所で、こん紹介状ば書いた村長はおいの従兄弟じゃ。アタルどんは、爺さんが木ばぁ、救うちくいたんじゃね。」アタルどん?何それ?食中毒丼?苦笑
「救ったって程、大袈裟なでもないがな。廻船でクラキザに入港する前に山火事が見えてな、船員がキューシの辺りだって教えてくれたから、入港と同時に消火の助っ人に行ったんだよ。あれは放っといたらやばそうだったんでな。」
「そりゃすまんのう。こん通りじゃ。」と言って頭を下げるスケサス。
「クラキザに入港して、俺たちのパーティの馬車の1頭に乗って先駆けして、まぁなんとか山火事を消火した訳だ。」
「どうやって消したんじゃ?こん紹介状には、アタルどんが消火にえろう活躍したち書いちょるんじゃが、どぎゃんしたかまでは書いちないんじゃ。」
「水を司る神龍と、冷気を司る神龍の力を借りたんだよ。」
「なんじゃと!アタルどんは龍神の力ば、使ゆっとな?」龍神じゃなくて神龍だけどな。

 俺はライ鏑、ウズ鏑、シン鏑、レイ鏑、エン鏑を出してスケサスに見せた。ライたちが鏑内で神龍の形を取ると、スケサスは、
「龍神様じゃ。」と言って固まってしまった。しつこいようだが、龍神じゃなくて神龍だけどな。
 すると、ライたちからスケサスへの叱責が飛んだ。
『たわけが!今どき男尊女卑とは、そなた、頭の中にウジが湧いておるのではないか?』湧いてるよ、きっと。考え方が古すぎるもんな。
『アタルが嫁は皆、一角の冒険者よ。見くびるでないぞ。真の実力に男も女もないと言うことを知らんか?この大バカ者が!』その通ーりっ!
『口髭半分で済んでよかったではないか。サヤが本気を出していたら、お前の首など、そこらに転がっておるわ。』いや、本気の1/10でもそうなってるね。
『そなた、アタルに借りができたぞ。少し前のアタルなら、この建物など、すでにないわ。』おい、待てコラ。俺はどんな無法者だっつーの!
 わなわなと震えたスケサスは、
「おいが考え違いでごわした。」と言ったかと思うと、見事な土下座ダイブを敢行して這い蹲った。なる程なー、この変わり身の速さがこいつの処世術か。笑

「で、金剛鏑は?」
「サクラの火山島の、南側の8合目の神社の祠にありもす。持ってってくいやんせ。今すぐ、譲り状を書きもす。」
 スケサスは執務机でさらさらと譲り状を書き、
「でけた。こいば神主に渡してくいやんせ。」
「おう、すまんな。」
「なんの。」と言ってまた、右手で右の口髭をしごこうとしたスケサスであったが、右半分の口髭はすでにない。スカッと空振りして何とも切なそうな顔をした。
 流石に笑う訳には行かず、俺は下を向いて必死に笑いを堪えたのだった。

 サクラの火山島は、三の島の南岸のふたつの半島に挟まれたカゴンマ湾のど真ん中にどんと鎮座している。実はサクラの火山島の東は、東の半島であるオーミス半島と陸続きになっている。数十年前の大噴火のせいでオーミス半島と繋がったのだが、昔は完全な島だったそうだ。
 カゴンマ湾の西岸にあるカゴンマとは、カゴンマ湾で隔てられているが、渡し船で往来できる。この渡し船は、馬車も乗せられる大型のものだ。

 渡し船でサクラの火山島に渡り、金剛鏑を受け取ったら、そのまま三の島の東岸を北上しようと言うことになったので、キノベ陸運カゴンマ営業所で北斗号を受け取った後、山髙屋カゴンマ支店に行って、いろいろと品物を物色した。
 俺が気に入ったのは、マサツ切子と言うガラス製品だ。色ガラスを重ねて作ったグラスに切り込みを入れ、何とも美しいグラデーションを出している。ぐい呑みやら花瓶やら、いろいろなガラス製品を仕入れた。
 それから目を引いたのが、三の島の南南西の群島のアマダイ島で作られているアマダイ紬と言う織布。幾何学的に繰り返される柄は草花を図案化したもので、女性柄と男性柄がある。絹糸を泥染めして、精巧に織り込んだもので、30もの工程を経て1年近く掛けて手織りで織り上げる、非常な手間と時間を要する逸品だ。値段もべら棒に高い。
 商都西本店の専務が気に入りそうなので、高価だが仕入れることにした。

 その後、もうすぐ誕生日のサヤ姉に、皆でプレゼントを買った。俺が買ったのは嫁たちへのプレゼントの定番、ムフフでゴージャスなランジェリーである。サヤ姉の誕生日にはこれで…♪

 最後は芋焼酎。カゴンマに来たらこれは絶対に外せない。種類が多いので、試飲して旨いのを選んだのだが、当然の如く俺はへべれけになってしまった。もっともこうなる展開を予想したからこそ、芋焼酎の仕入は最後にしたのだがな。
 酔い覚ましに、カゴンマ名物のかき氷、通称白熊を食った。練乳、アズキ、いろいろなフルーツをふんだんにトッピングした豪勢なかき氷である。チョコ風味、抹茶風味、イチゴ風味などのバリエーションも豊富だ。

 さて、山髙屋カゴンマ支店での買い物ですっかり時間を取られたが、昼過ぎには大型の渡し船で、北斗号共々カゴンマからサクラの火山島に渡った。乗船時間はほんの15分程度。そのまんま北斗号で、南側8合目の神社を目指したが、5合目辺りで日暮れを迎えたそうで、そこで野営することになっていた。
 と言うのも、俺はと言うと、皆には申し訳ないのだけれども、芋焼酎の仕入の際の試飲ですっかり酔っ払っていたので、渡し船の中から北斗号の中で爆睡してしまったのだ。いや、マジで面目ない。汗

 夕餉の準備のいい香りで目が覚めたのだが、夕餉はいつも通りの鍋でね。冷凍させて肉とカゴンマで補給した新鮮な野菜をぶつ切りにしてぶち込んで煮込んで、味付けはシンプルな塩胡椒。後はそれぞれがお好みで、様々な調味料を入れればいい訳だ。俺は最近すっかりはまっている、宰府で仕入れた柚子胡椒。このピリ辛具合が何とも言えねぇ。

 夕餉を堪能した後、夜はふたりひと組で見張りをしたのだが、何事もなく夜が明けた。正面に見えるサクラの火山島の山頂からは、煙が立ち上っている。

 そしてサクラの火山島の南側の8合目にある、金剛鏑を祀る祠がある神社に行き、カゴンマギルドのギルマスのスケサスから貰った譲り状を見せた。
 すると、この神社の神主が金剛鏑を三宝に乗せて捧げ持ち、神官やら巫女やらをぞろぞろ連れて出て来た。
 俺の前で一礼すると、神主は、金剛鏑のを乗せた三宝を俺の前に置いて、厳かに言った。
「お改めくいやんせ。」
「おう。」俺が無造作に金剛鏑を鷲掴みにすると、神官たちや巫女たちは、
「「「「「ひぃっ。」」」」」と、悲鳴のような声を上げた。ん?金剛鏑って、ただの道具に過ぎないよね。
「確かに受け取った。」と言って、俺は無造作に懐にしまったのだが、神官たちや巫女たちは、
「「「「「あわわわわ。」」」」」と焦っている。繰り返しになるけど、金剛鏑ってただの道具に過ぎないよね。
 俺はお礼に、ライ鏑、ウズ鏑、シン鏑、レイ鏑、エン鏑を出して見せてやった。
 神主も含めて、神官たちや巫女たちは、這い蹲って拝み出したので、なんか俺が拝まれているようで居心地が微妙に悪い。ちょっと和ませようと思って、
「皆の者、苦しゅうない。面を上げよ。」と言ったら、
「「「「「ははー。」」」」」と言われてしまったので、思いっ切りど滑ったことを悟り、赤面してしまった。この後数日間は、これをネタに嫁たちから散々弄りまくられることになる。泣

 無事、金剛鏑を手に入れた俺たちは、そのまま東に向かってサクラの火山島を下山し、サクラの火山島と陸続きになっている三の島の南岸のオーミス半島へと出たのだった。
 その後、三の島の南岸のオーミス半島の西岸を、カゴンマ湾を弓手側に見ながら、海岸線に沿って北上した。すると間もなく、グメオーリの漁村が見えて来た。

 まだ昼過ぎで少し早い気もするが、昨日から今日に掛けてサクラの火山島を越えて来た馬たちを休ませてやりたいから、今日はこのグメオーリの漁村で野営することにしよう。

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設定を更新しました。R4/9/18

更新は月水金の週3日ペースを予定しています。

2作品同時発表です。
「精霊の加護」も、合わせてよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/121143041/836586739

カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
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